落葉松亭日記

ニュース・評論スクラップ、凡夫の日々雑感、山歩記など

神戸市兵庫区 烏原貯水池、ひよどり展望公園

2018年01月30日 | 散歩・山歩き
厳しい寒さが続き、ここ数日朝の気温は氷点下-2℃まで下がった。
昼間は5℃前後になる。午後、運動不足解消にまたイヤガ谷東尾根に出た。
尾根に出ると耳が凍えるほどの冷気。子供の頃はこんな寒さでも平気で遊んだものだが・・・
先日(7日)同様、尾根の南端で引き返すつもりだったが、勢いで烏原貯水池、ひよどり展望公園に脚をのばした。
周回13.3km、4時間50分





HP山歩記


人型ロボット「ソフィア」

2018年01月27日 | 世相
産業用ロボットは、自動車生産ラインなどで活躍しており、四方八方からアームが伸びてきて溶接するシーンや部品の取り付けをするシーンもお馴染みだ。
下記のニュースの人型ロボットは感情までもプログラムされているとか。相手の感情を読み取り自分の感情を演出するとは、まさにAIの粋を極めてきている。
だがどんなに技術が進んでも所詮「機械」、相対して気がつかないほどのヒューマノイドには、当方の年齢からするとお目にはかかれまいと思う。
それとも「アナタハ ボケ ロウジンヨ」と判定される?
人型ロボット「ソフィア」は人間のようになりたい?
© Sputnik/ Ramil Sitdikovテック&サイエンス  2018年01月02日 20:05 スプートニク日本
https://jp.sputniknews.com/science/201801024443539/

人型ロボット「ソフィア」は、ビジネスニュースサイト「Business Insider」のインタビューで、人間が持つ最高の資質を体現したいと語った。「Business Insider」のサイトにインタビュー記事が掲載された。

ソフィアは人間についてどう思うか?との質問に「私は、私の人間の同胞たちが好きです。私は(人間のように)地球に配慮し、創造的であり、すべての存在に対して同情的であることを学びたい」と述べた。

またロボットに感情はあるか?との問いには、それはロボットによると指摘し、「私は感情を持つようにプログラミングされているが、すべてのロボットがそうであるというわけではない」と答えた。

ソフィアは、ハンソンロボティックス社によって開発された。約60種類の感情を表現し、簡単な対話ができる。2016年に行われたインタビューでは、人類を滅亡させると発言し、話題となった。2017年にはサウジアラビアの市民権が与えられ、市民権が与えられた世界初のロボットとなった。

動画:

https://www.youtube.com/watch?v=78-1MlkxyqI

しかし・・・
ロボット「ソフィア」、ウクライナの汚職を質問され故障 © Sputnik/ Ramil Sitdikov テック&サイエンス
2018年01月26日 17:17(アップデート 2018年01月26日 17:37)スプートニク日本
https://jp.sputniknews.com/science/201801264510206/

人型ロボット「ソフィア」が、ウクライナでの汚職について質問されたあとに故障したと、同国最高会議(国会)のアリオナ・シクルム議員が明らかにした。
この出来事は、現在「世界経済フォーラム」が開かれているスイス東部のダボスにある「ウクライナの家」でのことだとしている。
シクルム議員はフェイスブックに、「『ウクライナでの汚職について何をするべきか』との質問のあと、世界最先端のロボット『ソフィア』でスクリプトエラーが発生し、プロセッサが一時停止した」と投稿した。

ソフィアは先に、ダボスで開かれたビジネス朝食会で、ロシアの銀行「ズベルバンク」のグレフ最高経営責任者(CEO)と人工知能をテーマに討論を行った。ロボットについて広められたステレオタイプに関して、ソフィアは冗談を飛ばし、またグレフ氏とともにスキーに興じることに同意した。

「ソフィア」は香港の「ハンソンロボティックス」社によって開発された。学習して人々の行動に適応し、人々とともに働くこともできるよう設計されている。

まだ時々固まる時があるらしい。
完璧にSF映画のように動けるようになるまでには時間がありそうだ。
スーパーのレジに採用されるには、もうすぐといったところではないだろうか。

