ペンギン夫婦の山と旅

住み慣れた大和「氷」山の日常から、時には海外まで飛び出すペンギン夫婦の山と旅の日記です

ペルーの旅(8)

2012-03-18 07:00:00 | 旅日記


少し下った丘の上にあるサクサイワマン城塞址です。三層の石の壁からできている長さ360mの城塞は、インカ帝国軍と征服者スペイン軍の最初の戦いの場となったところです。

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砦とも宗教施設だったともいわれていますが、ここにも巨大な石積みが見られます。



中でも一番大きいのが高さ5m、重さは推定300トン近い、この石。これだけの人数で押してもびくともしませんでした(笑い)。何でも一日3万人を動員して80年かかったとか。車輪を持たないインカの人たちが、こんなに大きい石を運んできて組み上げた組織力と技術にはただただ驚くばかりです。



再びバスに揺られて、人も通るし羊さんがのんびり草を食べていたりする、カーブの多い道をクスコ市街へ降りて行きます。



今日最後の観光地点、サント・ドミンゴ教会は、バスを下りて少し坂を上ったところにあります。



ここにはインカ帝国の政治と宗教の中心「太陽の神殿」コリカンチャ<コリ(Qori)=黄金、カンチャ(kancha)=ある場所の意味>がありました。侵略者たちは神殿を破壊し金銀財宝を奪ったあと、石積み土台の上に教会を建てました。その後の大地震で教会は崩壊しましたが、土台の石積みはびくともせず、インカの技術の素晴らしさを証明したのです。

内部は写真撮影禁止なのでごく一部しか紹介できないのが残念です。



いくつもの部屋の窓を通して一番奥の部屋の壁が見えることからも、石積みに一分の狂いがないことが分かります。



「虹と稲妻の部屋」壁の窪みには黄金の神像が置かれ、中央の石台に生贄の動物が捧げられたと考えられています。



この入口を入ったところにも多角形の石があります。奥にインカの宇宙観を表した銀河図が見えます。



中世スペイン風の典型的な建物を巡らした中庭です。



裏庭に出ました。基礎の石積みが見事なカーブを描いています。



マルサス広場の方を見たところです。



見下ろす広場ではインカ時代に様々な儀式や祭祀が行われました。



今、辺りには南国の美しい花々が咲き乱れています。



明日はいよいよマチュピチュへの早朝の出発なので、美しいクスコの夜の町を楽しむ間もなくホテルに帰ります。



ホテルのレストランでの夕食。例のどろっとしたスープに 



ロモ・サルタード。牛肉と野菜の炒めものですが、ペルーの伝統料理・クリオージュと19世紀、ペルーに移民した中国人がもたらした中華料理の調理法や味付けが融合したチファ(CHIFA)料理で、私たちには食べやすい味でした。



ロビーの一角には高山病になったお客さんのための酸素ボンベが備え付けられています。中二階には、夜通し使えるようにコカの葉とティーパックが置いてありました。さすがに夜になると冷えてきて、電気ストーブを点けました。夜中に到着する人の足音やシャワーの音などで眠りの浅い夜でした。