i氏の海外生活体験記

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<part4>しもきた

立地自治体の誤算

2013-10-25 22:05:58 | 大間原発の中間貯蔵化
10/24河北新報WEBが伝えておりました。

-第10部・潜む活断層(5完)誤算/立地自治体、経済疲弊-

<再開陳情実らず>
 かつて県内ナンバーワンの売上高を誇ったガソリンスタンド(GS)は廃虚になり、原発作業員が詰め掛けたコンビニも閉店していた。
 厳しい冬が迫る青森県東通村。GS経営者の男性(67)は「地元商工業者と一緒に原発の工事再開や早期再稼働を求め、国や政治家に陳情して回った」と言うが、願いはかなわなかった。
 村には東京電力と東北電力が2基ずつ原発を造る予定だった。東電の1基目は着工直後、福島の原発事故で工事がストップ。唯一、完工していた東北電の1基も原子力規制委員会の調査で、敷地内に活断層がある疑いが濃厚になっている。
 男性が経営していたGSは、主に原発工事の関係車両への給油でピーク時には年間3億円を売り上げていたが、福島の事故後は一気に5分の1に激減した。
 東北電の原発は活断層問題も絡んで、再稼働時期は不透明。金融機関の融資を受けようにも、事業計画さえ立てられないまま、昨年11月に倒産した。

<トリプルパンチ>
 村はもともと県内で最も貧しい地域の一つだった。29の集落を道路で結ぶこともできず、隣のむつ市に役場を置いていた。原発4基の交付金を当て込み、役場庁舎は1988年になって村内に新築された。学校や福祉施設、運動場、住宅団地も次々に出来上がった。現在の村の総合計画も4基の稼働を前提とする。
 村職員から「震災と原発の風評被害に加え、活断層調査のトリプルパンチ。『安全第一』はもっともだが、安全を重視しているうちに村の経済は死んでしまう」との声が漏れる。
 村内に計約800人いた東電社員や協力会社の作業員は今、100人ほどに減っている。
 東北電の原発では約800人が働いているが、1000人以上の作業員が入り、地元商工業を潤す定期検査は次がいつになるかはっきりしない。

<矛先は規制委へ>
 東京商工リサーチによると、下北地方の建設業の売上高は福島の原発事故を境に約2割減った。この約2年半で、村内では建設会社や仕出し業者など4社が倒産した。
 先行きの見えない村民の不安は、規制委への批判となって噴き出す。
 「『規制委は(再稼働させないという)結論ありきではないか』とみんなが言っている。立地地域を無視している。結局は地方が犠牲になる」(自営業男性)
 「何十年も前に国が安全と判断したのに、なぜまた調べなければならないのか」(宿泊業男性)
 誰もが「安全性の確保が原発立地の大前提」と言うが、そもそも活断層の存在を否定した東北電の過去の調査結果が妥当だったかどうか、問う声は上がらない。
 原発の安全性を追求することと地域経済の維持が両立し得ないほど、村は原子力マネーへの依存を強めている。(原子力問題取材班)

-引用終わり-

特集が終わり、「過去の調査結果が妥当だったかどうか、問う声は(住民からは)上がらない。」と総括しています。その原因を「原子力マネーの依存度の強さ」と言う事で・・・。

確かに取材結果としてはこのようなアウトプットになるのでしょうが、このままで終わるのはいけません。私は東北を代表するメディアとしての意見を望みたいと思います。その内面とか、これからの方向性のヒントとか何等かの手掛かりを残して頂きたかったと思います。

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学者の指摘黙認

2013-10-25 21:21:15 | 大間原発の中間貯蔵化
10/24河北新報WEBが伝えておりました。

-第10部・潜む活断層(4)出来レース/学者の指摘、再三黙殺-

<審査書盛られず>
 活断層研究の第一人者だった東大の松田時彦名誉教授(構造地質学)が、原発の安全審査と縁を切ったのは1977年5月のことだ。
 東京電力・柏崎刈羽原発1号機(新潟県)の耐震安全性を審査した国の会議。当時、東大地震研究所の助教授だった松田氏は「辞めさせていただきます」と事務局に伝え、その後の出席も拒んだ。
 原発北東の陸地にマグニチュード(M)8級の地震を起こす可能性がある活断層の存在を指摘したにもかかわらず、審査書に全く盛り込まれなかった。
 松田氏の当時の主張が科学的に正しかったことは27年後の2004年、政府の地震予知委員会が同じ見解を示し、完全に裏付けられた。
 「さんざん時間を取らせておきながら、意見を聞こうとしない。嫌気が差した」(松田氏)

