落葉松亭日記

ニュース・評論スクラップ、凡夫の日々雑感、山歩記など

李登輝元台湾総統死去

2020年07月31日 | 政治・外交
台湾の李登輝元総統が死去 97歳「民主化の父」 2020.7.30 21:13
https://www.sankei.com/world/news/200730/wor2007300016-n1.html

 【台北=矢板明夫】台湾の民主化を進め、初の直接選挙による総統を務めた李登輝(り・とうき)元総統が30日午後7時24分(日本時間同8時24分)、入院先の台北栄民総医院で死去した。97歳だった。李氏は今年2月、自宅で牛乳を誤嚥して病院に搬送され、肺浸潤がみられるとして投薬による治療を受けた。その後も入院を続けていた。

 李氏は終戦前から台湾に住む「本省人」として初の総統に就任した。中国大陸由来の国民党政権による一党独裁体制を内側から変革し、「台湾民主化の父」と呼ばれた。中国からは「台湾独立派」と批判されたが、流暢な日本語と親日的な言動で、多くの日本人に親しまれてきた。

 李氏は日本統治時代の1923(大正12)年、台北郊外(現新北市)で生まれた。京都帝大農学部農業経済学科に進学し、在学中に出征したが終戦で帰台。台湾大卒業後に研究職に就き、米コーネル大で農業経済学の博士号を取得した。

 台湾農業に関する報告が評価され、総統だった蒋介石の長男、蒋経国に抜擢され、71年に国民党に入党。農業担当の政務委員(無任所大臣に相当)や台北市長などを経て、総統となっていた蒋経国から副総統に指名された。88年1月、蒋経国の死去により総統に昇格した。

 2000年までの12年間の総統在任期間に、憲法を6回改正し、1949年の中台分断以降、改選されていなかった立法院(国会)の全面改選を行うなど民主化を推進。96年の総統選を直接投票とし、自ら初の民選総統に当選した。また、中国全土の統治を前提とした政治体制から、実効支配する台湾に合わせた体制への改編を進めた。李氏が行った教育改革は「台湾人」意識の向上につながった。

 中国は一連の改革を台湾独立の動きとみなし、96年の総統直接選に合わせ弾道ミサイル発射など軍事演習を実施、米国が2個空母打撃群を派遣し「第3次台湾海峡危機」となった。99年に李氏はドイツの放送局の取材で、中台は「特殊な国と国の関係」と発言し、中国側の反発を招いた。

 退任表明後の2000年の総統選では後継候補の擁立問題で党が分裂。民主進歩党(民進党)の陳水扁氏が当選し、初の政権交代となった。李氏は責任を問われ国民党籍を剥奪された。

 日本との関係では、01年に心臓手術で訪日する際、ビザの発給が政治問題化した。16年夏までに計8回訪日し、07年には実兄が祭られている靖国神社に参拝。台湾も領有権を主張する尖閣諸島(沖縄県石垣市)をめぐっては、台湾内で批判を受けながらも「日本の領土だ」と公言し続けた。

 李氏は、自由と民主主義のために闘う「正論路線」を発展させた言論活動に贈られる「正論大賞」で、令和元年の特別賞に選ばれていた。

【李登輝氏死去】戦後台湾の象徴 「22歳までは日本人だった」 2020.7.30 21:54
https://www.sankei.com/world/news/200730/wor2007300018-n1.html

写真:関西空港に到着し、出迎えの人々に手を振る台湾前総統の李登輝氏=2001年4月22日

 本省人(台湾出身者)として初の総統となった李登輝氏は、台湾の戦後史を象徴する存在だった。外省人(中国大陸出身者)による支配が長く続いた台湾で、本省人の登用策に乗り最高権力者に上り詰めた。就任後は自らの政治手腕で権力闘争に打ち勝ち、民主化と統治体制の「台湾化」を強力に推進。共産党一党独裁の中国とは異なる「自由で民主的な台湾」の像を国際社会で確立した。

 李氏は日本統治時代に高等教育を受け、「22歳までは日本人だった」と語っていた。台湾は終戦によって中華民国に接収され、本省人が日常的に話す言葉とは異なる標準中国語が公用語になった。李氏も他のエリート層同様、言語を再習得せざるを得なかった。国共内戦に敗れ台湾に移った中国国民党政権は、1987年まで続く戒厳令を元に「白色テロ」と呼ばれる政治弾圧を行った。李氏も共産党系の「読書会」に参加したことで監視対象とされ、不安な日々を送った。

