ペンギン夫婦の山と旅

住み慣れた大和「氷」山の日常から、時には海外まで飛び出すペンギン夫婦の山と旅の日記です

錦繍の御在所岳

2005-10-31 10:17:52 | 山日記


10月最後の日曜日(30日)、千日山歩渉会の仲間達と
鈴鹿の御在所岳に登りました。
昨日の大雨が嘘のように晴れ上がり、素晴らしい青空
の下に錦の衣を纏った山が迎えてくれました。
中登山道は急ですがあちこちで奇岩が出迎えてくれます。
これは地蔵岩。左手背後の山は釈迦ヶ岳です。



公園風に整備された山頂の三角点(1,211.59m)。
ペンギンたちには平成12年12月12日12時12分以来、
4年ぶりです。
記念撮影用にベンチが設けられていて、順番待ちの盛況。



でも最高点は少し離れたこの岩の上です。
登ってみると、鈴鹿の山々の大展望が待っていました。



展望と期待以上の美しい紅葉にすっかり満足して、
武平峠に下りました。右手前方の山は鎌ヶ岳です。





天狗の話 (10)

2005-10-29 15:11:00 | 四方山話

ボタンで名高い長谷寺にも天狗杉があります。
仁王門から一の回廊を登りつめた右側の大木がそうです。
この寺の小僧・英岳は夜ごと回廊の灯籠の灯を点けて回り、
余った油を行灯の明かりとして勉学に励みました。
回廊の左右には大杉が多く、そこに住む天狗が油皿をひっ
くり返したり明かりを吹き消したりと悪戯をしましたが、
英岳はひるまず、かえって発憤してとうとう大僧正の地位
にまで昇りました。第十四世能化(のうげ・管長)となった
英岳大僧正は荒れていた伽藍再建のために境内の杉の木を
伐らせましたが、この一本だけは自分を発憤させて現在に
至らせた天狗のために残したあげたということです。
                (写真は長谷寺の回廊)
 



サワフタギ

2005-10-28 08:35:18 | 花日記


先週、大山に登ったとき、こんな美しいブルーの木の実
が真っ赤なナナカマドの実と見事なコントラストを見せて
いました。

名前をご存じの方、お教え下さい。

*「もぐもぐ」さんから「サワフタギ」と教えて頂きました。
ありがとうございました。

なにわ新発見 (10.27)

2005-10-27 20:25:34 | 旅日記
地域の行事で大阪に行きました。
生まれ育った浪速の町、しかも10年前まで通勤していて、
今もしょっちゅう往き来してよく知っている筈なのに、
日毎に変貌している都会はまるで見知らぬ町に来たよう
でした。



まず大阪歴史博物館を見学。古代から現代までの大阪の
歩みがビジュアルに紹介されています。10階からは
大阪城や難波宮(下の写真)も一望できました。



全国いや世界各地からの観光客で賑わう大阪城公園内
で昼食した後、



アクアライナーに乗りました。水の都「なにわ」を川面
近くから眺めたのは、生まれて初めての経験でした。
見慣れたはずの中之島や天満橋、天神橋、難波橋…造幣局
や大阪城もまた違った角度からの新鮮な景色でした。





天狗の話 (9)

2005-10-26 10:52:53 | 四方山話
もう一つの天狗岩をご紹介して、民間伝承の天狗に戻ります。

これは木曾駒ヶ岳と宝剣岳の間、乗越浄土近くのの天狗岩です。
木曽駒へは61,74,78,82,94年と5度登っていますが、これは
82年夏、家族で登ったときの写真です。
立派な大岩ですが、鼻の長さでは湖南アルプスの天狗に負ける
ようです。



さて次は、奈良県に伝わる「天狗の話」をいくつかご紹介します。

梅林で有名な月ヶ瀬の近くに神野山(こうのさん)があります。
歓迎アーチにも、駐車場にも烏天狗たちが遊んでいます。





昔ここの天狗が伊賀・青葉山の天狗と喧嘩をしました。伊賀の天狗
は岩や芝生を手当たり次第に投げつけてきたので、神野山の頂上は
美しい草地になり、その麓には鍋倉峡という黒い石が累々と連なる
珍しい谷が出来たということです。



写真は3年前の冬、摂ったものですが、3日前に降った雪が残って
いて、黒い岩の間を埋めています。

山腹の神野寺には、10数メートルの高さの「天狗杉」があります。
幹も枝もツルツルになっているのは、この木に住む天狗が弟子たち
に術を教え、修行させているからだそうです。
また昔、近くの大塩集落に他惚治という男がいました。夕涼み中に
見た大ホタルを追いかけて神野山山頂までくると、蛍の正体は天狗
でした。他惚治は天狗から「天狗飛び切りの術」を学び、言葉付き
も様子も変わって村に帰りましたが、それ以後は奈良へ行くのに
一刻、(伊賀)上野にいくのに半刻しかかからなかったということ
です。
ちなみに、この辺りから上野までは約15㎞、奈良までは25㎞ほどで
す。現代の乗り物のスピードで考えると、それほど早いとは思えな
いのですが…

天狗の話(8)

2005-10-24 10:39:25 | 四方山話
「天狗」の名の付く所で、ペンギンが足跡を残したところについて、
もう少し思い出を綴ってみます。

石鎚山の最高峰・天狗岳に登ったのは92年の夏のことです。
石鎚本峰からの道は「切り立った岩稜、木の根を頼りの踏み跡、
また岩の上の馬の背道と変化に富んだちょっとスリルのある道」
と山日記に書き残しています。