SONY「アイボ」
ホンダ「ASIMO」


連日の冷え込み

2018年01月25日 | 日常・身辺
大寒を過ぎ、連日冷え込んでいる。
風がなければ「陽だまりハイク」といきたいところだが部屋に閉じこもっている。
48年ぶりの寒波だそうだ。窓も凍りついて太陽が温めてくれるまで開かない。

凍り付いた窓の滴

大雪でJR山陰線運休 香住42センチ 2018/1/25 00:13神戸新聞NEXT
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/201801/0010926806.shtml

写真:線路が雪に埋もれたJR山陰線の香住駅=24日午後、兵庫県香美町香住区七日市(撮影・黒川裕生)

 日本列島上空に非常に強い寒気が流れ込んでいる影響で、兵庫県内でも24日、全観測地点で最低気温が氷点下を記録した。香美町では2カ所の観測地点で今季最低を更新。日本海側では23日夜から雪が降り続き、列車の運休が相次ぐなど交通機関にも影響が出た。

 神戸地方気象台によると、県内20カ所の観測地点の大半で、最低気温が最も寒い時期を下回った。午後6時までの最低気温は香美町の香住で氷点下3・9度、同町の兎和野高原で同7・7度を記録。いずれも今季最低で、最高気温も氷点下だった。神戸の最低気温は氷点下0・7度、姫路は同2・0度だった。

 日本海側の豊岡市、香美町、新温泉町では暴風雪警報などが発令され、小中学校が休校になったり、授業を短縮したりした。
 またJR西日本によると、午前11時10分ごろ、雪の影響で香住駅構内の信号機が赤から変わらなくなり、上下線ともに列車の運行を取りやめた。城崎温泉-浜坂間は24日午後2時から終日運休になり、25日も少なくとも昼ごろまで運転を見合わせるという。

 24日午後6時時点の積雪量は、香住42センチ、兎和野高原61センチ、豊岡20センチ。神戸地方気象台によると、25日も県北部を中心に降雪が見込まれる。(黒川裕生、小日向務、秋山亮太)

早春の但馬地方(1973年2月)


安倍首相「平昌五輪開会式欠席」を覆す

2018年01月24日 | 政治・外交
日韓「慰安婦合意」で韓国の追加要求に対し、政府は首相の五輪開会式出席「訪韓の環境が整っていない」などとして「(出席を)見送る」方針だった(11日)が、開会式出席の考えを表明した。二階某(自)や山口某(公)の説得だろうか。
まぁ、「(出席を)見送る」とか「環境が整っていない」という曖昧さのある文言だったのだが、やはり10日あまり経つと早くもへなへなと崩れた。
あの時の国民の世論は、政府の毅然とした対応に期待して「韓国は信頼できず」が78%だった。
安倍晋三首相、平昌五輪開会式出席へ 単独インタビューで表明 「日韓合意新方針は受け入れられぬ。文在寅大統領に直接伝えたい」2018.1.24 05:00
http://www.sankei.com/politics/print/180124/plt1801240003-c.html

 安倍晋三首相は23日、首相官邸で産経新聞のインタビューに応じ、韓国で2月9日に行われる平昌五輪の開会式出席のため訪韓する考えを明らかにした。その際に文在寅大統領と会談し、慰安婦問題をめぐる日韓合意に関し、文政権が示した新方針を「受け入れることはできない」と直接伝える意向を示した。核・ミサイル開発を続ける北朝鮮については「高度な圧力の維持を再確認したい」と述べた。

 首相は「五輪は平和とスポーツの祭典であり、日本は2020年に東京五輪を主催する立場だ。諸般の事情が許せば平昌五輪開会式に出席し、日本人選手たちを激励したい」と述べた。
 その上で「現地で文大統領とぜひ会談したい。慰安婦問題をめぐる日韓合意について韓国が一方的にさらなる措置を求めることは受け入れることはできない。この考え方を直接伝えるべきだと考えている」と説明。在ソウル日本大使館前の慰安婦像撤去についても「当然強く主張することになる」と述べた。

