落葉松亭日記

ニュース・評論スクラップ、凡夫の日々雑感、山歩記など

岡山大空襲

2007年06月29日 | 日常・身辺
 うっとうしい梅雨空が続き何気なく過ごしてしまう毎日だが、知人のブログに岡山大空襲慰霊祭のことが書かれていた。
 私と兄、母は昭和20年の今日岡山市内に疎開していてこの空襲に遭遇した。私は1歳程度で自覚がない。以下は母の記録の一部である。
 戦争は日々に激しさを増し、内地の空にはB29が毎日襲って来るようになりました。警報の度に、赤ん坊の次男を柳行李に入れ、長男にリュックを背負わせて近くの防空濠に走り込むのが毎日の日課となりました。子供二人を育てるには食糧不足、家の食糧事情を少しでも良くしようと、警報解除のサイレンを聞くと直ちに、雑炊食堂の列に並んで待ちました。そんな生活を見兼ねて、母は岡山への疎開を勧めてくれたのでした。当時私の実兄も出征中で、兄嫁も二人の子供を連れて留守を守って居ましたので、その家に同居させて貰う事となり、家財道具を整理して、やっとの思いで岡山へ引っ越したのでした。

 しかし岡山も安泰では有りませんでした、六月二十九日灯火管制で暗い部屋が一瞬パット昼の様に明るくなったのです。「あっ・空襲」と直感して飛び起きました。その時早くも暗いガラス越しにB29の不気味な黒い機影が見えたのです、無数の焼夷弾が雨のように降り注いできました。何の警報も無く、不意の空襲で有りました。此の儘では、此の家も焼け出す、皆焼け死には必定、何とか外へでなければと、次男を背負い、綿入りの「ねんねこ」を水で濡らし、頭から被せ、長男を起こし、非常用のリュックを背負わせ、寝惚けてむづかる手を掴んで外へ出ました。

 ブシュ・ブシュと嫌な音を立てて、焼夷弾が雨の降るように落ちてくる。路地には泣き叫ぶ人の声、右往・左往する人の影で一杯です、阿鼻叫喚・焦熱地獄とはこの事でしょう。そうだ表通りの「柳川筋」で電車の敷設工事をしていた溝があった。無我夢中でその方向に突進して、溝の中へ飛び込んで身を伏せました。溝の中では傷ついた人が助けを求めて叫んで居ます、猛火は風を呼び、風はまた猛火を呼んで、火の粉が凄い音を立てて、私共を横殴りにして往きます。道の両側の家々は一軒残らず焼け落ちて、正に生き地獄です、あぁ是までかと思いました。死ぬなら三人一緒に死にたい、子供を必死に抱き締めて伏せて居りました。

 何時間か過ぎました、夜が明け始めました、B29の機影も何時の間にか見えなく成って居ました。「あぁ・助かった」是が世に言う・岡山の大空襲で有ります。一メートルそこそこの細い溝が私共母子三人の命を守ってくれたのです、姉達三人も無事でした。煙と煤で真っ黒に成った顔を見合わせた時、暫くは本当に言葉も出ませんでした。雨がふりだしました、ともかく里の興除村へ帰ろう・・と宇野線大元駅に向かって歩き始めました。道路には傷を負うた人々が犇めき・呻いて居りました。牛が真っ黒に成ってぶすぶすと燻って居りました。本当に戦争は惨めです。長い順番を待ってやっと罹災者専用列車に乗る事が出来ました。妹尾駅に着いたとき、やれやれ帰れたと気が緩み、へたり込んで仕舞いました。

 その後八月六日には広島・八月九日には長崎に原爆が投下され、死の灰が降り、街は全滅しました。八月十五日天皇陛下の玉音放送で終戦と成り、敗戦国となったのであります。様々なデマが飛び、なにを信じて良いか分かりませんでした。昭和の乱気流に巻き込まれた者のみが知る、恐ろしい体験でありました。


 岡山空襲 B29・約70機138機。死者1737人。罹災人口12万人。罹災家屋25,000戸。
 日本本土の主要都市を襲った米軍の無差別爆撃で29万9485人、236万戸が灰や瓦礫になった。

