落葉松亭日記

ニュース・評論スクラップ、凡夫の日々雑感、山歩記など

【山歩き】たつの市 大倉山、亀の山(きのやま)

2013年03月28日 | 散歩・山歩き
3月26日(火) 晴れのち曇

兵庫県たつの市 大倉山(520m)兵庫百山、亀の山(きのやま458m)

大倉山は龍野市の最高峰。そこから北側の標高400m~350m前後の山中には灌漑用池が点在する。
また大倉山、亀の山から的場山に至る稜線が近畿自然歩道になっており、地元では新龍アルプスの愛称で呼ばれている。



大倉山、亀の山(右)


大成池


 山歩記へ

中共ソフトパワー戦略

2013年03月23日 | 政治・外交
尖閣のレーダー照射事件後、中共はソフトパワー戦略に戻したのだろうか。
人民日報ウェブ版、香港支局設立 共産党文化の浸透 日本もターゲットか
http://www.epochtimes.jp/jp/2013/03/html/d18016.html

【大紀元日本3月21日】中国共産党の機関紙「人民日報」のウェブ版「人民網」がこのほど香港で支局を設立した。
 国内で29の支局を持つ人民網はすでに、日本を含め米国、英国、韓国、ロシア、豪州および南アフリカなどで支局を設けている。
 19日に設立セレモニーが香港で行われた。国内メディアの報道によれば、廖●(●は王へんに工)人民網総裁はその席で、香港支局設立の主旨について「政府と民間交流のプラットフォームを構築し、社会の調和を促進する」と述べた。
 1997年に開設された人民網は現在、15の言語と16のバージョンで運営されている。

 中国の各主要官製メディアは近年、海外への進出を積極的に進め、その業務を拡大し続け、日本のほか欧米諸国で拠点を相次ぎ立ち上げてきた。

 日本においては、人民日報のほか、新華社、光明日報、中国青年報、経済日報などの主要政府系報道機関の支局が勢ぞろいしている。中でも国営テレビCCTVの日本支局はNHK放送センター内にあることで物議を醸している。
 中国問題専門家は、「当局が着々と共産党文化と思想を海外に浸透させ、そのソフトパワーを強めようとしている」と懸念を示した。
(翻訳編集・叶子)

東京裁判は戦勝国による茶番劇、当時の中華民国は中共に滅ぼされ既にない。
自分のことは棚に上げ、日本侵略国、日本悪しキャンペーン再開だ。
米主導だった東京裁判ゆえ、米も中共には逆らえない。
中国が東京裁判記録出版へ「軍国主義に下した正義だ」 2013.3.16 12:29 [中国]
http://sankei.jp.msn.com/world/news/130316/chn13031612310001-n1.htm

 中国国営、新華社通信によると、中国の国家図書館は16日までに、極東国際軍事裁判(東京裁判)の全ての公判記録を6月に国内で出版すると明らかにした。
 中国外務省は、安倍晋三首相が東京裁判について「連合国側が勝者の判断によって断罪した」との認識を示したことに対し、「国際社会が日本の軍国主義に対して下した正義の審判だ」と批判しており、東京裁判の歴史的意義を強調することで日本側をけん制する狙いがありそうだ。
 記録は全80巻。中国で全記録が出版されるのは初めてという。国家図書館関係者は「(東京裁判の)正当性の証拠を提供する」と述べた。(共同)

強硬姿勢に軟化の向きか 習主席右腕、戦争の残酷さを警告
http://www.epochtimes.jp/jp/2013/03/html/d10074.html

【大紀元日本3月21日】中国人民解放軍のタカ派と目されていた劉源上将は最近「戦争は残酷だ」と、国内に広まる好戦的論調に水を掛ける発言を続けている。故劉少奇国家主席の息子で、習近平主席の右腕として知られる劉氏の発言だけに、当局の姿勢軟化を示すものではないかとの憶測を呼んでいる。
 ロイター社17日付の報道は、劉氏が全人代期間中にニュースサイト・中国網の取材を受けた際の発言を取り上げた。「私は軍人であり、戦争は私の本分だ」としながら、「私には政府や海外、そして人民に戦争の本質を伝える責任がある」と話した。
 氏はさらに、「平和な時期が長すぎたため子どもたちは戦争を知らない。それはとても残酷で、代価も大きいものだ」「別の方法があれば、極端な暴力的手段で解決する必要はない」と今までの軍高官の論調と一線を画した。
 尖閣諸島(中国名・釣魚島)をめぐる日本との対立について、「今は(戦争するのに)ふさわしい時期ではないかもしれない」との見解を示した。日中間の問題の大半は「メンツの問題」だとし、「何が大局で、何が中国と日本の国民にとって最大の利益なのか」をはっきりさせる必要があると主張した。

 人民解放軍の4大総本部の1つとなる総後勤部政治委員でもある劉源氏は習近平主席と懇意な間柄。軍上層部でほぼ唯一、冷静論を唱えているが、劉氏のポジションと発言のタイミングから、習体制の対日強硬姿勢は今後軟化する可能性がうかがえるとロイターは指摘した。
 米ブルッキングス研究所の中国外交政策の専門家・孫雲氏も、「新しい指導者が米国との関係や外交問題の解決に本腰を入れるにつれ、海洋紛争は一定の歯止めをかけられるだろう」と同様な見方を示した。
 ロイター社は同報道で、当局が偶発的衝突のリスクを軽減する措置を講じているとも伝えた。複数の政府部門にまたがっていた海洋権益保護の役割を国家海洋局にまとめたことは、係争海域で活動する自国艦船へのコントロールを強化し、不意な衝突を回避する狙いもあると一部の専門家はみているという。
 劉源氏は先月にも、「経済建設は重要な段階に入ったため、予想外の事件で中断されてはいけない」などと戦争論から距離を置く発言をしていた。
(翻訳編集・張凛音)