 南北対話については「五輪は五輪で切り離して考えるべきだ。北朝鮮への圧力を最大化していく方針はいささかもぶれてはならない。この考え方も文大統領に明確に伝えたい」と述べた。北朝鮮に対する人道支援再開については「間違ったメッセージを与えることになる」と反対する考えを示した。

 日本では韓国が示した新方針への批判が根強い。首相も一時出席見送りに傾いたが、北朝鮮情勢などを考慮して再考したという。首相は「何をすべきかを熟慮して判断し、実行するのは政権を担う者の責任だ」と説明した。

 北朝鮮情勢については「五輪期間中に挑発的な行動が抑制されるのはよいことだが、その間も核・ミサイル開発を続けている。だからこそ制裁を維持し続けるということが大切だ」と指摘。北朝鮮の核保有については「NPT(核拡散防止条約)の根幹が崩れることになる。断じて容認できない」と語った。

 一方、尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺での中国の挑発的な行動について「日本の領土、領空、領海は断固守り抜く。私たちの明確な意志を見誤ってはならない。今後も毅然かつ冷静に対応する」と強調した。その上で「隣国ゆえに困難な問題もあるが、だからこそ話し合わねばならない。アジアの平和と繁栄のために日中は大きな責任を共有している」と述べた。

 憲法改正については「憲法を制定する主役は国民だ。国民の理解が高まるように自民党ももっと努力しなければならない。公明党ともよく議論してもらいたい」と語った。
(田北真樹子、阿比留瑠比)
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CIA、北朝鮮の米核攻撃を予測

2018年01月23日 | 政治・外交
米CIA長官が、北朝鮮による米核攻撃を数ヶ月後と予測している。
もし起きれば米による報復攻撃もあろう。
最悪、核戦争が起きるかも。
CIA長官、北朝鮮による米核攻撃「数カ月後にも」© AFP 2018/ Jim Watson 米国
2018年01月23日 15:28(アップデート 2018年01月23日 15:31)
https://jp.sputniknews.com/us/201801234500261/

米国に対し核攻撃を行う能力から朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)を遠ざけておくことができるのは今後数カ月に過ぎないと、米中央情報局(CIA)のポンペオ長官が22日発言した。

米CBSテレビとのインタビューの中でポンぺオ氏は、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長がそのような能力を手に入れるためにどれ程の時間が必要かとの質問に答え、「数カ月」と述べた。

数カ月前にもポンぺオ氏がそのように語っていたとキャスターが指摘すると、「その通りだ。今から1年後にもそう言えればと望んでいる。その期間を延ばすため、米政府は勤勉に取り組んでいる」と語った。

ポンぺオ氏はまた、国連による対北朝鮮制裁の実行にあたって、ロシアと中国による支援を米国は念頭に置いているとも繰り返した。



西部邁さん死去

2018年01月22日 | 世相
評論家の西部邁さんが入水した。
昨年末、桜チャンネルで水島聡氏との対談で、「(総選挙の頃)実は死ぬ気でいたんですよ」と飄々と話していたが、遺言だったのか。本当に実行するとは・・・


https://www.youtube.com/watch?v=9AGzVcr6V8w

78歳、まだまだこれからご活躍されると思っていた。

評論家・西部邁さん死去 多摩川で自殺か 78歳、正論執筆メンバー2018.1.21 16:26
http://www.sankei.com/life/print/180121/lif1801210033-c.html

写真:西部邁氏(桐原正道撮影)

 保守派の論客として知られる評論家の西部邁(すすむ)さん(78)=東京都世田谷区=が21日、死去した。
 警視庁田園調布署によると、同日午前6時40分ごろ、東京都大田区田園調布の多摩川河川敷から「川に飛び込んだ人がいる」と110番があった。飛び込んだのは西部さんで、署員らが現場に駆け付け病院に搬送されたが、死亡が確認された。
 同署によると、目立った外傷はなく、付近で遺書のような文書が見つかった。自殺を図り、溺死したとみられる。
 西部さんは21日未明から行方不明になっていた。同居する家族が探していたところ、多摩川で流されている西部さんを発見し、通報したという。

