i氏の海外生活体験記

<part1>ジャカルタ滞在記 <part2>ベトナム滞在記 <part3>ネパール滞在記
<part4>しもきた

地熱研究会を聞いてきた

2017-03-21 22:02:12 | 下北の地熱発電
むつ市役所で開催された地熱研究会を傍聴してきました。一つだけコメントすると一歩前進一歩後退でしょうか。地下貯留層は有望視されていましたが、問題は調査ボーリングの財源ですね。助成率が100%から75%へ変更されたのは不運でした。今後の事業スキームの検討が大変ですね。研究会の報告内容は勉強になりましたよ。

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むつ市地熱研究会(2)について

2016-02-25 01:09:20 | 下北の地熱発電
2/12にむつ市燧岳の地熱研究会の2回目がありました。私はベトナムでしたので知人に資料をお願いしました。

資料を貰いパラパラ見ましたが相変わらず上手ですね。さて、気が付いた点は以下の通りです。

1.燧岳カルデラは1,500mで200℃は確実に出ると想定。次年度にボーリング調査で確認するようだ。
2.水収支評価をしているが、深部の貯留量が推定できるのだろうか。
3.湯野川や畑のカルデラも200℃の可能性は無いだろうか。150℃くらいのバイナリーでも十分。
4.流域はこちらの方が大きいのではないだろうか。
5.青森ではこの下北の地熱が一番質が良いのではないだろうか。


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再生エネと農業

2015-10-29 20:02:09 | 下北の地熱発電
10/29日経新聞WEBで伝えておりました。

-新エネと農業一体開発 JA三井リース、50億円でファンド-

 農林中央金庫、三井物産などが出資するリース大手のJA三井リース(東京・品川)は、バイオマスや地熱などの新エネルギー開発と農業を組み合わせたプロジェクトへの投資を始める。50億円規模の投資ファンドを組成。農協などとのパイプを生かして木材などバイオマス向け燃料の提供や、発電に伴って出る熱の畜産などへの活用を後押しする。

 JA三井リースが出資して30日に投資事業有限責任組合を作る。国内の発電事業が投資対象で、バイオマスや地熱のほか、太陽光や風力などの再生エネにも投資する。投資先の選定などは独立系運用会社のスパークス・グループが担う。スパークスは再生エネ事業への投資に強みを持つ。

 JA三井リースは全国農業協同組合連合会(全農)などとも関係が深く、自身でも秋田県と宮城県でバイオマス事業に参画している。こうしたパイプやノウハウを投資案件の発掘などに生かす。

 たとえばバイオマス発電では伐採した木材からつくるペレットやチップが燃料となるため、発電所周辺の農林業の活性化につなげやすい。発電で生まれる熱はハウス栽培や畜舎の暖房などにも活用できるとみている。

-引用終わり-

私の目指す地域活性化は「エネルギーと食料の自給率向上を組み合わせる」という所に落ち着きます。まちづくりの専門家の人は結構いると思いますが、この分野をコーディネートする人はまだ少ないと思います。

再生エネは売電して採算に乗るかどうか、が判断基準とされていますが、自家消費するという手があります。生活や産業の補助として使う場合ですね。精密工場なら停電はアウトですが、ハウス栽培の補助なら賄えるかも知れません。

私は川内の地熱に着目しています。直ぐに発電は無理かも知れませんが熱水利用なら多分可能性はありましょう。温泉で使うお湯をハウス内にパイプで通すだけです。燧岳の地熱に先駆けて川内でイチゴ栽培の実証実験を行ってみたらどうでしょう。夏の冷房には湧水が使えそうです。

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温泉湯量減少に国が配慮

2015-10-13 01:00:52 | 下北の地熱発電
8/19日経新聞WEBで伝えておりました。

-国が温泉掘削費負担 地熱発電で湯量減少なら-

 経済産業省は地中にある熱水を利用する地熱発電を普及させるため、発電設備付近の温泉事業者に温泉の湯量を保証する仕組みを新設した。発電設備の開発後に湯量が減少した場合、国が新たな温泉掘削費用を肩代わりする。地域の温泉事業者の不安を和らげ、地熱発電への理解を深めてもらう狙いがある。

