ペンギン夫婦の山と旅

住み慣れた大和「氷」山の日常から、時には海外まで飛び出すペンギン夫婦の山と旅の日記です

天女の山・磯砂山

2007-07-30 17:19:25 | 山日記
7月26日、丹後半島にある磯砂山に向かいました。
峰山町鱒留から川沿いの府道を南に車を走らせると、正面の磯砂山が次第に近づいてきます。



キャンプ場などの施設がある「天女の里」の前に、天女の子供を祀ったという乙女神社がありました。



更に府道を2㎞、さらに舗装林道を2㎞登ると「羽衣茶屋」という施設があります。ただし「茶屋」ではなくトイレとベンチがあるだけの無人休憩所です。
すでに標高400m、小雨模様で風もあり、昨日とうって変わって肌寒いほどの涼しさ。暑さに弱いペンギン夫婦には嬉しい天候です。
ここに車を置いて出発。



やや勾配のキツイ舗装道を300m登ったところが登山口で、「頂上まで1010段」という標識があります。
こんな階段がずっと続きますが、木屑(チップ)が埋め込んであって足に優しい、歩きやすい階段です。
10分ほど登ると峠状になり、「磯砂女池」との分岐があります。
池へは帰りに寄ることにして、「あと780段」頑張ります。



登山口から僅か40分で頂上着。楽なハイキングでした。
一等三角点があるので展望はよい筈で、双眼鏡附きの展望台まであるのですが、あいにく霧の中で展望はまったくゼロ。
ヘリコプターで天から舞い降りたというモニュメントの天女と記念撮影して、元の道を下りました。



分岐から小さなコブを越えて下った女池に行ってみました。
今は薄暗い木立に囲まれた小さな水溜まりですが、かっては天女が水浴びしたというほど、神秘的で清澄な池だったのでしょう。



帰り道で振り返ると、展望に恵まれなかった私たちを気の毒がるような磯砂山が、「今度はいい天気の時においで…」と見送ってくれていました。

オジサンという名の魚

2007-07-29 06:28:25 | Weblog
7月25日、由良ヶ岳から下山しましたが、予約してあった国民宿舎のチェックインの時間には早すぎました。
日帰り温泉へでも…と由良の海岸をドライブしているうちに、山の上から見えた「関電エネ研」に行こうということに…



ここでは火力発電設備の他に、風力、太陽光、波力など様々なエネルギー利用が研究されてきました。水産関係の研究が行われている「魚っ知(ウォッチ)館」には水族館もあります。
前に来たことがありますが丹後の魚たちに会いに行ってみました。



大小26の水槽に、たくさんの魚たちが泳ぎ回っていますが、これが「オジサン」です。



アデリーペンギンとご対面の♀ペン。プールの上は吹き抜けなので「暑いだろうなあ…」
対岸から天橋立を眺めて由良へ帰りました。明日は磯砂山に行きます。

由良ヶ岳(続き)

2007-07-28 18:12:41 | 山日記


鞍部に帰り反対側(西北)に稜線を辿ると、左手(舞鶴市側)から稜線まで林道が延びていて、終点の広場に真新しい標識がありました。西峰経由で周遊できるようになっています。



西峰(640m)頂上。夏草の中に埋まるように二等三角点がありました。(山名板の右上)



林道のお陰か立派なベンチが置いてあり、樹木も切り払われていて霞んではいるものの天橋立の全貌が見渡せました。



上の写真の右に続きます。
栗田(くんだ)半島の中央右に見える大きな建物は関西電力宮津エネルギー研究所です。



午後になって空は真っ青になりましたが、風が死んで暑さは耐え難いほどになりました。
展望を楽しむのもそこそこに、元の道を下りました。

丹後の山・由良ヶ岳

2007-07-27 18:22:41 | 山日記


7月25日、登山口は国民宿舎・丹後由良荘の裏手にあります。
スタートしてすぐ「一合目40m」の標識があり、抉れた溝のような急な道を登ります。「長い40mだなあ」と言い合っていると「二合目120m」の標識がありました。数字は合目ごとの標高と分かりました。



今日は時間が余るほどあるので、出来るだけ体力の消耗を避けてゆっくり登りました。それでも海岸近くからの低山の登りだけに、蒸し暑さは格別で、ずいぶん汗をかきました。
五合目で数分休んで、この七合目の「一杯水」でも水分補給で15分も休憩しました。期待の水はそれほど冷たくなくがっかり。
あたりにはヤマアジサイの花が満開でした。



稜線へでたところは東峰と西峰の分岐のコルになっています。
休憩なしでまず、東峰へ向かいます。



ゆっくりなだらかな笹原の道を行くと、数分で東峰585mの頂上。
虚空蔵菩薩を祀る祠があります。写真右隅は殆ど顔の薄れた狛犬。
海風が微かに涼しさを運んでくれます。



