

「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」では幽霊犬ゼロを、そして「アリス・
イン・ワンダーランド」ではホネ犬スクラップスという奇妙で愛らしい犬た
ちを作り出してきたティム・バートン監督が、1984年のまだ無名時代に、
彼自身の少年時代を思い出しながら製作した同名の短編ストップモー
ションアニメを、3Dモノクロで長編化したのが本作です。
科学と映画作りが大好きな10歳の少年ヴィクターは、いつも一緒にいた
愛犬スパーキーを交通事故で亡くしてしまいます。
悲しみに暮れるヴィクターでしたが、カエルの死体に電気を流すと脚が
動く学校での実験にヒントを得て、落雷の力を利用しスパーキーをよみ
がえらせることに成功。しかし、死んだはずのスパーキーの存在が周囲
に知れてしまったことから、次第に大きな騒動になって行きます・・・。
この作品について、見た人の感想を聞きますと、賛否両論が大きく分か
れています。
どんな作品も好き嫌いがあって然りで、どちらに肩を持つつもりはありま
せんが、私はいくつかの不満はあるものの、とても面白いと思って見ま
した。
ストップモーションで撮影すると、大変な時間と労力を要する手法で、この
作品は2年もかかったそうですが、ティム・バートンはそれだけ意欲的だっ
たのでしょう、そこら辺りが判る出来ばえです。
否定的な意見は、ディズニーらしくないとか、墓から死体を取り出すとか、
死者が蘇生するするなんてとか、ネコのウ○チが出てきて汚らしいとか、
ラストが良くないとか色々言っています。でももう少し巾の広い視野でこ
の映画を見たらどうですかと申し上げたいです。
カラーで当然なのになぜモノクロなのかも判らないし、汚い場面を無理に
描く必要は無いなど私的に思うものの、全体の構成が実にしっかりしてい
て纏まりがいいこと、最初は少し不気味で変な人物像だし、死の世界から
蘇った犬は交通事故の傷を隠すためツギハギだらけで、首からボルトが飛
び出している姿などに馴染めなかったのですが、段々馴れてきて途中から
全く異質に感じなくなりました。
更にハリウッドの羨望というか、むしろ嫉妬とも言える「キティちゃん」や
「ガメラ」の登場も、これまた楽しく笑いながら見ましたよ。私からはお薦め
の一本です。
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