ペンギン夫婦の山と旅

住み慣れた大和「氷」山の日常から、時には海外まで飛び出すペンギン夫婦の山と旅の日記です

金剛山は秋の風(8月31日)

2006-08-31 18:28:21 | 山日記
冨士山行きを2日後にひかえて、幸ちゃんと3人で金剛山へ
トレーニングに行きました。


水分橋に車を置いて北尾根を登ります。最初から掘り割り状に
抉れた道の急登で、下りでもシンドイところです。しかし尾根
に出ると涼しい風が吹き抜けて、汗を吹き飛ばしてくれます。


鞍取坂分岐を回りこんで尾根の東側に出ると展望が開け、葛城山
が正面に見えます。今日は空気が澄んで、空にも秋の気配がただ
よっています。


黒栂谷との分岐のセトでしばらく休み、登山口からゆっくり2時間
で国見城址に着きました。まず少し下におりて広場の井戸で顔を
洗い、すっきりしました。


今日はいつもより登山者が少ないようですが、それでも城址は賑わ
っています。記念写真を撮って貰って、早々に頂上葛木神社に参拝。
ブナ林で早めの食事のあと、11時20分に下山開始。


大日岳山頂にはマツヨイグサが咲き、ススキが揺れていました。
太尾を下り13時、車に帰りました。
歩いているとまだ汗が流れますが、日陰でじっとしていると涼し
過ぎるくらいで、本当の秋もすぐそこまで来ているようです。

天候に恵まれて、快適なトレーニングの山歩きでした。

ミヤマウズラ(8月30日)

2006-08-30 17:10:41 | 矢田だより

今日は金剛山に行く予定でしたが、天候が思わしくないので
穂高行き前日以来、ほぼ2週間ぶりに矢田丘陵を歩きました。
ミヤマウズラの固かった蕾がようやく開き始めました。


それにしても、去年に比べて個体数が極端に少なくなっている
のが気になります。(A地点=3→0、B地点=15→5)
この山では貴重な植物だけに、大事に見守って欲しいものです。


今にも泣き出しそうな暗い雰囲気を吹き飛ばすように、真っ赤な
ミズヒキが元気に群れ咲いていました。

三嶺へ(8月27日)

2006-08-29 09:48:38 | 山日記

次に目指すのは高ノ瀬山(コウノセヤマ)。標高1740.8m。
いったん鞍部に下って、急坂を登り返します。三嶺がまだあんなに
遠く見えています。


高ノ瀬山を下って1㎞。石立山への分岐に来ました。(9時)
三嶺へは「あと9㎞」です。ときどき深くなる笹原の中を
1700m前後のピークを三つほど緩やかにアップダウンして進み
ます。途中、オオヤマレンゲの自生地があり、またコメツツジ
が群生しているところを通ります。米粒のようなリョウブの花
が道を散り敷いていました。


10時40分。白髪避難小屋が見えてきました。ここから左右の林道
に降りる道があります。小屋を過ぎた笹原で昼食になりました。

避難小屋の先をしばらく登ると韮生越え(白髪山分岐)です。
ここで道は右(北)に折れ、急激に下った後、三嶺に向かって高度
を上げていきます。2時間半の厳しい登りです。この頃から濃い
ガスがでてきました。


鎖が取り付けられた長く急な岩場にさしかかりました。
(森澤義信氏撮影・写っている上から3人目ぐらいに変愚院、
下から3人目の横顔の人・尾野益大氏)


鎖のかかる急な岩場を過ぎ、ようやくガスに包まれた山頂が近く
なりました。岩の散らばる草原にヤマハハコやシコクオトギリが
咲いています。


13時10分、三嶺山頂1893.4m。(浅田さん、森澤さんと)
山頂はガスに覆われて、残念ながら無展望でした。
「もっと天気の良い時に来て欲しかった」と
尾野さんが私に向かって言われました。
四国の山を知悉して自分の山のように愛している彼の、
遠来の仲間を気遣ってくれる優しい気持ちを知って
本当に嬉しく思いました。


13時30分、下山。この池の畔に無人の三嶺ヒュッテがあり、
その手前から道は急降下で東祖谷山村名頃に向かいます。
カニコウモリが群生する林、ウラジロモミの林を抜けると、
やっと林道に出ました。やれやれと思うとここはまだ中間点。
荒れた沢に下り、急な斜面を通って再び林道にでて、山頂から
2時間半、15時50分に無事、バスの待つ名頃に着きました。

長く、厳しい行程でしたが新旧の素晴らしい山仲間達との、
素晴らしく充実して得るところの多い分水嶺踏査山行でした。

剣山から丸石へ(8月27日 )

