落葉松亭日記

ニュース・評論スクラップ、凡夫の日々雑感、山歩記など

春分の桜

2019年03月21日 | 日常・身辺
2019年桜の開花予想によれば、神戸地方は3月27日となっている。
今日は小雨まじりの春分の日。これからは一雨毎に温かくなるのだろう。
階下の桜

♫ 蕾もみんな ふくらんで はよ咲きたいと待っている





インターネット30年

2019年03月18日 | 日常・身辺
12日、インターネット(WWW)誕生から30年を迎えたそうだ。
30年前と云えば、1989年(平成元年)、丁度この年から日記を書いている。
会社で業務にPCを導入したり、家では下の子が歩き始めた・・・
父に病気が出始め、病院通いに付き合ったり・・・・等と書いている。
30年で世代交代、親は亡くなり、自分は後期高齢者となってしまった。
始めはパソコン通信主体だったが、2005年から自分もHPを持ってインターネットと付き合うようになった。
新聞はネットで、通信はEメール、本や雑貨は通販でと便利になった。
が半面、デマや誹謗中傷、詐欺などの事件も起きているので、注意を要する。
WWW誕生から30年、発明者のバーナーズリー氏が公開書簡 2019.03.13 Wed posted at 14:19 JST
https://www.cnn.co.jp/tech/35134127.html

「WWW」の発明者、ネット社会の「機能障害 」に警鐘

(CNN) 「ワールド・ワイド・ウェブ(WWW)」の誕生から12日で30年を迎え、この革新的な技術を発明したティム・バーナーズリー氏が公開書簡を発表した。インターネットで横行するハッキング行為や犯罪、誹謗(ひぼう)中傷に警鐘を鳴らし、世界的な取り組みの必要性を訴えている。

公開書簡はワールド・ワイド・ウェブ財団のウェブサイトに11日に掲載された。この中でバーナーズリー氏は、「ウェブが本当に善の力なのかどうか、多くの人が不安や不信を感じている」と述べ、「ウェブは機会を創出し、取り残された人たちに声を与え、私たちの日常生活を快適にしてくれた。一方で、詐欺師にも機会を与え、憎しみを流布する者に声を与え、あらゆる犯罪を容易にした」と指摘している。

そうした状況について同氏は、「単純に1つの政府や1つのソーシャルネットワーク、あるいは人の心を責めることはできない。この状況を正すためには、我々がグローバルなウェブコミュニティーとして一丸となる必要がある」と訴える。

コンピューター科学者のバーナーズリー氏は1989年3月12日、「情報管理システム」に関する初の提案を発表した。

それから30年。世界の人口の約半分がインターネットを使うようになった。しかしここ数年はグーグルやフェイスブック、ツイッターといった大手がインターネットを独占し、偽情報や嫌がらせが拡散する温床になっているとして批判の声が強まっている。

バーナーズリー氏はそうしたウェブの「機能障害の原因」として、国家が関与するようなハッキングや犯罪行為、広告をもとにした収益モデルなどの要因を挙げ、「平等、機会、創造性の原動力となるウェブに誰もが貢献するよう」、政府や企業、市民に呼びかけた。

インターネットは人類の最大の麻薬へと変わりつつある 2019年02月03日 19:24スプートニク日本
https://jp.sputniknews.com/life/201902035881644/

専門家のソーシャルメディア管理システム「フートスイート(Hootsuite)」と中国企業「ウィー・アー・ソシアル(We Are Social)」の専門家は、2018年の世界のネットユーザー数が40億人を超え、一方、世界の平均的ユーザーは1日6時間42分インターネットを利用したと計算した。このように、人間は昨年とてつもない時間をインターネットの使用に費やした。

ユーザーの中には独特の「チャンピオン」がいる。フィリピン人には1日10時間以上ネットを使用する人たちがいる。9時間以上は、ブラジルやタイ、コロンビアだった。

欧州の多くの先進国では、この数字は 1日5〜6時間が平均的。ロシアでは、この数字の平均は1日6時間29分で、日本ではさらに低く1日4時間12分だった。日本よりさらに少ない時間を示した国は、ナイジェリアやケニア、ガーナ、モロッコだった。

ウェブサイト「ネクスト・ウェブ(Next Web)」は、世界がインターネット依存の伝染病に覆われていると考え、その拡大を促しているのは、安価なスマートフォンの普及とネットアクセスが可能なプロバイダー料金がより手頃になっていることだと考える。