政権の危機

2007年06月26日 | 政治・外交
 社保庁問題で安倍政権の支持率が下がりっぱなしだそうだ。支持率などその時の気分だと思うが、参院選挙を控えている今、問題視する意見が多い。しかし、問題の本質を評論家屋山太郎氏は6月22日産経新聞「正論」で「社保庁組織の腐敗」国鉄問題とそっくりと指摘し、この中で民主党がやるべきこととして以下のように述べている。
≪民主党がやるべきこと≫
 社保庁改革法は非公務員型の「日本年金機構」を作って、6分割する主旨だ。国鉄の7分割・民営化をなぞった解決法だ。民主党の国税庁と一緒にして「歳入庁」を作れというのは米国式の発想だが、現実問題として大学に中学生を入学させるようなもので無理だ。民主党がやるべきことはまず支持母体の自治労に世間一般の常識を教育してやることだ。小沢一郎氏はこの自治労を選挙の手足にしているが、これではさながら「小沢自治労」だ。

 先日TVの爆笑問題の国会ごっこを見ていたら民主党議員が「年金データ5000万件が消えた」と繰り返していた。演芸番組でもこれまた「消えた、消えた」と連発だ。本当に消えたのなら5000万件という数値すら判らないはずではないか。
 しかし、遅まきながら社保庁が実態調査をした結果本当に消えたデータもあるにはある。
年金保険料横領、社保庁が全国で実態調査(NKKEI NET07/06/24 07:01)
 年金保険料の一部を収納担当の職員が横領している事例があるとして、社会保険庁は全国の実態調査を始めた。保険料横領は発覚している分だけで2002年までに1億1000万円を超すと判明、未発覚のケースもあると見られる。社保庁は市区町村職員を調査する方針だが、同庁の地方出先機関も対象になる可能性がある。保険料横領は、払ったはずの保険料納付記録がなくなっている「消えた年金」などの一因とみられる。調査と情報公開を急ぐ必要がありそうだ。
 会計検査院の調査資料によると、1989?02年までの公的保険料の横領額は発覚した分だけで約1億1000万円。4年間にわたり加入者から受け取った保険料を国庫に納付せずに着服していたケース(東京・蒲田)、架空の被保険者記録を職員が作り自ら開設した金融機関口座に年金を振り込ませていたケース(愛知県・半田)など計7件。

 氷山の一角でないことを願う。

花岡信昭氏の政権の危機管理能力を問うという記事の提案は大賛成。
【花岡信昭の政論探求】政権の危機管理は万全か(産経新聞客員編集委員 花岡信昭 2007/06/26 08:23)
 安倍内閣の支持率が立ち直らない。「年金5000万件」問題への対応に国民の多くが満足していないということだろう。政権の危機管理能力が問われている。
 年金の納付記録5000万件が宙に浮いていたという問題は、関係者の間では周知の事実だったものが、国民には寝耳に水というかたちで噴出した。銀行で積立預金の記録がなくなったなどということが起きれば、その銀行は倒産する以外にない。今の状況は取り付け騒ぎが起きているようなものである。
 だから、社会保険庁という親方日の丸の典型的役所と職員組合・自治労に第一義的な責任がある。自治労を強力な支持母体とする民主党にも責任を感じてもらわなくてはならないのだが、なにやら完全に「正義の騎士」となっており、「悪玉は政府・自民党、善玉は民主党」という不可思議な構図がまかり通っている。
 もっとも政治の世界のことだから、そういう構図をつくり出す政治的巧みさも備えている点では、民主党が勝っている。このテレビ時代に、ワイドショーに出てくる政府・自民党のスポークスマン役が「人間のやることだから間違いもある」などと口走るようではいかんともしがたい。
 危機への対処は、まずスピーディーに、そして国民に「そこまでやるか」と思わせるダイナミックなものでなくてはだめだ。

