落葉松亭日記

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「戦勝国組合=国連」安保理

2012年02月07日 | 政治・外交
ジャスミン革命が飛び火したシリアで数千人の虐殺が起きている。
国連安保理でシリア・アサド政権に対する決議案が、中露の拒否権で否決された。
中共もロシアも商売がかかっている。
200ヶ国近い国々が参加する国連は、今以て常任理事国という戦勝国5ヶ国に牛耳られ、拒否権とやらで自国の利益を優先し平和を脅かす。
機能しない国連などいらないのでは。
日本の国連運営分担金は米に次ぐ16.6%であるが発言力はない。中共は滞納さえしている。
対シリア決議案否決 露、利益圏介入を拒絶 中国は投資先保護 2012年2月6日(月)08:00
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/world/snk20120206071.html

 国連安全保障理事会で4日、市民らへの武力弾圧が続くシリアに対する決議案が中露両国の拒否権行使で廃案に追い込まれた。安保理の機能不全を露呈した形となり、シリアのアサド政権が弾圧を強める恐れもある。ロシアが同政権を支える理由は何なのか。
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 ロシアが昨年10月に続いて国連安保理での対シリア非難決議案に拒否権を行使したのは、中東地域の主要友好国にして武器輸出先であるシリアをアサド政権崩壊という形で喪失するわけにいかないと考えているためだ。これは、ロシアが利益圏と考える国や地域の情勢に欧米諸国が介入することを許さないとの意思表示であり、欧米との関係悪化は必至だ。
 旧ソ連時代から友好関係を維持しているシリアは、中東地域で最大のロシア製武器購入国であり、旧ソ連圏を除いて唯一の露海軍基地を西部タルトゥースに擁する“橋頭堡(きょうとうほ)”でもある。
 専門家らはシリアへの武器輸出が不可能になった場合にはロシアの損失が50億ドル(約3827億円)にのぼると推計しており、リビアのカダフィ政権崩壊で45億ドルが失われたのに続く打撃となる。
 ロシアは、欧米のリビア軍事介入に道を開いた昨年3月の安保理決議で煮え湯をのまされたと考えているため、シリアで同様のシナリオが繰り返されることへの警戒感が強い。
 7日にはラブロフ外相らがシリアを訪れることになっており、アサド政権に反対派との対話を促すなど独自の仲介外交を進めるとみられる。
 国際社会の非難を浴びてもアサド政権を擁護するロシアの姿勢は、3月の大統領選で当選が確実視される対欧米強硬派、プーチン首相の次期政権での外交路線を示唆してもいる。
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 一方、今回も拒否権行使でロシアと足並みをそろえた中国。安保理協議ではロシアの後ろに隠れて前面に出ようとしなかった。
 国営新華社通信によると、李保東国連大使は「安保理が分裂状態にある時に投票を強行することは、団結と安保理の権威の維持に役立たない」などと拒否権行使の理由を説明した。
 国内にチベット問題を抱える中国は、米欧による自国への干渉を嫌う手前、第三国に対する“内政干渉”には反対の立場を取るのが常だ。しかし、拒否権行使の根底にあるのは自国の利益保護に他ならない。
 中国はシリアに自国製品を大量に輸出。2009年の両国の貿易額は約22億ドルで、ほぼ全てが中国からの輸出とされる。また、中国は油田開発や工場建設に多額の投資をつぎ込んでいる。アサド政権の崩壊で、対リビア投資の二の舞いとなる事態はロシア同様、避けたい
のが本音である。
 ただ、中国商務省は今月1日、シリア情勢の深刻化を受けて、同国への投資にはリスクがあると勧告。企業関係者の渡航も一時中止を命じており、水面下でアサド政権崩壊後を見据えて動き始めているとの見方もある。(モスクワ 遠藤良介、北京 川越一)
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【用語解説】シリア騒乱
 2011年3月にシリア南部ダルアーで、アサド政権を批判する落書きをしたとして少年が拘束されたことへの抗議を機に、反政府デモが全国に拡大した。国連などは、これまでに治安機関や軍などの弾圧で少なくとも市民5600人が死亡、数万人が拘束されたとしている。
 同年秋以降は、離反兵らで作る反体制派武装組織「自由シリア軍」が武装闘争を展開。反体制派知識人らで構成される「シリア国民評議会」などとともに国際社会の介入を求めている。
 こうした中、アラブ連盟は今年1月、カタールやサウジアラビアの主導でアサド大統領からシャラ副大統領への権限移譲などを要求。国連安保理にも同調を求めていた。