<続く抗議の辞任>
 原発の安全審査をめぐっては、地震や活断層の研究者が「抗議の辞任」を繰り返してきた。
 地震学が専門の石橋克彦神戸大名誉教授は06年、「国民への背信行為になる」と原子力安全委員会の検討委員を辞任した。変動地形学の知見を採用しようとしないことへの抗議だった。
 伝統的な地質学は主に地下の状況を調べる。変動地形学はさらに地形の変化や成因も探るため、活断層調査により適していると評価されている。
 東大大学院の池田安隆准教授(変動地形学)は10年、核施設の耐震安全性をチェックする会議で、下北半島の太平洋側にある海底活断層を無視して結論を出そうとする議論に「私は納得しておりません」と抗議した。
 池田准教授は「まとめ役の委員が既定路線の結論を語り、『よろしいでしょうか』と承認を得ようとすると、異論を述べていた委員も黙認してしまう」と説明。原発の安全審査で、最後まで妥協しない学識経験者が少ないことを嘆く。
 国の安全審査で委員を務めた経験のある大学教授は「態度を鮮明にすると『原発賛成派』『原発反対派』に色分けされ、本業の研究発表も色眼鏡で見られかねない。本業が大事なので時間をかけてまで反論の準備はできないし、余計なことは言わない」と明かす。
 国の審査に反論したとしても、所属する学会からの「援護射撃」は期待できない。業者や行政関係者が加わっている学会は、政治的に影響を与えるような意見を言えないからだという。

<電力関係が先導>
 学会が沈黙する中、原発の活断層調査の流れを作ってきたのが、電力会社などで構成する業界団体「日本電気協会」の土木構造物検討会だ。国の原発耐震指針が改定された06年以前に自主指針を作成していた。
 協会に属する学識経験者の多くは原子力安全委員会分科会の委員を兼ね、改訂後の耐震指針も協会の自主指針が土台になった。原子力規制委員会ができるまで、安全審査の議論をリードしてきた。
 35年前から繰り返されてきた「出来レース」を見聞きしてきた松田氏が語る。「原発の安全審査は、最新の知見を求めていたのではない。事業者が想定した安全に対し、権威者が承認したという『はんこ』が欲しいだけだったのだろう」

-引用終わり-

こんな事だろうと思ってはいましたが、あまりにも露骨でしたね。下北半島の原発を稼働させるのは絶対に避けるべきですね。日本が終わってしまうリスクと核廃棄物処理を後世に残す選択は有り得ないでしょう。

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断層の過小評価露呈

2013-10-25 21:20:15 | 大間原発の中間貯蔵化
10/20河北新報WEBが伝えておりました。

-第10部・潜む活断層(2)「値切り」/過小評価、次々と露呈-

<卒論がきっかけ>
 中国電力島根原発(松江市)の南約2.5キロを走る活断層が実際より短く評価されていたことに気付いたのは、地理学を学んでいた広島大文学部の学生が2001年1月に提出した卒業論文がきっかけだった。
 当時、同大教授だった中田高氏(現名誉教授・変動地形学)は、近くに原発があるという意識もなく、断層がどこまで続いているか見落とさないよう学生に指示した。
 活断層の想定距離はどんどん伸び、18キロに及んだ。中国電が1998年、島根原発3号機増設に向けた地質調査で確認したのは8キロ。その倍以上になった。
 活断層の長さから予想される地震規模はマグニチュード(M)7.0。中国電が耐震設計で考慮したM6.5を超えた。
 中田氏らは06年、活断層があると思われた場所に試掘溝(トレンチ)を作り、存在を実証した。
 だが、島根原発3号機はその前年、活断層の規模が過小評価されたまま国の設置許可を受けていた。国や中国電は08年になって、活断層の長さを22キロに修正。東京電力福島第1原発事故の影響もあり、3号機はいまだ運転を開始していない。
 中田氏は「地形を注意深く見れば、学部生でも気付く断層。国と電力会社による安全審査に疑問を持つようになった」と振り返る。

<対策費用に直結>
 「値切り」。研究者たちは活断層評価で特に長さを過小に見積もることを、こう呼ぶ。金銭を連想させる響きがあるのは、評価結果が想定すべき地震の規模を決定づけ、電力会社の耐震対策コストの多寡に直結するせいかもしれない。
 島根原発で「値切り」が発覚して以降、各地の原子力施設周辺で活断層の過小評価が明らかになり、国や電力会社の調査結果が疑問視された。原子力規制委員会があらためて審査する原子力施設は計11カ所に上る=表=。
 東北の原子力施設も例外ではない。青森県東通村の東通原発は、敷地内に活断層がある疑いが強まり、規制委の調査が続く。東北電力は、敷地内の地層のずれは特定の層が地下水を含み、膨らんだためだとする「膨潤説」を主張し、活断層の存在を否定する。
 2012年12月に開かれた規制委の有識者会合では東北電に鋭い質問が飛んだ。
 「膨潤説を長く提唱していますが、世界中を探して実例を見つけることができましたか?」(有識者)
 「住宅が岩盤の膨らみで倒れたと聞いたことはありますが、現象を系統的に報告した論文などはありません」(東北電)
 原子炉設置審査で国の許可を得た際の論拠の一つともなった「膨潤説」は、今や劣勢だ。

<「建設が大前提」>
 同じ青森県の六ケ所村にある使用済み核燃料再処理工場の敷地内に活断層があることを指摘する専門家もいる。規制委はことし8月、下北半島周辺の地下構造調査に乗り出す方針を決めた。
 二つの原子力施設に影響しかねない長さ80キロの巨大な「大陸棚外縁断層」。「日本の活断層 分布図と資料」(80年、東京大学出版会)や海上保安庁の海図にも明記される活断層だが、原子力業界の中では両端の一部だけが活断層とされる。
 10年に東通原発と再処理工場の耐震審査を担当し、外縁断層の活動性を指摘した東大大学院の池田安隆准教授(変動地形学)は「国や電力会社は原子力施設を造ることが大前提。そこから逆算し、活断層の長さや存在の有無を決めているとしか思えない」と批判する。

-引用終わり-

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中間貯蔵の明確化を

2013-10-25 21:19:41 | 大間原発の中間貯蔵化
10/25河北新報WEBが伝えておりました。

-原発使用済み核燃料 中間貯蔵の明確化を-

 年内策定へ佳境に入った国のエネルギー基本計画の議論で、使用済み核燃料の中間貯蔵の明確な位置付けを求める声が出ている。背景には、原発に使用済み燃料を留め置かれる立地地域の不安がある。国は対策を協議する場を設ける方針だが、相手となる都道府県側の反応は鈍い。

 「使用済み燃料を原発にとどめたまま議論はできない。電力消費地が中間貯蔵を担うべきだ」
 16日、基本計画の方向性を話し合う総合資源エネルギー調査会の分科会で、西川一誠福井県知事が訴えた。西川氏は前日あった原子力政策の会合でも同じ意見を述べた。
 福井県は原発13基で3550トンの使用済み燃料を抱える。貯蔵限度を超えれば原発稼働が困難になる。その上、事故で燃料貯蔵プールを冷却できなくなった場合の危険性は福島第1原発事故で明らかになった。
 電力供給に長年協力してきた立地地域は「使用済み燃料の貯蔵まで引き受ける義務はない」(西川氏)との思いがある。
 経済産業省資源エネルギー庁によると、全国の原発の貯蔵量と容量は表の通り。柏崎刈羽などは約3年後に容量限度を超える恐れがある。

 むつ市に8月、中間貯蔵施設が完成したが、引き受け対象は出資者の東京電力と日本原子力発電のみ。使用済み燃料の扱いは、各地の原発で悩みの種だ。

 経産省は昨年11月、国と都道府県が対策を話し合う協議会を設ける方針を示したが、参加表明は福井、茨城の2県だけ。経産省は7月、協議会設置をあらためて発表したが、追加の参加はない。エネ庁は「時機を見て再要請したい」と話す。