 農業経済学を学んだことで蒋経国の知遇を得て71年に国民党に入党。翌年、蒋経国が行政院長(首相に相当)に就任した際、本省人を多数登用し、李氏も農業担当の政務委員(無任所大臣)に抜擢(ばってき)された。当時49歳で、遅めの政界入りだった。

 その後、台北市長などの要職を駆け上がったが、本省人のライバルは複数いた。人口で多数を占める本省人中心の社会から民主化を求める動きが噴出する中、蒋経国は李氏を副総統に指名したが、本省人としては2人目。李氏の総統就任は、自力でのし上がったものとはいえず、偶然による要素も多分にあった。

だが、総統就任後の李氏は、揺るぎ始めたとはいえ一党独裁体制の国民党の主席に就任することにも成功。手にした権限と卓越した政治手腕、民主化を求める民意を背景に、党内の政敵を次々と失脚に追い込んだ。中台分断前から居座る「万年議員」らに退職を認めさせ、憲法修正を成し遂げて立法院(国会)を全面改選し、総統の直接選挙も実現した。この改革により、政治体制は中国大陸全土をも統治する前提の体制から、実効支配地域である台湾本島と周辺島嶼(とうしょ)に見合った形に転換され、台湾住民が直接選んだ民主的な代表が政権を担う現在の形が整えられた。

 対外関係でも、89年のシンガポール訪問時に「台湾から来た総統」との呼称を受け入れ、国際社会で「中国」を代表する政権の地位にこだわらない姿勢を表明。その一方で、窓口機関を通じた形式で中国政府とも間接的に接触し、中国との対等な関係を模索するなど「台湾アイデンティティー」の確立に寄与した。

 退任後は「後継者を育てなかった」との評価や政治腐敗、独立派政党「台湾団結連盟」の設立に関与した政治的な偏りなどを理由に批判を受け、また、親日的な言動が政争の具とされることもあった。

 ただ、現在の「天然独(生まれつきの独立派)」と呼ばれる若年世代は、李氏時代の教育改革が生み出したとされる。李氏は、その人生が戦後台湾の象徴であるだけでなく、現在の台湾の基礎を築いた指導者であったと言って過言ではない。(前台北支局長 田中靖人)


支那・今度はブータン東部の領有権主張

2020年07月29日 | 世相
広大な国土を持つ支那、東シナ海、南シナ海など紛争地を抱えながら今度はブータン東部の領有権主張。
内陸部にいくらでも開発余地があるだろうに・・・
中国、ブータン東部の領有主張 新たな争点化、インドけん制 7/26(日) 7:11配信時事通信
https://news.yahoo.co.jp/articles/9ff98e3a90c68fe4d23dbdcd35672327762bfda0

【北京時事】中国がヒマラヤ山脈の隣国ブータン東部の領有権を主張し、反発を招いている。

【位置】ブータン東部「サクテン野生生物保護区」

 国交がない両国は2016年まで国境画定交渉を24回重ねているが、ブータン側によれば、東部が議題に上ったことはなかった。中国による新たな争点化は、ブータンと結び付きが強く、対中国境紛争が再燃しているインドをけん制する狙いもあるとみられている。

 中国がブータン東部「サクテン野生生物保護区」の領有権に言及したのは、6月初旬にオンラインで行われた国際機関「地球環境ファシリティー(GEF)」の会議。議事録によると、中国側代表は「ブータンとの係争地に位置し、両国の国境画定協議の議題になっている」と表明。ブータン側代表は「係争地として協議したことはない。中国の主張を完全に拒否する」と反発した。

 中国外務省の汪文斌副報道局長は今月21日の記者会見で「(ブータン)東部、中部、西部いずれも長らく未画定の係争地がある」と述べた。

 保護区の東はインドが実効支配するアルナチャルプラデシュ州に隣接し、中国は同州も「南チベット」と呼んで領有権を唱える。インドでは、中国のブータン東部をめぐる動きは「アルナチャルプラデシュ州への干渉を強める」(ヒンズー紙)狙いがあるとして、警戒感が高まっている。

