落葉松亭日記

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憂国忌

2016年11月25日 | 政治・外交
46年前の1970年、作家三島由紀夫氏が憲法改正を訴えて憂国の諌死を遂げた。
5月の憲法記念日では毎年話題に上がるものの、進展がない。
『三島由紀夫の総合研究』(三島由紀夫研究会 メルマガ会報)平成28年(2016)11月25(金曜日)通巻第1004号
http://melma.com/backnumber_45206/

本日、憂国忌です

 下記は今朝の日本経済新聞のコラムです

 「僕はコスモポリタン(世界市民)にだけは絶対なりたくない」。外国語が話せても原書は読めない。日本の伝統文化を知らない。古典も読まない。それで国際的といえるのか。外国ではそんな日本人はバカにされる。三島由紀夫は有吉佐和子との本紙の対談で嘆いた。

▼ほぼ2年後の1970年11月25日。三島は陸上自衛隊市ケ谷駐屯地で、クーデターを呼びかけた。「ここで立ち上がらなければ、諸君は永久にアメリカの軍隊になるんだぞ」。訴えがどこまで本気だったか。決起を憲法改正に結びつけるという破天荒な筋書きだった。演説はむなしく響いただけで、衝撃的な最期を遂げる。

▼当時は、冷戦が激しくなり、ベトナム反戦や日米安保条約への反対などで学生の反乱が起きていた。デモや争乱も相次いだ。一方で、高度成長がもたらした豊かな社会があった。三島は日本人が伝統文化を捨てて、西洋化し、堕落していると考えた。その根本原因に憲法解釈のゆがみがあるとみて、改憲草案も作っていた。

▼冷戦が終わり世界は変わった。列島には北朝鮮のミサイルや中国の軍事力増強が迫る。トランプ政権誕生で、米国は日米同盟の見直しを求めそうだ。同盟が揺らげば隙ができる。三島が願った改憲議論もようやく始まったが、改憲と護憲の論争は相変わらずだ。環境変化にどう対応するのか。いまの日本人が問われている。

いつまでも米国依存はだめ・・・
ケント・ギルバート氏「9条だけでも改正を」 自民党群馬県連で講演
写真:講演するケント・ギルバート氏(右)=25日、前橋市
http://www.sankei.com/politics/print/161126/plt1611260035-c.html

 自民党群馬県連は25日、県議団の研修として弁護士でタレントのケント・ギルバート氏を招き憲法についての講演を開催した。県連に憲法改正推進本部を立ち上げたことなどを記念し、日本会議群馬のメンバーや県議ら約150人が参加した。

 講演は「日本の自立と憲法改正」と題し、ギルバート氏は日本国憲法がGHQ(連合国軍総司令部)民政局が1週間程度で作ったことや「よくできているが、ワケあり」であることなどを説明。「国民の安全と生存を守ろうとする憲法なのに、いざという時に守れない9条こそが憲法違反。国を守る方法がない大きな欠陥だ」と主張した。

 さらに、GHQが戦後、日本人の精神に贖罪(しょくざい)意識を刷り込もうと報道機関に設けた禁止事項「プレスコード」にも触れ、「意見が分かれるものは公正に放送しなければならないのに、偏った放送しかしない。メディアが憲法改正を反対しており、議論さえしてくれない」と現代にも影響していることを指摘。その上で「憲法改正をしない限り戦後は終わらない。自民党はもたもたせず早く9条だけ直してほしい」と訴えた。

 一方、米大統領選でトランプ氏が勝利したことには、「彼の発言で、日本がいつまでも米国に依存してはだめだということに気付いてほしい」と日本自立への期待を示した。

 同県連は、地方の憲法改正議論を活性化させようとの党本部の要請で、山本一太参院議員を本部長に憲法改正推進本部を10月末に発足させた。発足以前から勉強会などで活動する本部長代行の南波和憲県議は「今後も同様の会で、県議それぞれが考え方を醸成させ、(改憲を)呼びかけたい」と話した。

 同本部幹事長、狩野浩志県議は「憲法を守って国が滅びることを危惧している。今回を機に『憲法改正は自民党群馬から』を合言葉に頑張りましょう」と参加者に呼びかけた。
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北方領土返還無しに、平和条約締結はあり得ない

2016年11月24日 | 政治・外交
日露(日ソ)に容認しがたい、歴史教科書にも載っている事実がある。
1945年8月、日ソ中立条約を破棄し日本に宣戦、当時日本の支配下にあった満州、朝鮮に侵攻した。いわゆる火事場泥棒。
1946年2月には、千島・樺太領有を宣言した。

これらの北方領土の回復なしに平和条約交渉はない。
西村眞悟の時事通信 平成28年11月21日(月)
我が領土の返還に関し「様々な案」などない!

ペルーのリマで行われた安倍総理とプーチン大統領の首脳会談に関して、重大な懸念を表明する!
十二月のプーチン大統領の山口県長門市訪問向けて、日露交渉はプーチンのペースで進んでいるからだ。

会談の前半、我が国の「ロシア経済協力相」が、次官級協議でまとめた我が国の対露経済協力プランについて説明すると、プーチン大統領は、「良い計画だ」と評価した。
ところで、我が国には、核ミサイル大国のロシア専属の「ロシア経済協力相」があったとは知らなかった。
そして、このロシア専属大臣が対露経済協力プランを説明したという、では、この日本側の対応に対して、ロシア側に、「日本領土問題担当相」などがあって、安倍総理にプランを説明したのか。 これは、はなかった。

そして、領土問題は、通訳だけを付けた安倍・プーチンの二人だけの話になった。
つまり、日本側は、プーチンの欲しいものを開示し、プーチンはそれに満足した。
しかし、ロシア側は、安倍総理に手の内を何も開示せず、二人だけの安倍・プーチン会談に入った訳だ。
その会談後、安倍総理は、「内容は言えないが、二人だけで腹蔵のない意見交換を行うことができた。
しっかりと話をできたことは意義があった」と述べ、その次ぎに、「平和条約(の締結)は七十年間できなかった。
大きな一歩を進めるのはそう簡単ではない」と強調した(読売新聞、11月21日朝刊)。 そして、プーチンは、記者会見で次のように述べた。
領土問題が第二次世界大戦によって生じた問題であることを認めた上で、「(領土問題に関して)可能な様々な案について検討している」(NHK)

以上の安倍・プーチン両人の発言のうち、注目すべきは、安倍総理が、日露交渉の目的を「領土問題の解決」とは言わず、「平和条約締結」、と言っていること、プーチン大統領が、(領土問題に関して)「可能な様々な案がある」、と発言したことである。

そこで、安倍総理に言いたい。
日露交渉の目的は、「領土問題の解決」であり「平和条約締結」ではない。
平和条約は領土問題解決という目的達成を示すレッテルに過ぎない。
また、プーチンに言う。
日露間の領土問題解決に「可能な様々な案」などない。
では、日露が果たすべき「領土問題の解決」とは何か。
それは、ただ、一つあるのみ、即ち、「歯舞、色丹、国後、択捉」の日本への返還である。

従って、冒頭に言った日露交渉の懸念とは、安倍総理が、「平和条約締結」を追いかけるあまり、日露交渉の眞の目的を見失い、プーチンの仕掛ける「可能な様々な案」の一つに飛びついて、我が国の「国後と択捉」という広大な領土を永久に失うことである。
領土を、外務省と一人安倍総理の功名の為に、それを略奪した国との平和条約という虚妄のもとに差し出す国家に未来はない。
歴史を観れば明らかなように、そういう国は滅びている。