 そこで、筆者の考える危機乗り切りを?。
 第1に社保庁長官の更迭。不祥事を起こした企業の再生にはトップの即刻辞任が最も効果的だ。後任には経済界の大物を充てる。
 第2に、社保庁が全国民に向けて年金の加入記録、今後の支給見通しを送付する。社会保険事務所に来てくれとか電話で問い合わせをというのは話が逆だ。いっぺんにはできないというのなら、スケジュールを予告し世代別に順を追って出せばいい。ミスをしてしまった人のところには職員が出向いて謝罪・釈明するのが当然だ。
 第3に、そうした人員確保策として、厚生労働省の職員の半分を投入する。残りの職員がいままでの2倍働けば、厚労省の機能は停止しない。職員は休日返上、手当てなしで連日残業とする。アルバイトを大量投入しているようでは、反省の色など見られないではないか。
 第4 歴代長官の私財没収(残りの人生は生活保護で過ごしてもらう)、関係省庁幹部や議員らの給与・歳費の一定割合を返上させて一連の対策費用の一部に充てる。首相や厚労相らがボーナスを返上したぐらいでは、国民は納得しない。
 第5 自治労解散を求める。この騒ぎを招く要因をつくった責任は取ってもらわないといけない。

 国の基幹政策である年金システムという「公への信頼」が根本から揺らぐ国家的危機なのだから、強烈なインパクトのある対応が迫られている。

 このまま、野党やマスコミのあおりを食っていると参院が保革逆転し、安倍政権の戦後レジームからの脱却が頓挫するといった事になりかねない。事の本質、何が悪玉なのかを見極めるべきと思う。

リセット

2007年06月23日 | 日常・身辺
 1年ぐらい前からガス全自動風呂の着火が悪くなっていた。とくに強風の吹いた後など顕著な気がしていた。先に水を張ってみたり、洗面台で試してみたりだましだまし使ってきたがいよいよ何をしてもエラーコードが表示されるばかりになった。もう10年近くたったので寿命かな。思いあまってフリーダイヤルにかけた。

 型番や状況や表示のエラーコードを説明する。
 「コンセントを入れ直してみてください」
 「コンセントは専用で常時入ったままです、だからこそ着火には至らないけれどエラーも表示されるのでしょう」と私。電源が抜けているのではないかと云われているように思ったのだ。
 なおも、女性は「コンセントを入れ直してみてください」と繰り返すので電話を持ったまま風呂場に行き電源コンセントを入れ直してみた。そして操作盤のスイッチを入れてみると、なんとあっさり着火インジケータが点灯したのだ。
 「点きました」
 「点きましたか、それでリセットされるんです」
 「・・・、そうでしたか・・ありがとう」といって電話を切った。

 説明書にはエラーコードが点いたときはお問い合わせくださいと書いてあり、いよいよ部品交換かと観念したのだがいとも簡単に直った。
 そう、そうなんだよな、これはマイコンプログラムが入っていたんだ。30年ほど前、マイコンをやっていたのを思い出した。プログラムが暴走すると電源を入れ直してリセットしたよな。
 しかし、説明書にはこの原始的復帰方法は書かれていなかった。

-----------------------------------------------------------------------------------------



今日の菊水山

2007年06月20日 | 散歩・山歩き
 午後、梅雨空がきれいに晴れ渡ってきた。久しぶりに菊水山に上がってみた。
 登山口から谷筋に沿って上がっていくと、双眼鏡を手にした年輩のバードウォッチャーがおられた。「キビタキがいるよ、写真に撮ってみたら」と私のカメラを見て声をかけてきた。木々の間に目をこらしてみると20mほど先にとまっていた。そこだけ日が当たり羽根が金色に輝いていた。リュックから望遠レンズ付きをひっぱりだしてとりあえず1枚とった。多分鳥は露出オーバーになっているはずで焦りながら2段ほど絞り構えたが飛び去ってしまった。
「後ろ姿でしたね、ありがとう」「いや、どういたしまして」
 プレビューでさっそく見てみたがやはり白っぽくとんでしまっていた。しかしファインダー画像が頭の中に鮮明に残った。ここを通るときは小鳥の声がいつもしているのだが望遠を出しておけばよかったと悔やまれた。
(写真をクリックすると大きくなります)