 地熱発電は井戸を掘って地中からくみ上げた熱湯の蒸気を使って発電設備のタービンを回す。発電設備の設置場所が温泉地と重なり、地域の温泉旅館などから湯量の減少を不安視する声が出ることが多い。

 経産省は8月から地熱発電の理解促進事業として、補助金制度の中に温泉掘削費用を国が負担する仕組みを盛り込んだ。出力5000キロワット以上の地熱発電設備を開発する自治体や地熱発電事業者などが対象になる。

 新たな仕組みでは地熱発電の井戸を掘る作業などの開始後に周辺の温泉の湯量が過度に減った場合、新たな温泉の掘削にかかる費用を肩代わりする。制度を使いやすくするため、湯量の減少に数値基準は設けない。過去の湧出量や温度、水位などのデータから湯量の減少が自然現象ではないことが分かった時点で対象にする。地熱発電開発と湯量減少との因果関係の立証も求めない。

 温泉掘削費用の補助を申請する場合は、自治体や地熱開発業者、地元の温泉事業組合で構成する協議会で湯量の減少を事前に確認することを推奨する。

-引用終わり-

ちょっと記事を見逃していました。記事では「温泉掘削費用」と表現していますが「ボーリング費用」のことですね。例えば10万/mとして数百mで数千万円です。山岳地にある温泉はもっと浅いのでコストは少ないでしょう。国は数値基準も因果関係も求めない、と大盤振る舞いのように見えますが、実は事業費から見れば非常に軽微な額です。

しかも5,000kw以上を対象とするという事は小規模バイナリーの範囲では無く、200℃以上の蒸気の地熱開発ですね。燧岳が該当するかも知れませんね。

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下北の地熱の未来

2015-10-08 15:35:29 | 下北の地熱発電
10/7NHKニュースWEBで伝えておりました。

-弘前市 地熱発電へ再掘削調査-

 岩木山のふもとでの地熱発電に向け、弘前市は、発電に利用できる地熱があるかどうか調べるため、7日から2回目の掘削調査を始めました。

 弘前市は、岩木山のふもとの嶽地区での地熱発電の可能性を調べるため、おととし掘削調査を行いましたが、地下水が期待していた温度に届かず、その場所での地熱発電を断念していました。その後の調査で前回の調査地点から東におよそ800メートル離れた場所に発電に必要な大量の地下水があるとみられることがわかったことから、7日から2回目の掘削調査を始めました。

 調査現場には高さ28メートルのやぐらが組まれ、ボーリングの機械を使って直径およそ30センチの穴が掘り進められていました。掘削作業は深さを段階ごとに分けて行う予定で、地下1500メートルまで堀り進め、掘ったときに出た土や石を分析したり、地質を調べたりして地熱発電に必要な温度や水量があるかを調べます。

 弘前市によりますと、調査は年内に終わる予定で、今年度中に調査結果をまとめたいとしています。弘前市都市環境部の浅利洋信部長は「改めて7日から調査ができてうれしく思います。地熱発電できる十分な調査結果が出るよう楽しみに待ちたいと思います」と話していました。

-引用終わり-

私は下北の地熱に期待を寄せています。既に燧岳周辺で調査が始まっていますが、国の補助採択に乗っかっているので多分着実に進むでしょう。しかしながら開発規模が大きくなるかどうかは調査結果次第という事ですね。

下北にはもう一つ恐山地区があります。ここは宗教関係や国定公園区域などで開発不可と見られていますが、矢立温泉周辺であれば可能性が広がるのではないかと思います。

私は個人的には川内地区に期待しています。畑カルデラ周辺ですね。外輪山近くに温泉があり、66kv送電線もごく近いです。何より第四紀の端部で地殻変動の多かったであろう地域です。流域も広く、地下の熱水貯留帯に期待が持てます。ここでバイナリー発電と温泉ハウス栽培なんか出来るような気がしますね。写真はジオパーク説明図から引用です。

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ソフトバンクも地熱に参入

2015-08-15 01:19:20 | 下北の地熱発電
8/15日経新聞WEBで伝えておりました。

-ソフトバンクが地熱発電 新潟・糸魚川で、20年までに開始-

 ソフトバンクグループは、地中深くから取り出した蒸気で電気をつくる地熱発電事業に参入する。新潟県で小型発電所建設に向けた調査に着手した。2020年までに発電を始める。地熱発電は太陽光や風力発電より設備の稼働率が高く、政府も普及に力を入れる。同社は東日本大震災の後、太陽光を中心に再生可能エネルギー事業を広げてきたが、電源の種類を増やすことで、事業の安定成長につなげたい考えだ。

 ソフトバンクグループの再生エネ発電子会社、SBエナジー(東京・港)が、新潟県糸魚川市で実地調査を始めた。発電量やコスト、二酸化炭素(CO2)削減効果を試算する。温泉熱などを使う「バイナリー型」による地熱発電所を1~2年後をめどに建設する予定だ。発電出力は300キロワットで、事業費は数億円とみられる。発電した電気は、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度を活用し、売電する。

 糸魚川市のほかに国内で地熱発電が可能な数カ所の候補地選定にも入った。安定的に熱を回収できる立地かどうか調査を進め、事業化を検討する。

 地熱発電所は出力7500キロワット以上だと国の環境影響評価が必要な場合があり、発電までに10年以上かかるのが一般的。ソフトバンクは環境影響評価が不要な小型発電所の建設を優先的に進め、地熱発電のノウハウの蓄積を急ぐ。将来は他社と組み、大型地熱発電所の建設も視野に入れている。

 同社は17年度までに27カ所の大規模太陽光発電所(メガソーラー)を建設するほか、2カ所の風力発電所の設置も計画している。ただ太陽光や風力は天候により発電量が左右され、設備稼働率は1~2割が一般的だ。一方、地中のマグマや温泉などの熱を利用できる地熱発電は稼働率が8割前後と高いのが特徴だ。

 政府は地熱発電を安定電源と位置づけている。30年度の国内での総発電出力を最大155万キロワットと、現在の3倍に増やす目標を掲げている。オリックスが17年にも地熱発電を始めるほか、大和ハウス工業も参入を決めるなど新たに手がける企業が相次いでいる。

-引用終わり-

唐突ですがソフトバンクは下北の地熱に興味は無いでしょうかね。川内地区の地熱可能性の調査を希望します。

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地熱開発に反対、福島の温泉

2015-08-09 23:08:14 | 下北の地熱発電
8/9福島民報WEBで伝えておりました。

-大規模掘削認めない 国立公園地熱発電で 磐梯・吾妻・安達太良対策委-

 磐梯・吾妻・安達太良地熱開発対策委員会は7日、地熱開発計画がある磐梯朝日国立公園内で吾妻・安達太良地区(裾野を含む)での1000メートルを超える大深度掘削に「反対」を表明した。調査も認めない。対策委は全国で初めての反対声明としている。

 大深度の地熱開発により国内の既存の温泉地で枯渇や水位低下などがあり、環境への影響も懸念されるなどとしている。福島市で会合を開き、遠藤淳一委員長(吾妻屋)が意見を集約した。

 対策委は温泉関係者らが平成24年3月に設立後、同公園内と周辺地区への影響を調べてきた。国の規制緩和を拡充する方針が示されており、地元としての立場を示した。

 同一公園内の磐梯山や周辺については今後の議論を見守る。

-引用終わり-

以前、福島の全国地熱大会に出席したことがありますが、結構盛り上がっていました。「福島は地震津波、原発事故、風評被害の三重苦で苦しんでいる。再生エネルギー100%の県を目指したい。地熱発電はその第一歩だ」と知事がコメントしていました。

一方、開発に反対する環境団体は温泉枯渇のみならず、地滑りや硫化硫黄などの影響も懸念していました。

地熱の課題について真っ向から取り組もうと「地熱発電と温泉利用との共生を目指して」という報告書が日本地熱学会から出ていますね。確か環境省で科学的に理解できるような研究を進めていたと思います。

この時は私も温泉業者の理解不足が多分に大きいのだろう、と思っていました。しかしながら、上記の反対声明は委員会設立後3.5年も経って熟慮の結果です。地熱の勢いが急に削がれたように思います。

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地熱研究会を傍聴してきた

2015-08-04 00:53:54 | 下北の地熱発電
注目のH27むつ燧岳地熱研究会の第一回目を傍聴してきました。約50人くらいでしたか。一般傍聴者も20人くらい居たのではないでしょうか。

さて、地熱の講演会、講習会の類は出席何回もありますが、研究会というのは初めてです。関係者ではないので当たり前ですが・・・。今回はJOGMECの地熱理解促進事業で補助採択されたものなのでオープンなのですね。以下の目的ですから地域住民が参加しないと意味がありません。

(METIのHPより)
1.補助事業の概要
「本事業は地熱資源開発の推進を図るため、地方公共団体や温泉事業者等が地熱の有効利用等を通じて地域住民への開発に対する理解を促進することを目的として行う事業を支援するものです」

さて、例によって勝手にコメントします。
・むつ燧岳の地熱ポテンシャルは八甲田にも負けないものがあるらしい。条件が良いということ。
・NEDO調査1986年で青森全体では25本、1,500m以上は10本、200℃以上は4本、しかしそのうち2本が燧岳。
・229℃が出た調査井では熱水量9.25t/h、蒸気量3.4t/hのデータ有り。もう少し欲しい所。
・新たな断層発見により成熟した熱水貯留層が推定される。出だし良好である。
・赤川温泉が意外とキーポイント。熱収支、水収支の評価。
・下北の送電線には空きが無い、という発表にはガッカリ。「もしも大間原発がなくなれば?」こんな質問は多分タブー。
・下北の太陽光、風力の導入状況
 太陽光:導入済み2,142kw(291件)、未導入123,824kw(265件)
 風力:導入済み108,340kw(10件)、未導入51,000kw(2件)
そのうちむつ市の状況
 太陽光:導入済み1,839kw(254件)、未導入122,919kw(233件)・・・殆どむつ市の太陽光
 風力:0,0
・以前枝野さんが大臣の時、確か3,000億掛けて送電網を集中的に増強する、と言っていましたよね・・・。

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燧岳地熱いよいよ現地調査

2015-07-31 02:03:20 | 下北の地熱発電
7/30NHKニュースWEBで伝えておりました。

-地熱活用へ燧岳で現地調査-

 むつ市が市内にある火山、燧岳周辺の地熱を発電や融雪などに利用することを検討していることを受けて、30日から現地で地下の地質構造を調べる調査が始まりました。

 むつ市にある火山、燧岳の周辺では、これまでの調査で、地下1700メートル付近に、200度を超える熱水があることが確認されていて、むつ市が地熱を発電や融雪などに利用することを検討しています。
 
 これに向けて、30日から現地で地質構造を調べる調査が始まり、むつ市の職員や市から委託を受けた業者が、燧岳周辺の国有林を訪れました。作業員たちは、磁場の強さや電流の流れを測定する特殊なセンサーを地中に埋め込み、センサーがきちんと作動するかどうかを確認していました。

 むつ市は、来月中旬ごろまで調査を続け、熱水がどこに、どの程度分布しているかなどを調べることにしています。むつ市企画調整課の光野義厚課長は、「今回の調査は、どこに地熱があるかを調べる第一段階なのでしっかりと調査を進めて来年度の掘削調査につなげていきたい。熱水や温水を活用して地域の活性化につなげたい」と話していました。

-引用終わり-

この第一段階の「熱水がどこに、どの程度分布しているか」という調査をもっと広範囲でお願いできないかなぁ、と思いますね。ま、具体的には川内の湯野川~安部城間ですね。第四紀の西端に位置する川内地区まで地下の熱水貯留帯が存在すると私は睨んでいます。温泉の泉源温度50~60℃はあくまで浅い所の層です。1,500~2,000mでは恐らく150℃を超える熱水が存在するでしょう。畑地区がカルデラで前後に温泉があるのでピッタリはまります。

