さいばい日誌

放流用のマダイやアワビなどを育てる種苗生産の現場をご紹介します。

アワビの生産準備

2010-09-28 11:27:44 | 貝類生産
秋~冬は、アワビの採卵シーズンです。

今日は、クロアワビの採卵に向けた準備作業をしています。



水槽から取り出されたアワビ。

お互いの殻にくっついています。




大きく育ったアワビの殻には、他の貝やフジツボなどが付着しています。

そのままにしておくと、アワビの殻にある穴を塞いでアワビが窒息してしまうのと、
紫外線照射海水で産卵を誘発した時に、これらの生物が先に産卵してしまうため、
付着生物を取り除きます。




掃除前




掃除後 (※掃除前後の写真はマダカアワビ)


そしてきれいになったアワビを、オスとメスに分けて水槽に入れておきます。




これはオス。殻の内側に発達した精巣(白い半月状)が見えます。




これがメス。同じく殻の内側に緑色の卵巣が見えます。


生殖器がもう少し発達し、卵が成熟したころに採卵を行います。

今年は水温が例年に比べて高いため、その時期を見極めるのもなかなか困難です。

おそらく1ヶ月後くらいに、採卵の様子をお伝えできると思います。
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サザエの出荷準備(計量と選別)

2010-09-28 11:02:23 | 貝類生産
今日は放流のために出荷されるサザエの計量と選別をしています。



まずは網いけすからサザエを取り出します。




去年の夏に採卵した種苗で、大きさは1.5㎝ほどでしょうか。




室内の作業台で、海藻とサザエを分け、100個体を数えて取り出します。




100個の重さを量り、1個体あたりの重量を出します。




全部の重さを量って、全体の個体数を割り出します。




そして量りの上で2000個ずつに分け、再び網いけすに戻します。


これで、網いけすごとの収容数が分かるので、出荷がスムーズに進みます。



また同時進行で、選別も行いました。

これは同じ網いけすの中でも成長過程で大きさにバラつきがある場合や、

一定の大きさ以下・以上の個体を分ける作業です。



今回は20mmで分けます。




直径20mmの穴を開けたバットにサザエを入れ、

ふるいのようにバットを動かし、殻長20mm以下のものを下に落とします。

その後、やはり100個体を取り出して計量し、全個体数を記録します。

このようにして、定期的に稚貝の大きさを揃えて、個体数管理を行ってます。
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腰越みなとまつり

2010-09-27 16:56:17 | 放流、イベント


9月26日(日)、鎌倉市の腰越みなとまつりでマダイ稚魚を放流しました。




漁業者と消費者が直接やりとりできる貴重な場です。




前日までの荒天で当日も天気が心配されましたが、見事に晴れました。




地元の小学生とその保護者が5艘の漁船に乗って、沖合放流しました。

参加者は約100名、放流したマダイ稚魚は800尾でした。




たまたま会場にいた人も、余分に準備した稚魚を岸壁から放流です。


今回で、今年度のマダイ稚魚放流が全て終わりました。

参加して下さった皆様、ありがとうございました!
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カワハギの放流 ~浦賀・松輪~

2010-09-24 14:39:30 | 放流、イベント
当協会では、放流用種苗の斡旋もしています。

今回は、カワハギの稚魚を横須賀市東部漁協の浦賀久比里支所と、
みうら漁協の南下浦支所(松輪)に届けました。


 放流したカワハギ


まずは早朝、浦賀にあるシティマリーナヴェラシスへ。



そこで浦賀久比里の漁業者と合流し、種苗を引き渡しました。

種苗の購入は、(財)東京湾南部水産振興事業団で、
300尾を標識放流し、それを含めて10,000尾のカワハギを放流しました。




標識放流は、マダイと同様の方法でタグを付けてそのまま海へ。




標識をつけないものは、活魚車から降ろしてそのまま海へ。




そして昼過ぎに、今度はみうら漁協の南下浦支所(松輪)へ。

ここでは沖合放流のため、魚を漁船へ移します。




こちらでは3,000尾のカワハギが放流されました。


カワハギは、これから肝が大きく美味しくなり、釣りのシーズンとなります。


どこかでカワハギを見かけたら、それはかつて放流された種苗かもしれません。
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サザエの成長

2010-09-21 11:33:10 | 貝類生産
貝類つながりでもう一つ。

今年の夏は、貝類の採卵に難航しました。

巷では夏に釣れる魚がまだ釣れている、ということもあり、
海の環境が例年と違うのも原因なのでしょうか。

担当者は連日“朝から採卵し、失敗すると翌日再チャレンジ”を繰り返していました。

そんな努力の甲斐あって、採卵されたサザエはすくすく成長中です。




板の上の白い粒が仔貝です。


拡大すると・・・



ちゃんと巻貝の形になっています。

大きさは1mmくらいでしょうか。

本当に小さいです。


これが1年も経つと




白いサザエになります。


人工飼育されたサザエはなぜか白くなります。

放流後に成長した分の殻は天然の色になりますが、てっぺんの部分は白いままです。

よって、放流個体か否かは殻の先端部分を見ることで判別できます。


話が脇道に逸れましたが、今年採卵した種苗も無事に放流サイズまで育って欲しいものです。
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