堰堤かさ上げ工事が終わり新しくなった登山口


石井ダム。今日発見したポイントから。


霞む関空


雄岡山、雌岡山


紫陽花


モリアオガエルの卵塊


木漏れ日


NTT管理車道にて


朝鮮総連スキャンダル

2007年06月18日 | 政治・外交
 借りたものは返す。朝鮮総連はそれをせずして「回収機構には日本政府の意向に沿って朝鮮総連から中央本部を奪って解散に追い込む政治的なねらいがあり、請求は不当だ」と主張していたそうだ。盗人猛々しいとはこのことだろう。

 差し押さえを回避するために日弁連元会長の土屋某やあろうことか公安庁元長官の緒方某が不動産仮装売買を行っていたというから驚きだ。この二人はれっきとした司法関係者だ。北朝鮮の情報を得るために公安庁で働くうち、いつしかズブズブの癒着関係になり、北朝鮮の工作員になってしまったのだろうか。総連が解散に追い込まれても自業自得ではないか。

参院選挙争点いつの間にか「年金」に

2007年06月17日 | 政治・外交
 社会保険庁のずさんな事務処理で5000万件という途方もない年金データが消えてしまったかのような印象を持ったが、よくよく追ってみると基礎年金番号に統合されていないだけの話らしい。それならば何年かかろうが調査し国民に周知徹底すればいい。システムの不備は改善し、職員のモラル向上を早急にやればいいのではないか。安倍首相はこの件に関して「謝罪」している。
「年金制度改革が争点に」首相、記録漏れを謝罪(2007年6月16日22時4分 読売新聞)
 安倍首相は16日、遊説先の佐賀市で記者会見し、年金記録漏れ問題に関連し、「参院選では年金制度の仕組みについて、大きな争点になる」と述べ、年金制度の改革を参院選で積極的に訴える考えを示した。
 首相は「多くの方々が不安を持っている。こういう状況が生まれてしまったことは、私も政府の行政の長として大変申し訳ない」と改めて謝罪した。
 さらに、「今までの社会保険庁には大きな問題があった。自民党は社保庁を廃止、解体し、信頼できる社保庁に変えることを選挙を通じて訴えたい」と述べ、年金記録漏れ問題で批判された社保庁の改革を前面に掲げる意向を明らかにした。

 支持率の急速な低下を慮って発言とも受け取れるが、これまで歴代政府の責任で、ひとり安倍内閣の責任ではない。先の「従軍慰安婦」問題で関係のないアメリカに謝罪していたが、簡単にお詫びするのもどうかと思う。
 当初参院選では憲法改正が争点になるだろうという話だったがどこかにいってしまった感がする。社保庁改革はやらなければいけないのは自明の理でこんなものが争点になるのだろうか。それとも野党は社保庁改革に反対なのか。

中国の凄い格差

2007年06月11日 | 政治・外交
激流中国 北京の水を確保せよ ~しのびよる水危機~ NHK 6/10放送
 中国の首都・北京。現在、最も大きな課題の一つが、水の確保だ。2008年オリンピック開催が決まって都市の発展が急速に進み、建設ラッシュ、洗車場の増加、街の緑化などにより、必要な水の量は圧倒的に増えた。ところが、主要なダムの貯水量は、ここ5年で、3分の1に減っているのだ。こうした中で、今、北京の水を確保するため、様々な対策が打ち出されている。今回は、北京市水務局の取締官の活動に密着した。取締官は、日々、水の浪費が目立つ建設現場や飲食店などを抜き打ち検査している。また、公共用水が盗まれる事件なども頻発しており、摘発に向かうこともたびたびだ。一方、上流の村では、北京に水を供給するため必死の取り組みが行われている。水不足解消の願いを込め、人工降雨ロケットも打ち上げられる。暮らしや産業の要とも言うべき、水の問題に迫る。

 一説によると年間神奈川県に匹敵する面積が砂漠化しているという。映像では地方に建設したダムの周囲には森が見えなかった。森がないから雲も発生せず雨も降らないという悪循環なのだろう。干ばつに見舞われたり、降れば豪雨と洪水が容赦なく襲う。ダム建設が環境を変えてしまったともいわれる。

 ダムの貯水は北京オリンピックを控えた都市用で、近くの農村では目前の貯水を使えずスイカも作れない。炊事も細々とした井戸水を使い回して行う状態だ。一方都市の高級マンションでは2つもバスタブを備えた部屋もあるという。都市の緑化にははるばると送られてきた水が使われたりする。日本向け食品の小豆「あん」工場が節水しているか検査されていたが、材料や機械の洗浄に水をふんだんに使う工場なのに大丈夫かと心配になる。