「コメが鍛えた日本人」

2013年03月17日 | 歴史
日本は山国、よほどの平野でなければ海岸から小一時間も走ると田園地帯になり山に行き当たる。
山の中腹まで丹精込めた棚田が重なっている。
山に登ると、田植えの頃は緑、秋には黄金色のパッチワークとなって眺められ、大好きな風景である。




一方岡山の児島地方のように、河口を堰止め干拓地として広大な田圃になったところもある。
当方はサラリーマンとして過ごしたが、親の世代は農村出身、やはり以下に述べられているように勤勉、真面目、几帳面な日本人の典型であったと思う。
■■ Japan On the Globe(790) ■■ 国際派日本人養成講座 ■■

国柄探訪 : コメが鍛えた日本人
地形も気候も不向きな日本列島でコメを育てようとする知恵と努力が、勤勉、真面目、几帳面な日本人を育てた。

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■1.稲作に不向きな日本列島の地形
 日本列島は、そもそも稲作にはまったく不向きな土地であった。このことはもともと熱帯性植物であったコメが東南アジアで栽培されている様子と比較するとよく分かる。
 世界をまわって稲作の研究をしている農学博士・渡部忠世(わたべ・ただよ)京都大学名誉教授のチームが東南アジアで撮影したビデオがある。それにはこんな風景が映し出されている。
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 広大な湿地帯か沼を思わせるデルタの深い水の中に、葦のような丈の長い食物が雑然と生い茂っている。人々は胸まで水につかりながら穂の先をちょん切るようにして刈り取っていたり、あるいは舟で水の上を滑りながら穂先を刈り取ったりしている。
これが「天水田」。つまり天然自然のままの水利条件に依存し、天然自然に稲が育つのを待って、できたものだけを刈り取るという素朴な稲作である。[1,p22]
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 これが稲作の原風景であった。東南アジアには、メコン川のような大河が広大な平野を流れており、その流域や海にそそぐデルタ地帯は、そのまま水をたたえた湿地帯になる。稲はそこで自生する。
 日本列島のように山が海岸まで迫っているような国土では、川は短くて、流れが急である。人間が知恵を絞り、地形を変えて水をコントロールしなければならなかった。

■2.稲作には不向きな自然条件
 気候条件から言っても、日本列島はコメ作りには適していなかった。稲は本来、熱帯、亜熱帯の植物である。苗は温度が8度以下になると生育が止まり、零下1度に下がると枯死してしまう。
 東南アジアのような気候温暖な地域にこそ適した作物であって、そもそも雪深い新潟とか、東北地方、北海道で栽培できるような作物ではなかったのである。
 コメが日本列島に入ってきたのは、最近の研究では縄文時代にさかのぼることが分かってきている。そして日本人は何千年もかけて、日本列島に不向きなコメを品種改良しつつ、世界で最もおいしいコメを作り上げてきた。渡辺名誉教授はこう結論づけている。
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 日本は地形的にも平地が少なく、急峻な川が流れ、気候的にも温帯で、熱帯植物である稲の生育には決して恵まれた条件とはいえなかった。日本人は知恵と努力によってそれを克服して、世界的な稲作国家になったわけです。そういう意味では、劣悪な条件が日本人を鍛えたともいえます。[1,p31]
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■3.急峻な地形を水田に変えた「灌漑田」
 不向きな条件を克服した日本人の知恵と努力の様を具体的に見てみよう。
 まず必要なのは、急峻な地形を水田に変える事である。棚田を想像すれば、その大変さがよく想像できる。傾斜地を、ある部分は削り、ある部分は土を盛って、水平にしなければならない。一定の高さごとに区切って、何段もそれを作る。
 そして、近くの川から水路を作り、田に水が流れ込むようにする。田は何段もあるから、上の田から下の田へと水が流れるようにする。当然、一枚の田は水平に作らなければならないし、水量をコントロールするためには、水路の大きさや傾斜を適正に設計しなければならない。こうして人工的に水を引く田を「灌漑田」という。
 灌漑田を作るためには、精密な土地測量技術、土手や畦を作る土木技術などが必要である。また人々が力を合わせて田を造成していくために、共同体の運営技術も発展させなければならない。
 逆に天水田が行われているメコン河のような大きな河川の流域では、ひとたび豪雨があると大規模な洪水が起こって、あたりを呑み込んでしまう。灌漑などの人間の努力は消し飛んでしまうわけで、こういう面からも水のコントロールなどはせずに、天然自然のままに稲の自生を待つ、という形にならざるを得ない。
 こうして考えると天然の沼地やデルタ地帯に種をばらまいて、稲が育つまで待つという「天水田」と、人間が地形を改良してまで水をコントロールして作る「灌漑田」とは、本質的に異なることが分かる。

 高天原(たかまがはら)の支配者となった天照大神(アマテラスオオミカミ)がまず手がけた重要な仕事が、神々を指揮してコメを作ることであった。高天原の「狭田(さなだ)」や「長田(ながた)」に稲を植えたという物語が神話に語られている。
「狭田」や「長田」とは、いかにも山間の狭い土地を段々に水平にならして作った細長い棚田を思わせる。日本によくある真田(さなだ)、長田、さらには山田、谷田などという名字は、まさに稲作のための日本人の水田造成の懸命な努力を象徴しているようだ。
「一生懸命」はもともとは「一所懸命」であり、一つの領地を命を懸けて守るという鎌倉武士の時代に生まれた言葉のようだが、その土地で何世代にも渡って水田造成をして来た努力を偲べば、先人たちの「一所懸命」の思いも伝わってくる。

