i氏の海外生活体験記

<part1>ジャカルタ滞在記 <part2>ベトナム滞在記 <part3>ネパール滞在記
<part4>しもきた

ダムの清水バイパス

2016-01-04 16:45:12 | かわうち湖の海水揚水発電
本日1/4東奥日報に津軽ダムの記事がありました。その中に水確保の「清水バイパス」の図が載っていました。写真の下の方にポンチ図があります。

私は「下北再生エネルギー半島化プロジェクト」の中で「かわうち湖の海水揚水発電構想」を提唱していますが、写真の清水バイパスの考え方は同じです。

「かわうち湖海水揚水発電」というのは「津軽海峡の海水をかわうち湖に汲み上げて必要な時に落下させる揚水発電」です。好きな時に自由に発電できるのが機能上大きいです。上池も下池も新たに作る必要はありません。地下導水管なので地表の環境は殆ど影響ありません。家屋や民地や地下水への影響もありません。

課題も多いです。地下式発電なので建設費が膨大です。また上池のかわうち湖の湖底を海水不浸透のゴム材料で覆う必要があります。

また下流の川内川への水量確保が必要です。これを「清水バイパス」と同じ方法で考えていました。私の方はボックスカルバートを考えていました。高さ調節しながら湖底に設置します。小さな沈埋工法です。

なお、海水揚水発電の事例としては「沖縄やんばる海水揚水発電」が世界で唯一です。技術力のあるJパワーが作りました。

大間原発の関係する核リサイクル事業が不透明になってきた現在、少しは検討する余地も出てきたかなぁ、と感じています。

計画の主旨は違いますが、仮にこの画期的な施設が出来たら多分黒部ダムのようなインフラ観光地になるでしょう。

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水力の貯留方式が有力

2014-10-17 01:22:55 | かわうち湖の海水揚水発電
10/17日経新聞WEBで伝えておりました。

再生エネの受け入れ拡大策検討 経産省、貯留や既存分制限

 経済産業省は16日、九州など電力5社による再生可能エネルギーの受け入れ停止問題で、受け入れを増やすための議論を始めた。供給過剰となった再生エネの電気を貯留したり、既存事業者の発電を制限して新規事業者の参入余地を確保するのが対策の柱だ。年内に具体策を固める。

 経産省の系統ワーキンググループ(座長・荻本和彦東大特任教授)が16日に初の会議を開いた。電力5社は10月以降、再生エネによる電力供給量が需要量を上回るとして受け入れを止めている。供給が需要を超えると、電気の性質を保てずに停電の恐れがあるという。

 経産省の作業部会では供給過剰を解消する方策を検討する。昼間に太陽光発電で余った電気により水力発電所の水をくみあげ、夜間に水を流して発電する「貯留」方式が有力な案だ。

 電力会社が既存の再生エネ事業者からの受け入れを制限し、余った発電枠に新規事業者を参入させる方策も検討する。16日の作業部会では「再生エネの導入が進む欧州と日本の現状の比較をきちんとすべきだ」(岩船由美子・東大准教授)との指摘も上がった。

-引用終わり-

私の提案している「かわうち湖海水揚水発電」の構想が正しくこの考え方です。下北の風力発電で平舘海峡の海水を汲み上げて貯留します。そして好きな時に発電できる揚水発電になります。かわうち湖から佐井、大間にかけては風力発電の適地です。原発で使う予定の送電線も割と近くにあります。

私は下北半島に再エネ拠点ができるとすれば以下の3か所をイメージしています。夢のようなプロジェクトです。

1.大間原発を中間貯蔵施設に変更して防災ウィンドタワーと周辺に風力発電
2.かわうち湖に海水揚水発電と周辺に風力発電
3.燧岳と恐山の地下熱水貯留層を利用した地熱発電とカスケード利用

以前政策提案では評価されませんでしたが、3番目は実現性ありますよね。

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北海道で揚水発電開始、太陽光や風力の変動吸収

2014-10-08 15:42:59 | かわうち湖の海水揚水発電
10/7スマートジャパンが伝えておりました。

-揚水式の発電所が北海道で運転開始、太陽光や風力の出力変動も吸収-

 北海道で初めての揚水式による発電所が10月1日に営業運転を開始した。標高差が400メートルある2つの調整池のあいだで水を送り合って、水車発電機1基で20万kWの電力を供給する。さらに地域内の太陽光発電や風力発電による出力変動を吸収できるように周波数の調整機能も備えた。

