2月19日「中共の崩壊はいつ?」でクリップさせて頂いた鍛冶俊樹氏「中国崩壊で日本はこうなる」の補強記事。
習近平の軍部把握も怠りなし
■【禁聞】三軍が大規模演習 中共の思惑とは?↓ 2014年07月31日 新唐人TV
http://jp.ntdtv.com/news/11363/【禁聞】三軍が大規模演習+中共の思惑とは?
鍛冶俊樹の軍事ジャーナル 第177号(2月23日)
http://melma.com/backnumber_190875/
*狐と狸の化かし合い
前号「中国崩壊で日本はこうなる」について「まもなく後期高齢者に達するぼけ老人」と自称する方から「少々検討不足」とのご指摘をいただいた。前号では加藤氏の記述について「双方の軍隊が腰抜けだから戦争にならないなどというのは平和ボケであろう」と結論付けたのだが、「まもなく・・・」氏は、加藤氏はそんな事を述べていないので、どうしてそんな結論になるのか分からないという趣旨を書いておられる。
実は加藤氏の記述というのは、加藤氏だけが聞いている事ではなく、中国人民解放軍の幹部と話した日本人なら大抵一度や二度は聞かされたことがある話なのである。小生などは会う中国軍人が誰も彼も異口同音に同じことを言うので、食傷気味の話である。
ちなみに軍の訓練上の問題点たとえば「一人っ子だから過保護に育てられていて訓練に支障をきたす」というような情報は、通常は機密情報であり外国人などに漏洩してはならない。それを会う軍人、会う軍人みな口にするということは意図的リークつまり情報工作としか考えようがない。
中国軍の対日情報工作は大体二つである。一つは日本の政治家向けであり、「中国人民解放軍は対日戦争を本格的に検討している」などと軍幹部が日本の政治家に囁く。かくて鳩山由紀夫元総理とか加藤紘一元自民党幹事長などの軍事音痴で親中派が血相を変えて「戦争は絶対に避けなければならない。そのためには靖国でも尖閣でも中国に譲歩するしかない」と叫ぶに至る。
こうして対日世論工作の第一段階が成功するのだが、次にこれを聞き付けた日本の財界人が「日中戦争が間近だというのは本当か」と中国軍幹部に確認に来る。もし戦争が間近なら中国に展開している日本企業を急いで撤収させなければならないからだ。
中国としては金のなる木の日本企業に撤収して貰っては困るから、そこで宣撫工作としてこう言うのだ。「今の中国の若者は一人っ子で甘やかされて育てられているから、とても戦争など出来ませんよ」
古来、軍隊は一人っ子だろうと未成年だろうと、鍛えて一人前の兵士に仕立て上げる訓練のノウハウを蓄積している。昨年末に公開されたブラッド・ピット主演の戦争映画「フューリー」は臆病な少年が勇敢な戦士に育つプロセスを見事に描いている。
だが今の日本の財界人は軍隊など全く知らないから、こんな子供だましのあやし文句で安心するのである。ちなみに昭和時代の政治家や財界人はみな兵役経験者で軍事常識を備えていたから、中国の情報工作にこんなに簡単には引っ掛からなかった。
「日中戦争間近」という情報に接すれば当然、自衛隊幹部も中国軍幹部に接触して真意を確認しようとする。そこで中国軍幹部が財界人に言ったのと同じ文句を繰り返すと、自衛隊幹部が「それは我が自衛隊も同じですよ。戦争になれば三分の一は逃げ出しますよ」と言い「じゃあお互い戦争は無理と言う事で」とにっこり微笑みあって杯を交わすのである。
これは日中情報戦の一コマであり要するに狐と狸の化かし合いなのだが、マスコミ関係者を含めて一般の日本人はこんなやり取りを耳にすると「双方の軍隊が腰抜けだから戦争にならない」と解釈して安心する訳である。
だがそうした解釈は平和ボケだと前号は主張したのである。
軍事ジャーナリスト 鍛冶俊樹(かじとしき)
1957年広島県生まれ、1983年埼玉大学教養学部卒業後、航空自衛隊に幹部候補生として入隊、主に情報通信関係の将校として11年間勤務。1994年文筆活動に転換、翌年、第1回読売論壇新人賞受賞。2011年、メルマ!ガ オブ ザイヤー受賞。2012年、著書「国防の常識」第7章を抜粋した論文「文化防衛と文明の衝突」が第5回「真の近現代史観」懸賞論文に入賞。