2006-08-28 21:12:11 | 山日記

今日は長丁場です。
午前3時半起床、4時朝食。4時半、剣山頂上ヒュッテに別れを
告げ、頭上に満天の星を仰ぎ、足元をライトで照らしながら歩き
始めました。
10分ほどで着いた頂上三角点も真っ暗闇の中です。


山頂からクマザサに覆われた急坂を下り、次郎笈に向かう頃、
東の空が次第に紅色に染まってきました。
次郎笈峠から痩せ尾根を急登して次郎笈頂上で日の出を待ちます。
太陽は槍戸山の方角から昇ります。(写真左端が剣山)


5時45分。次郎笈頂上にて。


美しい笹原の道を三嶺へ向かいます。次郎笈の影がくっきり
と山肌に映っています。
重畳たる山並みの向こう、右端の三角錘が三嶺です。剣山から
いくつもの山を越えて16㎞、まさに前途遼遠の思いです。


真っ青な空の下、朝日を浴びて正面に見える次のピーク・丸石
に向かいます。丸石の標高は1683.8m。森林限界を超えた山頂
からの展望は抜群です。このピークを越えた鞍部から、北に谷
沿いに下ると奥祖谷のカズラ橋へ下ることができます。
それにしても昨日の暑さに比べ、今日の爽やかさと言ったら…。
吹き上げてくるそよ風は肌寒ささえ感じさせます。

槍戸山から剣山へ(8月26日)

2006-08-28 18:41:05 | 山日記

一の森ヒュッテに着いたとき降り出した雨も、昼食の間にあがり
ました。ヒュッテのすぐ裏にある三角点の南にある、この露岩から
真南に見える槍戸山へ向かいます。


細い尾根上に続く笹原の道にはシコクシラビを始め、コメツガ、
ダケカンバのどの美しい樹林が見られます。特に大きなゴヨウマツ
が素晴らしく、一抱えでは収まりません。
「一抱えで樹齢80年」と教わりましたので、この木はおそらく
200年を越えて生きているのでしょう。


槍戸山は「剣山周辺で日の出を最も美しく望める山として有名」
(尾野益大氏「四国の山を歩く」より)です。
また、この白骨林は「県内一の規模」(前掲書)といわれています。


5年ぶり二度目の槍戸山頂上。(13時8分)
剣山や次郎笈を展望するのに絶好のロケーションにある、徳島の
隠れた名山です。


一の森へ帰る途中の展望。左・次郎笈(1929m)右・剣山。
その間遠く、雲に覆われた山が明日目指す三嶺です。

この夜は剣山ヒュッテに泊まり、しっかり飲んで食べて、
ぐっすり眠りました。

四国分水嶺-ニクブチ峠から一の森へ(8月26日)

2006-08-28 11:49:31 | 山日記
剣山へはこれまでに3度、いずれも見ノ越から登っていました。
最初は歩いて2時間足らず、そのあと西島駅までリフトを使うと
何と40分ほどで1955mの山頂に立つことができます。

しかし今回は分水嶺踏査のため四国山地の稜線を忠実に辿ります。
参加者はリーダーの重廣恒夫JAC関西支部支部長以下、一般参
加者も含めて30名を越す大パーティ。現地のNPO「剣山クラブ」
の方もご一緒で、行動中いろいろと教えて頂きました。

今朝、目覚めたのは木屋平の道の駅。そこからバスの幅一杯の林道
を登って、冨士の池近くから登り始めました。(7時10分)


登山口に建つ剣山龍光寺はこの地の本山派修験本拠で、写真は
少し上にある最近修復された剣山本宮です。


荒れた沢から急坂の藪漕ぎ、更にこのような崩れやすい危険な
ガレ場を通過して、2時間近くかかってニクブチ峠へ。
ここからが前回の分水嶺踏査の継続になります。(9時)


この美しいブナ林を過ぎると、道の左右に池のある池の窪から
一の森への登りがが始まります。


シコクシラビの林を抜けると一の森ヒュッテへの笹原の急坂。
露に濡れた笹原の中、気温と湿度が高く汗まみれで登りました。


11時30分。一の森ヒュッテに着きました。周囲は素晴らしいお花畑。
これはシコク(イヨ)フウロで、ハクサンフウロに比べると花はやや
小型です。
(この山行で出会った花たちの写真は別項でご紹介する予定です)


四国の山へ (8月25日)

2006-08-25 10:01:16 | 山日記
日本山岳会関西支部では、中央分水嶺踏査の終了に引き続いて、
四国山地の分水嶺踏査を実施中です。
徳島県平石山から愛媛県黒森山まで総延長150㎞、26区間を各
一泊二日、全13回で実施の予定です。