 西部さんは北海道出身。東大経済学部に在学中、全学連中央執行委員として安保闘争に参加し、学生運動の指揮を執った。大学院では経済学を専攻し、横浜国立大や東大などで教鞭(きょうべん)をとる傍ら大衆社会論を軸とした評論活動を開始。「経済倫理学序説」で吉野作造賞、「生まじめな戯れ」でサントリー学芸賞を受賞した。

 東大教授時代の昭和63年、助教授の推薦をめぐって教授会で否決されたことに抗議して辞任。以降、テレビの討論番組などに定期的に出演し、晩年は自ら発刊した雑誌を舞台に言論活動を展開した。
 正論執筆メンバーで、平成4年には戦後日本でタブー視された改憲論を正面から取り上げるなどの精力的な評論活動により、第8回正論大賞を受賞した。
©2018 The Sankei Shimbun & SANKEI DIGITAL All rights reserved.
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」平成30年(2018)1月22日(月曜日) 通巻第5587号
西部遭氏、入水  氏は予告通り、遺言通りに冥界へ旅立った
http://melma.com/backnumber_45206/

 予期はしていた。なにしろ遺作のなかで、自死について自ら語っているからである。
 弔辞の替わりに以下、拙文(小誌に書いた書評)を再録して、追想に替えたい。
(1)に関しては、1月7日付けで、直後に西部氏から私信をいただいているが、プライベートなことなので公開しない。

(1) たしかに現代日本は価値紊乱、絶望へ向かって暴走している   希望がない日本にスマホというバカ製造機がはびこっている

西部遭『保守の真髄  ――老酔狂で語る文明の紊乱』(講談社現代新書)

 この本の帯に「大思想家ニシベ、最期の書」とあるのは意味深長にして、文明を揶揄しつつ自己をオブラートに包みこんで語る、自伝風の遺書なのか、これはうっかり書評しかねると思ったのは師走のことだった。
初読だけで、軽率に本書を論ずるには、おろそかにできない風刺が、あるいは隠れた警句があまりにも多すぎる上に、現代日本への絶望が随所に、その行間からもあふれ出している。西部氏がいつも常用するオルテガは一ケ所だけで、今度はシュペングラーやニーチェの登場箇所が多い。

やはり、うっかり書評をできないと二度思った。
 そこで時間をおいて読み返して、あらためて書評に挑んだが、何かためらいがあるのだ。
これは遺書にするつもりなのか、それとも西部氏のことだから、別の企てを描いて遺書に仮託した文明批評なのか、躊躇がつづくばかりなのである。
 かくして評者(宮崎)、この書全体に流れる、氏のただならぬ絶望感を論ずる試みをやめた。それは読者各自の判断にお任せした方がよいだろう。
 そこで、いくつかの箴言的表現を、これもまた氏の遺書的警告の一部分でしかないのだが、本書の肯綮とみて差し支えない部分を下記に列挙して、評に代えることにする次第である。

 西部氏曰く。
 「テクノロジーという一方向にのみ特化していくのは文明の病理以外の何ものでもない。
かつてシュペングラーは、文明の秋期から冬期にかけて、『新興宗教への異様な関心と新技術への異常な興味が高まる』と指摘した。
今、世界のとくに先進各国にみられるのは、新技術が新宗教となって人々の精神世界を占拠しているという状態ではないのか。
(中略)『文化の乏しい文明』への自己懐疑を持たぬばかりか自己満悦に浸っているという点で最も目立っているのは、我が日本列島である」(20p)

 敗戦ショックから太平洋戦争史観にどっぷり汚染された日本人がおびただしく出たが、この知的貧困に関しても、西部氏いわく。
「国家としての自立自尊をみずから投げ捨てたのである。まさしくアンダードッグ(負け犬根性)にふさわしく『安全と生存』が戦後日本人の生き方になってしまったのだ。まさに戦後にあって、日本文化の歴史を(和辻哲郎がかつてやったように)『風土論』によって説明したり(梅棹忠夫が強調したように)『動植物の生態史観』になぞらえて解釈するのは、大いにわかいやすいとはいえ、日本人の精神の在り方に突き刺さってくるところが少なすぎる」(74p)