■4.雑草取りの苦行
 東南アジアの天水田と、日本の灌漑田では稲の品種も異なる。天水田では主にインディカ米が作られている。これは場合によっては2メートルもの背丈を持ち、深い湿地帯や沼でも容易に育つ。
 日本で作られているのは、丈の短いインディカ米である。人工の灌漑田ではそれほど深くできないので、背の低い方が適している。
 インディカ米は丈が高いので、周囲に雑草が生えても、陽光が遮られて、生育が邪魔されるということはない。ジャポニカ米は、丈が短いので、雑草に太陽を遮られて衰弱枯死してしまう。そのために、人間による雑草取りが欠かせない。
 伊勢神宮には毎朝毎夕、神様にお供えするコメを昔ながらの自然農法で育てている約3ヘクタール(3町)ほどの神田(しんでん)がある。新田の管理責任者・森普(すすむ)氏によれば、育てたばかりの苗を田植えした際には、ちょっとした雑草でも弱々しい稲の栄養を奪ってしまうので、怠りなく草取りをしなくれはならない、という。森氏は言う。
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 苗が30センチくらいになるまでに、一枚の田圃(たんぼ)で3回は草取りをせんといかんわけですが、田圃の中を這いながら草取りをしていると、苗が目にささって痛いんですよ。昔は、この時期になると、よく目医者が流行ったものです。まさに汗と涙の結晶でした。[1,p30]
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 10月に入って、収穫が終わると、田を深く掘り超して、稲を育む土に新鮮な空気と陽光を吸収させるが、これが同時に雑草を除くことにもなる。この耕耘(こううん)という作業を4、5回繰り返す。我々の先祖は、こういう作業を数千年、続けてきたのである。

■5.知恵をしぼって手間をかければそれだけ収穫が上がる
 耕耘の際には、土に栄養となる肥料を施す。今は化学肥料だが、戦前までは鰊粕(にしんかす)や大豆粕(だいずかす)が使われていた。
 ジャポニカ米は、肥料を施すことで、一株の稲の茎の数がいちじるしく増え、コメの増収につながる。しかしインディカ米の方は背丈だけが高く伸びて倒れてしまう。インディカ米は肥料をやらない方が、むしろ収量が安定する。
 田植えにしても、ジャポニカ米は一定間隔を置いて稲を植えると適度に栄養を吸収して収穫量が上がるが、インディカ米にはそういう性質がない。
 伊勢神宮の別宮である伊雑宮(いぞうぐう)の作長(さくちょう)である別所保氏は、こう語る。
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 コメ作りというのは、知恵をしぼって手間をかければそれだけ収穫が上がり、手を抜けばその分だけ収穫量が減る。台風のような天災は別として、人間の努力にたいして正直な結果で報いてくれる。[1,p31]
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 これはジャポニカ米について言えることで、インディカ米では適当に種をまいて、後は自然天然にまかせて収穫を待つ、という形となる。

■6.灌漑田耕作が、勤勉、真面目、几帳面な民族を作った
 我々の祖先はこのような手間をかけて灌漑田を作り、それを毎年毎年耕し、肥料をやり、雑草をとって、少しでも質の良いコメを、少しでも多く作ろうと、数千年、取り組んできたのである。それが日本民族の性格に影響を与えた。
 京都大学霊長類研究所・元所長の久保田競(きそう)名誉教授は、こう語っている。
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 ・・・灌漑農業をやるようになると、農業には考えるということが絶対必要になった。水を引くとか、堤防を作るとか、耕すとか、苗を植えるとか、雑草を取るとか、天候や気候のことを考えなくてはいけませんし、 そのようにして計画的に、先を見ながら、よく考えながら、手足身体をこまめに動かしてコメ作りをやってきたということが、勤勉さや真面目さ、几帳面さといった日本人の性格を作り上げ、また知的な興味も湧いてくるようになったのではないでしょうか。[1,p33]
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 東南アジアでは、天水田による天然自然に任せたままのコメ作りが行われている、と冒頭で述べたが、実はいくつか例外がある。
 その一つ、ベトナムでは灌漑田耕作が行われており、日本の水田のように、田が整然と仕切られ、畝が作られ、苗が整然と植えられ、除草、施肥、耕耘、土壌作りが丹念に行われている。コメは基本的にインディカ米だが、ジャポニカ米のように背丈が低く、相当な品種改良が行われているようだ。
 ベトナム人は、東南アジアの中でも勤勉、真面目、几帳面で、「日本人によく似た民族」と言われている。そう考えると、モンゴル帝国がアジアで侵攻に失敗したのは、日本とベトナムである。さらに両国とも日清戦争や中越戦争で中国を破り、アメリカにも手を焼かせている。
 日本人とベトナム人が、似たような性格を持っているのは、似たような灌漑田耕作をしてきたからだと言えるのではないか。

■7.近代工業が花開く土壌を作った稲作文化
 欧米で発達した近代工業を日本がいち早く導入し、なおかつ様々な分野で追い越してしまった、という発展には、灌漑田耕作で培われた勤勉、真面目、几帳面さが大きく寄与している。久保田名誉教授は、こうも語っている。
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 たとえば、QC(品質管理)活動などは、もともと西欧で開発されたものですが、日本で定着してしまった。農作業はある意味で絶え間ないQC活動の連続のようなものですから、生産性向上、品質向上、粗悪品を出さないといった活動をやることついては、日本人は何の抵抗もないわけです。[1,p35]
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 ベトナムは早くからフランスの植民地とされて近代化が遅れたが、最近は多くの日本企業が脱中国の一環として進出している。筆者もいくつかの代表的な日系工場を訪問したことがあるが、職場は整然と規律正しく、技能訓練は熱心に受講するなど、日本的なモノ作りとの相性の良さを感じた。今後、ベトナムの工業は急速に発展していくだろう。