私は道路沿い66kv送電線の近くに国定公園に掛からない適地はアチコチあると思いますね。

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むつ市燧岳地熱研究会があるらしい

2015-07-26 00:15:16 | 下北の地熱発電
むつ市HPに載っていましたが、地熱研究会の会合が8/3にあるそうです。内容が(仮)となっていますが一応メニューがありました。

(内容)
1.燧岳周辺の研究活動について
2.地熱発電所建設経緯、課題、現況等について
3.下北半島地域の送電線整備の現状、課題について
4.燧岳周辺地表調査の概要について

私は関係者でも何でもありませんが傍聴希望です。多分、来週電話で担当課に確認しますね。

さて、地熱開発については最近国も推進の方向性を明確にしています。震災3.11以前は原発推進の陰で地熱は大変イジメられていましたね。

私はこのタイミングで、下北地域の地熱発電や熱水利用の拡大に向けてもっと手を打つべきではないか、と考えたりします。つまり、燧岳だけではなく恐山や薬研、湯野川の温泉地周辺でのバイナリー発電や温泉ハウス栽培などの展開に広げるチャンスではないかと思うのです。今この時に展開していかないと・・・。

この前ちょっと福祉施設に訪問する機会がありました。入居者のお風呂や床暖房は温泉で賄っていると聞きました。


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下北の地熱の広がり期待

2015-07-02 00:00:40 | 下北の地熱発電
7/1河北新報WEBで伝えておりました。

-下北・燧岳周辺の地熱資源調査 今月着手-

 むつ市は7月、弘前大北日本新エネルギー研究所(青森市)の協力を得て、同市の燧岳(ひうちだけ、781メートル)周辺で、地熱発電など地熱資源開発の可能性を探る調査を始める。来年2月をめどに調査結果をまとめる。

 調査の対象は、同市と青森県風間浦村の境界付近の国有林約20平方キロメートル。地表踏査や電磁波を使った物理探査、調査予定地近くで湧く温泉の湯量のモニタリングなどを実施する。12月末までに総合的な解析作業を終える計画だ。

 事業費は約5000万円。独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の助成金を受けた。調査で有望な地点が見つかれば、市はJOGMECや弘前大と協議しながら、来年度以降に掘削調査を進める考え。

 燧岳周辺では約20年前、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が地質資源を調べた。掘削した調査用井戸7カ所のうち、2カ所の地下深部で200度を超える地熱資源が確認されている。

 市は5~10年後の事業化を見据え、昨年11月に地元企業や弘前大、金融機関と共に研究会を設立している。宮下宗一郎市長は「かつての調査で潜在力が高いとされており、事業の実現性があると感じている」と話した。

-引用終わり-

私は従来から「下北の地熱」に大きな期待を寄せています。市政提案した「下北再生エネルギー半島化プロジェクト構想」では14項目の中で下北の地熱をトップに持ってきています。理由は記事と同様にNEDOの200℃のデータですが、私はもっと深読みして「地下熱水帯は広範囲に存在する」と仮設を立てました。

その根拠は「200℃以外のデータ」です。燧岳周辺のボーリングデータから温度と深さを抜き出してみます。

・温度107.3℃、深度500m
・温度204.6℃、深度1,500m
・温度120.9℃、深度400m
・温度117.1℃、深度700m
・温度91.6℃、深度800m
・温度112.3℃、深度500m
・温度228.5℃、深度1,700m

温度が200℃を超えているのは1,500mより深い場所で、400~800mの深度では概ね100℃前後です。つまり、地下熱水帯は1,500mより深い場所では200℃程度が存在する可能性が大きい、という事です。

この事から下北のカルデラ地形の「恐山カルデラ」「薬研カルデラ」「野平カルデラ」「畑カルデラ」などは地層の生成状況から地下熱水帯の有望地域である、と考えられます。

地域に点在する温泉の泉源温度は50~60℃程度ですが、これらは温泉用の温度に達した深さでボーリングをストップしている可能性が高く、せいぜい1,000m程度と考えられます。

