goo blog サービス終了のお知らせ 

JDEC2011(1)二人の副大臣の挨拶

日本フリースクール大会を別にJDECという、ことは先述した。この主なところを記しておきたい。先日記したように今回の特徴的なことは、「不登校の子どもも含め、多様な子どもの生き方学び方を保障する仕組みをつくっていこう」という「オルタナティブ教育新法案」の採択を予定するものだった。この採択は行われたが、これについては別に記すことにしたい。

まずこの大会に参加したお二人の副大臣の「挨拶」を引用しておきたい。(「おるたネット」の古山明男さんのまとめを利用させていただいた)。
一人は、文科省の鈴木寛副大臣、もう一人は今は厚労省の副大臣であるが、「フリースクール議連(FS環境整備議員連盟)」の小宮山洋子元会長。

鈴木副大臣の挨拶要旨
 フリースクールネットワーク創立10周年、これまでのみなさまの活動に敬意を表します。
【学習権】
 私たち民主党の教育政策の根幹を一言で述べよ、と言われれば、「学習権」というものををきちんと位置づけて、その実現を社会全体で応援していくことです。
 国家による教育権でもなく、教師による教育権でもなく、まさにそれぞれの人、何人も、それぞれの生きたい人生を生きるための力であるケイパビリティというものを身につけていく、あるいはそうしたものをみんなで支えあっていく、それを応援していきたいということが我々の根幹にございます。
【新しい公共】
 去年の6月に、「新しい公共宣言」を出しました。これまでは「官」が公共サービスの担い手だったが、公共の担い手は官だけではない。現場の皆様がまさにネットワークを組んで、公共を作っていく、これが、「新しい公共」です。
 皆様のやっておられることも、さまざまな多様な子どもたち、若者たちに安心のできる居場所を作る、私たちは「居場所と出番」ということをいろんなところで言っていますが、皆様のやっておられることも、子どもたちに「居場所と出番」を作る、という運動であると、私達はたいへん評価しております。
 まさに、これぞ「新しい公共」、と思っています。
【税額控除】
 どんな活動にもお金がいるが、補助金という形をとると、どうしても使い道が制約されます。これは税金の宿命です。
 したがって、わたしたちは、直接、官を通さずに、新しい公共を担う人たちに寄付をする「税額控除」を作ろうとしています。こうすれば税金を「官」に払うのか、税金を新しい公共を担っている団体に払うのか、ということを、選んでいただける。
 この法律は、国会に出されたところですが、現実にはねじれた国会で苦戦しています。これは、戦後最大の税制改革であり、どのように市民が社会を作っていくかの岐路です。
【熟議】
 私は、1年半前に文科省に参りまして、「熟議」という運動をやっています。これも、自分たちの社会のことは自分たちで話をする、いろんな意見を持った人たちが集まって、「この人はこういう考え方をするのか」ということをお互いに学び、お互いに認めていく。そして自分たちのコミュニティを少しでもよくするために、協力できることをみつけていく。
 去年の6月から始めたが、全国にどんどん広がっていて、今年の3月末までに100カ所でリアル熟議が行われるようになっている。私も、言い出しっぺではあるが、びっくりしています。派手ではないが、着実に、急速に広がり固まっていることに、日本の将来に明るい希望を持っています。
 そういう熟議や「新しい公共」を10年も前からやってこられたのは、皆様方だ、このネットワークだと私は思っています。
 きょうお集まりの方々、関係者の方々に、心からの敬意と感謝を申し上げ、このネットワークがますます広まり深まることを祈念しております。

小宮山洋子副大臣の挨拶要旨
 政権をもらい、今いろんな種をまき、芽も出ているところ。
 チルドレン・ファースト、子どもの権利条約に基づく形で、子どもの総合的な政策を進めようとしている、そうした中でフリースクールの子どもたちのこと、いまオルタナティブ教育法、ぜひ超党派の議連のほうで、うまくみなさんと連携を取りながら検討していければいい。
 きょうここにいる元になった、フリースクール環境整備推進議員連盟というものを2008年5月に奥地さんたちと話をする中で作らせていただいた。これまでも、DV防止法とか児童虐待防止法とか、人権に関わることなどについては、各党派が角突き合わせるのではなくて、超党派で議員立法で作ってきた。それは、どういう政権であろうがやらなければならないことだと思っている。

 フリースクール議連を作ったときの設立目的を読み上げたい。
「フリースクールはこれまで不登校の子どもたちを支える活動を続けてきました。しかし、フリースクールに通う子どもたちと、学校教育法に定められた学校に通う子どもたちとの間には多くの格差が存在します。(定期券、博物館料金など)フリースクールを支える仕組みを充実させ、子どもたちの学ぶ場のさらなる発展を目指して、議員連盟を設立することになりました」

 会員数は超党派で30名。今も活動している。最初は、鈴木常夫(自)会長、はせ浩(自)幹事長、小宮山洋子(民)事務局長。政権交代の選挙があったあと、なるべく与党の側で会長をやったほうがいいということで、私が会長だったが、副大臣になってしまったので、現在は寺田学(民)会長。寺田会長は管総理の補佐官をしているので忙しく、奥地さんの叱咤激励を受けながら、なかなか会合を開けないことをお詫びしたい。

 議連の中でも、今の学校教育法の学校に戻すことを前提にする考えがあったので、「そこは違う」と言い続けているが、まだまだそこを理解する向きが少ない。
 このオルタナティブ教育法、そして不登校の子どもの権利宣言、これは子どもの権利条約に盛り込まれていることが権利宣言になっている。オルタナティブ教育法を私も応援していきたいと思う。政情は混沌としていて、議員立法がどのように通っていくかということも、現実としては見えてこない部分があるが、それぞれのメンバーが頑張ってやっているので、この政権をお見限りなく。子どもたちのために努めたいと思っている。

 

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 第3回日本フ... JDEC2011(2... »