さいばい日誌

放流用のマダイやアワビなどを育てる種苗生産の現場をご紹介します。

トコブシの採苗

2013-08-15 11:12:37 | 貝類生産
今日はトコブシの採苗(さいびょう)でした。

採苗とは、
採卵後、孵化した幼生が浮遊から匍匐(ほふく)に移行する
タイミングで、珪藻を付着させた波板上での飼育に
切り替える作業です。

今回採苗するトコブシは、月曜日に採卵したものです。



メスの放卵。




オスの放精。

これらを人工授精させ、洗卵し、幼生管理を経て、、、

今日、顕微鏡でのぞいてみたらこんな感じでした。



もう歩いています。

ちょっとタイミングが遅かったようです^^;

横から見ると、



こんな感じです。

貝殻の縁あたりに見える糸状のものは
繊毛で、これを動かして泳ぎまわります。

下に伸びた足の付け根、
画像の中央より少し下ですが、
透明の蓋もあります。

殻の直径は約0.2mmです。




上から見た図(右)と、横から見た図(左)です。

既に浮遊生活を止め、繊毛も落とした状態のようです。

こちらの方が蓋がわかりやすいでしょうか。

左側の足の下にある2重線がそうです。



では採苗の作業手順です。



まず珪藻を付着させるために海水中に入れておいた
波板を取り出し、余分な珪藻を洗い落とします。




その波板を、飼育水槽の中にそっと沈めていきます。


波板がセットできた段階で、幼生の移動です。



まずは幼生管理用の円形水槽から、幼生を回収します。




回収した幼生を小さな容器に移して、




ハンドカップで波板の上に入れていきます。

幼生たちは、波板に付着した珪藻を食べながら成長していきます。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする