江波杏子さんの訃報は、10月30日に私の妻が亡くなり、通夜や告別式の最中に飛び
込んできました。歳をとっても益々盛んな彼女の仕事ぶりをみていただけに訃報にはと
ても驚きました。遅まきながら私なりの彼女の思い出を少しばかり述べます。
大映では個性的な役柄がらながら、主演作品はなかった彼女でしたが、若尾文子がや
るはずだった「女賭博師」が、色々な事情で彼女に回り、一躍脚光を浴びることになりま
した。
大映の関係者の中でも、彼女は変わった子だという人も居りますが、私は撮影所でもよ
く会っていて、旅も一緒にしたし、キャンペーンなども幾度となくやりましたが、私は物事
をはっきり言う活発な人という印象が強いです。
映画の中での演技も本数を重ねるごとに上手くなって行ったし、大映末期に九州のキャ
バレーに「女賭博師ショー」で彼女が舞台でスッテンコロリと転んだ時も、顔色一つ変え
ずに演じ切ったのを目前に見て、彼女の根性に感動したのも思い出の一つになりました。
晩年も映画にテレビに最後の最後まで頑張り活躍したことを大いに褒めてあげたいと思
います。(最初の写真は福岡市の那珂川河畔で私が撮ったものです)
江波杏子さん、どうかゆっくりお休みください。合掌