NHKドラマ「坂の上の雲」

詳しいことは分からないが、このドラマをつくるためにNHKは膨大な費用をかけただろうと思う。しかしこのドラマを行う意味は何なのだろうか、ときわめて疑問だ。「まずしい一島国だった日本が一等国(近代国家)に駆け上がっていった国家の、またこれを担った人たちのドラマ」を描き出そうとしたのだろう程度はわかるのだが、また近代国家になるために払った犠牲がいかに大きかったか、ということもわかるのだが、それ以外の何が残るのだろうか。
「面白い」「歴史解明」的な部分は大いにあるのだが、戦争大国日本への歩みのあれこれが描かれる。あのすばらしい時代よもう一度、ということではないだろうが、そういう気持ちがわきあがるきらいもありそうだ。

今日(12/4)の「日露戦争」は、昔聞いた数々の懐かしい人たちが登場する。東郷平八郎、乃木希典、大山巌、高橋是清、そしてロシアのクロポトキン、など。
乃木希典の「山川草木轉(うたた)荒涼…」の七言絶句なども、このドラマを見て思い出すことはできたが、原作者の司馬遼太郎さんも愚将といっていた乃木が(やはり)すぐれた司令官ではないようにして出てきていたが、どうも妙な感想のドラマであった。どう「妙」なのかは、上のコメントに尽きるのだが、次回の「二〇三高地の戦い」でますます妙なドラマが広がりそうである。次に出るのはステッセルだろう。
「旅順開城約なりて 敵の将軍ステッセル…」という「水師営の歌」は流れるか。

最終回は「日本海海戦」。大国ロシアを粉砕した大日本帝国の雄姿を描き出そうとするか。

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