 中印両軍は6月中旬、中国西部とインド北部ラダック地方の国境地帯で衝突。インド側は1967年の両軍衝突以降で最悪の死者20人、中国側も数は非公表だが死傷者が出た。撤退で合意後も双方の緊張は続く。

 一方、ブータン西部と中国の係争地ドクラム高地では17年、道路建設を始めた中国軍と、ブータンに駐留する後ろ盾のインド軍が約2カ月間、にらみ合った。オンライン誌ディプロマットは、ブータン国土の1割以上と広大な東部地域への中国の領有権主張はドクラムなど他地域での譲歩を迫る意図があり、「中国はインドとブータンの間にくさびを打とうとしている」と指摘した。



無残・クチナシ

2020年07月27日 | 日常・身辺
深緑の豊かな葉に、香りのよい白い花で楽しませてもらったクチナシ。
あれよあれよと云う間に食い荒らされてしまった。

4〜5cmの青虫が4,5匹見つかった。調べてみるとオオスカシバの仕業だった。
カーッときたので処分する前に写真を撮るのを忘れた。
こんな4階のささやかな鉢植えにまで飛来して卵を産み付けるとは・・・
他にもサツキやカラタチの鉢があるが、そちらには被害はなかった。
クチナシはよほど美味しいのだろう。
若い芽が残っているようなので、再生に期待している。
在りし日のクチナシ



米中険悪に

2020年07月26日 | 政治・外交
貿易戦争とコロナ禍で米中がいよいよ険悪になってきている。
米テキサス州中国総領事館閉鎖、中国四川省成都の米総領事館閉鎖とまるで戦争前夜のような外交上の応酬が明らかになってきた。
尖閣諸島で中国公船が侵入しても日本政府は「遺憾砲」だけ、キンペイ氏の国賓招聘は回避されたが・・・
米中“開戦”前夜? トランプ政権「最後通告」突き付け…自由主義vs共産主義の全面対決! 日本に跋扈する「親中派」に踏み絵も 2020.7.25
http://www.zakzak.co.jp/soc/news/200725/for2007250004-n1.html

米カリフォルニア州のニクソン大統領図書館で演説したポンペオ氏=23日(AP) 米カリフォルニア州のニクソン大統領図書館で演説したポンペオ氏=23日(AP)

 ドナルド・トランプ米政権が、中国共産党に「最後通告」を突き付けた。世界全体で62万人以上の死者を出す新型コロナウイルスの大流行を引き起こしながら、その混乱に乗じて軍事的覇権拡大を進める習近平国家主席率いる中国に対抗するため、自由主義諸国を束ねていく決意を打ち出したのだ。「自由主義」と「共産主義・全体主義」の全面対決。米中両国によるお互いの総領事館への閉鎖要求は「開戦前夜」といった様相だ。日本の政界や財界、官界、マスコミ界には「親中派」が跋扈(ばっこ)しているが、今後の展開次第では“踏み絵”を迫られることになりそうだ。(つづき)
上記事では、ポンペオ氏の演説は「事実上の宣戦布告のような内容だ。」としている。

■中国・成都の米総領事館、退去の準備進む 閉鎖命令受け 2020年7月25日 17:55
https://www.afpbb.com/articles/-/3295590?cx_part=top_topstory&cx_position=1

■尖閣周辺で中国船4隻確認 100日連続、最長更新 領有権既成事実化狙いか 2020.7.22 10:31政治政策
https://www.sankei.com/politics/news/200722/plt2007220003-n1.html

■中国の沖ノ鳥島周辺調査「極めて遺憾」 河野防衛相がけん制 2020.7.21 13:48政治政策
https://www.sankei.com/politics/news/200721/plt2007210017-n1.html


脱中国・本格化

2020年07月24日 | 政治・外交
日本企業が“脱中国”加速! 政府が「Uターン企業」支援に2400億円計上へ 識者「中国とのビジネスは危険。国内回帰すべき」 2020.4.23
http://www.zakzak.co.jp/soc/news/200423/dom2004230006-n1.html
武漢ウイルス感染拡大をうけて、日本企業の脱中国を促進するため政府は補助金付きで移転を促している。
経産省、補助金第1弾を決定 世界中で「脱中国依存」が本格化か 2020年07月21日 13時45分
https://www.epochtimes.jp/p/2020/07/59833.html