深度2,000mを考えるならば、地熱発電に有効な150℃以上の地下熱水帯はきっと広範囲に存在すると思います。 

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温泉熱利用の可能性

2015-06-22 00:11:23 | 下北の地熱発電

湯野川温泉濃々園に行ってきました。写真のムチュラン焼き物がカウンターに置いてありました。「ん、これはイケルぞ」とピンときました。ムチュラングッズの中ではピカ一だと思いますね。

「これ何処で売っていますか?」

「売り物じゃないんだよね」

「これ多分売れますよ」

「じゃー、話しておきますよ」


さて、風呂上り外を眺めると以前有った休眠中「温泉熱栽培ハウス」が取り壊されていました。

「あちゃー、勿体ないねぇ。市で買って生産者を募集すれば良かったのに。クラウドファウンディングで出来たかも」というのが私の感想でした。確か市の地熱利用のレポートでも湯野川は有望だ、という風に書かれていた記憶があります。

もし私なら「四季成りイチゴ栽培」が良いと思いますね。家庭菜園のイチゴは昨年7/6~10/21まで収穫出来ました。今年は6/9~で既に30個食べましたよ。今年は気候が良いようです。温泉熱ならXmasまで引っ張ることが出来るかも知れませんよね。

イチゴは栽培温度が少し低めの方が花が咲き易いです。下北の気候は四季成りイチゴ栽培に割と合っているような気がします。


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地熱発電追い風

2015-05-26 00:58:03 | 下北の地熱発電
5/26日経新聞WEBで伝えておりました。

-23年ぶり大型地熱発電 Jパワーなど秋田で着工-

 Jパワー、三菱マテリアル、三菱ガス化学の3社は25日、秋田県湯沢市で大規模地熱発電所の建設を始めた。発電能力は8万世帯の年間電力消費量に相当する4万2千キロワットで事業費は約300億円。計画通り2019年に運転が始まれば1万キロワット超の地熱発電所として23年ぶりの稼働となる。世界3位の地熱量を誇る日本に地熱発電が根付くかどうかの試金石となる。

 地熱発電は地中から吸い上げた高温の蒸気でタービンを回して発電する。天候などで発電量が変わる太陽光や風力などに比べ、24時間安定して発電できる利点がある。

 Jパワーなど3社が事業化に向けて共同出資の運営会社、湯沢地熱(秋田県湯沢市)を設立したのが10年。現地調査は1993年に始まっており、20年越しで着工にたどり着いた。大規模発電所では九州電力の滝上発電所(大分県九重町、96年11月稼働)が最後だ。Jパワーにとっても地熱発電所の新規稼働は鬼首地熱発電所(宮城県大崎市)以来、44年ぶり。稼働すれば発電量で国内5番目の地熱発電所となる。

 稼働後は再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度に基づき1キロワット時26円(税抜き)で電力会社に販売する。太陽光(同29円)より安い。

 約20年ぶりの大型発電所が動き出した背景には12年導入の再生エネの固定価格買い取り制度がある。地熱発電は開発費がかかり採算が見通しにくかった。15年間の固定価格買い取り制度で収支計算がしやすくなった。

 今回、事業化にあたり運営会社はみずほ銀行などから262億円を借り入れした。経済産業省が出資する独立行政法人が8割の債務を保証したことで事業計画が前進した。投資に対する利回りも13%と太陽光の6%を上回る。湯沢市も固定資産税や雇用の増加が期待できると歓迎している。

 国内ではほかにも大型地熱発電所の計画が5カ所以上ある。出光興産や石油資源開発などが掘削調査を進めている。

 政府は規制緩和などを進めて30年時点の望ましい電源構成(ベストミックス)で、全発電量に占める地熱の割合を現在の0.3%程度から1%程度に増やす方針。

 日本の地熱発電の潜在力は発電能力で2347万キロワットと米国、インドネシアに次ぐ3位。ただ8割が規制の厳しい国立・国定公園内にあるため導入が進まず、現在は約52万キロワット分にとどまる。

 経産省は環境省と連携し、国立・国定公園内での地熱発電の開発を後押しするため関連規制を緩和する方針だ。現在は景観維持のため高さ13メートル超の建物を原則として建設できないが、大型開発の妨げとなるため特例を認める案を検討している。