インターネットは当初米国で軍事目的に開発されたと聞いていたが、開発者がいたのだ。
情報通信で世界を変えたこの功績はノーベル賞ものだと思う。
もう一つ、孤老の自分にとって、電子レンジも身近な、生活必需品だが、発明者は誰だろう。これもノーベル賞ものではないだろうか。


春雪

2019年03月16日 | 日常・身辺
今朝は雷鳴で起こされた。
窓を開けてみると、積雪があった。






今日は九時予約の眼の受診日で、街まで滑らないよう降りていった。
診察はいつもの半分、一時間ほどで済んだ。
患者さんも少なかったように思う。
帰る頃には、雪もすっかりなくなっていた。

夕方の播磨灘、家島群島、一番奥は金甲山(岡山)。






報復措置

2019年03月15日 | 政治・外交
日本政府は韓国での元徴用工「賠償問題は1965年の日韓請求権協定で解決済み」という立場だが、降ってわいたような徴用工賠償問題が起きた。
原告側は、日本企業の資産差し押さえを検討している。慰安婦問題も蒸し返すなど最近の韓国の対日政策は異様だ。
日本は、日清戦争で朝鮮の独立を促進し、莫大な費用でインフラの整備をし、今の朝鮮半島の基礎を造った歴史がある。
韓国国会の文喜相(ムン・ヒサン)議長による、「天皇陛下への謝罪要求」という、常軌を逸した非礼発言があったが、日韓の歴史などこの男の頭にはないのだろう。
何方かが云った「彼の国とかかわってはロクな事が無い」とは、至言だ。
送金・ビザ発給停止を例示 麻生氏、韓国への報復措置
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO4236319012032019PP8000/

麻生太郎財務相は12日の衆院財務金融委員会で、韓国の元徴用工訴訟で賠償を命じられた日本企業の差し押さえ問題を受け、韓国への報復措置を例示し具体的に検討していると述べた。「関税に限らず、送金の停止、ビザの発給停止とかいろんな報復措置があろうかと思う」と語った。

写真:参院財政金融委で答弁する麻生財務相(12日)

日本維新の会の丸山穂高氏に対する答弁。麻生氏は「そういったものになる前の所で交渉しており、きちんとした対応をやっていかないといけない」と語り、報復措置の実施に至らないよう努力していると説明した。

ただ「事が進んで実害がもっと出てくると別の段階になる」とも話し、韓国の原告側弁護団が欧州などで日本企業の資産差し押さえを検討していることをけん制した。

日本政府は元徴用工問題について1965年の日韓請求権協定で解決済みとの立場で、「韓国国内での決着」を要請していた。しかし、原告による日本企業の資産差し押さえの手続きにまで発展。日本政府は韓国に同協定に基づく政府間協議の開催を促している。

新日鉄住金の資産売却へ=徴用工訴訟で韓国原告側 2019年2月15日 20:11 発信地:日本
http://www.afpbb.com/articles/-/3211363?cx_part=latest

【2月15日 時事通信社】韓国最高裁が元徴用工らへの賠償を日本企業に命じた問題で、新日鉄住金を相手取った訴訟の原告側弁護士は15日、東京都内で記者団に対し、既に差し押さえた同社の韓国国内の資産の売却命令を裁判所に申請すると表明した。弁護士らはこの日、東京都千代田区の本社を訪問。協議を要請したものの、対応を拒否され、実力行使に踏み切る形となった。

 日本政府は「賠償問題は1965年の日韓請求権協定で解決済み」との立場で、協定に基づく2国間協議を韓国政府に求めているが、韓国側は回答していない。原告側が差し押さえ資産の現金化に向けた手続きに着手すれば、日本政府はさらに反発を強め、仲裁委員会の設置要請や対抗措置の本格検討に入るとみられる。

 原告側は新日鉄住金と韓国鉄鋼大手ポスコの合弁会社PNRの株式を差し押さえているが、弁護士は「売却命令を申請しても、手続きの完了、現金化には3カ月程度かかる」と予想。「新日鉄住金が協議に応じる最後の期限となる」と警告した。また、下級審で賠償判決が出た訴訟についても、差し押さえの仮執行手続きに入る方針を示した。

