全国LD親の会公開フォーラム

21日、「発達障害のある人のライフステージを通じた支援に必要なこと」をテーマとして全国LD親の会の公開フォーラムが社会福祉総合センターで行われた。10時前から午後4時ちかくまでの長時間の勉強会だった。特別支援教育の上野一彦さんを初め、厚労省の発達障害対策専門官、道教育大の二宮信一さんなど、そうそうたるメンバーが講演・報告をした。
このイベントを「クローバーの会」の皆さんが担っていたことはいうまでもない。

発達障がいをもつ人たちの自立に向けた総合的な支援のシステムの構築が今問い直されているという。しばしば特別支援教育という概念で学校教育の諸分野の改革が言われるが、事は単純ではない。あらためて理解しえたこと(まだ不十分だが)、特別支援教育の上位概念にインクルーシブ教育がある。特別支援教育は、障がいをもつ子どもたちを特別な方法でサポートするように理解されるのだが、それは一人ひとりのニーズに応えるインクルーシブ教育の観点をもたなければややもすれば区別・差別・特殊的対応で進むことになりかねない。インクルーシブ教育の観点をどう貫くかがこれからのテーマになる。私たちが考えてきていたことと軌を一にするテーマだった。

そしてすべてのライフステージを通しての支援は、教育の分野で就学前から大学教育全体への広がりが重要になってきた。特に大学入試にも大きな変化(具体的な対応策)が生まれるとのこと。特別措置が求められる。入試の文字の拡大とか時間の延長、別室受験、その他いろいろな特別の措置が求められる。これは医師の診断書や状況報告書・意見書(高校側からのものも)がある場合だが。

入学以降も授業支援という課題も出てくる。そして就労・労働への支援なども含めて、発達障がい者への総合的なサポート体制をつくることは、社会全体の人間大切のシステムをつくることになる。だから、問題はただ教育問題だけでない。社会全体の人間観や、連携のしくみ、多様なネットワークに関することなる。

発達障がい者への支援の問題が教育・労働・福祉その他広い視点から考え直していくきっかけになりそうである。
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