■8.コメが地球を救う
 それにしても、日本人はなぜこんな苦労をしてまで、コメ作りにこだわってきたのか。
 まず、第一にコメの方が、小麦よりも美味しいという点がある。中国とインドでは2千年にわたり、何億という人間がコメと小麦を食べ比べてきたが、民衆は常にコメを望んでおり、そのためコメは小麦よりも高価となっている。
 欧州でもイタリアやスペインではリゾットやパエリアなど、コメ料理がそれぞれの食文化に定着している。人類の歴史を見ても、小麦からコメに転換した民族は少なくないが、その逆は存在しない。
 第2に水田の持つ環境維持機能がある。小麦やトウモロコシなどの単一作物の連作を続けると、土地がやせ衰え、不毛の半砂漠状態になっていく。
 それに対して水田は保水機能を持ち、また無数の微生物や昆虫、オタマジャクシ、水鳥の共生するエコ・システムである。日本列島で何千年も水田耕作を続けてこられた理由がこれである。[a,b]。
 日本神話では天照大神が孫のニニギノミコトが地上に降りる際に、稲を渡して、これを食物として地上で栽培するように言われた。以来、日本人は先祖からいただいたコメに感謝し、また子々孫々のために、一所懸命に水田を守り広げてきた。先祖への感謝と、子孫への思いが、日本人を困難な稲作に立ち向かわせてきた第3の理由であろう。

 日本人が稲作を通じて克服してきた食糧や環境の問題に、今や、人類全体が直面している。篤農家・星寛治氏は著書『農業新時代-コメが地球を救う』で、こう述べている。
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 いま、地球上に広がりつつある不毛の砂漠を緑のじゅうたんに、そして黄金の穂波に変えることができれば、飢餓の時代は回避できる。そのときこそ、みずほの国日本の農民が、2千年かけて蓄積してきた稲作技術、ノウハウのすべてを注ぎこんで、途上国の、いや人類の壮大な実験に貢献すべきだと考える。[1,p156]
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(文責:伊勢雅臣)

■リンク■
a. JOG(707) 農が引き出す自然の恵み
 農業はカネでは計れない価値を自然から引き出す。
http://bit.ly/Zsvihb

b. JOG(557) 瑞穂の国と食糧危機
 迫り来る食料危機に対して、世界最大の穀物輸入国・日本はいかに対処すべきか。
http://bit.ly/Wi4YIM

■参考■(お勧め度、★★★★:必読~★:専門家向け)
  →アドレスをクリックすると、本の紹介画面に飛びます。
1. 上之郷利昭『コメと日本人と伊勢神宮』 ★★★、PHP、H8
http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4569552331/japanontheg01-22/



安倍首相、TPP交渉参加を表明

2013年03月16日 | 政治・外交
首相、TPP交渉参加を表明「未来の繁栄約束」 2013年3月15日(金)18:20
http://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/politics/20130315-567-OYT1T01068.html

 安倍首相は15日午後6時から記者会見し、「本日、TPP環太平洋経済連携協定の交渉に参加する決断をした」と語り、TPP交渉参加を正式表明した。
 安倍首相は「日本だけ内向きになったのでは成長する可能性はない。TPPはアジア太平洋の未来の繁栄を約束する枠組みだ」、「全ての関税をゼロとした場合でも、我が国経済全体としてプラスの効果がある」などと語った。
 安倍首相はまた、TPPに参加することで日本の農業が崩壊するのではないかとの指摘に対し、「(農家の)不安や懸念を心に刻み、交渉に臨む」と述べた。

2006年5月28日にシンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランドの4か国で発効した経済連携協定に、アメリカ、オーストラリア、ベトナム、ペルー、マレーシアが加わった。
日本が加わると、GDP比では日米が90%以上を占めほぼ二国間協定、日米間の関税撤廃を目指すと考えられ、グローバリズムの脅威と懸念される所以だ。

ド素人の疑問
・反対意見論評は分野毎に明確にされているが、賛成意見は輸出企業や低賃金外国人労働者を受け入れられる企業だけのようであること。
・自民党内でも賛否両論ある、TPPに入らなければこれら加盟国との貿易は出来なくなるのか?
・TPP交渉と参加の線引きと過程。交渉の余地があるのなら従来の自由貿易協定との差はなんなのか。

参考
「考えてみようTPPのこと」
http://www.think-tpp.jp/index.html


バイクとお別れ

2013年03月15日 | 日常・身辺
山歩きにはバイクにリュックを積んで出かけたものだった。
足や手の指が凍り付くほどの寒い冬も・・・
交通量の多い道もバイクの幅があれば渋滞もさほど苦にならない。
田舎道、林道、峠道を走り抜ける爽快感はよかった。



3年ほど母の介護のため遠出しなくなった時期があった。
バイク置き場を見ると、たまには行こうぜと云っているようだった。
70の声を聞くと、長時間のドライブもだんだんと辛くなり、軽四に頼るようになった。
まだまだ乗るつもりのバイクだが、昨年のシーズンは2,3回乗っただけだった。
これから暖かくなるとバイクも捨てがたいのだが・・・
貧乏性で保険料負担が勿体ない気がしていた。

時々廻ってくるバイク買い取り屋さんが近所のバイク屋よりもよかったので、
これが潮時、とうとう買い取って貰うことにした

まぁ、これも身辺整理、致し方ない。
もうこれで生涯バイクには乗ることもないと思うとちょっと寂しい。
誰かいい人に奉公しておくれ・・・




開戦危機ひとまず回避

2013年03月12日 | 政治・外交
北朝鮮の核実験から第三次世界大戦勃発の可能性があったが、中共は国連安保理で対北制裁に賛成した。
「中国と北朝鮮の連携が切れ、また制裁内容により北朝鮮とイランの連携が困難になった・・・」
鍛冶俊樹の軍事ジャーナル 第97号(3月11日)
http://melma.com/backnumber_190875/

注目すべきイランの動向

 チャンネル桜の討論番組「東アジアで戦争が起きる!」に出演した。
http://www.youtube.com/watch?v=cXOWOElA2Wc&feature=youtube_gdata
出席者としては貴重な意見交換の場を与えられた訳で実に有意義だったが、テーマは壮大なだけに論点が多岐に及び、視聴者には混乱した印象を与えたかもしれない。またテーマの性質上、深刻な表情で語らざるを得ないから、今の日本が絶望的な状況にあると誤解された方もいた様だ。