写真:
2020年2月28日、中国・温州市にあるアズール眼鏡有限公司で保護マスクを着用しながらメガネフレームを研磨している従業員たち (Noel Celis/AFP via Getty Images)

経済産業省は7月17日、生産拠点の国内回帰や多元化を図るため、第1弾として87件の事業が補助金約700億円を受けたと発表した。同補助金は、日系企業が生産拠点を中国から日本への国内回帰や東南アジア諸国への移転を支援することを目的として設けられた。

17日付けの日経アジア・レビューによると、87件のうち57件が国内投資で補助対象となった。残りの30件が東南アジア諸国への生産拠点の移転を計画している。

家庭用品メーカーのアイリスオーヤマは今まで、中国で不織布などの原材料を調達して大連市と蘇州市にある工場でマスクを製造していたが、政府の支援を受けて、本拠地である宮城県角田市の角田工場でマスクの製造を始めた。

洗剤メーカーのサラヤも支給要件を満たしている。同社は今月6日、インドで洗剤やトイレットペーパーを製造・販売するミステア社を買収した。そのほかに、シャープ、塩野義製薬、テルモ、カネカなどの大手企業も今回の補助対象に名を連ねた。

また、光学ガラス専門メーカーであるHOYAは、工場の中国からベトナムとラオスへの移転を計画している。

政府は4月7日、新型コロナの緊急経済対策の一環として、総額2435億円を2020年度補正予算案に盛り込んだ。そのうち国内回帰促進には約2200億円を計上し、残り235億円を第三国への生産拠点移転支援に充てる。

中国は2009年から日本の最大輸出相手国になった。しかし、中共ウイルス(新型コロナウイルス)爆発後、中国経済が厳しい状況に直面し、中国にある外国メーカーも大きな打撃を受けた。

ブルームバーグは4月9日、ウイルス感染拡大の影響で中国からの日本への輸入が今年2月に前年同比でほぼ半減し、主要先進国の中で対中依存度が最も高い日本のメーカーが中国から必要な部品を調達できなくなったと報じた。

世界で動き出す、製造業の「脱中国依存」が本格化か

米ホワイトハウスの経済顧問ラリー・クドロー氏は5月、米FOXビジネスの取材に対し、トランプ政権はサプライチェーンを中国から米国に引き戻すために、米国企業を支援する用意があると述べた。

クドロー氏によると、米政府は香港や中国本土にある米国企業が、国内に回帰することを歓迎する。サプライチェーンを米国に戻すには、移転費用の全額を払うことで全力を尽くすという。

英タイムズ紙は5月22日、ジョンソン英首相が、医薬品の供給やその他戦略的物資の調達で中国への依存を終わらせるために、「プロジェクト・ディフェンド(Project Defend)」と呼ばれる計画を立てるよう政府内に指示したと報じた。

英首相官邸の報道官は「新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)は、必需品供給の流れや国際貿易取引が継続的に行われるような、柔軟なサプライチェーンの重要性を示している」と述べた。

オーストラリアに本拠を置くレアアース供給大手のライナス(Lynas)社は2019年5月20日、米ブルーライン社と提携してテキサス州にレアアース分離精製工場を建設すると発表した。

同社の最高経営責任者アマンダ・ラカーズ氏は今年4月、英フィナンシャル・タイムズ紙の取材に対し、今回の感染症がリスク分散のための「脱中国依存」やサプライチェーン多元化の重要性を浮き彫りにしたと述べた。

2019年11月12日付けのAFP通信によると、在中ドイツ商工会議所(AHK China)が在中ドイツ企業526社を対象に実施したアンケート調査では、104社が中国から撤退することを決定、または検討している。そのうち3分の1は中国からの完全撤退を計画しているという。中共ウイルス感染爆発の影響で、こうした動きがさらに加速する見込みだ。

一方、多くの台湾企業も2020年事業計画の一環として、生産拠点を中国からの移転することを検討している。4月16日付けの台湾の技術情報ポータルサイト「テックニュース(TechNews)」によると、世界最大のEMSであるホンハイ(Hon Hai)を始め、クアンタ(Quanta)、コンパル(Compal)、ペガトロン(Pegatron)、ウィストロン(Wistron)、インベンテック(Inventec)などの台湾大手企業は、今年度の優先事項として中国以外の生産能力の拡大に多額の投資を行っているという。
(翻訳編集・王君宜)
英・仏では、次世代通信規格「5G」から中国の通信機器大手華為技術(ファーウェイ)を排除するとしている。


小野市浄谷町 ひまわりの丘公園

2020年07月22日 | 散歩・山歩き
曇り空の午後、小野市のひまわりの丘に行ってみた。
ひまわり畑が広がっている。
花は陽気な顔のようで、いっせいに同じ方を向いているのが壮観だ。





山歩記


追記:
1970年「ひまわり」という映画がありました。
ヴィットリオ・デ・シーカ監督。 
ソフィア・ローレン、マルチェロ・マストロヤンニ主演
ヘンリー・マンシーニの音楽も大ヒットしました。↓
https://www.youtube.com/watch?v=2O6-LLRdwmQ



梅雨明け?

2020年07月21日 | 日常・身辺
昨日から雨が止んだ。天気図を見ると梅雨前線が途切れていた。
今日は日射しがあったので久しぶりにセンベイ布団を干した。

室温は29℃になった。市街は30℃を超えているだろう。
兵庫の週間予報(22日〜)では、「曇や一時雨」が続いている。
梅雨前線がまた南下し、梅雨明けはお預けらしい。

中国の洪水

2020年07月16日 | 世相
コロナ禍、蝗害(イナゴ)と災難が続く中国で、大規模な洪水が発生している。
あの長江最大の三峡ダムが臨界に達し放水したためらしい。
放水しなければ決壊か崩壊だろう。以前からダムが変形していると噂されていた。
なにしろ、あの大陸、洪水もスケールが大きい。被害も桁外れだ。
アジアの天気図を見ると、中国北西部に低気圧が3つ4つ居座っており、まだ続くのではないだろうか。
中国最大淡水湖が史上最高水位、江西省「臨戦態勢」 2020年07月13日 22時08分
https://www.epochtimes.jp/p/2020/07/59446.html

写真;2020年7月6日、洪水で水に浸かった湖北省武漢市観江亭(STR/AFP via Getty Images)

連日の豪雨と三峡ダムの放水により、長江中下流地域は深刻な水害に見舞われている。現在、江西省の状況が最も深刻だ。省内にある長江水系の淡水湖、鄱陽湖では12日午前、史上最高水位を突破した。省政府は、洪水防止対策の「臨戦態勢」に入ったと宣言した。

中国メディア・澎湃新聞などによると、7月8日以降、湖北省監利市以下の長江中下流地域の河川の水位はすべて氾濫危険水位を超えた。特に江西省の鄱陽湖地域が現在最も危険な状況にある。中国最大の淡水湖である鄱陽湖の水位は7月12日午前0時、1998年に起きた大洪水時の水位(22.52メートル)を0.01メートル超え、観測史上の過去最高水位となった。

7月12日午前11時までに、鄱陽湖の4カ所の観測所の水位も1998年の史上最高水位を超えた。水位が引き続き上昇しているという。中国水利部(省)長江水利委員会の専門家である陳桂亜氏は、同湖は7月15日に最高水位を迎えるとの見解を示した。

また、6〜8日にかけて、長江の増水により鄱陽湖の湖水が長江に流れ込めず、いわゆる「バックウォーター現象」が起きたと伝えられた。

水利部長江水利委員会は11日、鄱陽湖地域の洪水特別警報を再び発令した。江西省鄱陽県にある15カ所の堤防が決壊し、全県が深刻な冠水被害に見舞われた。

地元紙・江西日報は、江西省政府は11日に洪水警戒レベルを、4段階中の最も高いレベル1に引き上げた。省トップである劉奇・党委員会書記は同日、省の洪水防止対策の体制について、「臨戦態勢に入った」と話した。

一方、長江の湖北省武漢市の一部地域の水位は7月11日、1931年の過去最高水位を超えた。

現在、中国27の省・市が洪水に見舞われており、3800万人が被災した。
(翻訳編集・張哲)