従って、今為すべきことは何か。
第一に、
十二月三日、岸田外務大臣がプーチン訪日の事前調整としてモスクワを訪問し、ラブロフ外務大臣と交渉する予定があるが、この日露両国外相会談を「決裂」させることである。
第二に、
我が国の朝野に於いて、日露の領土問題解決は、「歯舞、色丹、国後、択捉」の全面返還以外にあり得ないとの論陣を張り、その国民の全面返還の声を高めることである。
この意味で、今、韓国でやっているデモを見習うべきであろう。

なお、この外相会談決裂と、我が国内の国民の主張を強めることは、何も突拍子もないことではない。外交交渉では常に駆使しなければならない。
その例を一つ挙げる。
昭和四十八年(1973年)十月、田中首相がモスクワに乗り込んでソビエトのブレジネフと会談し、日ソ間には「領土問題がある」と詰めより、ブレジネフから「ダー(そうだ)」と言う歴史的発言をはかせた。
この時、日本側は、日ソ首脳会談に先立っておこなわれる日ソ外相会談を決裂させる方針で臨むと共に、克明に連日ソビエト内のプラウダなどの機関誌の論調を調べあげた上で、首脳会談に臨んでいる(当時の外務省東欧第一課長新井弘一氏著「モスクワ・ベルリン・東京」)。
この先例でも明らかなように、外交に当たっては各国の外交担当者は、交渉の決裂を恐れず、相手国の国内論調に最深の注意を払う(このことに鈍感なのは、この度、アメリカ国民の動向に気づかなかった我が外務省だけだ)。
従って、プーチンの手下達も、現在、日本国内の動向に最深の注意を払っている。
さらに、日本人エージェントを使って、日本国内世論をプーチンに有利なように誘導しようとしている。従って、現在、我が国内では、「歯舞、色丹、国後、択捉」の返還以外の「様々な案」が飛び交っているではないか。

この意味で、産経新聞の「正論」欄に表れた木村汎北海道大学名誉教授の「ロシアの対日戦術を見極めよ」(平成28年11月8日)と「ロシア接近は百年の計を誤る」(同10月5日)や 袴田茂樹新潟県立大学教授の「東京宣言を無視する露の詭弁」(同10月24日)と「露への楽観的思い入れを見直せ」(9月6日)は、非常に有力な論考で、日本の対露外交に有利に作用していると大いに評価すべきである。

さて、日露の領土問題を、プーチンは、「第二次世界大戦によって生じた問題」であると言い、 日本側も異論がないようなので、何となく打ち過ぎているのである。
しかし、この事実認定は、プーチンのロシアに、ヨーロッパ方面での沢山の「第二次世界大戦によって生じた問題」を再燃させるので、それを変更する為の一切交渉には応じられないという武器を提供しているのだ。
従って、言っておく。歴史を振り返って欲しい。

我が国が第二次世界大戦におけるポツダム宣言を受諾したのは、昭和二十年八月十四日である。 そして、全国民に天皇陛下がその旨を伝達されたのは翌十五日正午。
さらに、天皇陛下が大元帥として、広大なアジア各地に展開する交戦中の全陸海軍に、自衛戦以外の戦闘行動の中止の命令、大陸命と大海令を発せられたのは、翌十六日である。
従って、大東亜戦争(第二次世界大戦)の戦闘状態は、昭和二十年八月十六日に終結した。

この我が国の戦闘停止を受けて、米ソは何をしたか。
分担地域を決めたのだ。
その時スターリンは、北海道の分割占領を望んだが、アメリカはそれを許さず、千島と樺太のソビエト分担が決定された。
しかし、ソビエト軍は、我が国が戦闘を停止しているのに、一方的に戦闘を継続し、千島最北端の占守島に八月十八日、艦砲射撃の後に戦闘部隊を上陸させて日本軍を攻撃し、樺太の真岡には、八月二十日、艦砲射撃の後に上陸し多くの住民を殺戮した。
そして、「歯舞、色丹、国後、択捉の北方領土」には八月二十八日から九月五日にかけて上陸した。
我が国がソビエトを含む連合国と正式に降伏文書を取り交わしたのは、九月二日である。
驚くべきことに、ソビエトは、東京湾で我が国と降伏文書に署名し合っていながら、樺太、千島そして北方領土で軍事行動を継続展開して日本人に対する攻撃を続行していたのである。

