
私が大映に入った経緯は、拙著「スタアのいた季節/わが青春の大映回顧録」にも書きましたので今回は省略しますが、入社前にうろうろしていた私を激励し、親切にしてくれた恩人の一人について書きます。
その方の名は「橘薫」さん。古い宝塚歌劇ファンならご存知の大スターです。橘さんからはいつも激励されるだけではなく、彼女が住んでいた世田谷のお家に呼ばれて食事を御馳走になったり、ガールフレンドを紹介してくれたりしましたが、紹介された方の中には若き日の旭輝子さん(写真 ↓ 印、神田正輝さんのお母さん)もいて懐かしい思い出です。
橘薫さんは大正14年に宝塚に入り、戦前には三浦時子とエッチン・タッチンのコンビで大人気のスターでした。戦後はシャンソンの草分けとして舞台を中心に活躍、越路吹雪、高英男、石井好子、美輪明宏らに大きな影響を与えた人でもあるのです。

