「家」 @ 鎌倉七里ガ浜 + 時々八ヶ岳

湘南七里ガ浜(七里ヶ浜とも)から発信。自分の生活をダラダラと書きとめるブログ。食べ物、飲み物、犬の話題が多い。

米ドルを円に交換しないといけないので最近の為替市場の動きを復習し、ニクソン・ショックなんてのも思い出す@鎌倉七里ガ浜

2021-01-25 10:00:38 | モノ・お金
COVID-19が蔓延しているという点では日本より相当大変なはずの米国。でもその株式市場は絶好調だ。よくもここまで上がったねぇ。昨年初めは2/19までフラフラと上昇し、その後新型ウィルスが怖くなり3/23までは稀に見る大暴落。相場が回復するには何年かかかるだろうと言われていたが、その後の回復は急ピッチで半年もしないうちに2/19の史上最高値まで回復してしまった。この戻り方は前代未聞。二番底もなかった。

政治は乱れたし新型ウィルスは変異種まで出て来たが、昨年2月につけた史上最高値を回復したあとも株式市場は上昇した。トランプ氏でも上昇。大統領選でバイデン氏が勝利し、今年に入っても上昇だ。


【Source: S&P】

バイデン氏はウォール街に厳しい態度をとるだろうし、キーストーンXLパイプラインの認可も取り消したし、台湾に肩入れして中国とは対立必至だし、パリ協定離脱を撤回したが、それも特に問題にはなっていない。

さらに米国の経済実態もよろしくない。失業も深刻だ。

米国労働省のホームページには、大量のデータがある。その中で失業率よりも市場関係者がよく見る数字が非農業部門の雇用者数の前月比での増減だ。でも前月比増減で言われても普段それを聞き慣れない人はわからないだろうから、絶対数のデータをそのホームページからダウンロードして来た。毎月の米国非農業部門雇用者数のグラフがこれ(↓)である。


【Source: 米国労働省】

経済データとは思えないようなグラフだ。急坂を上り、崖から落ちて跳ね返ってジャンプしたみたいな。株価のグラフと違い、もとのピークまで戻っていない。しかも、戻り切らないうちに、昨年12月の雇用者数(本年1/8に発表)が前月比でマイナスとなってしまった。経済はデカップリング状態で急回復している産業分野と低迷しているそれが混じるが、社会の雇用全体の実態は悪いということだ。

だから私は、米国を中心に世界の株式市場って現在はかなりの割高だと思うけどねぇ。昨日の日経新聞に出てたでしょ。世界のGDP総額と株式時価総額の対比で見ても株式は割高だって。また先日このブログに掲載したシラー博士(バブル研究の権威)のPER(株価収益率)のグラフは、長期的観点から見た米国の株価の割高感を示している。それによれば現在は1929年に始まる大恐慌直前か、21世紀になる直前のITバブルと同等の、史上稀な高水準にある(↓)。しかしまあそうした長期の指標はあくまで長期の指標で、そんな割高感を抱えたまま2~3年は株価が上昇するってことも十分あるから、考える時は厄介なんだけどねぇ。でもきっとどこかでそうした市場の不整合の大きな修正が起こる。しかしその修正が明日起こるのか、3年後なのかは誰にもわからないのだ。



ところが、私はもうそれで悩む必要はないのだ(笑)。グローバル株式指数のETF(米ドル建て、ニューヨーク証券取引所上場)も、国内株式投信も私は昨年9月に償還させたし、グローバルマクロ戦略のヘッジファンド(米ドル建て、シンガポールのオペレーション、ケイマン籍)も昨年12月末の時価で償還させたし。だから株式市場の下げにヒヤヒヤすることはないのである。

むしろ立場は逆で、大きく下がるならまた購入したいと考えているくらいだ。しかし私がそう思っている時の米国株式市場は下落せず、むしろ上昇を続けている。

今の私のヒヤヒヤは為替相場だ。ドル建てのETFやヘッジファンドから戻って来た米ドルの償還金は米ドルのままなので、それをいつ円に換えたら一番良いのかというのが、私の目下の大問題なのである。

こちらのグラフ(↓)がドル円のスポットである。TVニュースで「本日の東京市場の為替相場は●●銭円安ドル高の●●●円●●銭・・・」なんて言う時の数字は、このスポットを指している。当日売買を決めて、その2営業日後に決済するプロの相場である(個人が銀行でその日に円貨と外貨を交換するレートはまったく別物だ)。


【Source: Investment.com】

株式市場同様、こちらも昨年2月後半から3月後半にかけて大きな変動を経験した。↑のグラフの左端の方だ。短期間に1ドルが10円くらい変動している。しかしすぐに元に戻った。面白いのはそこからである。どんどん下がって行ったのだ。ドル安・円高である。ほぼまっすぐだ。キレイなダウントレンドでどこまで行くのか先が見えない。とてもスムーズに下がった。コロナ禍に際して米国中央銀行のアクションは早く、それまで切り上げていた政策金利を、サッと切り下げ始めた。米国中央銀行もまるで日銀のようになったのだ。コロナ禍の経済や雇用への悪影響を払拭するべく金融を緩和すると宣言、社債まで購入する超緩和策をとった。ドル金利がどんどん下がり、ドルは主要通貨に対して弱い場面が多く見られ、為替相場はドル安・円高傾向をたどった。

中央銀行が直接的にコントロールするのは政策金利(短期金利)である。尤も、国債やモーゲージ債等を買い入れたり放出したりすることで、間接的には長期金利もコントロールする。その長期金利と為替相場は関係が深いと一般的には認識されている。日米の長期金利、ここでは代表的な10年国債の利回りを使うが、それはこんな具合に推移した(↓)。


