共感失う社会?

毎日新聞の14日版に政治学者の西崎文子さんのインタビュー記事がある。トランプ大統領が登場することがきっかけになって日本も含めて似た現象が生まれていることを指摘する。「福祉充実や人権保護を叫ぶ人びとがからかわれたり、生活保護受給者や在日外国人が攻撃されたりといった、社会の分断が進んでいる」と。

トランプが選挙期間中に、移民やイスラム教徒など「敵」を探し対立をあおることで勝ち上がってきた。この風潮が伝染すると懸念する。事実、アメリカの学校では民族や宗教を理由にした差別的な発言やいじめが報告されているとのこと。
 
西崎さんがトランプ大統領の登場によって、3つの現象が日本に、そして世界に広がっていくと予想する。
一つは「事実の軽視」。事実にもとづかないで相手を攻撃する傾向(在日外国人に特別な利益があるように批判する動きがある)、二つは政治における言葉の変化、トランプの移民攻撃やイスラム批判、日本では「土人発言」問題など、三つ目に相手の立場に立って物事を考えることの放棄、共感の喪失。トランプにはこの共感が感じられない、と。

日本の小学校で、福島などから避難してきた子どもを実に卑劣な言動でいじめたりする傾向があることはこの流れと関係がないだろうか。
 
西崎さんの発言からインタビューした記者が次ぎのようにまとめている。「事実を軽んじず、言葉を大事に、自分と異なる考えにも思いをはせること。風に舞う金色の吹雪の中でempathy(共感)という言葉をかみ締めた」と。
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