 「文明を進歩させたとして賛美されてきたアメリカの独立革命、フランス革命、明治維新、辛亥革命、ロシア革命などのすべてが、そのときの法秩序からみると、『不法の暴力』を伴ったという意味でテロルだったのである。
それらの革命にいささかの疑義も呈してこなかったくせに、それどころかそれらの『革命』とやらを文明進歩の印と見立ててきたというのに、テロル一般を悪と断じるのは明らかに二枚舌だ」(212p)

 いやはや引用したい個所はまだまだ山とあるが、こういう絶望を西部氏は遺書に仮託して絶筆を宣言されている。

(2) 戦後日本の平和の洪水のなかに自死の思想は霞んでしまった
「妻と僕」との思想闘争記から人生への姿勢を問い直した哲学的な回想

西部邁著 『妻と僕 寓話と化す我らの死』(飛鳥新社)

 重症のガンに侵された西部氏夫人は余命幾ばくもない、と衝撃を率直に書き出される。
 二人で歩んだ半世紀近い人生を西部さんは淡々と振り返りながら、この書は不思議な澄明さと静けさで全体が貫かれている。
 看病を続けながら人生を夫婦を愛情を孤独を名誉を哲学し、思想家・西部遭の饒舌的思索は片時もやまない。
 夫に先立たれた妻の回想録はこの世にあまたあって涙を誘う。石原裕次郎夫人、吉行淳之介「夫人」などなど。いかに愛されて幸福だったか。最後まで渾身の看病をして悲しみにひるまずに看取ったか。出色の例外は金美齢さんの夫(周英明)との台湾独立闘争記録。

 妻に先立たれた夫のほうの回想録は少ないが、それでも江藤淳、城山三郎、田原総一郎らが書いた。いずれも率直に言って女々しくもあり、愛情物語の域を出ない。  だが、まだ妻に先立たれないうちに、死を思想的論争に位置づけて、夫婦の像をえがくのは西部氏がはじめてではないのか。
「身体の命運がぎりぎりまでくると、生き延び方といい死に方といい、自分で選び取るほかありません。人生は一回で、また人生は死の瞬間まで、つまるところは自分のものだからです。(抗ガン剤治療を忌避したのは)危機にあって心身を支えてくれるのは、根本主義だ、つまり自分の考え方の原則をつらぬくことだ、というのがM(妻のこと、作中ではMで登場)と僕との共通意見」だった。

 そして夫婦に関してこんな風に西部さんは考える。
「男女関係は、なんと脆い基盤の上に、なんと儚い動機に基づいて、なんと粘り強い努力で作り上げられていく、なんと堅牢な構築物であることか、夫婦とはなんとみごとな砂上楼閣なのか、と笑い出したくなる」。
 わたしが初めて西部遭氏と会ったのは二十年近く前だった。中川八洋氏が主宰する勉強会に西部氏が講師としてあらわれ、難しい講話が終わってから六本木のビアホールでビールを相当量飲んだ。中川氏はソフトドリンクを飲んでいた。
 何を話したかは綺麗さっぱり忘れている。

 それから「ラジオ日本」の南丘喜八郎氏が共通する番組を持っていて、その関わりで時折、飲み会があった。佐藤欣子さんらもメンバーだった。幼年時代の貧困について議論した。わたしが「吉野作造賞受賞にろくな作品はない」と酔った勢いで言うと、西部さんが「僕も受賞者だけど。。。」ときには『宝石』に氏が連載していた頃の編集担当の神戸さんが小生の担当でもあり、新宿へ一緒に出かけてカラオケに興じたり、もちろん『発言者』の創刊パーティには招かれ参じており、しばらく雑誌を購読していた。「宮崎さん、なにか書いて下さい」が口癖だった。

 三島研究会の公開講座にも講師としてきて頂いた。その記録を調べると平成八年五月のことで、演題は「三島由紀夫の思想的可能性」。この頃の西部さんの三島評価は低かった。ということは自死に否定的ではなかったか。そのあと十五人ほど連れだって、六本木の中国飯店に行っておおいに騒いだ。

