「敗北」の教訓

昨年の総選挙と今回の参議院選挙、ともに時の政権与党は敗北した。つまり議席を減らし、衆議院で敗北した党は野党になり、今回は政権から離れるということではないだろうが、政治はきわめて不安定になりそうだ。

塩野七生さんの「ローマ人の物語」が教えてくれる。ローマ人は幾多のたたかいを経験する。しかしその敗北から冷静に積極的に教訓をくみ取ったことがローマの繁栄を築いた要因だったと記している。
日本は、例えば60数年前の敗戦で、何を教訓にしたのだろうか。いうまでもなく憲法に表現される平和と民主主義を徹底する国を作り直すことだった。しかしその後今日にいたるまで、依然として「憲法」を否定的にしか見ない人がむしろ多数になっていることから、敗北の教訓は生かし切れていないのではないだろか。

選挙で敗北した各党は、敗北の理由や要因をどう総括してその後に活かそうとしているのか、がどうもよく分からない。
敗北しても「自分たちの真意を伝えることができなかった」などという総括にとどまっているように感じられる。自公は政権を追われることになってどう総括したのか。そして民主党は今思ったように議席を伸ばせなかったことをどう反省するのか。その他の党も同じだと思う。

これから秋にかけて「政治の風」が吹くだろう。特に、「どうして負けたのか」を誰にも分かるように総括し反省の言葉を発してもらいたいと思う。
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