 これに対し、新日鉄住金の広報担当者は「要請書は受け取った。日本政府とも相談の上、適切に対応していく」とコメントした。(c)時事通信社

5分でわかる「日韓併合時代に日本が行った本当のこと」
http://thefact.jp/2016/372/


神戸市 諏訪山

2019年03月02日 | 散歩・山歩き
3月1日、新しい運転免許証を受取に、神戸市中央区下山手通の免許更新センターに出向きました。
暇つぶしに、北区から再度山ドライブウエーを南下し、諏訪山駐車場に車を駐め、其処から徒歩で県庁街を往復しました。
若いころ一時親父の商売の手伝いをしていて、S38年運転免許を取らせてくれました。
尼崎から神戸まで配達によく来ていました。
その頃は、この県庁前にも路面電車が走っていました。

市章をあしらった跨道橋




キリスト教栄光教会


兵庫県公館


ヴィーナスブリッジ
 クリックで拡大


金星台・勝海舟ゆかりの「海軍営の碑」


金星台について



S40年前後、配達に乗っていたダットサントラック



米朝会談・メディアの反応

2019年03月02日 | 政治・外交
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」平成31年(2019年)3月1日(金曜日) 通巻第6009号
http://melma.com/backnumber_45206/

米朝首脳会談は「合意に到らず」と日本のメディアは書いた
  米国メディアは「失敗」「崩壊」「失墜」「取引なし」と報じた


 日米のパセプション・ギャップ、今回も甚だしい差が浮き彫りになった。
 「米朝首脳、合意に到らず」(産経)
 「非核化、合意出来ず」(日本経済新聞)と結論が不鮮明な印象がある。

 米国メディアはどうか。
 「話し合いは崩壊」(ニューヨークタイムズ)
 「失敗」(ウォールストリートジャーナル)
 「取引なし、突然打ち切り」(ワシントンタイムズ)
 「崩壊後、双方が独自の見解」(ワシントンポスト)
 「失速、金はリアリスティック」(ロスアンジェルスタイムズ)

 論理的結論を一言で結びつけるのがアメリカの報道姿勢、やはり曖昧な表現で、結論を急がない日本人の特性との差違が鮮明にでた。それが日米のメディアの報道姿勢にもくっきりと表れたのである。

 もう一つ、日本のメディアは拉致問題を多方面の確度から分析し、報道している。
米国のメディアで日本人の拉致問題と米朝首脳会議を結びつけた報道は皆無である。むしろ米国人学生が北朝鮮で暴行を受け、その後死亡した事件の結末を「金は『悪かった。しかし、わたしは関与していない』と発言した」と、幾分の怒りを込めて書いているのがめだつくらいだ。

 ちなみに平和統一などと乙女の祈りに似た甘い幻想にふけってきた韓国メディアは反応はと言えば、「赤信号」「破局」の語彙が踊り、「実を結ばず」「荒波」などと、日本よりも夢想の度が深いことが分かった。

アングル:物別れの米朝首脳会談、安易な譲歩回避に安堵の声も 2019年3月1日 / 09:43 / 4時間前更新 Reuters Staff
https://jp.reuters.com/article/usa-northkorea-meeting-idJPKCN1QI36Z?rpc=135

[ワシントン 28日 ロイター] - 物別れに終わった2回目の米朝首脳会談について、一部の米当局者や議会関係者、北朝鮮の専門家などは、米側が北朝鮮から中身の薄い合意を取り付けるために安易に譲歩する状況とならなかったことにむしろ安心感を覚えているようだ。

トランプ大統領は28日、ベトナムで開かれた北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との会談後の記者会見で、北朝鮮が制裁解除を要求したため、合意することができなかったと明らかにした。

一方、北朝鮮の李容浩(リ・ヨンホ)外相は、北朝鮮は寧辺の核施設廃棄を提案し、その見返りとして制裁の一部解除を求めるという現実的な提案を行ったと説明した。

首脳会談前には、米側が北朝鮮による非核化の見返り措置として朝鮮戦争の終結宣言や一部制裁措置の緩和、連絡事務所の設置に前向きな姿勢を示しているとみられていた。

ただ、米国の安全保障当局者の多くは、トランプ大統領が北朝鮮からほんの少しの合意を引き出すために過度に譲歩する結果となることを恐れていたため、合意先送りに安心感を得ている。それでもなお、首脳会談の決裂が北朝鮮の核開発を巡る今後の政策にどのような影響を及ぼし得るのかについては懸念が残る。