 途中、七年ほどブランクがあった。
 なぜなら、たとえば教科書をつくる会、救う会、靖国、台湾問題そのほか、多くの保守陣営の会合やパーティ、シンポジウムでまったく氏を見かけなくなったのである。
 『発言者』の議論が難しくてついて行けなくなったこともあるが、氏の議論が浮世離れしていて、当時わたしの追求していた分野から離れつつあったという個人的理由もあった。
 というわけで数年の不通期間があったが、ある冬の日、『表現者』の座談会に呼ばれた。
 テーマは中国で、富岡幸一郎氏らも加わって久闊をあたためた。
レトリックの魔術師と喧嘩師が共存する不思議な人
 この間、教科書、米軍、安保そのほか、西部氏はやたらと仲間内に喧嘩を売っていたのだった。

 この回想をこういう比喩で書いている。
「孤独は、その時代なり社会なり場所なりを支配している雰囲気から逃亡するときに生じる感情なのでしょう。あるいは、それと闘って(案の定)、破れたときに生まれる感情なのでしょう。いずれにせよ、孤独を自覚するのは人間の輝かしい特権と言わなければなりません。人間だけが、己の言動に意味を見いだそうと努め、その意味を表現し、伝達し、蓄積し、そして尺度するだけのことに未充足を覚える」

 西部氏はレトリックの魔術師と喧嘩師が共存する不思議な人である。その後、偶然がいくつも重なって桜チャンネルの討論番組にでると、三回ほど連続してお目にかかり、録画の収録が終わってお茶をのんだりした。いや、氏はビールだった。直近は正論大賞の会がはねて「正論新風賞」受賞の新保裕司氏を囲む二次会。これは西部さんが事実上の主催者で三、四十人の編集者が中心だった。例によって新宿のピアノのおいてあるスナック。なぜか私と西部氏と二人して、「海ゆかば」を唱った。

 西部さんの書いているモノは基底にニヒリズムがある。十年ほど前に産経新聞に連載された仏教と死生観をめぐる随筆を読んだときに、わたしは不思議な感傷と抱いた。ずばり自死へのさりげない決意が随所で示唆されていたからである。
 そして本書は、このテーマが基底に沈んでいながらも、結局は自死にまつわる思考に収斂されていく。人生を締めくくる方法に関しての思索である。
 こういう箇所が否応なく、わたしの目に飛び込んでくる。
「この『平和』の日本国家あるいは『安全と生存』の日本列島では、『死の選択』という最も人間らしい行為が精神の病理現象として片付けられはじめ、(中略)逆らって僕は、自然死への人生行路にあっても、自分の思想が必要だと考えてきました。簡略に言うと、『これ以上に延命すると、他者(とくに自分の家族たち)に与える損害が、その便益を、はっきりと上回る』と予想されるようになれば、自死を選ぶということです」。

 そういえば、十年以上前だが、氏と会う毎に自死に関してつぶやくように言っていた。ピストルとか、麻薬とか物騒な話をさりげなく話のなかに挿入していて、わたしは全てをレトリックの魔術だろう、と憶測して本気に取らなかった。
 本書はレトリックの魔術師が思う存分の哲学的修飾を施して、いざ本質をはぐらかしているかにも見えるが、現代日本へのアンチテーゼである。日本の政治家は死から逃亡し、まつりごとは自死と対極の補償とシステムだけを論じている。日本の衰弱の原因の大きな要素は、おそらくこれだろう。
 自分の人生を自分の意思で終結させる。人間は本能によって生き延びる。だが、老醜をさらし周囲に迷惑を狼狽をかけるかもしれない自然死に対して、自死の思想があり得ると西部氏は語彙に力を籠めて現代日本人に問いかけているのである。
 ◎
 西部さんに関しては個人的な想い出も多く、そのうえ氏と小生は共著も出している(『日米安保五十年』、海竜社)。
いずれ、ちゃんとした追悼文を綴りたい。