 現在、想定し得る最悪の国際情勢は、イラン、中国、北朝鮮が同時に戦争の火ぶたを切ることである。これは第3次世界大戦とも呼ぶべき状況である。だがこの危機の頂点は昨年12月12日の北朝鮮弾道弾発射から今年2月12日の北朝鮮核実験までであった。
 3月7日の国連安保理の対北制裁決議により、ひとまず危機は回避されたと見られる。というのも中国が対北制裁賛成に回ったため、中国と北朝鮮の連携が切れ、また制裁内容により北朝鮮とイランの連携が困難になったからである。

 もちろん連携はまたいつ復活するかもしれず、予断を許さない状況だがひとまず危機が回避された事は喜ぶべきことだろう。今後注目すべきはイランの動向であろう。
 実はこの2カ月間の北朝鮮危機の間、軍事筋が真に注目していたのはイランがホルムズ海峡を封鎖するかにあった。もし封鎖すればまさに第3次世界大戦の幕開けだっただろう。何故なら今、東アジアに集中している米軍戦力が中東に移動せざるを得なくなり、東アジアががら空きになったところで、中国が尖閣侵攻を開始しただろうからである。おそらく北朝鮮はそれを一日千秋の思いで待っていたに違いない。

 だが経済制裁に喘ぎイスラエルの空爆の恐怖に怯えたイランにその余力はなかったらしい。2月26、27日にカザフスタンでイランと米、英、仏、露、中、独の核協議が行われた。平和的解決で合意したと発表されたから、ホルムズ海峡を封鎖しないとイランは約束した事になる。おそらく今後は制裁緩和の方向で話し合われるだろうと見られる。
 この約1週間後に対北制裁決議である。もともと12月の弾道弾実験、2月の核実験はイランから技術や資金の供与を受けて北朝鮮が実施に踏み切ったと言われる。イランの所業は北朝鮮と共犯でありながら自ら司法取引に応じて裁判の証人に名乗り出た容疑者にそっくりである。

 こうした状況を鑑みるに、中国が軍を動員して尖閣に侵攻する公算は当面なくなった。だが中国は歴史的に正規戦よりも非正規戦を得意とする。すなわち情報戦争でありテロ、あるいはスパイ戦である。となればスパイ防止法の制定は急務となろう。

日中対立「メンツの問題」 中国軍上将、開戦論戒め 2013/03/11 20:29
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/china/637283/

 11日付の香港紙、星島日報によると、中国人民解放軍の総後勤部政治委員、劉源上将は10日、沖縄県・尖閣諸島をめぐる日中間の対立について「メンツの問題」で「意地を張り合っている」にすぎず、戦争で解決するような問題ではないと強調した。同紙の取材に応じた。
 劉氏は故劉少奇元国家主席の息子で、習近平党総書記と同じ太子党(高級幹部の子弟)の大物。習指導部として、ネット上などで出ている開戦論を戒める意図がありそうだ。
 劉氏は、日中両国は知恵を出し合って問題を解決するべきだと主張。「どうしても(解決)できないのなら(解決を)後回しにし、よく話し合うべきだ。人類の中で最も極端で最も暴力的な方法を使うまでもない」と述べた。(共同)

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」平成25(2013)年3月12日(火曜日)通巻第3900号
http://melma.com/backnumber_45206/

習近平の軍師、尖閣諸島は国家の威信をかけた闘いに値せず
両国はメンツにとられているが「戦争で解決する問題ではない」


 「軍師」が尖閣問題で重い口を開いた。
 香港の有力紙『星島日報』(3月11日)は人民解放軍総後勤部政治委員、劉源上将が「尖閣諸島をめぐる日中間の対立は両国が「メンツ」にこだわっての「意地を張り合い」でしかなく「戦争で解決するような問題ではない」と発言した。
劉源は事実上の習近平の「軍師」。したがってこの発言は重要である。劉源はいうまでもないが、故劉少奇元国家主席の息子。習近平の先輩。幼なじみ。
軍に根強い日本との開戦論を戒める意図を持ち、軍内の「理論派」を代弁している。

 劉源は同紙のインタビューに続けて、「両国は知恵を出し合って問題を解決するべきであり、どうしても解決できないのなら問題を後回しにし、よく話し合うべきだ。人類の中で最も極端で最も暴力的な方法を使うまでもない」とした。

中共はメンツを重んじるらしい。
メンツは交渉事がある場合の話で、尖閣に領土問題はないというのが日本の立場だ。
棚上げ論も勝手に中共が自分の都合のいいように思いこんでいるのではないか。
もとより中共は公害による環境悪化、賄賂による政治腐敗、暴動頻発で戦争を仕掛けられる状況にはなく、混迷から崩壊の危機がある。


「政治的嘘の見分け方」

2013年03月10日 | 政治・外交
「一度やらせてみて」は酷かった。
「日本を取り戻す」は何から取り戻すのだろうか。
盗られた竹島や北方領土は取り戻せるだろうか。
懸案のTPPは日本をどこかに差し上げるような気がするが。
「日中友好」もメッキがはげて、中共の本音が何だったか暴露されるところとなった。
中共や朝鮮半島に侵略されたNHKその他マスゴミが発信する情報は国民を狂わせる。
本当に国民のことを考えてくれる政治家か、陣取りゲームを飯のタネにしている政治屋かを見極めるには「正気」を取り戻すことから始めなければならない。
■■ Japan On the Globe(789) ■■ 国際派日本人養成講座 ■■

Media Watch : 政治的ウソの見分け方

~ 国際政治学者・中西輝政氏に学ぶ
歴史を通じて磨かれた我々の素朴な感覚で、
美しい言葉に隠された政治的ウソを見分けることができる。

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■1.「予測をどこでどう間違えたのか?」
 国際政治学者の中西輝政京都大学教授は、自ら政治的なウソに騙された事例を紹介している。

 イラク戦争直後、教授は二、三年かかるにしろ、イラクの国内状況は次第に落ち着きを取り戻し、経済の発展も始まるだろうと考えていた。しかし、イラク情勢はその後何年経っても、依然として混迷状態にある。そこで教授は「予測をどこでどう間違えたのか」と何度も反芻した。
 一つは情報の歪みである。ワシントンやニューヨークの一流メディアから流される情報はすべて楽観論一色で「アメリカはすでに並ぶものなき軍事大国で、その力は隔絶している」などというものだった。「いまから考えると、かなりの部分が情報操作だったのでしょう」と教授は言う。[1,p164]

