ペンギン夫婦の山と旅

住み慣れた大和「氷」山の日常から、時には海外まで飛び出すペンギン夫婦の山と旅の日記です

ペルーの旅(3)

2012-03-13 10:22:03 | 旅日記
3月3日 ナスカの地上絵



地上絵を見るには、太陽光線の当たり具合のいい朝早くか夕方が最適と言われます。モーニング・コーヒーを頂いて5時45分に出発、飛行場は近くで6時過ぎに到着してバスをおりました。抜けるような青空です。



事務所で乗機手続きをします。パスポートを提示して6ソルの空港税を支払い、ひとりづつ体重計に乗りました。



搭乗券の人物はマリア・ライへというドイツ人女性。地上絵を発見したのはアメリカの考古学者コソック(1939年)ですが、クスコで教師をしていてコソックと出会ったライへはコソックの研究を引き継いで、死ぬまで地上絵の調査研究を続け、その保護を訴えてきました。地上絵の近くに埋葬を希望した彼女の希望は、一帯が世界遺産に指定されたため叶いませんでしたが、「マドレ・デ・パンパ(大平原の母)」と呼ばれて敬慕されています。



地上絵は高いところからでないと「絵」には見えないので、小型機による空からの観光が一般的です。このセスナ機は定員12人、私たちが今日の一番乗りでした。



天井で頭を打たないように体をかがめながら機内に入ります。指定された席は右側の前から二列目。すぐ目の前が操縦席です。左側がパイロット、右がコ・パイロット。エンジンがかかると短い滑走で軽やかに空に舞い上がりました。



眼下に乾燥した大地が広がりますが、この座席は残念ながら翼の支柱の真横で視野がよくありません。



コ・パイロットがマイクで「オハヨゴザイマス」と挨拶して絶叫調の案内を始めました。「トモダチ!」「ミギ!」「コンドハヒダリ!」「イタ!サル」「ミテミテ」「イタイタ!」(「毎日同じところにいるのにきまってるやろ」とツッコミを入れたくなる)、「アネノシタ!」?「カニノシタ」?…これはようやく「羽根(翼)の下」の意味だということが分かってきました。



数百あると言われる地上絵は殆どが意味不明の直線や曲線の一筆書きで、一体誰が何の目的で書いたものか、まだはっきりした定説はありません。(このレポートでは各説を紹介するのが目的ではありませんので省略します)。



そのうち有名なのは動物などを描いたものですが数が少なく、「イタ!」といわれても探すのがかなり大変で、カメラを構えるともう行き過ぎたあとだったりします。さらに両側の座席の人に見えるように旋回する時はかなり機体が傾くので、カメラのファインダーを見つめていると酔いそうになります。ビデオに切り替えましたが、とうとう写真は諦めて自分の目にしっかり焼き付けて帰ることにしました。



「ハチドリ」全長96m。
地上絵で一番美しいと言われるこのハチドリが奇跡的に?きれいに撮れたので十分満足です。



「コンドル」全長135mもあります。この地域に棲む別の鳥がモデルとも言われています。



渦巻き(案内では「グルグル」)。複数個見られました。



「手」なぜか右手の指は4本しかありません。これで空からの観光は終わりました。他にも写真には撮れませんでしたが、クジラ、サル、宇宙飛行士?など、しっかりこの目で見てきました。



30分ほどの飛行を終えてパイロットと記念撮影。



搭乗証明書です。間違いもあると聞いた手書きの名前は、ちゃんと書いてありました。