ペンギン夫婦の山と旅

住み慣れた大和「氷」山の日常から、時には海外まで飛び出すペンギン夫婦の山と旅の日記です

まいにち富士山

2011-06-29 00:00:30 | 人との出会い・本との出会い
毎日、富士山に登り続けて829回(2011年6月14日現在)。
佐々木茂良さんについては、2008年のこのBLOGでご紹介したことがあります。

その佐々木さんから6月14日付けの「富士山レポートと刊行本のお知らせ」というお手紙
を頂きました。
「今年は富士山南麓を震源とする震度6の地震が発生…スカイライン道路に亀裂が生じ…
例年5月当初から開始するはずの私の富士登山は6月3日にずれ込み…今年はまだ10回
だけの登頂です。」

凄い!変愚院夫婦などは10年以上かけて、まだ10回の登頂です。

お手紙は、佐々木さんが初めての著書「まいにち富士山」を新潮社から刊行されること、
できれば「本をお持ちして、日ごろのご無沙汰を詫びるのが礼にかなう…」と思ったが、
「印税を東日本大震災義捐金に充てる手続き」をすでにとったので、本状だけの挨拶に
なったこと、またパソコン音痴なので、できればBLOGで紹介して欲しい…という内容で
した。



発売日を待って近所の書店で購入しました。
非常に読みやすい文章で、気取ったところや衒いもなく、また失敗談までが淡々と語ら
れています。飄々としたお人柄がうかがえるような、さわやかな読後感が残りました。

本書内容はオビの裏表紙にあたるところの「はじめに」と「おわりに」に挟まれた
五合目~剣ヶ峰の章建てになっています。
<以後、写真は変愚院撮影の各合目の様子で、本書の内容と直接関係ないものもあります>



「五合目 山頂はいつも見えている」
どちらかというと「八合目」でのエピソードにふさわしい写真です。五合目へ降りてきた
佐々木さんが「頂上まで何時間かかる」と聞かれ、「平均五、六時間」と答えて不審な顔
をされたという話。実は私たちにも同じようなことを聞かれた経験があります。すぐそこ
に見えているので「駐車場からちょっと登ってやろう」という輩は結構いるようです。



この章では六合目の宝永山荘の渡井さんご夫婦が登場します。ご主人の正弘さんの話は、
後の「山頂」でも出てきます。変愚院夫婦の富士登山はここがベースです。名物は後ろ
の幟にも見える「富士宮やきそば」。これを食べるだけに登ってくる人にも会いました。
登頂を終えて「焼そば」を肴に生ビールを飲むのが最高のご馳走です(ただし、もう
一泊するときです)。



「六合目」の章は、装備について。
これは2008年10月4日、富士山剣ヶ峰での佐々木さんとの記念写真。
同じような写真がこの本にも載っていますが、ヘルメット姿がトレードマークのようです。



「七合目」四つの登山ルート
佐々木さんが毎日登るのが「富士宮ルート」。標高差1376mと出発点の標高は高く、
所要時間も短いですが、一番急峻で厳しいコースです。私たちも、いつもこのルート
です。(下山に、途中から宝永山へ行くため御殿場ルートを二度通りました)



「八合目」高山病について
上手な歩き方のコツ、苦しいときのいろんな克服法など、山歩きにあまり慣れない人
に参考になる秘訣が記されています。
最近は小屋で酸素缶なども売っていますが、あくまで気休め。「治療は下山の他なし」
というのは、変愚院たちの経験でもよく分かります。
ちなみに変愚院夫婦の秘訣は六合目で宿泊して、できれば宝永山辺りで高度順化して
おくこと。おかげで、ご一緒した人も含め、悪天以外はこれまで登頂率100%です。



「九合目」
ご来光、大展望などの他、いろいろな「ご利益」楽しみ、見どころが紹介されています。
お鉢巡り、測候所の思い出、金明水、銀明水…。



変愚院の蛇足ですが、これは大沢崩れに現れた影富士です。もちろん、登った人に
しか見ることのできない珍しい光景です。



「山頂」富士山に登る資格のない人たち。
色んな人がいるものです。この富士宮口山頂にある浅間神社の前で寝そべっていた
若者との口論の様子が詳しく記されています。そして「山小屋主がいったこと」で
宝永山荘の渡井さんが再登場。静かに佐々木さんの怒りを自省へと変えていきます。



「剣ヶ峰」
最終章は「山頂の上の山頂」として、さまざまな恐怖体験…遭難一歩手前の状況が
赤裸々に記されています。変愚院にも同じような経験…雪山での滑落、幻覚、など
があり、共感するところが多いのです。

とくに最後は「祈り」。自分の力ではどうにもならないときに人は何者かに縋る他
ありません。神、仏、ご先祖…いや山そのものに祈るのかもしれません。山に登る
回数が増えて、つい失ってしまっている謙虚さを思い出させてくれる試練。
「登らせてもらう」という気持ちを忘れずに、私たち変愚院夫婦もまだまだ歩き続
けていきたいと思っています。

この本を読んだ人は、今年こそ、今年も、「富士山に登ろう」という思いを強くする
に違いありません。

アジサイの矢田寺(2011.06.26)

2011-06-26 18:02:17 | 矢田だより
古くから「矢田の地蔵さん」として親しまれてきた金剛山寺。天武天皇の勅願寺で
かっては多くの堂塔伽藍がありました。当初、十一面観音であった本尊は平安以降は
地蔵菩薩になりました。「矢田形」という珍しい形式のお地蔵さんが境内にたくさん
祀られています。



中でも有名な「味噌舐め地蔵」さんです。この地蔵さんの「口に味噌を塗ると美味しい
味噌ができた」という言い伝えがあり、今でもお味噌が塗られていることがあります。



近年は「あじさい寺」として有名で、今年も朝日新聞の調査では「近畿で訪れたい
アジサイの名所」のトップだそうです。(2位は京都府・三室戸寺)



今日は、神戸の「あじさいさん」ご夫妻をお誘いしてご一緒しました。
明け方まで雨が降っていたので心配していた空も晴れて、真夏の日差しが降り注ぎます。





境内はさまざまな色のアジサイで埋め尽くされ、地形を利用した谷間の遊歩道も
大勢の老若、善男善女で大賑わいでした。



他の花も紹介しましょう。本堂左手、弁天池のミズカンナ。



遊歩道の途中で見た大輪のクチナシ。



塔頭の一つ、大門坊もシャラノキ。仏教の聖なる木・沙羅双樹に因んだ名前ですが、
これは別名ナツツバキと呼ばれる木で、別に沙羅双樹という木があります。
しかし、暑い夏に咲く白い花が一服の清涼感を与えてくれます。



近くにはタイサンボク(泰山木)も咲いていました。



最後に味噌舐めさんの後ろの、「アジサイ見本園」を見て回りました。
これはナデシコガクアジサイ。



珍しいバイカ(梅花)アジサイ。係りの人が写真を撮りやすいように上を向けて
下さいました。
ゆっくりと境内を見て回り、矢田寺を後にしました。(見本園のアジサイは時期的に
別の花が次々咲きますので、いずれ写真を整理して見て頂きます)

今年も花に会いに…(2011.06.24)

2011-06-24 18:55:27 | 山日記
大峰前衛のこの山に行きました。8時前に登山口に着いたので、まだ車は数台。
ちょうど夫婦連れの方が出発するところでした。靴を履き替え、トイレを済ませて
出発(7時55分)。



まず出会うのがコアジサイ。淡い紫色が梅雨の時期に似合います。



杉林の中、足元にはフタリシズカ。



植林帯の山腹を、何度か平坦な道と土止めの木の階段を繰り返して登り、沢を三度
渡ります。大きな岩がごろごろした場所に来ると、白いウツキの花が咲いています。
ここからはすぐにブナの木や針葉樹に囲まれた平らな場所に着きます。大きな休憩所
がありますが、外の平らな石が置かれた場所で休みます。(8時50分~9時)