 国立公園内の調査方法などの規制も緩め建設期間を短縮できるようにする。固定価格買い取り制度でも地熱発電事業者の利益が大きくなる価格水準を維持する。

-引用終わり-

これは地熱業界では嬉しいニュースですね。待望の大型地熱発電所です。八甲田でも大林組、JR東、川重の地表調査で「地熱開発が有望と判断した」というニュースもあります。

青森は何気に「地熱」「木質バイオマス」「風力」など再生エネの追い風が吹いてきたように感じます。

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地元は何を要望するか

2015-03-29 12:46:48 | 下北の地熱発電
3/29東奥日報紙面で伝えておりました。

-下風呂地熱発電「温泉影響せず」-

 風間浦村下風呂地区で、出力2千キロワット級の地熱発電の事業化を目指しているオリックス(本社・東京)は28日夜、同地区で行った地熱資源調査の結果に関する説明会を下風呂公民館で開いた。同社は、調査結果の分析を踏まえ「地熱開発が下風呂温泉に影響を与えるとは考えづらい」として、今後、地質や地下構造を調査するために井戸を試掘する「掘削調査」に移行する方針を示した。

 同社環境エネルギー本部事業開発部の村上洋輔課長代理が、地熱利用の可能性を探るために昨年6月~今年2月に実施した物理探査と温泉モニタリング調査の結果を報告した。

 報告では開発予定地の地熱貯留槽と同温泉の貯留槽が2kmほど離れている上、地中の「隆起帯構造」により双方が隔てられており、温泉の流出量などへの影響は考えにくい-とした。

 さらに、今後、地元同意を取り付け、電力会社と送電網接続に関する協議を整えた上で、県環境審議会に掘削調査の許可を申請する方針を示した。順調に進めば、9月の掘削調査開始、2017年度以降の発電開始を見込むという。

 出席した住民約20人からは、オリックスが売電収入の一部で行うとした地域活性化事業に期待する一方、温泉枯渇の可能性を懸念する声もあった。村上課長代理は終了後の取材に「要望があれば。、今後も地元に出向いて説明会を開くなどして、十分な理解を得ながら事業を進めたい」と話した。

-引用終わり-

地熱は動きが見えて良いですね。住民説明会を一度聞いてみたいなぁ・・・。むつ市側のヤツは申し込めば聞けるかな?

ところで記事の真ん中くらいに「隆起帯構造」とありますね。大間崎なんかの段差も繰り返し隆起した地形だそうですね。大間原発は近海の活断層の存在を否定していますが、下北半島の成り立ちそのものがジオパークです。活動性の否定は無理がありましょう。

さて、地元は地域活性化に興味があるのでしょうね。しかしながら「何か施設を作ってもらう」的な考えは止めた方が良いでしょう。「枯渇補償金をもらう」もダメです。どの様な事を望むのか、地元側から提案すべきでしょう。

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地熱次ステップ

2015-03-28 22:08:50 | 下北の地熱発電
3/28日経新聞WEBで伝えておりました。

-地熱発電開発の指針策定へ 環境省、国立・国定公園内で-

 環境省は国立・国定公園内での地熱発電開発のあり方を示した指針を今夏までに決める方針だ。地熱発電は出力が安定した再生可能エネルギーとして有望視されるが、公園内の設置にあたっては地元住民の合意が求められる。指針では景観保全や生態系への配慮などを住民に示すためのモデルケースを示し、地熱発電の普及を促す。

 日本の地熱発電資源は2347万キロワットと世界3位だが、このうち8割が国立・国定公園内に眠る。経済産業省は地熱発電の導入量は現在の52万キロワットから2030年には90万キロワット、環境規制が緩和された場合は140万キロワットになると試算している。

-引用終わり-

地熱利用は最初は何も大型発電を無理に目指さなくて良いと思いますね。既存温泉のバイナリー発電や温室栽培や養殖、暖房、融雪の熱利用を確実に広げていけば、そのうち調査も進み将来性も見えてくるでしょう。

仮に国定公園での地熱開発が前向きになれば、下北では恐山周辺が多分有望でしょう。地下の熱水貯留層そのものは我が川内まで広がっている、と私は睨んでいます。

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