 もうひとつの反省点は、自身で「あれ?」という疑問を持ったのに、それを深くつっこまなかった事だ。その疑問とは、なぜアメリカ軍はイランやシリアとの国境を閉鎖しなかったのか、という事であった。
 国境を閉鎖しなかったら、イランからアルカイダなどのゲリラ勢力が自由に入ってくるし、シリアからも武器や物資が運び込まれてくる。「こんなことでは危ない。なぜ閉めないのだろう」と教授は疑問に思ったが、「まあ、アメリカのことだから、そんな事は百も承知でやっているのだろう」「人工衛星か何かで監視しているのだろう」などと、自分の疑問を押し込めて、自身を納得させてしまった。

■2.「ふと浮かんだ疑問」を大事にする
 当時、大統領選を翌年に控え、ブッシュ政権は「アメリカの鮮やかな勝利」を強調していた。ラムズフェルド国防長官は「アメリカは軍事革命を果たした」「衛星とスリムな軍隊で、アメリカは世界のどの地域でも同じ事ができる」という新ドクトリンを打ち出していた。
 しかし、国境を閉鎖しようとしたら、最低3、4万人の兵力を増派しなければならない。それでは「イラクは実はうまくいっていないのではないか」という批判を招きかねない。
 その批判を避けるために、国境は閉鎖しなくとも何とかなるだろう、という大バクチをラムズフェルド国防長官は打ったのだった。そして、それに都合のよいウソの情報を流していたのである。はたしてバクチは裏目に出て、イラクは泥沼化し、アメリカは深い傷を負った。
 中西教授は、もし「なぜ国境を閉めないのだろう」という疑問にこだわって、いろいろ調べていけば、かなりの情報が集めら、早い段階で「この戦争は泥沼化する」と分かったはず、と自省している。
 ふと浮かんだ疑問は自分の素直な感覚であり、物事を考える際にこれがものを言うことが多いと、教授は言う。

■3.美しい言葉にはトゲがある
 我々日本国民もさまざまなウソに騙されてきた。たとえば、「次の言葉のうちで、あなたが好感できるものを選んでみてください」と中西教授は問いかける。

「豪華」「自慢」「自由」「蓄財」「大物」「平等」「格安」「平和」「出世」「民主」

 おそらく大部分の人は「自由」「平等」「平和」「民主」などを選ぶ。これらの「美しい言葉」は誰も疑わない。だからこそ、そこに危険なワナが仕掛けられている。これらの「美しい言葉」は、人々の思考停止を誘い、我々の素朴な感覚を押さえつけてしまう。
 たとえば「平和」。軍隊をなくし、核兵器をなくせば、平和な世界が来る、と戦後教育では教えられてきた。そして「平和」を声高に叫ぶ人々は、「核兵器反対」を唱え、米国の艦船が核を積んでいるのかどうか、などと問題にしていた。
 しかし、彼らは日本を狙うソ連や中国の核兵器には何も言わない。かつて広島の反核集会で、「米国の核ミサイルだけでなく、ソ連の核ミサイルにも反対する必要があるのではないか」と発言した学生が、演台から引きずり下ろされてしまった事もあった。
 この学生のように素朴な疑問を大事にすることで、こういう美しい言葉に隠された危険なウソを見破ることができる。
 美しいバラにはトゲがあるが、美しい言葉にはウソが隠されてることがしばしばある。政治的ウソを見分けるには、まずは美しい言葉を見たら、そこにはウソが隠されていないか、気をつける必要がある。そこから素朴な感覚が働き出す。

■4.化けの皮がはがれた「日中友好」
「日中友好」も、かつては多くの日本人を騙して、膨大な国富を奪った美しい言葉であった。
 1980年代には「日中友好2千年」「日中は(同じ漢字を使う)同文同種の国」「一衣帯水(一筋の帯のように、細い海峡に隔てられた隣国)」など、マスコミの流す様々なスローガンが友好幻想をかき立てた。総理府(現・内閣府)の調査によると、1980年代前半では70%以上の日本国民が中国に親しみを感じていた。
 もともと、これらの美しいスローガンは、中国がソ連と対立して、日本からの経済協力を必要としていた時代に、流されていたものである。[a] 「日中友好2千年」などというスローガンが、いかに歴史的に見ても偽りに満ちたものかは[b]で述べた。
 最近は尖閣諸島問題や反日デモなどで、こういうスローガンのうさん臭さが誰の目にも明らかになり、ここ数年では、中国に親しみを持つ人々は20%台にまで落ち込んでいる。

 しかし、過去20年ほど「日中友好」に騙されてきた結果、3兆円以上(日本国民一人あたり3万円規模)も貢いできた対中ODAは感謝もされずに忘れ去られようとしている。
 またマスコミの「中国経済賛美」に乗せられた日本企業の対中投資額も10兆円規模に達しているが、日本企業がいざ中国から撤退しようとしても、中国政府や合弁の相手企業は難癖つけて投資分を返さない。「日中友好」の美辞麗句に騙されて、膨大な国富を我々は奪われてきたのである。

 孔子は「便辟(べんへき)を友とし、善柔(ぜんじゅう)を友とし、便佞(べんねい)を友とするは損なり(外見が良いだけの人を友とし、人当たりが良いだけの人を友とし、言葉巧みな人を友とするのは損である)」として、友を選ぶことの重要性を語っている。
 国家間の関係も、我々の友人関係と同じである。相手が友として信頼してよい人物かどうかを見極めることが大切だ、という素朴な感覚を大事にしなければならない。

