ペンギン夫婦の山と旅

住み慣れた大和「氷」山の日常から、時には海外まで飛び出すペンギン夫婦の山と旅の日記です

霊犬早太郎

2020-06-27 09:50:24 | 私の動物記

霊犬・早太郎

1994年の8月初旬、5度目の木曽駒登山からの帰りに、駒ヶ根の名刹・光前寺に詣でました。霊犬・早太郎の墓は人間並の立派なもので、ひょっとすると伝説に近い事実があったのかとさえ思わせます。

お堂の縁の下ではヒカリゴケが緑色の妖しい光を放っていました。このお寺の対応は実に鄭重で感服しました。



そのあと二度、光前寺を訪ねましたが、早太郎のお墓にはいつも新しい花が供えられていて、地元の方の信仰の深さが偲ばれました。少し長くなりますが、お寺の説明版をそのまま、お伝えします。

霊犬早太郎(ハヤタロウ)の伝説
 今よりおよそ七百年程前、光前寺に早太郎という強い山犬が飼われていました。
 その頃、遠州(静岡県)見付村では、田植えが荒らされないようにと、毎年祭りの日に白羽の矢を立てられた家の娘を、いけにえとして、神様にささげる人身御供という悲しい習わしがありました。


ある年、村を通りかかった旅の坊さまは、神様はそんな悪いことをするはずがない、その正体を見とどけようと、祭りの夜に様子をうかがっていると、大きな怪物が現れ、「信州の早太郎おるまいな、早太郎には知られるな」と言いながら、娘をさらっていってしまいました。
 坊さまは早太郎に助けを求めようとすぐ信州へ向かい、光前寺の早太郎をさがし出すと、早太郎を借りて急いで見付村へと帰りました。

次の祭りの日には、早太郎が娘の身代わりとなって怪物と戦い、それまで村人を苦しめていた怪物(老ヒヒ)を退治しました。
 早太郎は傷つきながらも光前寺までたどりつくと、和尚さんに怪物退治を知らせるかのように、一声高くほえて息をひきとってしまいました。

現在光明寺の本堂の横に、早太郎のお墓がまつられています。
 また早太郎を借り受けた旅の坊さまは、早太郎の供養にと「大般若経」を光前寺に奉納致しました。この経本は現在でも、光前寺の寺宝として大切に残されております。

(写真は「仁王門下のワラ犬」が最初に参詣したときのもの、あとはすべて2010年の撮影です)

 

 



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