 東北で原発が立地する宮城、福島、青森の3県も様子見が続く。
 福島県は「使用済み燃料の県外搬出を要望している。協議会に全く関わらないことにはならない」と説明。宮城県も「昨年は震災対応に手いっぱいで参加を見合わせた。協議会の趣旨には賛同している」と参加に含みを残す。
 青森県は全国の使用済み燃料を六ケ所村で受け入れている。再処理までの一時貯蔵だが、国は本年度、使用済み燃料の直接処分の研究開発に着手。先行きは不透明だ。
 県は「協議会の論点が分からないが、再処理の前提が崩れれば、使用済み燃料を各原発に返すだけだ」と強調する。

-引用終わり-

私は上記記事の状況を考えて昨年「下北再生エネルギー半島化プロジェクト」の中で「大間原発の中間貯蔵施設への用途変更」を提唱していました。何度も繰り返しで恐縮ですが以下の通りです。

このプロジェクトが現時点で可能かどうかはわかりません。全く個人的な、しかも妄想的な、そして希望的なプロジェクト構想です。

このプロジェクトは、「大間原発の中間貯蔵施設化」をキーワードに皆んなが困っている事の痛み分けをしつつ、解消させる可能性のあるプロジェクトと考えています。

第1に中間貯蔵施設が足りないことは明らかです。日本国中が困っていますが、どこの自治体も知らん顔です。
第2に原発工事再開には、多くの国民、30km圏内の函館市、一部地権者などの強力な反対があります。
第3に原発工事が再開しないと、大間及び関連自治体の経済や雇用のダメージが大き過ぎます。
第4に原発であれ、中間貯蔵施設であれ、周辺避難道路が完備していません。海に逃げるしかない地域です。
第5に電力会社がこの原発事業に既にかなりのコストを掛けています。簡単には引き返せません。

これらのことを考えて「大間原発は中間貯蔵施設に用途変更するのが良い」という考えになりました。

更なるメリットもあります。

第1に原発の用地は既に安全対策、輸送大型船の護岸、バック電源があります。
第2にむつ市と大間で中間貯蔵施設の仕様を合わせることで、安全、点検、事故対応の整合が取れ、共有化も図れます。
第3に海外原発輸出の代替中間貯蔵という政治的カードとなります。
第4に現地防災センターとして、四方から風を取り込めるウィンドタワーを設置し、屋上をヘリポートとすれば、海を渡るしかない地域の避難方法となります。
第5に上記ウィンドタワーに合わせ、周辺に大型風車を配置することで、再生エネルギー拠点として生まれ変わることができます。また、ウィンドタワーは観光の目玉にもなります。強風の大間だからこそ出来る施設です。また、マグロのブランドも守られます。

ただし、条件があります。

中間貯蔵施設は、最終処分方法が決まるまでは50年リレーが望ましいです。その地が最終処分場になし崩し的にならないための手形です。次の50年は電力の多く使用している所にシフトします。50年あれば、用地、安全対策、住民説明、移転が可能でしょう。そもそも50年はコンクリートの耐用限界です。

これが大間原発を迷宮入りから救う方法ではないかと考えてみました。

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東通断層、結論は越年

2013-10-25 11:05:08 | 大間原発の中間貯蔵化
10/25東奥日報が伝えておりました。

-東通断層 結論は越年-

 原子力規制委員会の島崎邦彦委員長代理が24日、原子力規制庁で東奥日報社のインタビューに応じた。東北電力東通原発の敷地内破砕帯(断層)について、個人的な意見と断った上で「活断層」との見解をあらためて強調する一方、東通の断層は非常に珍しく分かりずらい-との認識も示した。最終的な断層調査結果の取りまとめ時期は越年するとの見通しを示した。

-引用終わり-

年内に4度目の調査を予定しているようです。一方、東北電力も追加断層調査のとりまとめを12月までに行うとしています。

しかしながら、規制庁が本年度から始める下北半島の断層調査事業は「断層の評価手法の確立が目的」で、東通原発の断層調査とは別物としています。

この調査から「下北半島をなし崩し的に最終処分場にするのは危険である」と規制庁がコメントする根拠に使える可能性が出てくるのではないか、と思ったりしています。

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