http://melma.com/backnumber_190875/
*狐と狸の化かし合い
前号「中国崩壊で日本はこうなる」について「まもなく後期高齢者に達するぼけ老人」と自称する方から「少々検討不足」とのご指摘をいただいた。前号では加藤氏の記述について「双方の軍隊が腰抜けだから戦争にならないなどというのは平和ボケであろう」と結論付けたのだが、「まもなく・・・」氏は、加藤氏はそんな事を述べていないので、どうしてそんな結論になるのか分からないという趣旨を書いておられる。
実は加藤氏の記述というのは、加藤氏だけが聞いている事ではなく、中国人民解放軍の幹部と話した日本人なら大抵一度や二度は聞かされたことがある話なのである。小生などは会う中国軍人が誰も彼も異口同音に同じことを言うので、食傷気味の話である。
ちなみに軍の訓練上の問題点たとえば「一人っ子だから過保護に育てられていて訓練に支障をきたす」というような情報は、通常は機密情報であり外国人などに漏洩してはならない。それを会う軍人、会う軍人みな口にするということは意図的リークつまり情報工作としか考えようがない。
中国軍の対日情報工作は大体二つである。一つは日本の政治家向けであり、「中国人民解放軍は対日戦争を本格的に検討している」などと軍幹部が日本の政治家に囁く。かくて鳩山由紀夫元総理とか加藤紘一元自民党幹事長などの軍事音痴で親中派が血相を変えて「戦争は絶対に避けなければならない。そのためには靖国でも尖閣でも中国に譲歩するしかない」と叫ぶに至る。
こうして対日世論工作の第一段階が成功するのだが、次にこれを聞き付けた日本の財界人が「日中戦争が間近だというのは本当か」と中国軍幹部に確認に来る。もし戦争が間近なら中国に展開している日本企業を急いで撤収させなければならないからだ。
中国としては金のなる木の日本企業に撤収して貰っては困るから、そこで宣撫工作としてこう言うのだ。「今の中国の若者は一人っ子で甘やかされて育てられているから、とても戦争など出来ませんよ」
古来、軍隊は一人っ子だろうと未成年だろうと、鍛えて一人前の兵士に仕立て上げる訓練のノウハウを蓄積している。昨年末に公開されたブラッド・ピット主演の戦争映画「フューリー」は臆病な少年が勇敢な戦士に育つプロセスを見事に描いている。
だが今の日本の財界人は軍隊など全く知らないから、こんな子供だましのあやし文句で安心するのである。ちなみに昭和時代の政治家や財界人はみな兵役経験者で軍事常識を備えていたから、中国の情報工作にこんなに簡単には引っ掛からなかった。
「日中戦争間近」という情報に接すれば当然、自衛隊幹部も中国軍幹部に接触して真意を確認しようとする。そこで中国軍幹部が財界人に言ったのと同じ文句を繰り返すと、自衛隊幹部が「それは我が自衛隊も同じですよ。戦争になれば三分の一は逃げ出しますよ」と言い「じゃあお互い戦争は無理と言う事で」とにっこり微笑みあって杯を交わすのである。
これは日中情報戦の一コマであり要するに狐と狸の化かし合いなのだが、マスコミ関係者を含めて一般の日本人はこんなやり取りを耳にすると「双方の軍隊が腰抜けだから戦争にならない」と解釈して安心する訳である。
だがそうした解釈は平和ボケだと前号は主張したのである。
軍事ジャーナリスト 鍛冶俊樹(かじとしき)
1957年広島県生まれ、1983年埼玉大学教養学部卒業後、航空自衛隊に幹部候補生として入隊、主に情報通信関係の将校として11年間勤務。1994年文筆活動に転換、翌年、第1回読売論壇新人賞受賞。2011年、メルマ!ガ オブ ザイヤー受賞。2012年、著書「国防の常識」第7章を抜粋した論文「文化防衛と文明の衝突」が第5回「真の近現代史観」懸賞論文に入賞。
習近平の軍部把握も怠りなし
■【禁聞】三軍が大規模演習 中共の思惑とは?↓ 2014年07月31日 新唐人TV
http://jp.ntdtv.com/news/11363/【禁聞】三軍が大規模演習+中共の思惑とは?