以上の事実経過を踏まえて、我が国は、ロシアのプーチンに何が言えるのかを確認する。
それは、歯舞、色丹、国後、択捉の北方領土、さらに南樺太と千島は、「第二次世界大戦の結果ソビエトが占領した地域」ではない。
これらの地域は、第二次世界大戦の戦闘終結後に「ソビエト軍が一方的に侵略した地域」であり、我が国はこの地域で、「第二次世界大戦の戦闘」ではなく「自衛のための戦闘」をしたのである。
つまりこの地域は、ソビエトが「火事場泥棒として略奪した地域」ではないか。
二年前にプーチンが奪ったウクライナのクリミアと同じ「ソビエトの略奪地域」なのだ。
従って、我が日本は、ウクライナがクリミアの返還をプーチンに要求するのと同様に、北方領土だけではなく南樺太と全千島の返還をプーチンに要求することができる!
これが、日露の領土問題である!
従って、プーチンが言うような、歯舞、色丹、国後、択捉に関して解決の為に「可能な様々な案」などはない。

あるのは、ただ一つ!
全島の返還である!
かつて、三国干渉後に、我が国民はロシアに対して「臥薪嘗胆」を以て臨んだ。
この度も、臥薪嘗胆だ。
百年かかっても領土を取り戻す覚悟をプーチンに表明すべきである。

お問い合わせ:西村眞悟事務所
TEL:072-277-4140 E-mail:sakaioffice@n-shingo.com
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グローバリズムも終わり

2016年11月13日 | 政治・外交
米大統領選、米も日本も大方のメディアは、ヒラリー氏勝利を予測していたそうな。
得票数では西海岸、東海岸の都市部がヒラリー氏であったが、中央部はトランプ氏が圧倒していた。白人中間層の支持を得たという。
英のEU脱退からなんとなく世界の雰囲気が反グローバリズムになってきた。
先頃、日本では衆院でTPP承認案が採決された。「政府・与党が進める農業改革に悪影響が及ぶ可能性がある」と云われている(産経11/05)。
トランプ氏はTPP反対を唱えている。
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」平成28年(2016)11月11日(金曜日)弐 通算第5082号  <前日発行>
http://melma.com/backnumber_45206/
痛ましいほどに的外れ、各紙のトランプ勝利分析
歴史的な流れという文脈で捉えた解説は皆無に近かった


 「悪夢」「衝撃」という語彙が頻出した。
 「異端」「大衆迎合」「怪物」「絶望」『保護主義』『市場が懸念』というタームが次の多用されている。日本の五大紙を読み比べてみたが、痛ましいほどに的外れである。

 「予想を覆したから衝撃だった」というのも、各社はヒラリーが勝つと見込んで予定原稿を用意していたからで、トランプ勝利の予定草稿がなかった。外務省高官は直前にも「接戦ですらない」と吐き捨てていたという。外務省が国連総会出席の安倍首相とクリントンとの会談しか設定していなかったのも、その現れである。つまり日本政府はトランプを無視していたことになる。

 それにしてもBREXIT(英国のEU離脱)の時も直前まで外務省は「離脱はない」と首相に進言していた。これで二回連続の大失敗。外務省の情報収集能力に致命的欠陥があるのではないか。

 ネタニヤフ(イスラエル首相)は、訪米時にちゃんと二人に会った。とくにネタニヤフとトランプは相性があう。理由はふたりとも「敵はジャーナリズム」という、本質を知っている。 そのうえで、この左翼ジャーナリズムとの戦いかたのコツも心得ている点で、不思議なほどに共通しているからだ。

 グローバリズムの信奉者の代表格は「日本経済新聞」。日経はこう書いた。
 「米国民は過激な異端児に核兵器のボタンを預け、経済と政治の変革を託した」(11月10日一面トップ、「トランプショック」コラム)。
 異端というのはグローバリズムから見ればそうでも、ナショナリストから見れば、グローバリズムそのものが異端であることには触れていない。
 グローバリズムを鼓吹し、その失敗が現れていることに同紙は無関心である。
 TPP反対を唱えるトランプの勝利はグローバリズムの破綻がはじまったことを意味するのだから。

 ▼アウトサイダーだから?

