さいばい日誌

放流用のマダイやアワビなどを育てる種苗生産の現場をご紹介します。

貝類のキャベツ飼育試験

2018-02-20 15:15:50 | 貝類生産
先日ご紹介した「キャベツを利用した貝類飼育試験」
ですが、試験継続中です。


アワビは、配合飼料よりもキャベツ飼育の方が殻長の伸びが良くなっています。
(緑色の部分がキャベツ飼育で成長した部分)


トコブシは、配合飼料の方が成長が良いですが、
キャベツでもちゃんと成長しています。
(青い部分が成長した部分)


サザエは、配合飼料と変わりなく成長しています。
(白い部分が成長した部分)

最終的な結果はまだですが、新たな餌料としての有用性は
望めそうな経過です。
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マダカアワビへの挑戦

2018-02-20 08:44:15 | 貝類生産
先日の「新たな飼育方法への挑戦」でご紹介した直(じか)飼育ですが、経過は順調です。

そしてこの飼育で期待しているのが、マダカアワビの復活です。

アワビの漁獲量は年々減少しています。
その中で放流貝の割合は、神奈川県では半数以上ということで、
アワビの種苗生産の担う役割は、県内の水産業において重要と考えられます。

県内で漁獲されているアワビにはクロアワビ、メガイアワビ、
マダカアワビの3種類があり、当協会では全種類の種苗生産を
行っています。


クロアワビ


メガイアワビ


マダカアワビ

その中でもマダカアワビは生産が難しく、他県でもあまり生産
されていません。

そのため希少価値も高く、資源が増えれば漁業も活気づきます。

今回挑戦している直飼育では、マダカアワビの成長も良く、
剥離の時期を例年より遅くして、貝を大きくしてから屋内水槽での
飼育に切り替えることで、更に成長が促進されました。


昨年度の12月に採卵したマダカアワビです。
殻の赤いところが剥離までに成長した部分で、
緑色のところが屋内で成長した部分です。

大きなものでは1年で殻長50㎜まで成長しました。

選別して大きな貝を収容している水槽では現在、
半数以上が50㎜を超えています。

放流後の死亡率は大きな貝ほど低いことが予想されるため、
放流効果も充分期待できます。

今年度は大量生産を見据え、マダカアワビの全ての水槽で
この直飼育を実施していく予定です。

来年の今頃、大きく成長した稚貝を少しでも多く漁業者のもとへ
届けられるよう、頑張りたいと思います。
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