■6.米軍の刑法犯は国内平均の半分以下
 近年、中国が太平洋に覇権を伸ばそうとするにしたがって、沖縄の米軍基地に関する政治的ウソがさかんに流されるようになってきた。沖縄の米軍基地こそが、中国n太平洋侵出にとっての最大の障害だからである。
 たとえば、沖縄には在日米軍基地・施設の約75%が集中していると言われると、ほとんどの日本人は驚いて、いかに沖縄県民が米軍基地の「過重な負担」を堪え忍んでいるか、と思ってしまう。
 しかし、この75%とは米軍が単独で使用している基地だけの話で、自衛隊と米軍が共同使用している三沢、厚木などの基地を加えると約25%というのが実態である。[2]
 また、沖縄で数年に一度、米兵による強姦事件などが起きると、マスコミが大騒ぎするが、千人あたりの刑法犯検挙人数で見ると、

-沖縄の米軍  1.4人
-沖縄県民   3.0人
-来日中国人  15.7人(登録者・永住者+短期旅行者/日数)
-来日韓国・朝鮮人 19.4人 (同)

 となっている[3]。外国人犯罪について騒ぐなら、10倍以上の刑法犯を出している近隣諸国からの在留者、旅行者こそ問題にしなければならないはずだ。

 さらに最近は米軍の新型輸送機オスプレイの危険性がマスコミで騒がれているが、これもデータを見れば、そのウソが分かる。オスプレイは2007年に実戦配備されてからの事故率は10万時間あたり1.93回で、いま使われているヘリコプターCH-53Dの4.15の半分以下である。沖縄県民の安全を本当に心配するなら、一刻も早くオスプレイ配備を願わなければならない。
 現在のヘリコプターCH-53Dでは尖閣諸島には届かないが、オスプレイなら1時間で着ける。オスプレイの「危険性」を本当に心配しているのは中国軍の方であろう。[4]

 政治的なウソが、センセーショナルな犯罪報道や、巧みに作られた数字によって流されることがある、と知れば、ちょっと待てよと、素朴な感覚を働かせるチャンスが出てくる。
 特に最近は、[2]や[3]のように、大手マスコミの報道する政治的ウソをデータで客観的に暴くインターネット・サイトも増えてきているのは、歓迎すべき傾向である。こういうサイトを見聞する事で、データを通じて、我々の素朴な感覚を磨くことができる。

■7.我々の素朴な感覚を磨く道
 我々の素朴な感覚を磨くには、他にどのような道があるのか。一つは人生経験を積むことだが、もう一つは、他者の経験、すなわち歴史に学ぶことである。
 中西教授はイギリス・ケンブリッジ大学に留学した際に、国際政治に関する分野を教わったのは、歴史学者のハリー・ヒンズリー教授だった。ヒンズリー教授は「歴史に還元しないと何事も本当の知識にはならない」と中西教授に教えたという。
 中西教授の国際政治に関する独自の見方は、歴史的な視野を持っているところから来ることが多い。たとえば、現代の日本が直面している少子化、人口減少に関しても、こんなエピソードを紹介している。
 1935年にアメリカ政府は、米国における長期人口予測を発表した。そこには、次のような予測が示されていた。
__________
 1965年になったとき、アメリカの人口は三分の二に減っているだろう。大々的に移民を受け入れるか、それともこのままやっていくかの大変な分かれ道だ。[1,p216]
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 この予測は見事にはずれた。第二次大戦が始まると、急に結婚率が上がり、それにつれて出生率も大幅にあがった。これが1965年まで続き、「大ベビーブーム」時代が出現したのである。
 もし、1935年時点で、この予測にしたがって、大々的な移民政策がとられていたら、どうなっていたろう。現在でも、大規模な移民政策がうまく行っている国がないのは、トルコ移民問題に悩むドイツ[c]や、中国化しつつあるカナダ[d]を見れば明らかである。

 アメリカは経済的にも社会的にも1960年代に黄金時代を迎えるが、もし1935年の時点で大規模な移民政策をとっていたら、貧しい移民たちへの生活保護に税金を投入せねばならず、また治安の悪化などで、その後の黄金時代を迎えられたかどうかは分からない。
 大ベビーブームを経験したアメリカですら、その前に人口減少が政府によって予測されていたという歴史的事実を知っているだけで、我が国の少子高齢化はもはや覆せない傾向だとあきらめ、1千万人移民計画などに突っ走る危険性を感じとることができるだろう。
 歴史を通じて、人類の過去の経験を知ることで、我々の素朴な感覚も磨かれていくのである。

■8.「宙ぶらりん」の状態に耐える
 少子高齢化と人口減少を前にして、大規模な移民政策にも走らず、何か他の方策はないかと思い悩む状態は人間にとって、つらい状態である。弱い人間はえてして、「もう移民政策しかない」などと、一足飛びに結論に飛躍したがる。
 イギリスの軍事史研究家かつ戦略思想家のリデル・ハートは次のような言葉を残している。
__________
 ものごとがいずれにも決しない状態に耐えることはとてもつらいことである。そのつらさに耐えかねて「死に至る道」(後先考えずに飛び込んでしまう衝動的な行動)に逃げ道を求めようとするものは昔から国家にも個人にもあった。
しかし、このつらい「宙ぶらりん」の状態に耐えることこそ、可能性の明確ではない勝利の幻想を追い求め、国家を灰燼(かいじん)に帰せしめるよりは、はるかに優れた選択なのだと銘記すべきである。[1,p25]
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「平和」とか、「日中友好」などという美辞麗句に踊るのも、現状の「宙ぶらりん」の状態に耐え続けることができず、政治的ウソとして与えられた明快な結論に飛びつく、という弱さの表れだろう。