 読売は「大衆迎合では大国導けぬ」と書いた。トランプは大衆迎合と断じているあたりが皮相な分析ではないか。
 「選挙で撰ばれる公職か軍幹部のいずれの経験もない『アウトサイダー』が大統領選に勝利するのは米国史上初めて」(読売新聞、同日、一面トップ)。読売は続けて「こんなに怒りや不満を抱え、『疎外』されていた人が多かったのか、と驚くばかり」と書いた。
 チと気がつくのが遅かったのでは?

 朝日は「未知数」「不透明感」を語彙に多用しつつ「女性蔑視の発言などから、『資質』を問われてきた。政治経験もないうえ、外交政策に精通した側近も現状では見あたらない」。そのうえ共和党内の不協和音が残り、『同党主流派との対立が深刻で政権運営がスムースにいくかは不透明』と批判のオクターブを挙げる(同日一面)。
 懸念には及ばない。人材は山のようにあり、読売はいち早く、次期政権のキーパーソンを写真入りで伝えているのとは対照的である。

 毎日新聞は「拡散する大衆迎合、強まるエリートvs庶民」と解説する一方で、一面の分析では「反既成政治 世界のうねり」と世界同時発生的な反グローバリズムの流れに一言言及している。ただしナショナリズムへの回帰を単に「グローバリズムへの反動」と短絡的に総括している。
 それもこれも、グローバリズムの行き過ぎが破綻したという現実を正面から捉えていないのである。不思議である。

 こうしたなかで産経新聞は異色だった。
 『トランプ大統領でいいじゃないか』と編集局長の乾正人が大胆な発言に続けて、こう言う。 「いよいよ米軍が撤退するとなれば、その際は自前の空母も選択肢となり、内需拡大も期待できる。沖縄の基地問題だって解決に向かうかも知れない」

 また同紙三面には古森義久氏が、『保守の怒り、国内外で変革の波』として、『草の根保守勢力が、民主党リベラル派のオバマ政権と後継のクリントン氏の政治姿勢に対する強烈な否定を広めたことを意味し』云々と、トランプ勝利の第一義的意議がオバマ政治の否定であることを鮮明に指摘している。
 そうだ。トランプの勝利はオバマ政治への全否定なのである。

 さて、事前の世論調査を完全に覆してトランプが勝ったかという点で、意外な側面を分析したのは読売新聞だった。
つまり固定電話にアンケート対象が限られていたのに、現実には携帯電話しか持っていない人が43%もあり、『1970年代には世論調査に応じる人の割合が八割近かった』のだが、いまや「8%にまで下落しており、調査として信頼できるサンプル数が確保できていない」のである。 全体の民意を世論調査がくみ上げることが出来なかったからだというのは或る意味で的を得ている。

 つぎに識者のコメントを読むと、これまで皮相で的外れな解釈が山のように羅列されていたが、気がついたのは左翼、リベラル、体制保守のコメンティターばかりが紙面に登場している点で、やはり日本のマスコミには進歩がないと思った。

トランプ大統領で、いいじゃないか 産経新聞東京本社編集局長・乾正人
http://www.sankei.com/column/print/161110/clm1611100003-c.html

写真:
米大統領選で当選が決まり、笑顔で演説する共和党のトランプ氏=9日、ニューヨーク(ロイター)

 ついに「驚くべき日」がやってきた。

 シリア難民の大規模流入をきっかけに欧州を席巻した排外主義と一体化した反グローバリズムの大波は、英国に欧州連合(EU)からの離脱を決意させ、米国のエスタブリッシュメント(支配階層)を直撃した。