休憩所横の石段から山腹道に入り、植林の中のジグザグの登りになります。いつも
ここは汗を流して登るシンドイところですが、今日は涼しい風が吹き抜けて疲れも
感じず今までになく楽に登れました。



さらに尾根を緩く上って周囲が360度開けたススキの原っぱにでます。ぐるりの展望図
を足元に描いた大きな石碑があります。この平の標高は1208m。この辺りからお目当て
のベニバナヤマシャクヤクが咲いています。(9時20分)



大型カメラを三脚につけた人が帰り支度をしています。朝の6時から花が開くのを
待ち構えていたそうで、「ちょうどいい時間ですよ」と言って下さいました。



今年の花は少し小ぶりで花期もやや過ぎたようですが、まだ蕾も残っています。
今日は♀ペンの方がいい花の写真を撮りました。



先ほどの人の話ではボランティアの人が刈り取られた(なんで?)そうですが、
踏み跡を少し下ると美しいジギタリスの花が見られます。
左の尖った山は大日岳、その右に稲村ヶ岳、中央少し奥に見えるのがバリゴヤノ頭。







ここからほぼ北に見えるのが円錐形の山は1,285m峰。いつもはこの峰に隠れている
1,347峰に登るのですが、花も展望はないし「ウットウしいだけ」「行くならここで
待ってる」というので、そうもいかず「今日はここまで」にしました。(9時50分)



「早く帰ってビールを飲もう」と、どんどん下りましたが、この頃から登ってくる
人が多くなりました。中には10数人のグループも2団体ほど。早めに登っておいて
本当に良かったと思いました。美味しい山の湧き水をボトルに詰めて、11時ちょうど
登山口に帰りました。

毎年のようにこの時期に花に会いたさに訪れる山ですが、天気が悪かったり花の
時期を外したりすることが多いのです。今日は天気もよく、展望にも花にも恵ま
れて申し分のない半日でした。

*この日も、山のマナーを知らない、かなりいい加減なハイカーのグループに
出会いました。そんなこともあって、念のために山名は伏せました。*

今日の大和民俗公園(2011.06.23)

2011-06-23 11:41:13 | 矢田之花暦(やたのはなごよみ)
昨日は夏至。梅雨の中休みの今日は朝から日射しが強く、真夏の暑さです。



抜けるような夏空の下に横たわる矢田丘陵。積乱雲ももくもく出始めました。
午後は夕立になるかな。



熊五郎狐のいる休憩所下の池に咲くヒツジグサとアジサイ。
ちょっと涼しげです。



早咲きのハギの花。



白いハギも咲いています。梅雨明けも近いのでしょうか。

今日の大和民俗公園(2011.06.21)

2011-06-22 09:07:31 | 矢田之花暦(やたのはなごよみ)


午後から晴れてきたので、夕方、ウォーキングに行きました。
公園入口でセント君と早咲きのハギがお出迎え。





旧吉川家横の花壇のカレープラントの花。名前の通り、カレーの匂いが漂ってきます。
南アフリカ原産のハーブです。



熊五郎狐の前の坂道。アジサイが色濃くなりました。







ぐるっと回ってヒョウタン池の方に来ると、清楚な感じの純白の花も…



日が西に傾き、花菖蒲園の人影もまばらになりました。



梅林で、たわわに実った木が一本ありました。他の木は今年は実のりが少ないのに、
この木の元気をもらいたいものです。
「青梅やずぶ濡れの山すぐそばに」桜井博道

梅雨空続く(2011.06.21)

2011-06-21 11:40:58 | 我が家の歳時記
我が家の狭い(10坪強)裏庭にビワの木が3本ありました。40年ほど前に居を構えた頃、
種から自然に大きくなって、毎年、たくさんの実をつけました。
けっこう大粒で甘いので近所にお裾分けしたり、職場まで持って行ったりしていました。
しかし、葉に大きな毛虫がついて地面にバタバタ落ちたり、北隣のお家に枝が被さって
きたので、もう20年にもなるでしょうか、3本とも切り倒してしまいました。