 フランス革命やロシアや中国の共産革命の歴史を知れば、政治的な嘘に踊らされて、「死に至る道」を突っ走った国民の悲劇を目の当たりにする事ができる。逆に、宙ぶらりんの状態に耐えつつ、一歩一歩、素朴な感覚に基づきながら危機を克服してきた英国の強さを知ることができる。
 どちらの道を目指すかは、その国の人々がいかに政治的ウソにだまされずに、自らの素朴な感覚を磨き、働かせるか、にかかっている。
(文責:伊勢雅臣)
■リンク■
a. JOG(312) 「日中国交正常化」~ 幻想から幻滅へ
 そもそものボタンの掛け違えは、田中角栄の「日中国交正常化」での「異常」な交渉にあった。
http://bit.ly/13L5wd7

b. JOG(367) 「日中友好2千年」という虚構
 日本は、中国の冊封体制と中華思想を拒否し、適度の距離感を保ってきた。
http://bit.ly/WzZv0W

c. JOG(143) 労働移民の悲劇
 ぼくたちには何のチャンスもありません。ドイツに夢を抱いていたことが間違いでした。
http://bit.ly/13L5ORv

d. JOG(784) 中国の列島蚕食
「日本列島は日本人だけのものではない」が現実になる日。
http://blog.jog-net.jp/201302/article_1.html

e. JOG(188) 人権思想のお国ぶり
 「造花」型のフランス革命は200万人の犠牲者。「根っこ」型のイギリスは無血の名誉革命。
http://bit.ly/14GMJMh

■参考■(お勧め度、★★★★:必読~★:専門家向け)
  →アドレスをクリックすると、本の紹介画面に飛びます。
1. 中西輝政『本質を見抜く「考え方」』★★★、サンマーク出版、H19 (2007/11)
http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4763197975/japanontheg01-22/

2. 濱口和久『だれが日本の領土を守るのか』、たちばな出版、H24
http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4813324401/japanontheg01-22/

3. 米兵犯罪は本当に多いのか?統計による比較まとめ
http://matome.naver.jp/odai/2135070313136901001

4.オスプレイは本当に危険か-ヘリコプターとの事故率の比較
http://blogs.yahoo.co.jp/success0965/15968405.html



南北朝鮮不可侵破棄

2013年03月09日 | 政治・外交
歴史は繰り返す。
北朝鮮の金正恩はついに朝鮮半島南北間の相互不可侵を破棄すると宣言した。
昭和28年朝鮮戦争は休戦したが、60年ぶりに再会の可能性がある。
前回と違い、核兵器を手にした北は米韓を敵として挑発している。
当時日本は朝鮮特需で好景気に沸いたが、今回は米の同盟国として巻き込まれるのだろうか。
韓国も北朝鮮も日本を敵視する国、世界からも嫌われる国でもある。
近隣国への波及、とばっちりは・・・
南北不可侵・非核化の破棄宣言、北が決議に反発 2013年3月8日(金)11:11
http://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/world/20130308-567-OYT1T00289.html

 【ソウル=中川孝之】北朝鮮の対韓国窓口機関・祖国平和統一委員会は8日、国連安全保障理事会での制裁決議採択などに反発する声明を発表、南北間の相互不可侵や非核化を定めた合意をすべて破棄すると宣言し、挑発姿勢を鮮明にした。
 朝鮮中央通信が伝えた。

 声明では、制裁決議が米国や韓国による「不法で非道な横暴だ」と非難。朝鮮半島で核戦争が勃発しかねない状況だと決めつけ、南北和解や不可侵を定めた1992年発効の「南北基本合意書」など、過去のすべての合意を、米韓合同軍事演習「キー・リゾルブ」が始まる11日に全面破棄すると主張した。
 板門店に設けている南北の直通電話を即時断絶するとも通告。「対決と対話は両立しない」と強調し、南北対話を模索する韓国の 朴槿恵政権に対する圧力を強める構えもみせた。
 また、「米韓の策動で朝鮮半島の非核化は事実上、終末を告げている」として、92年発効の南北の「非核化共同宣言」を「完全白紙化」するとも主張。核開発を継続する姿勢を示した。



「千年の恨み」

2013年03月07日 | 政治・外交
日韓首脳会談で朴槿恵新大統領は「両国関係の発展を妨げている歴史問題」を持ち出し釘を刺した。
韓国の歴史問題とは云うまでもなく日韓合邦国家時代のことだが、韓国はこれを旧日本帝国の植民地支配、韓国民が搾取され悪政にあえいだという。
もう一つは例の従軍慰安婦問題であろうか。こともあろうに日本の朝日新聞が捏造した話が逆に韓国に利用され、河野談話、村山談話となってカネをせびられた。
韓国は上記の反日教育を幼稚園から施し、朴槿恵もその様に育っているのであろう。
韓国独立記念式典で加害者と被害者の立場は「千年の歴史が流れても変わらない」と強調した。

南北朝鮮は、とうてい日本と同じ価値観を有する国ではない。
日本の政治家は、なにを勘違いしているのだろうか。
政治資金を提供されているのではないかという噂もある。そうとしか考えられないほどの屈従外交だ。
前大統領はこれ見よがしに竹島に上陸した。かつて朴槿恵も竹島問題について「解決策は簡単だ。日本が韓国の領土だと認めればよい」と述べた。
こんな国とは国交断絶すればよい。国益もなく、精神衛生上もよろしくない。
朴大統領、歴史問題にくぎ…日韓首脳電話会談 2013年3月7日(木)10:18
http://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/world/20130307-567-OYT1T00277.html

【ソウル=豊浦潤一】韓国の 朴槿恵大統領は、6日の安倍首相との電話会談で、「両国関係の発展を妨げている歴史問題」についてくぎを刺すことを忘れなかった。
 韓国内で「代表的な右翼政治家」と目される安倍首相との初めての電話会談で、「言うべきことは言う」姿勢を示した格好だ。
 韓国内では2月22日の「竹島の日」記念式典への内閣府政務官派遣で反日世論が再燃した。竹島問題は韓国で「侵略の歴史の一部」と解釈されている。今後、日本の教科書検定、外交青書、防衛白書での竹島の記述をめぐる摩擦要因が待ちかまえる。朴氏は、 李明博前大統領の竹島上陸を機に悪化した両国関係を再構築するにあたり、安倍首相に韓国世論を刺激するような言動を慎むよう促す狙いもあったとみられる。