アーミテージ元米国務副長官は、トランプ氏が外交政策上の成果を追い求めるあまり、米大陸を射程に収める弾道ミサイルの脅威は取り除いても日本を含むアジア地域の同盟諸国に対するミサイルの脅威には効力が及ばない合意を結ぶとの懸念があったが、今回の結果を受けて懸念が後退したと説明した。

米シンクタンク民主主義防衛財団のマーク・デュボビッツ氏はトランプ氏が成果を上げれなかったとの批判に反論。「事実、悪い合意案の拒否は辣腕交渉人が取るべき姿勢だ」とツイートした。

首脳会談の決裂によって金委員長は核・ミサイル能力を引き続き保有することになる。ただ、トランプ大統領は、金委員長は核・ミサイル実験は行わないと約束したと述べた。

米側はかねてより、北朝鮮が核能力を廃棄するまで朝鮮戦争の終結宣言を認めない立場を示してきた。米情報当局者らはこれまで、北朝鮮が核弾頭・ミサイルを全て廃棄する兆しはないとしてきた。

終結宣言に合意すれば、北朝鮮は韓国に駐留する2万8500人の米軍兵士の一部撤収を求める可能性があった。トランプ氏は駐留を続ける必要性に疑問を呈してきたが、首脳会談前に撤収は議題に上らないと明言していた。
 2月28日、物別れに終わった2回目の米朝首脳会談について、一部の米当局者や議会関係者、北朝鮮の専門家などは、米側が北朝鮮から中身の薄い合意を取り付けるために安易に譲歩する状況とならなかったことにむしろ安心感を覚えているようだ。米朝首脳会談後に会見するトランプ大統領(左)とポンペオ国務長官(右)。ハノイで撮影(2019年 ロイター/Leah Millis)

専門家らは、トランプ氏は交渉に失敗することでむしろ成功を収めたかもしれないと指摘する。
トランプ氏に批判的な民主党のアダム・シフ下院情報特別委員長でさえ、「合意を見送るトランプ大統領の決断は悪い合意を結ぶよりも望ましかった」と述べて一定の評価を示した。
*見出しを修正しました。

北朝鮮メディア、米朝会談「建設的」と報道 合意見送りは伝えず 2019/03/01 16:44ロイター
https://news.goo.ne.jp/article/reuters/world/reuters-20190301056.html

写真:3月1日、ベトナムの首都ハノイで開催された米朝首脳会談が物別れに終わったことについて、北朝鮮の国営メディアは、建設的な協議だったなどと大きく報道する一方、合意に至らなかったことには触れなかった。写真はハノイで28日撮影(2019年 ロイター/LEAH MILLIS)

(ロイター)
[ハノイ/ソウル 1日 ロイター] - ベトナムの首都ハノイで開催された米朝首脳会談が物別れに終わったことについて、北朝鮮の国営メディアは1日、建設的な協議だったなどと大きく報道する一方、合意に至らなかったことには触れなかった。北朝鮮が交渉から降りるつもりがないことを示唆するものとみられている。

北朝鮮メディアはこれまで、交渉が決裂すると激しい言葉を用いて報じるのが常だったが、今回の会談については淡々とした調子で報道。

労働党機関紙「労働新聞」は「実務的な問題を巡って、建設的かつ率直な意見交換を行った」としたが、合意見送りへの言及はなかった。

朝鮮中央通信(KCNA)は、金正恩委員長が「会談の成功に向けて前向きに努力したこと、長旅をしたことに対してトランプ米大統領に感謝し、再開を約束して別れた」と伝えた。


米朝会談合意なし

2019年03月01日 | 政治・外交
ベトナム・ハノイで開かれた二回目の米朝会談はものわかれに終わった。
金正恩は北朝鮮からベトナムまで何千キロも列車で旅し、全世界に非核を宣言し、経済制裁を解除してもらうのかと思ったが、甘かったようだ。
米朝首脳会談、合意なく唐突な幕切れ トランプ氏帰途に
2019年2月28日 20:30 発信地:ハノイ/ベトナム [ ベトナム アジア・オセアニア 米国 北米 北朝鮮 韓国・北朝鮮 ]
http://www.afpbb.com/articles/-/3213538

写真:第2回米朝首脳会談を終え、ベトナム・ハノイの空港で米大統領専用機エアフォースワンに搭乗するドナルド・トランプ大統領(2019年2月28日撮影)。(c)Saul LOEB / AFP

