【中国高速脱線】速度重視で安全軽視 指摘されていた「危うさ」 2011.7.24 01:00
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110724/dst11072401010000-n1.htm
経済発展を背景に、急速に広がった中国の高速鉄道をめぐっては、日本などが開発した技術を利用した疑いのある特許申請問題に加え、運行上のトラブルが続発。今回、事故を起こした車両は川崎重工業が技術供与した車両で、「和諧号」と総称されている。営業速度などを重視し、安全面をおろそかにしているとする指摘が日中両国から繰り返されている。
昨年4月にはJR東海会長が、中国の高速鉄道について「安全性を軽視している」と海外メディアのインタビューで発言。中国側が否定していた。
また、中国共産党の創建90周年記念日を前に、前倒しで6月末に開業した北京-上海間を結ぶ高速鉄道(中国版新幹線)では、開業直後から停電や車両の不調などによるトラブルが相次いで発生。中国鉄道省の元幹部が中国紙に対し、「安全よりも(営業速度など)『世界一』を優先させた設定だった」と発言して波紋を広げた。土木工事に手抜きがあったことを指摘する工事関係者もいるという。
運行をめぐる懸念が、大事故として現実化した形だ。
鉄道の安全問題に詳しい安部誠治・関西大教授(公益事業論)は「6月末に開業した(北京と上海を結ぶ)中国版新幹線でのトラブルは、初期故障のような軽微なものでそれほど問題視していなかったが、今回のような事故は正直信じがたい事態。事故原因が追突事故だとすれば、信号故障などで一時的に停車させた列車に後続車が突っ込んだ可能性が考えられるが、いずれにしても日本の新幹線や欧米の高速鉄道などでは追突事故は、まずあり得ない。安全態勢がかなり深刻な状態だと言わざるを得ない」と話した。
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」平成23年(2011)7月24日(日曜日)通巻第3375号
http://melma.com/backnumber_45206_5244664/
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ついに起きた中国新幹線、大事故。浙江省温州付近の鉄橋から落下
死傷者多数。「世界一安全」って豪語した直後、この事故が持つ意味は?
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2011年7月23日午後八時半ごろ、浙江省温州から福建省福州へ向かっていた「和諧号」(いわゆる中国新幹線)が豪雨と落雷の中、先行する列車に追突。高架橋から列車が30メートルほど下へ落下して多数の死傷者がでた。
報道に依れば、落下した列車はD3155.杭州発福州行き。
手元の中国鉄道時刻表で調べたら、D3115は杭州を1640に発車、福建省の福州南着が2145となっている。
筆者はこの列車に乗った記憶があるので(それも今年の3月ごろ)、保管してある切符を調べた。
筆者の乗ったのは3月9日、杭州を午前7時2分にでたD5587で、一度、温州で降りた。温州で取材後、つぎに温州南発14時57分のD3107に乗っていたことが分かった。
時刻こそは違うとはいえ、同じルート。身震いがする。
中国新幹線はチケットの種類で時速が異なり、北京―上海間の超特急新幹線は{G}で示される。また城際新幹線というのは短距離を疾駆する新幹線で(C)で表示される(たとえば北京―天津)。
事故を起こした新幹線は{D}で示されているように「動車」を意味する。一般的には従来線のレールに時速250キロ前後の車両を奔らせる区間も多い。こんかいの事故の列車は新しく敷設したルートと推測される。
しかし予測されたとはいえ、はやくも中国新幹線の頓挫を示唆している。安全を無視したスピード第一主義と手抜き工事。地盤改良工事をそこそこにしての繰り上げ開業、インフラの未整備。まるで中国経済のいびつな構造そのものを新幹線事故は象徴してはいまいか。
車両、信号、鉄路、電源など総合的なシステム力が高速鉄道の安全運行をもたらす。シナは性急過ぎでは・・・
へたすれば技術供与した日本企業が「難癖」をつけられかねない。