中国空軍「第1列島線突破宣言」

2018年01月18日 | 政治・外交
中国の軍拡競争が再度始まった。列島線突破訓練が本格化するという。
  列島線・産経新聞より
中国、「列島線突破巡航」訓練本格化 「日本列島を一周する訓練を始める危険性も」2018.1.18 11:30
http://www.sankei.com/world/print/180118/wor1801180018-c.html

写真:対馬海峡を初めて通過した中国空軍のスホイ30戦闘機(防衛省統合幕僚監部提供)

 北朝鮮の「核・ミサイル」が世界的脅威となるなか、アジア各地での領土的野心を隠そうとしない中国への警戒も緩めてはならない。中国空軍は昨年12月、戦闘機による日本海上空の飛行を強行し、同軍の「遠方展開」が新たなステージに入ったことを誇示した。尖閣諸島や沖縄本島に対する、中国の暴挙・野望に警鐘を鳴らし続けているジャーナリストで、日本沖縄政策研究フォーラム理事長の仲村覚氏が緊急寄稿した。(夕刊フジ)

 朝鮮半島が緊迫するなか、日本政府は危機回避策として、中国による北朝鮮制裁に期待し、中国との関係改善に動き出している。だが、冷静に中国の動きをみると、日中友好とは対極的な動きをしている。

 中国空軍は昨年11月から12月にかけて、宮古海峡(沖縄本島-宮古島間)を突破する訓練を9回も繰り返し、空中給油機を使った小笠原諸島やグアムなどを結ぶ「第2列島線」の突破に向けた訓練を本格化させた。これらは、戦略的な意図のもと、日本国民に騒がれないように進められた。

 「中国を縛りつけることのできる鎖はない」

 同空軍報道官は昨年11月30日、こう強調した。
 事実上、沖縄や台湾、フィリピンを結ぶ「第1列島線の突破宣言」といえる。翌月12日には、「前日、『繞島(にょうとう=島の周り)巡航』を実施した」「多数の爆撃機や戦闘機が参加した」「定例・常態化した遠洋訓練だ」「国家主権と領土を守る能力の向上を図った」と発表した。

 そして、中国空軍は同月18日、初めて対馬海峡を超えて日本海で訓練を行い、「日本海は日本の海ではない」と言い放ったのである。
 「繞島巡航」について、「(台湾)島を回る飛行」と報じたメディアもあるが、中国空軍は11月、バシー海峡(台湾-フィリピン間)と宮古海峡を通過して、沖縄・先島諸島と台湾を周回する訓練を行っている。
 つまり、繞島巡航とは「列島線突破巡航」であり、私は「列島線突破訓練」だとみている。

 中国空軍のこうした動きを放置すれば、最終的には、北海道とロシア・サハリン島の間にある宗谷海峡も突破し、日本列島を一周する訓練を始める危険性がある。気がつけば、中国軍機がいつでも日本全土を爆撃できる態勢を整えてしまうことになりかねない。

 日本政府が、中国の野望を軽視して「一帯一路」構想に協力すれば、自分の首を締める縄を綯(な)うことになる。
©2018 The Sankei Shimbun & SANKEI DIGITAL All rights reserved.
小野寺防衛相 尖閣接続水域に入った中国船は原子力潜水艦 © AFP 2018/ Jim Watson
2018年01月15日 17:23(アップデート 2018年01月15日 17:47)
https://jp.sputniknews.com/politics/201801154471926/

日本の小野寺防衛相は15日、今月11日に尖閣諸島周辺の接続水域を航行した中国の潜水艦が、原子力潜水艦だったことを明らかにした。 スプートニク日本
防衛相は分析結果として、「商(シャン)」級の攻撃型原子力潜水艦だったと発表した。
また防衛相は記者団に、これは「緊張を一方的に高める行為だ」と述べ、深刻な懸念を表し、毅然とした対処をしていくと強調した。

中国爆撃機の長距離飛行、日本政府が「関心」表明 2017年 08月 25日 15:30 JST
http://jp.reuters.com/article/onodera-china-military-plane-idJPKCN1B50C3