【2月28日 AFP】(更新、写真追加)ベトナムの首都ハノイで27、28両日開かれた第2回米朝首脳会談は、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長が対北制裁に関して意見をまとめられず、北朝鮮の非核化をめぐる合意に至れないまま、唐突な幕切れを迎えた。トランプ大統領は28日夕方ハノイを後にし、帰途に就いた。

 今回の会談では、昨年シンガポールで行われた1回目の会談を基にさらなる前進が期待されていたが、当初予定されていた共同声明の署名には至らず、話し合いは頓挫した。

 トランプ氏は会談後の会見で「要は北側は制裁の全面的な解除を望んだが、われわれにはそれはできなかったということだ」と明かし、「立ち去る以外ない時というものがある、今回がまさにそういう時の一つだった」と、いつになく暗い調子で語った。

 一方でトランプ氏は、会談の前からその最中にかけて「われわれが成し遂げた進歩」により、将来「非常に良い結果をもたらす地点」まではたどり着けたと「前向きに捉えている」と強調。さらに、先に会談の成果の目安の一つとして挙げていた、核実験や弾道ミサイルの発射実験を再開しないという約束については、金氏から取り付けることができたと述べた。

 ただ金氏との「親しい関係」はあっても、3回目の会談については現時点では開催の見込みがないと認めた。「われわれは互いに良く思い合っている…二人の間には温かい思いがあり、私はその温かさが続くことを望んでいるし、また続くと思う」と語った。(c)AFP/Richard CARTER / Sebastian Smith

鍛冶俊樹の軍事ジャーナル第366号(3月1日)
http://melma.com/backnumber_190875/

*金正恩の失敗

 米朝会談の決裂について「トランプ政権にとって打撃」とする一部マスコミの論調は、どうみても偏向報道だろう。トランプは1週間前の会見で「非核化を急いでいない」と既に具体的な成果が出ない場合の予防線を張っていた。
 また米国の世論もトランプが交渉に前のめりになって安易な妥協に走るのを懸念していた訳だから、安易な妥協を拒否してテーブルを引っ繰り返したトランプは筋を通したタフネゴシエイターと言っていい。

 むしろ、この決裂は金正恩政権にとって打撃となる筈だ。北朝鮮メディアは金正恩が平壌を出発した時から大々的に報じて制裁解除への期待をあらわにしていた。それというのも経済制裁は軍や政府関係者にとっても耐え難い状況をもたらしているからだ。
 従って、もはや北朝鮮にとって活路は米朝合意しかないのは明らかで、その期待を一身に担って金正恩は会談に臨んだわけだが、結果はゼロ回答。だが「合意できず」と真相を伝えたらクーデタも起こり兼ねない。そこで北メディアは「米朝は交渉継続で合意した」と伝える他なかったのである。

 もう一人、面子を潰されたのは韓国大統領の文在寅であろう。かねてから北朝鮮寄りの姿勢を示し、米朝交渉の仲介役を自任してきた文在寅は、直前の電話会談でもトランプに制裁の一部解除を進言した。
 トランプは結果的に韓国大統領の意向を完全に無視した形になった。つまりトランプは文在寅など歯牙にも掛けていなかった事が明らかになったのだ。金正恩も、決裂の原因は文在寅の仲介能力の不足にあると考えているに違いなく、文在寅の面子も丸潰れである。

 今回の米朝会談実現に一番尽力したのは中国の習近平主席である。1月に金正恩を北京に呼びつけ、ベトナムとの調整さらには金正恩の列車を中国国内で走らせるなど、中国の至れり尽くせりのお膳立ては、しかしながら見事に引っ繰り返されてしまった。
 習近平の米朝会談の成功でトランプに恩を売り、来る米中会談を有利に運ぼうと言う思惑は水泡に帰した。もともと習近平は金正恩の兄、金正男を支持していたから今更ながら金正恩の交渉能力のなさに呆れている事だろう。

 朝鮮半島の南北両首脳はともに内外の信頼を失った。今後、両国での政変の公算が高まるであろう。北朝鮮におけるクーデタの可能性は既に述べた。中国の信頼を失ったとなれば、その公算は一層高まる。
 韓国は中国の経済成長鈍化に伴って経済状況が悪化している。日韓関係の悪化で日韓通貨スワップも出来ず、米国からも無視されているとなれば、いつ経済危機が起きても不思議はなく、それは政権崩壊に直結する。
 一旦は安定したかに見えた朝鮮半島だが、再び「一寸先は闇」「板子一枚、下は地獄」の状況に戻りつつある。