 番組では節水の啓蒙や盗水の取り締まりの様子が主で、先富論とやらで都市部と地方の格差が異常に拡大し暴動や汚職が頻発している問題などの核心に迫るものではなかった。軍備拡張、五輪開催などやっている場合ではなく優先順位が狂っているとしか思えない。

雨のち晴れ

2007年06月09日 | 日常・身辺
 

 午前中、いっとき激しい雷雨があった。

 午後3時を過ぎると雲が切れてきて、まぶしいほどの日が射してきた。

 夕飯を食べながら外を見ると鍋蓋山の上空に夕日を浴びた積乱雲が輝いていた。

    (雲の写真は拡大できます)

李登輝氏靖国参拝

2007年06月07日 | 政治・外交
 台湾の李登輝元総統が来日し、念願の奥の細道を探訪し兄上が眠る靖国神社を参拝された。
李登輝前総統 靖国神社を参拝 2007/06/07 NHK
日本を訪問している台湾の李登輝前総統が7日、旧日本軍の兵士として戦死した兄がまつられている靖国神社に参拝しました。参拝を終えた李前総統は「涙が出ます。60年間会っていなかった兄を参拝したのですから」と話していました。
台湾の李登輝前総統は、7日午前10時ごろ、車で夫人や孫らとともに靖国神社を訪れました。李前総統の兄の李登欽氏は、台湾が日本の統治下にあった1945年、第2次世界大戦で旧日本軍の兵士としてフィリピンのマニラ沖で戦死したとされ、靖国神社にまつられています。
靖国神社に到着した李前総統は、控え室のある到着殿から本殿へと入っていきました。そして、およそ40分後に靖国神社を出発しました。靖国神社側や関係者の話によりますと、李前総統は本殿に昇殿し、参拝したということです。参拝を終えた李前総統は「涙が出ます。60年間会っていなかった兄を参拝したのですから」と話していました。中国政府は、これまでのところ李前総統の靖国神社訪問について公式にコメントしていませんが、今回の日本訪問については、政治的なねらいがあるのではないかとして反発する姿勢を示しています。

 李登輝氏は台湾の政治を民主的体制に変革した偉人だが、これまで日本政府は冷淡であった。今回の来日でも中共は「日本が台湾問題をめぐり(中国側と)交わした約束を実際の行動で示すよう、強烈に要求する」と述べ、李氏を受け入れる日本政府を強く牽制(けんせい)したという。しかし安倍内閣で日中関係が改善する中、中共も「抗議」を抑制したようだ。

 各地で歓迎行事や講演会が行われた。1日の後藤新平賞(日本の近代化に献身した後藤新平の生誕150周年を記念して創設された)の第一回受賞者に選ばれ、その日の講演会で「(自身が)総統時代、一滴の血も流さずに、台湾の政治体制を軍事的独裁体制から民主的体制に変革したことは一生の誇りだ」と述べ、後藤を「偉大な精神的導師」と位置付けてながら、指導者として信念を持つことの重要性を訴えた。(2007/06/01 産経)

 しかし奥の細道クライマックスと云われる中尊寺では、寺側が中共の圧力により李登輝氏を一般観光客扱いし出迎えも解説もなく拝観切符を購入して参観されたそうだ。あの名刹がそのような見識とは情けない限りだ。

 2008年には台湾総統選挙が行われる。その結果によっては台湾は中共に呑み込まれる可能性もある。親日国台湾がそういうことになれば否が応でも中共の軍事脅威は増すだろう。

------------------------------------

6月9日夕方李登輝氏帰国。
「中国と台湾の関係については、「台湾はすでに独立した自由な民主的な国だと強く主張することはあたりまえのことだ」と述べ、台湾は独立した国だというみずからの考え方を説明した。(NHK)」
とのことです。ネット上では氏の講演内容など報告されていました。大いに台湾の存在感をアピールし、日本と台湾は運命共同体の感が強まりました。日本政府も外交上にこれを反映してほしいものです。