今回はその第4回目。「にくぶち峠~剣山~三嶺~名頃」を
踏破します(図は「剣山から三嶺」カシバードにより作図)

次のような予定です。
25日(金)22時、大阪中央郵便局前をバスで発。
26日(土)冨士の池=林道 05:00発…にくぶち峠…槍戸山…
      剣山…次郎笈…14:50剣山ヒュッテ泊。
27日(日)ヒュッテ発 04:30…丸石…高ノ瀬…白髭分岐…
      三嶺…14:00名頃=徳島を経て大阪へ20:00帰着。

私にとっては4度目の剣山で、次郎笈、槍戸山へも登りましたが
三嶺への縦走は始めてで、どんな新しい感動に出会えるか、大い
に楽しみです。

では…行ってきます。 


穂高よさらば又来る日まで(8月21日)

2006-08-24 09:55:02 | 山日記

「晴れてくれ!」の期待もむなしく、朝食を終える頃から雨が降り
出しました。少し待っても一向にあがる気配はないので、下山する
ことにしました。昨日、霧の中でも登頂しておいて、本当に良かった
と思いました。

雨具を付けてザイテングラードを下ります。(竜馬さん撮影)


涸沢につく頃、いったん雨はやみました。しかし、上部はまだ雨雲
に覆われています。


咲き残ったハクサンシャクナゲの花が淋しく雨に濡れています。
今年の夏合宿もこうして終わりました。
しかし、素晴らしい仲間達との楽しい山行は、いつまでも心に残る
ことでしょう。皆さん、ご協力ありがとうございました。


涸沢から北穂、奥穂へ(8月20日)

2006-08-24 08:33:46 | 山日記

モルゲンロートが穂高の山々を染めています。
5時45分、涸沢小屋を発ちました。


北穂高岳へは厳しい登りが続きます。
ここ南稜の中間点、スラブ状の一枚岩には長い鎖が付けられて
います。しかし、私たち千日山歩渉会パーティは鎖に頼らず、
岩から身体を離して、三点確保を守りながら登っていきます。
岩登りの基本的な技術が確実に活かされている様子をご覧下さい。


南稜の上部です。ここを登り切ると槍から穂高へ続く縦走路に
でます。


9時20分、北穂高岳頂上。
雲がわき、残念ながら槍ヶ岳のある北方の景色は見ることが
できませんでした。西側に見える笠ヶ岳から双六岳に続く
なだらかな緑の山々と、南方の奥穂、前穂の荒々しい岩峰が
対照的でした。


北穂から奥穂への縦走路は、厳しい岩場の連続です。
予想より天候の変化が早く、濃い霧に覆われてきました。
その中をイワツバメが飛び、すぐ目の前をオコジョが走って
いきました。


いくつもの難関を突破して到着した涸沢岳頂上(14時)。
仲間達の満足そうな笑顔がすてきです。


涸沢岳を下ると白出コルにある穂高岳山荘は間近です。
小屋のチエックインをすませて、奥穂高岳へ登りました。
15時30分、日本第三の高峰(3190m)・奥穂高岳頂上です。
濃い雲が去来し、背後のジャンダルムの岩峰や眼下の上高地が
見え隠れします。先程、通過してきた北穂から涸沢岳に続く峰々
に、あらためて今日の行程が思い起こされます。
            (この写真は竜馬さんから頂きました)
明朝、大展望を楽しみにもう一度登る予定です。

6年ぶりの穂高へ(8月19日)

2006-08-23 15:37:59 | 山日記

千日山歩渉会、今年の夏合宿は岩の殿堂・穂高岳です。

京都からの夜行バスを沢渡で低公害バスに乗り換えて、6時、
上高地に着きました。
朝食をすませて6時35分、上高地発。梓川の川面から朝霧が立ち
のぼり、蒼い空に穂高のスカイラインがくっきりと描かれています。


9時30分、横尾着。
ここまでは昨夏の槍ヶ岳合宿で、殆どの人が一度は歩いた道。
屏風岩を仰ぎながら、ゆっくりモーニングコーヒーを楽しみました。


11時、本谷出合で昼食。いよいよ本格的な登りが始まります。


涸沢が近くなりました。ナナカマドの白い花が咲いています。


14時、涸沢小屋に到着。宿泊手続きをすませると、早速外のテラス
にでて生ビールで乾杯しました。
カールを取り囲む前穂、奥穂から北穂へ続く稜線。正面に横通岳、
常念岳、そして屏風の頭。素晴らしい光景がなによりの肴です。
(写真は前穂高岳北尾根)