【Source: Investment.com】

インフレ率を考慮した実質金利はまた別で、ここでは名目金利だけを見ている。日本経済は停滞気味で円金利はゼロ%近辺に長年張り付いているので、対照的に最近まで景気が良く債券市場がまだ機能していると言える米国の長期金利のダイナミックな動きが、日米の長期金利差のトレンドをほぼ決めている。では関係が深いと一般的に認識されているドル円相場と日米長期金利差をグラフにしてみよう。

このグラフ(↓)なんですけど、どうですか? 日米金利差(ブルー)が大きくなる、つまりドル金利が高くなってドルの魅力が増すとドル円相場(グレー)がドル高になって(上に向かって)いますかね? あるいは逆の動きになっていますかね。よぉ~く見てください。


【Source: Investment.com】

時期により、2者の相関が正だったり負だったりしていますね。つまり実際その相関はよくわからない(笑).。

特に上のグラフ右端の赤い四角で囲ったところをご覧ください。昨年の夏から米国長期金利は上昇し日米長期金利差(ブルー)は拡大しているが、最近に至るまで長期的に見たドル円為替相場は下がり続け(=ドル安・円高)なのだ。

もう少し大きくしてグラフを見よう。

下のグラフでは色が入れ替わる。日米長期の金利差をグレーで塗ってみた。ドル円の為替相場はブルーである。赤いタテの線から右が、昨年夏以降の米国の長期金利上昇期である。グレーで塗った部分がせりあがっているでしょう?


【Source: Investment.com】

こうして見てみると昨年初めから今までの1年ちょっとの間で、日米長期金利差は前半は縮小、後半は拡大だ。一方、ドル円為替相場は一貫して右下がりのドル安・円高だ(黄色い四角で囲ったコロナショック期は除く)。

ということで、この金利差からは為替相場のトレンドが見えない。私はいったいいつドルを円に換えればいいいのかが、さっぱりわからないねぇ。何のために調べたのだ(笑)。まったく役に立たないね。

実際、金融メディアではドル安を示唆する専門家が昨年は多かったし、実際の相場もそうなった。しかし最近ちょっと風向きが違うのだ。そういう時は一部でもいいからさっさと今週から始めて時間を分散し、ドルから円に徐々に換えておこう。それが無難だ。 

ちなみに私のドル口座はみずほ銀行にあり、ドルから円への交換はみずほ銀行にあるそのドル口座と、同じくみずほ銀行にある私の円口座を使って行われる。通常個人客がある日銀行に行き当日付で自身の口座間において円からドルに交換してそのドルを円に戻す取引をすると、みずほ銀行やその他の多くの銀行は、1ドルに付き2円の手数料を徴収する。例えば・・・銀行にとっての1ドルの売値(個人客にとっての買値、「TTS」という)は105円、銀行にとっての1ドルの買値(個人客にとっての売値、「TTB」という)は103円と2円の開きがあるのだ。昔からこれは変わらない。1ドル360円の時代ならまだわかるが、1ドルが100円ちょっとの時代も同じ幅の手数料を取るって、変だよね。米ドルはまだましだ。英ポンドになるとその差は2円ではなく8円!!

ちなみに、ドル円の交換レート(スポット)は歴史的にこのような推移を辿った。なのに銀行にとっての基本の手数料幅が昔も今も同じで2円というのは、まったくもっておかしいのである。


【Source: Investment.com】

それまで1ドル=360円で固定された為替レートがいきなり変動し始めたのは、半世紀前の1971年夏のある日のことだ。この日この人(ニクソン大統領)が「金本位制なんて止めちゃう」といきなり宣言したからだ。当時私は小学生だった。その時、金融関係のお仕事に就いていたオトナは、夏休み返上の大騒ぎ。いわゆるニクソン・ショックである。



トランプ前大統領同様、ニクソン氏も弾劾されそうになった稀な大統領のひとりだ。ニクソン氏は弾劾裁判前に辞任してしまったが。

話がちょっとそれた。もとに戻そう。ドル円の交換レートのTTSとTTBが2円も差があるというのは、個人向け株式投信の販売手数料が3%であるのがザラなことと同様、まったく暴利と呼ぶべきもので、個人客はもっと怒らなければならないのである。

みずほ銀行でドルと円のシンプルな交換を自分の口座内で行う場合に一番有利な方法は、店頭で手続きするのではなく、インターネット・バンキングを使うのでもなく、なんとATMでキャッシュカードを使って行うことだ。それをやると銀行の手数料が6割引きになる。上記2円の手数料が80銭になるのである。



しかしその方法だと、1回に通貨交換可能な金額や同一営業日に複数回通貨交換した場合のその合計金額に制限があり、ちょっと煩い。だったらみず銀行なんて使わなきゃいいじゃないかと思う方もおられようが、そうは行かないのだ。私が購入したヘッジファンドはシンガポール金融当局の管轄下にあり、そこのルールは相当細かい。どこかの有利な国内ネット銀行にサッと口座を作って、そこを取引口座に使うなんてことは許されなかったのである。ファンド購入時にはものすごい量の書類をシンガポールのファンド会社に提出することが必要だったが、その中には、私がみずほ銀行に口座を長年保有し多くの取引がその口座において確かに行われたという事実の、みずほ銀行発行の証明書まで含まれたくらいだ。

ではさっそくこれからみずほ銀行のATMに行って来ます。
コメント (27)
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