お天気はまずまず良いのですが、展望はご覧の通り。
写真は舞鶴湾と由良川の河口。この右手に青葉山がうっすらと霞んでいました。西には丹波、但馬の山々もぼんやりと見えました。



簡単に昼食をすませて、(前方左に見える)西峰に向かいました。

SFと科学

2007-07-24 17:16:30 | 読書日記


先日の「読書感想文」(夏休み、思い出しますねえ)のテーマ、「西遊記」は明時代のSFとして読むことも出来ます。
(確か石川英輔に「SF西遊記」という本があり、TVでも放映された記憶がありますが、これは全く別の宇宙版西遊記)

SFは私の大好きな読書ジャンルで(もっとも流石に近頃はあまり読みませんが)、「海野十三」時代には空想の産物だったものが次々と実現してくると、人間の空想はいずれは実現するのかと思わずにはいられません。

この本は副題の「空想を実現する最先端テクノロジー」をクローン人間、瞬間移動装置、タイムマシン…など8章に分けて非常に分かりやすい形で解説しています。筆者はイギリスの新聞やラジオで著名の科学ジャーナリストだけに、「量子力学」や「相対性理論」など難しいところになると、たとえ話などでスルリとかわしてしまう…。しかし、私たち文系人間には、これくらいがちょうど手頃なんです。

何よりもスタートレック、スターウォーズ始め様々なSF映画、TV、小説が登場するのがSF好きにはたまらない、楽しい本でした。

散歩の途中で(7月22日)

2007-07-23 08:54:29 | 矢田だより
雨模様の日や、あまり時間がないときは15分ほどの民俗公園まで歩いて行って、その後公園を早足で2~3周します。(1周30分弱)



町内のマンホール蓋。市内中心部には新しいカラーのものがあるようです。



奈良高等工業専門学校官舎跡に咲くコオニユリの花。



これも官舎跡の花。



クリの実がすっかり大きくなりました。

妖怪退治といえば…

2007-07-22 09:44:36 | 読書日記


この、ご存じ西遊記。
天竺へお経を求めて旅をする三蔵法師を守るお供の悟空、八戒、沙悟浄からして、すでにサル、ブタ、カッパの化身。三蔵の乗る馬ですら西海竜王の子供です。

公開中の映画「西遊記」はTV放映中と同じメンバーのようですが、TVで見る限りでは孫悟空役の香取慎吾が「なまか」を連発して、友情を安売りしているような薄っぺらい感じで、あまり好感をもてませんでした。

彼らが道中さまざまな妖怪と闘いながら旅をする物語を初めて本で読んだのは、親父の「大法輪」という宗教雑誌の連載小説でした。
そのご何度かいろんな人の訳で読みましたが、今回は4月中頃、ふと書店で手にしてパラパラとめくっているうちに、蓬田やすひろさんの美しい挿絵に惹かれてレジに行きました。

読んでみて、オビにある「今までで一番美しい西遊記」という惹句が決して大げさでないと思いました。
平岩弓枝さんの筆にかかると、お馴染みの冒険譚がこんな美しい師弟愛と友情の物語になるのかと感動さえ覚えました。♀ペンも一気に読み終えると目を潤ませていました。

この本の下巻がもうすぐ出るそうで、二人で楽しみに待っています。

雨の日は…(7月21日)

2007-07-21 13:20:26 | 読書日記
寝転がって肩の凝らない本を読んでいます。
これはしばらく前に読み終えた新書本「江戸の妖怪事件簿」


芸者遊びをした猫や、人間に嫁入りした狐の話など江戸の人はお化けや幽霊の話を信じて記録に残していました。
しかし、中には「世の中に幽霊などいるはずはない」という啓蒙家もいました。面白いのは彼らが幽霊の存在は否定しても「それはみなキツネやタヌキの仕業だよ」と解説して(つまりタヌキやキツネの化けることは認めている)ことです。

そのため1844年、南町奉行・跡部能登守が人に憑依した狐を白州に呼び出し裁きをするといった事件が「狐附奉行御捌之伝」として訴状、取り調べ経過が記録されています。
どうもこれは奉行の権威をアピールするためのパフォーマンスでもあったようですが、その時代の人々が「狐がつく」ことを信じていなければ、成り立たない出来事です。

今でも「赤ワインのポリフェノールが身体にいい」といえばワインが売れ、「納豆菌が血液をサラサラにする」といえばスーパーの棚が空になるなど…本当かどうか分からない噂に引っ張り回されている私たちがこの時代の人々の「常識」を笑うことが出来るかどうか…ちょっと考えさせられました。