軍事ジャーナリスト 鍛冶俊樹(かじとしき)
1957年広島県生まれ、1983年埼玉大学教養学部卒業後、航空自衛隊に幹部候補生として入隊、主に情報通信関係の将校として11年間勤務。1994年文筆活動に転換、翌年、第1回読売論壇新人賞受賞。2011年、メルマ!ガ オブ ザイヤー受賞。2012年、著書「国防の常識」第7章を抜粋した論文「文化防衛と文明の衝突」が第5回「真の近現代史観」懸賞論文に入賞。
動画配信中:「戦争の常識」第1回無料
http://www.nicovideo.jp/watch/1494517092
上記動画のテキスト本「戦争の常識」(文春新書)
http://www.bunshun.co.jp/cgi-bin/book_db/book_detail.cgi?isbn=9784166604265

動画配信中:「地政学入門」第1回無料
http://www.nicovideo.jp/watch/1475838508
上記動画のテキスト本 「領土の常識」(角川新書)
http://www.kadokawa.co.jp/book/bk_detail.php?pcd=321212000089

動画配信中:「地図で見る第二次世界大戦」第1回無料
http://www.nicovideo.jp/watch/1441391428
上記動画のテキスト本 文庫「図解大づかみ第二次世界大戦」
http://www.kadokawa.co.jp/product/321502000376/

動画配信中:「現代戦闘機ファイル」第1回無料
http://www.nicovideo.jp/watch/1411697197
上記動画のテキスト本「イラスト図解 戦闘機」
http://www.tg-net.co.jp/item/4528019388.html

動画配信中「よくわかる!ミサイル白書」第1回無料
http://www.nicovideo.jp/watch/1383640409
上記動画のテキスト本「超図解でよくわかる!現代のミサイル」
http://www.tg-net.co.jp/item/486298102X.html?isAZ=true
2017年12月、韓国で韓国語訳が出版。
その他の著書: 「国防の常識」(角川新書)
http://www.kadokawa.co.jp/book/bk_detail.php?pcd=201203000167
「エシュロンと情報戦争」(文春新書、絶版)

西村眞悟の時事通信 平成31年3月1日(金)
http://www.n-shingo.com/

見事、トランプ大統領

世界史を大観して、 「ある地域には同じことが繰り返し起こる」 と言った欧州の歴史家がいる。
この歴史家が言う「ある地域」とは欧州の火薬庫といわれたバルカン半島のことだ。
そこで、欧州ではなく 東アジアの歴史を大観して、我ら日本人は何を知るべきかを考える。
そうすれば、 朝鮮半島では同じことが繰り返し起こる、 と言わざるを得ない。

  明治の日清戦争(二十七、八年)と日露戦争(三十七、八年)は、 我が国と 朝鮮半島の西と北で国境を接する清(支那)と帝政ロシアとの国家の存亡をかけた戦いであったが、 その二つとも、朝鮮半島が背後の清とロシアを内部に引き入れ、 我が国が清とロシアの軍事的脅威に直面させられたことに起因する。
さらに、振り返れば、 我が国が、太古に朝鮮半島の白村江に出兵して戦った相手は唐(支那)であり、 豊臣秀吉が、近世に朝鮮半島に出兵して戦った相手も明(支那)であった。

  また、昭和二十五年六月二十五日に、 突如、北朝鮮軍が三十八度線を突破して勃発した朝鮮戦争も、 名目上は北朝鮮と韓国との戦争ではあるが、 実際に戦ったのは、 主に中共の人民解放軍とアメリカ軍であった。
この朝鮮戦争は二十八年七月に停戦が成立するが、 以後、北朝鮮は金日成の軍事優先の独裁体制の下で核兵器の開発を開始した。
そして現在、 孫の三代目の金正恩は、 核爆弾とアメリカ本土に届く大陸間核弾頭ミサイル(ICBM)を保有するに至っている。
もちろん、 北朝鮮は、ICBM保有のはるか以前に、 韓国と日本に届く中距離核弾頭ミサイルは保有済みである。
独裁者が、核弾頭ミサイルを保有することは、 その射程に入っている我が国やアメリカのみならず、 世界の脅威である。
従って、ここに至って動き出したのが、 自国領土が北朝鮮の核弾頭ミサイルの射程に入ったアメリカのトランプ大統領だ。