 札幌市から南西へ約40キロメートルの山岳地帯で、北海道電力が「京極(きょうごく)発電所」の建設を進めている。2002年に工事を開始して、ようやく1号機が2014年10月1日に営業運転に入った。北海道で初めての揚水式による水力発電所で、山中に造成した2つの大きな調整池を組み合わせて発電する。

 京極発電所では上部の調整池が標高890メートル、下部の調整池が486メートルの場所にある。この2つの調整池のあいだを地下に埋設した水圧管路とトンネルで約3キロメートルにわたって結び、水を上下移動させる構造になっている。水車発電機も地下にあって、上部の調整池から流れてくる落差369メートルの水流で水車を回して発電することができる。

 水車発電機1基あたりの最大出力は20万kWで、合計3基を設置する予定だ。すでに稼働した1号機に続いて、2号機が2015年12月に営業運転に入る。さらに3号機は2024年度以降に営業運転を開始する計画になっている。合計すると60万kWになり、北海道の冬の最大電力(約600万kW)のうち1割をカバーできることになる。

 揚水式は夜間に余った電力を利用する水力発電の1種である。低い位置にある調整池の水を高い位置の調整池までポンプで引き上げて、需要が増加する時間帯に水を上から下へ流して発電する仕組みだ。電力を充電して放電する蓄電池と同じような働きをすることから、「巨大な蓄電池」とも呼ばれる。

 この特性を生かして、地域内の太陽光発電や風力発電による出力変動を吸収することも可能だ。京極発電所では入出力を瞬時に調整できるシステムを備えていて、送配電ネットワークを流れる電力の周波数を一定に保つ機能がある。最近になって全国各地で太陽光発電の増加による需給バランスの問題が浮上してきたが、その解決策の1つにもなる。東京電力も6月に、出力40万kWの揚水式による発電所を山梨県で運転開始した。

-引用終わり-

私の「かわうち湖海水揚水発電」構想の狙いも同じで、下北の風力発電の蓄電池の役割です。上ダムはかわうち湖、下ダムは平舘海峡の地下式発電所です。高低差180mくらいなので単純に上記発電所の1/2程度の規模が可能でしょう。

ただ、こちらは海水を汲み上げるので渇水などには影響されません。しかしながら塩分の浸透防止シートや海洋生物の付着などの問題はあります。沖縄やんばる発電所に続き世界2番目となります。エネルギー政策へのインパクトも大きいと思います。もちろんシステムの面白さから国内外の見学者は絶えないでしょう。

原発の行方、大規模風力、地熱開発を始め「下北再生エネルギー半島」の材料は日本一だと私は信じて疑いません。

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揚水発電で再生エネの蓄電を可能に

2014-10-07 01:17:56 | かわうち湖の海水揚水発電
10/6デーリー東北WEBで伝えておりました。

-再生可能エネルギー 悪影響を危惧-

 東北電力が再生可能エネルギー事業者の契約申し込みの回答を1日から中断していることについて、6日に開かれた青森県議会商工労働観光エネルギー委員会で、委員から国内有数の再生可能エネルギー関連施設が立地する県内への悪影響を危惧する声が相次いだ。

-引用終わり-

風力発電は全国トップクラス、ソーラー発電も急増中の青森県にとって東北電力の契約中断の影響は大き過ぎます。

近所でも荒地だった土地を整地して50mくらいソーラー発電を作っていました。未利用地は広くあるので、多分状況を見て増やすつもりだったのではないでしょうか。私はこの田舎に新たな産業が生まれるかも知れない、と眺めていました。

私が一昨年提唱した「下北再生エネルギー半島化プロジェクト」の中で「かわうち湖海水揚水発電」なる構想を提案に入れております。この揚水発電が実現すれば下北の再生エネルギーの蓄電機能を担えますので問題は無くなるでしょう。私は技術的には可能だと考えていますが、コストが大きく踏み切るには勇気が要ります。


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大雨の利用法

2014-08-22 21:39:47 | かわうち湖の海水揚水発電
8/22東奥日報WEBで伝えておりました。

-[速報]川内ダムが洪水警戒体制 -

 県は22日午前、川内ダム(むつ市)で洪水警戒体制に入ったと発表した。

-引用終わり-

各地で災害が発生しているのに少々不謹慎ですが、大雨の利用法を考えてみました。

これは以前むつ市政策提案した「下北再生エネルギー半島化プロジェクト」の中の「かわうち湖の海水揚水発電」のことです。イメージは沖縄の「やんばる海水揚水発電」です。

かわうち湖海水揚水発電の構想とは揚水発電の下ダムの水を津軽海峡に求めたものです。上ダムはそのままかわうち湖を使います。つまり新たなダムを造らないというメリットがあります。デメリットは大きなコストです。発電所が地下式になります。