標高1982mの天狗岳は、巨大な一枚岩のスラブを越したところ
のピークで、小さな祠がありました。霧の中で展望は皆無でした
が気分爽快でした。

天狗「岩」という名の岩も各地にあります。
近畿では六甲の天狗岩が有名です。住吉川上流、西山谷と大月谷
(大月地獄谷とは別)の間の尾根を天狗岩南尾根といいますが、
上り詰めるとロープウェイの下を潜ってオリエンタルホテルの前
に出ます。大月地獄谷を遡行してこの尾根に出会うころに天狗岩
があります。

下の写真は滋賀県・金勝アルプスの天狗岩です。形は似ていませ
んが、何か天狗に由来する伝説でもあるのでしょうか。
右手に見える山は鶏冠山です。



これも滋賀県の山。湖南アルプス・太神山近くの天狗岩。26年前
、1974年の写真です。こちらはまさに天狗の形そのものです。
天狗の鼻の上に立っているのは息子の岳志。阪神タイガースの帽
子を頭に載せています。


    
   

伯耆路の旅(2)

2005-10-23 17:37:20 | 旅日記
大山の姿を写した中から四態をご紹介します。これは
登山を終えて桝水原から溝口に向かう途中からの大山です。
伯耆富士の名に恥じない美しい姿です。



皆生温泉に一泊した翌20日朝、弓ヶ原からの大山です。
浜辺ではサーフィンを楽しむ若者の姿がありました。



境港の夢タワーに登り、展望台から眺めた大山です。
よく晴れていて地上43mから360度の展望が楽しめました。



新聞やTVで「今年初のコハクチョウ飛来」と伝えられた
ので、米子水鳥公園に行ってみました。
まだ一匹だけだからか容易には見つけることができません。
写真の正面遠くが大山。左手前のこんもりした山の上には
粟島神社が立ち、八百比丘尼の伝説の地でもあります。





伯耆大山に登る

2005-10-22 17:18:53 | 山日記
10月19日。大山に登りました。

この山は「山」の美しさと厳しさを教え、その魅力で私を虜に
した懐かしい山です。47年前、粉雪の舞う初冬に初めて登り、
翌年厳冬期に深雪のラッセルで剣ヶ峰に登頂、20年後の夏には
ナイフリッジを三鈷峰へ縦走しました。

二人で登るのは二度目ですが、♀ペンにとってもこの山は若い
時に重荷を背負って登った思い出深い山です。

8時、南光河原に車を置き、夏山登山道に入りました。昨夜か
ら風が強く、山がゴウゴウと鳴っています。林の中はそれほど
でもないのですが…



北壁を背にした六合目では風と寒さが厳しく、避難小屋に入って
休みました。



紅葉はまだ始まったばかりですが、八合目辺りから見下ろす山肌
は美しく染まっています。
この頃から薄日がさして風も少しおさまり、展望も開けてきました。
やがて弓ヶ浜が美しく望めるようになりました。



八合目から上はずっと傾斜の緩い木道が続いています。
道の補修をして方に「食べられますよ。いちど味を見て下さい」と
教えられて、初めてダイセンキャラボクの実を口にしました。
思ったよりずっと甘くて美味しいものでした。



10時35分。♂ペン5度目、♀ペン3度目の弥山頂上です。
このときタイミング良く「六甲おろし」が鳴り響きました。ケイタイの着メロは
今や「伯耆の国の住人」を名乗る登山家Kさんからの電話でした。
急いで山を下り「大山の森」のウッディで瀟洒なお住まいを訪ねました。


伯耆路の旅(1)

2005-10-21 12:01:02 | 旅日記
10月18日 ♀ペンの闘病慰労と右手リハビリを兼ねて鳥取の
皆生温泉に行くことにしました。
ところが本人が「せっかく近くまで行くんだから…」と言い
出して、急に大山にも登ることになりました。

大山寺の宿に入るまでに時間がありましたので、まず伯耆古代
の丘公園を見学しました。
写真は公園内の「弥生村」にある「ほたて貝式古墳」後ろに
ある高床の建物は復元された高さ15mのものです。
他にも縦穴住居や古代蓮の池、万葉の園など、見所がいっぱい
でした。



次に「大山烏天狗の像」のある仁王堂公園へ。ここからすぐ近く
に見える考霊山は高麗山また韓山とも呼ばれ、大山と背比べをす
るためにはるばる朝鮮半島からやってきたという伝説があります。
大山は左手遠く雲の中でした。



大山寺(町の名)に着きました。広い駐車場の後ろの建物は大山
町観光案内所のある大山情報館です。
ススキの穂が夕風に揺れ、鮮やかな野菊が深紅のナナカマドの実
と妍を競っていました。が、もちろん主役は大山です。



宿に車を置き、夕食前に明日の足慣らしに散歩しました。
長い石畳の参道を登って大神山神社奥宮に参拝し、名勝・金門の
辺りから大山北壁を仰ぎ、大山寺を通って帰りました。写真は
大山寺の山門です。






天狗の話(7)

2005-10-20 21:02:53 | 四方山話
18~20の3日間、山陰を旅していました。
ついでに大山にも登ってきました。
図らずも、ここでも天狗に出会いました。



18日、思ったより早く大山に近づいたので、少し周辺を
見学して北側から大山に向かうことにしました。
仁王堂公園に大きな「烏天狗」の銅像がありました。
台座を入れると、高さは10.9mあります。

カラス天狗は大山一円の守り神であり、大山町のシンボル
として親しまれているということです。

皆生温泉で大山の垢を落とし、20日は境港へ遊びに行き
ました。
夢みなとタワーに登ろうと入館すると、この天狗がいま
した。



原画は水木しげるさんで、境港には「水木しげるロード」
がありますし、JR境線には鬼太郎列車が走り、各駅の
愛称は「げげげの鬼太郎」の登場人物の名にするなど、
徹底して妖怪をアピールしています。