昨年六月のシンガポールにおける米朝首脳会談と、 この度のハノイにおける米中首脳会談がそれだ。
アメリカのトランプ大統領は、 「完全、検証、不可逆、非核」(CVID)を主眼とする 北朝鮮の非核化を掲げて会談に臨んだが、 シンガポールでは「泰山鳴動してネズミ一匹」に終わり、 ハノイでは「決裂」した。

  このハノイにおける米朝首脳会談の「決裂」を如何に評価するか。
私は、 トランプ大統領よくやった、 と高く評価する。
つまり、彼は、 前任者のように、北朝鮮に欺されて宥和しなかったということだ。
独裁者に宥和することが如何なる危機を生み出すかは、 ドイツの独裁者ヒトラーにミュンヘン会談で宥和したことが 第二次世界大戦への引き金だったことから明らかであろう。

  世界の核廃絶を訴えながら北朝鮮の非核化には無関心で ノーベル平和賞を詐取したオバマ大統領は論外として、 北朝鮮の非核化を掲げて北朝鮮に接触した 二十五年前のクリントン大統領と 十七年前のブッシュ大統領(息子)は 共に北朝鮮に欺され、 北朝鮮の核廃棄という嘘の約束の見返りに アメリカや日本は巨額の資金を北朝鮮に送った。
そして、北朝鮮は、その資金を核ミサイル開発の為に使った。
つまり、現在の北朝鮮の核弾頭ミサイルは、 アメリカ大統領が欺されてアメリカや日本が支払った金で作られたのだ。
この一人の大統領の無策と二人の大統領の失敗を繰り返さず、 北朝鮮に一円(一セント)も出さず、 非核化の為に北朝鮮に対する全面的制裁を継続することを明言した トランプ大統領は評価されるべきだ。

その上で、アメリカから目を転じて、 北朝鮮による現在の世界と我が国に対する重大な核の脅威を生み出した 「最悪の無策」 を指摘しなければならない。
この「最悪の無策」を続けたのは、 我が日本の歴代内閣である(韓国は論外)。
  昭和五十二年(一九七七年)九月、 ソビエトはNATO(西ドイツ)に向けてSS20(中距離核弾頭ミサイル)を実戦配備した。
これに対して、西ドイツのシュミット首相は、 政治的軍事的バランスの回復は死活的に重要であると宣言し、 ソビエトのモスクワを狙うパーシング2(中距離核弾頭ミサイル)を実戦配備した。 その結果、ソビエトはSS20を撤去した。
つまり、シュミット首相は、 ソビエトがSS20を撃てば 確実にソビエトを核攻撃できる態勢(相互確証破壊)を構築した上で、 ソビエトに対して強烈な軍縮圧力をかけてSS20を撤去させることに成功したのだ。

次に、 昭和五十六年(一九八一年)六月、 イラクの独裁者サダム・フセインが バクダッド郊外に原子炉を建設しているのを突き止めた
イスラエルのぺギン首相は、 F15とF16の合計八機の戦闘機を サウジアラビア領空からイラクのバグダッド郊外に進入させて その原子炉を爆撃破壊した。
この西ドイツとイスラエル両首相の決断と果敢な実行は、 自らの決断で自国の脅威を克服した見事な快挙である。
しかし、 この西ドイツとイスラエルの果敢な行動を見ながら、 当時の福田赳夫総理と鈴木善幸総理のみならず我が歴代内閣は、 自らの決断とその実行で 北朝鮮からの核攻撃の脅威を除去できる好機を探るべし、 とは、これっぽっちも思わずに打ち過ぎ、 現在に至っても、呆然とアメリカ任せを続けている。

しかし、アメリカのトランプ大統領は 自国に届く北朝鮮のICBMの除去には熱心でも、 自国に届かない中距離ミサイルは放置させる可能性大である。
国民の命に関わる無策を要求する戦後体制、 つまり、その象徴としての日本国憲法九条は、 広島と長崎に続いて我が国が核攻撃を受ける状態を容認する条項である。

こと、ここに至っても、 今までの無策を続けるのか!?
シュミット首相やペギン首相の如く、 我が国も、 自らの決断と力で、 強力な核抑止力を構築し、 半島と大陸の核ミサイル基地を爆撃破壊できる軍事力を保有しなければならない。
しかるに、 今の国会は、連日、何をやっとるのか!?

二月二十六日は過ぎたが、 2・26事件の将校の思いがよく分かる!