 いや、打ち砕いた、といっても過言ではない。トランプ氏勝利で日本の株価は暴落し、円が急騰したのもむべなるかな。

 環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)のお蔵入りが確定的となったばかりか、日本の安全保障の先行きも「日本がタダ乗りしている」と日米安保を誤解する米最高司令官の登場によって予見不能となった。

 蛇足ながら、日本の外務省はまたも下手を打った。先月から今月にかけて話を聞いた高官や有力OBの誰一人として「トランプ大統領」を予測していなかった。某高官などは「接戦ですらない」とまで断言していた。外務省の楽観的な見通しも後押ししたであろう9月の安倍晋三首相とクリントン候補との会談は、失策としか言いようがない。

 彼らの予測のもとになった各種世論調査は何の役にも立たず、クリントン候補に異様なまでに肩入れした米メディアがいかに嘆こうが、さいは投げられたのだ。だが、モノは考えようである。

 トランプ大統領で、いいじゃないか。

 トランプ流の「在日米軍の駐留経費を全部出せ」といったむき出しの本音には、日本も本音で向き合えばいいのである。

 大統領になったらそんなむちゃな要求はしないだろう、という幻想は捨てなければならない。
いよいよ米軍が撤退する、となれば、自衛隊の装備を大増強すればいい。その際は自前の空母保有も選択肢となり、内需拡大も期待できる。沖縄の基地問題だって解決に向かうかもしれない。

 トランプ氏が“容認”する日本の核兵器保持は、唯一の被爆国という国民感情が強く、現実的ではないが、中国をにらんだ外交カードとしては有効だ。

 TPPも米国抜きで発効させる方策を真剣に検討していい。

 日米安保体制の枠内で憲法9条がどうの、安保法制がどうの、といったことが大問題となった牧歌的な世界はもはや過去となった。

 日本も米国に軍事でも経済でも過度に依存しない「偉大な国」を目指せばいいだけの話である。

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米大統領選 トランプ氏勝利

2016年11月09日 | 政治・外交
注目の米大統領選はドナルド・トランプ氏が勝利した。
トランプ氏はどちらかといえば「内向き」といわれ、TPPも反対、日本には「自分の身は自分で守れ、核兵器保有も結構」と云っていたが、さて世界への影響は・・・
トランプ氏勝利、米大統領選
2016年11月09日 17:50 発信地:ワシントンD.C./米国
http://www.afpbb.com/articles/-/3107353

写真:
米ニューヨークのニューヨーク・ヒルトン・ミッドタウンでの集会で、当選確実の知らせを受けて演説するドナルド・トランプ氏(2016年11月9日撮影)。(c)AFP/Getty Images/Chip

【11月9日 AFP】(更新、写真追加)米大統領選挙は9日、共和党候補のドナルド・トランプ(Donald Trump)氏が民主党候補のヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)前国務長官に勝利した。

 トランプ氏はニューヨーク(New York)マンハッタン(Manhattan)で支持者を前に勝利演説を行った。トランプ氏によると、クリントン氏からも勝利を祝福する電話があったという。

 ライバルのクリントン氏を破るために、ポピュリズムに対する不満の波に乗り大統領選を戦ってきたトランプ氏が米国の第45代大統領に決定したことに、全米と世界が驚がくしている。

 またトランプ氏がクリントン氏に勝利したことにより、世界の株式市場は混乱し、米国政府の指導力に左右される世界の政治秩序の先行きを不透明にしている。(c)AFP

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」平成28年(2016)11月10日(木曜日)弐 通算第5079号  <前日発行、その2>
http://melma.com/backnumber_45206/

<速報、その3>
プーチンにんまり。習近平、顔面蒼白。ウォール街は周章狼狽
 トランプ当選ほぼ確定。NYタイムズ予測ライブは95%でトランプ


 1325現在(日本時間)、ニューヨークタイムズの予測ライブは、じつに95%の確立でトランプ勝利を予測している。選挙人獲得は290から305人。
ほぼ勝負は見えたようである。

