ペンギン夫婦の山と旅

住み慣れた大和「氷」山の日常から、時には海外まで飛び出すペンギン夫婦の山と旅の日記です

ペルーの旅(15・終) 

2012-03-24 17:00:00 | 旅日記
夕暮れのリマ

リマの海岸付近に広がる新市街「ミラフローレス」には、ホテルやショッピングセンターなど高層ビルが立ち並んでいます。ラルコ博物館は、そこから北西に少し離れた静かな場所にありました。



一方、リマのもう一つの顔は、世界遺産に登録されている「セントロ」と呼ばれる旧市街です。



治安があまり良くないということで、ポリスの姿も目立ちます。



賑やかな広い通りに入りました。



植民地時代にスペイン人たちの作ったコロニアル建築が並んでいます。
色彩豊かな壁やバルコニーが特徴的です。



旧市街の中心、マルサス広場です。スペインの侵略者フランシスコ・ピサロは、1535年、都をクスコからリマに移し、このマルサス広場を政治の中枢として統治しました。広場の周りは古い公共建築物で囲まれています。



カテドラル(大聖堂)。ここにピサロの遺体が眠っています。高さ17mの豪壮な建物の礎石はピサロ自らの手で置かれたといわれ、その日付は1535年1月18日、この日がリマ建都の日とされています。建物は地震などで何度も修復され、現在の建物は19世紀のものです。



大統領府。もとピサロの邸宅址に建っています。これも何度か建て替えられたものです。



リマ市庁舎。ネオバラック式の美しい建物です。



広場に別れを告げて、少し歩きます。



サントドミンゴ教会。美しい塔は18世紀末に改築されたものです。



ちょっと中に入ってみました。



この礼拝堂は地震の被害を免れ、ペルー最古(1547年)の礼拝堂とされています。



再びミラフローレスに帰る頃には、とっぷりと日が暮れました。「恋人たちの公園」に地元カップルの姿が増え始める時間です。



「抱き合う恋人たち」のモニュメントがライトアップされています。



昔の恋人たちのペルーの旅も、そろそろ終わりです。長い間ご覧頂きまして、本当にありがとうございました。

ペルーの旅(14)

2012-03-24 07:00:00 | 旅日記
ラファエル・ラルコ・エレラ博物館の45,000点といわれる膨大な展示物の一部をご紹介します。(ペルー文化の歴史に沿って展示の順序を変えています)



ペルーの文化はBC.1000~BC.200年頃に始まります。治世者の名前からチャビン文化と呼ばれます。この文化形成期(BC13半~AD1)に作成された「パラカスの大布」。ラクダ科の動物の獣毛が素材で、図柄のテーマはネコ科動物(ピューマ?)です。チャビン文化ではネコ科動物や蛇、コンドルが神格化されていました。



同じ形成期(BC 13C半~AD1)ピクス文化、王冠、頭飾りなど装身具一式。
先スペイン期の指導者はこうした装身具を身につけることで、自分とは異なる身体や人格を持っていることを示しました。今で言う「ヘンシ~~ン」ですね。

次に出現するのがレクアイ文化(現在のワラス一帯を治めていた国の名前)で、ペルー北海岸や北部アンデス地方で発展しました。



レクアイ文化の展示。前の左は狸の置物みたいだし、右の「片足立ちのネコ科動物」もユーモラスです。





モチェ文化は紀元前後からA.D.700頃までコスタ北部で栄えました。プレ・インカと呼ばれる高度な文化で、「太陽のワカ」「月のワカ」と呼ばれる神殿ピラミッドも建設されました。この「黄金の頭飾り」は色や輝きを通じて身に着けた人の超自然的な性質を知らしめたといいます。やはり金は最高権力者の象徴?



これもモチェ文化の遺物。敗者の血を注いだ器が神にささげられている「生贄の儀式」を描いたラルコ博物館を代表する器です。



同じ頃(AD1~600年頃)、コスタ南部ではナスカ文化が生まれます。あの地上絵で有名なナスカですね。
これはナスカA型と呼ばれる土器で全体が彩色されています。題材は神々、農民、漁師の他、狩猟や戦闘の場面など多彩です。



この容器も面白いですね。



この布の断片もナスカ時代のものと思います(が、間違っているかも知れません)。



次にワリ文化が現在の南部アンデス山岳地帯アヤクーチョ盆地で発生して、形成期のアンデス土器に大きな影響を与えました。



ワリ文化後期(地方王国期AD8~13世紀)の織物。経(縦)糸には木綿、緯(横)糸にはラクダ科の動物の毛が使われています。緯糸の太さは世界第二位の細さという説明でした。



その後、コスタ北部にはチムー王国が建設されました。帝国期(AD.14世紀~16初期)の銀の王冠と指輪です。古代アンデスでは銀は金と同じように重要な金属でした。自然界には純粋な金属として存在しないため、取り出すには高度な技術が必要とされています。



これは有名な展示物、仮面をつけたミイラです。(何時の時代のものでしょうか)



博物館を出る前に別室にある、この博物館を有名にしているもう一つの展示物を見て頂きます。インカ時代のエロチックな土器です。実に生々しいのもたくさんありましたが、動物が題材のものを一枚だけ…(他には撮影していません)。



美しい庭園にも屋外展示物があります。ペルーの古文化を観賞しているうちに夕暮れが迫ってきました。いそいで次の観光に向かいます。