その頃の実が西隣の別の自治会敷地に落ちて、ぐんぐん成長して…



とうとう、こんなに立派な木になりました。
写真の中央下のブロック塀を越えて、右側の我が家の方へ枝が伸びています。



摘果しないので小粒のまま、鈴なりに実をつけていますが…。それを狙ってカラスが
やってきます。
朝早く、雨が止むとやかましく騒ぐので♀ペンが見るとカラスの親子(一羽がだいぶ
小さいので子ガラスらしい)が、上の写真の左隅に見える自治会納屋の屋根の上で、
運んで行ったビワの実を食べている最中でした。

変愚院が顔を見せると飛んで逃げますが、♀ペンは「あとが怖いから放っておきや…」
といいます。なんでも石原慎太郎がカラスの執念深さを綴った文章を読んだ記憶がある
とか…。さて、どんな復讐をされるのでしょうか…。





我が家のアジサイは、去年、花後の手入れが悪く、今年は花の数が極端に少なくて
残念です。


今日は父の日(2011.06.19)

2011-06-19 08:28:12 | 我が家の歳時記


昨日、松本の嫁から父の日のプレゼントが届きました。
何よりの好物の信州ワインとジャム。

「五一ワイン」は標高700mの塩尻市桔梗ヶ原にあるブドウ園で作られるワインで、
創業者・林五一の名がつけられています。今年は、1911年(明治44年)に五一が
入植してちょうど100年の記念の年です。

ジャムはリンゴ、夏ミカン、ユズなど…すべて手作りの自然食品です。



開運堂のお菓子。こちらも1884年(明治18年)、もとの呉服屋からお菓子に転じた
松本を代表する古い店です。

真味糖(しんみとう)は鬼グルミや蜂蜜などを使った和風タッフィー。
道祖神(どうそしん)はハクセンコウに似ていますが、小豆の粉と和三盆を使った
もの。どちらもお茶席に用いられる干菓子です。




信州安曇野の可愛い野仏・道祖神の姿を表裏に表しています。
道祖神に会いに、また安曇野を訪れたくなりました。

我が家の花(2011.06.18)

2011-06-18 10:07:10 | 我が家の歳時記
また雨です。梅雨だから仕方がありませんが…。
うっとうしい季節に、我が家の鮮やかな色の花をご紹介します。



エビソウ。キツネノマゴ科 ベロペロネとも言います。
花房がエビに似た形なので、この名があります。花期が長く5月から11月くらいまで
咲き続けます。クリーム色の花もありますが、我が家ではまだ咲いていません。



ペラルゴニウム。フウロソウ科 
南アフリカ原産の野生種が園芸用に交配されてさまざまな色に変わりました。
夏咲天竺葵の和名があるように、花期が短く、8月頃までしか花が見られません。



ゼラニウム。フウロソウ科
和名 天竺葵。こちらは年中、花が咲いているようです。
我が家では蚊の嫌がる匂いのするゼラニウムの一種「蚊取草」もありますが…



ヨーロッパで窓際にこの花が大量に飾られているのも、虫よけのためと聞きました。
確かに一種独特の匂いがするので「虫コナーズ」の役割をするのでしょう。

今日の大和民俗公園(2011.06.17)

2011-06-17 17:55:26 | 矢田之花暦(やたのはなごよみ)


まだ、すっきりしない空模様ですが昼食後、民俗公園を歩きました。
アジサイが次第に色づいてきました。いつものように一周目は早足で、二周目は写真を
取りながら少しゆっくりと…



民家群の前に咲くガクアジサイ



オニシモツケ。シモツケの白色版ですがやや大型です。



クロタネソウ。キンポウゲの仲間で赤、青、など他にもさまざまな色があるそうです。
文字通り、黒い種ができるとか…。



里山を東側に回ると、オオヤマレンゲは終わりササユリが咲いていました。



近くではダリアも咲いています。



白い花はソバ。手前の囲いの中は皇帝ダリアが植えられています。



花菖蒲園は見ごろを迎え、花を愛でる人で賑わっていました。





キンシバイはやや盛りを過ぎたようです。色とりどりの花を楽しんで帰りました。