度々同じことを書いていますが、長谷川先生を除いて大半の方を取り上げたと思って
います。それでも洩らした人は居ないか心配のタネです。今回は洩らしていたと思う一
人、夏目俊二さん。彼は神戸の出身で、地元劇団を立ち上げるほどの演劇マニアでし
たが、昭和30年(1955)に彼の評判を聞きつけた大映にスカウトされて入社、早速その
年に製作された「藤十郎の恋」がデビュー作となりました。
3本目に出演した「新・平家物語」では鳥羽上皇役を演じましたが、これが実によく似合う
俳優だと内外に評判となったのです。
しかしこれが良かったのか悪かったのか、私も言い切ることは出来ませんが、会社として
の配役で彼の役柄が非常に狭められたことは否めません。このことを一番悩んでいたの
は会社より本人だと思いますが、大映在籍は3年間で終わりを告げました。それでも大映
では先述の2本のほか「お父さんはお人好し」「俺は藤吉郎「虚無僧変化」」「花頭巾」「花
の渡り鳥」「銭形平次捕物控シリーズ」「夜の河」「朱雀門」「源氏物語浮舟」「刃傷未遂」な
ど30本に近い作品に出演しています。
大映退社後は東宝に出演していましたが、あまり生かされていたとは思えません。しかし
時期的にテレビが盛んになり、テレビドラマで時代劇から現代劇まで幅広く活躍しました。
更に昭和45年(1970)には舞台への夢が忘れられず、劇団神戸を結成し、国内外の戯曲
を定期公演していたそうです。そんな彼も平成26年(2014)肝臓癌のため88歳で亡くなっ
ています。
ご無沙汰しております。
テレビが白黒の時代に「16文からす堂」、という番組に主演されていましたね。毎週はみせてもらえませんでしたが(野球中継があるとダメだったような記憶があるのですが)
成田純一郎さんが「ポンポン大将」というNHKの番組に出ておられた頃と一緒か前後していたかと思います。
中村竹弥さんも「風流あばれ奉行」に出ていらしたり…… 映画館に行けない頃の大人の時代劇だったような記憶があります。
現在では製作しにくくなっていますが、時代劇ってやっぱり面白いし、いいですねー。
教えていただき有難うございます。早速購入したいと思います。
夏目さんと関係のない話で恐縮ですが、映画秘宝の表紙を見て思い出しました、「大映グラフ」というのは社内報でしたでしょうか、それともノベルティでしたでしょうか。とにかく、中島様は現物をお持ちではないでしょうか。あれば、ぜひこのブログにアップして見せていただければ、なんて思います。毎週貴重なスチールやスナップを見せていただくだけでも贅沢なのに、厚かましいお願いで申し訳ありません。
それから上の「64」に関してですが、昭和という時代は元年が1週間、最後の64年も1週間だったわけですね。実質的には62年と2週間が昭和の期間だったということに思い至りました。この期間に一体何本の映画が撮られ、私はそのうち何本見ているのか、なんて珍しく感慨深くなりました。
「大映グラフ」は、当時の映画館やコアなファンにお届けしていたパンフです。
私も大映後しばらく各作品のスチールやプレスなどと一緒に保管していたのですが、
数度の引っ越しで全て破棄してしまいました。いま思えばとても惜しい気がします。
時代劇での高貴な人物が、この人ほど似合う俳優さんはいなかったと
言われています。
とても仕事に熱心な人でしたが・・・。