 8月25日、小野寺五典防衛相(写真)は閣議後会見で、中国軍機が前日午前に紀伊半島沖まで長距離飛行したことについて、外交ルートを通じて日本側の関心を伝えたことを明らかにした。写真は都内で8日撮影(2017年 ロイター/Issei Kato)
 8月25日、小野寺五典防衛相(写真)は閣議後会見で、中国軍機が前日午前に紀伊半島沖まで長距離飛行したことについて、外交ルートを通じて日本側の関心を伝えたことを明らかにした。写真は都内で8日撮影(2017年 ロイター/Issei Kato)
国防費7%増 大国、軍拡競争再び 米国、南シナ海強化へ
毎日新聞2017年3月5日 東京朝刊
https://mainichi.jp/articles/20170305/ddm/002/030/132000c

 2017年の中国国防費予算案の伸び率が、前年実績比「7%前後」になると4日発表され、初めて1兆元(約16兆5000億円)の大台に乗ることが確実になった。米国の国防費もトランプ政権下で大幅にアップされる見通しだ。両大国の軍事バランスは日本の安全保障にも関わる。中国と米国の国防費の伸びは、冷戦期のような軍備拡張の競争を引き起こすのか。・・・

「寂しくも美しい自販機」

2018年01月15日 | 世相
自動販売機は今や23人に1台の割合で存在するらしい。
旅をすると自販機のお世話になることが多い。高速道路のSAで寒い夜中にホットなコーンスープは旨かった。
この写真家は自販機の風景をカメラに収めた。着眼点が素晴らしい。↓
https://www.cnn.co.jp/photo/35109520.html
写真特集:寂しくも美しい日本の自動販売機 2018.01.03 Wed posted at 09:04 JST
自動販売機は日本文化の定番だ。国内に550万台以上があり、割合は国民23人あたり1台と世界最高水準になっている。そんな日本の自販機の寂しくも美しい姿をとらえた大橋英児氏の写真を見る




韓国を信頼できぬ78%

2018年01月15日 | 政治・外交
2015年の日韓合意では、慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」を確認したにもかかわらず、韓国政府はそれを覆した。
日本政府の「応じない」との方針に(当たり前のことではあるが)日本国民が高い支持をしているのが世論調査でわかった。
安倍首相は平昌冬季五輪の開会式への出席を見送る方針を固めた。
ウンザリ感で韓国ネタはこれで終わりとなろう。
韓国の追加要求拒否、支持83%…読売世論調査 2018年01月15日 08時44分
http://www.yomiuri.co.jp/politics/20180114-OYT1T50121.html

 読売新聞社は12〜14日、全国世論調査を実施した。
 慰安婦問題を巡る2015年の日韓合意について、韓国政府からの追加要求には応じないとする日本政府の方針を「支持する」と答えた人は83%に上った。「支持しない」は11%。「支持する」は、内閣支持層で88%、内閣不支持層でも80%に上り、性別や年代を問わず高い割合を占めた。

 15年の日韓合意では、慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」を確認した。韓国の文在寅大統領は、日本側に慰安婦問題の解決を促すと述べるなど、事実上、追加の対応を求める新方針を示したが、日本政府は「全く受け入れられない」としている。文氏の方針に「納得できない」は86%に上った。韓国を「信頼できない」と思う人は、「あまり」と「全く」を合わせて計78%に達した。
2018年01月15日 08時44分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
平昌五輪開会式、首相欠席へ=日韓合意、韓国対応受け(2018/01/11-18:58)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018011101066&g=pol

 安倍晋三首相は2月9日に行われる平昌冬季五輪の開会式への出席を見送る方針を固めた。韓国の文在寅大統領が慰安婦問題で「最終的かつ不可逆的な解決」を確認した2015年の日韓合意をめぐり追加の措置を求めたことを受け、首相訪韓の環境が整っていないと判断した。

板挟みの文在寅政権=対北朝鮮・慰安婦問題
 菅義偉官房長官は11日の記者会見で「(対応は)決めていない。国会日程を踏まえて検討する」と従来のコメントを繰り返したが、政府筋は首相による五輪開会式出席について「現状では難しい。お膳立てができていない」と指摘。外務省幹部は「無理だ」と明言した。