地殻変動のつづいた世界政治のなかで、「グローバリズムへNO」という回答がでた。主権と独立心の回復を叫んできたナショナリズムの勝利、というより、これは左翼リベラリズムの完全敗北を示してあまりある。

次の予測はフランス総選挙で、ルペンが大統領となる可能性もゼロではなくなった。オーストリアの大統領選挙のやり直しも保守が勝ちそうである。
この結果をほくそ笑んでいるのはロシアのプーチン、顔面蒼白は習近平。中東ではサウジもイランも、トランプを歓迎としてきたから、安堵しているに違いない。

過去、ヒラリー陣営のあやしげな財団に巨額を迂回献金してきた中国としては、まずい事態の出来というわけだ。
間接的にトランプを支援してきたロシアはにんまりというところか。

選挙結果の分析は早すぎるにしても、左翼全盛のニューヨーク、バージニア、ペンシルバニア、そしてイリノイ、これから開票が始まるカリフォルニアなど西部三州のうちワシントン州は共和党が勝つかも知れないが、いずれもクリントンの牙城でもあり、トランプが勝つ見込みははじめから考えにくい選挙区だった。
ところがこうした民主党の牙城でも、トランプが予想外の善戦をしている。

日本のマスコミはなにしろ左翼偏向のニューヨークタイムズやボストングローブ、そしてロスアンジェルスタイムズなどを基準にして報道するから、間違えをやらかすのである。テレビの変更はもっとひどく、CNN、ABC、NBCは左翼の牙城である。

ウォール街は「こんな筈ではなかった」と周章狼狽、株価下落。日本に跳ね返り、前場は株価が上昇する場面もあったが、円高にぶれて、500円の下落を示した。

いってみればエスタブリシュメントの既得権益をまもるヒラリーと共和党保守派はおなじ穴の狢だから、アウトサイダーを排撃するのは自然の流れである。

 フロリダ州とオハイオ州でも、トランプ辛勝。中西部、南部は当然ながらほぼ全勝。例外はニューメキシコ州とコロラド州で、移民問題がトランプの敗因だろう。


西村眞悟の時事通信 平成28年11月9日(水)
何れが大統領になろうとも、同じ覚悟あるのみ

アメリカの大統領選挙の結果が出る前に記しておきたい。

この度のアメリカ大統領選挙も第二次世界大戦後の世界秩序崩壊という 国際政治の地殻変動の上で行われている。
この地殻変動は、武力によって領土領海を拡大する 核保有大国の中共とロシアの軍事行動によって顕在化したが、 それは、アメリカのオバマ大統領が、 アメリカの後退を鮮明にしてお膳立てをしたものである。

従って、アメリカ、ロシアそして中共が、世界秩序を崩壊させている。
そして、今の嫌われ者と言われている二人の候補の何れが大統領になっても、 この最悪だったオバマの世界の警察官からの後退路線を踏襲するであろう。

従って、我が国は、世界秩序崩壊の荒波のなかに浮かぶ船だ。
荒波とは、平穏な今までの国際秩序がないということである。
つまり、戦後のGHQ製の「日本国憲法」が想定した 「『平和を愛する諸国民』は既にない(はじめからないが)」 ということだ。
それ故、日本国民は、 その荒波のなかで自力で航海し、 国家と国民を護る覚悟を固めねばならない。
そこで、その「覚悟」の内容を指摘する。

それは、第一に、
荒波を想定していない「日本国憲法」の無効を確認することである。
「日本国憲法」によって荒波を克服することはできない。
毒の樹を残して危機克服はできないのだ。

第二に、
軍隊を回復することである。
何故なら、軍隊を保持せずして 「平和のための戦略」を確立しそれを実施することは不可能であり、 国防は最大の福祉であるからだ。

お問い合わせ:西村眞悟事務所
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