大雨になると海水を汲み上げることなく満水になりますので、大雨の水を海へ放流しつつ発電できる、というものです。そんなウマい話はあるか、と思いますが、あるのです。ちょっと工夫すれば・・・。

ま、問題はコストに尽きますが、お金を掛けてもエネルギーの地産地消に拘る時代がやってくれば多分前向きに考えることでしょう。

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ダムカードが人気

2014-05-02 17:15:29 | かわうち湖の海水揚水発電
5/2時事通信が伝えておりました。

-「ダムカード」が人気=写真入り、現地見学の呼び水に-

 全国各地のダムを写真入りで紹介する国土交通省や自治体の「ダムカード」が人気だ。同省がデザインを統一し、集めれば「少しずつ違うダムの表情が分かる」(水管理・国土保全局)のが魅力。現地を訪れれば入手できるため、ダムを見て知ってもらう呼び水として配布を始めるケースが相次ぐ。

 ダムカードは縦約6センチ、横約9センチで、表側にダムの写真、裏側に「アーチダム」などの型式や、「同時期に建設された中で最もスマート」などの情報を掲載。国交省などが管理するダム111基で2007年に配布が始まり、今年1月24日時点で全国316基がカードを置く。

-引用終わり-

この記事のカードは国交省の管轄のダムですが、宮城など県管轄でも独自に発行しているようです。

私は別途「かわうち湖の海水揚水発電」というトンデモナイ構想を提案していますが、ここの湖畔にある道の駅にもこんな「ダムカード」があればなぁ、と思います。万が一、海水揚水発電が実施されたら間違いなく下北一の観光地になるでしょう。ま、仮に今から始めても20年後くらいでしょうが・・・。

この静かな佇まいのかわうち湖と川内ダムで休憩し、少しでも知っていただく事ができたら幸いです。

私は新幹線が新函館まで開通したら、大間経由で川内~脇野沢~青森という穴場的ルートの利用が増えてくるような気がします。特に台湾やベトナムからの観光や研修旅行に最適です。

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ベトナムで揚水発電F/S受託、Jパワー

2013-10-14 23:45:09 | かわうち湖の海水揚水発電
10/14ベトジョーが伝えておりました。

-Jパワー、ベトナムで揚水発電の事業化調査を受託-

 電源開発株式会社(東京都中央区、Jパワー)はこのほど、ベトナム電力グループ(EVN)との間で揚水発電分野の事業化調査に関する同意文書を締結した。また、ベトナムにおけるコンサルタント会社との地形測量等の調査業務に関する委託契約の手続きが整ったことを受け、本格的な調査業務を開始すべく、現地へ調査団を派遣した。

 この調査は、日本の経済産業省資源エネルギー庁より「2013年度エネルギー需給緩和型インフラ・システム普及等促進事業(ベトナムにおける揚水発電分野の事業化検討調査)」の一環として行われるもの。

 メコン地域の中でも高い経済成長と大幅な電力需要の増加が見込まれるベトナムで、今後重要となるピーク需要への対応と電力系統の平準化を図るため、揚水発電計画を対象としてその事業可能性調査を実施する。

 ベトナムでは揚水発電設備がないことから、計画から運用管理までの一貫した技術支援が必要とされている。一方、日本は、揚水発電の導入実績が設備容量比で世界一であり、計画・設計・調達・建設・運営に関して一貫したノウハウを有している。また、揚水発電所で用いられる水車や発動機等でも、高い技術力を有しており、日本製品のシェアは、インド・中国を中心にアジア地域の揚水発電総出力の4割を超えている。

 同業務は、このような日本のノウハウ及び技術力を組み合わせ、ベトナムのエネルギー面、技術面、社会制度面等の事業環境を把握しつつ、ベトナムの政府・自治体・企業と連携して、プロジェクトの事業化検討調査を行うことにより、将来の揚水発電所建設事業の案件獲得と日系企業の進出・輸出促進に貢献することを目的としている。

 Jパワーは、日本国内で多くの大規模揚水発電所の開発(調査、計画、設計、施工および発電運用)を手掛けてきた。また、海外においても、ラムタコン揚水(タイ)、プルリア揚水(インド)等の大規模揚水建設事業で、事業実施可能性調査、詳細設計、入札評価、建設工事施工監理等のコンサルティング業務を手掛けてきた。

 Jパワーは、これらの国内外の業務実績を通じて培われた揚水発電所開発に関する技術的な知見や経験を最大限活用して、ベトナムでの業務に取り組んでいく方針。

-引用終わり-

Jパワーは技術力のある会社だと思っています。是非大間原発から手を引いて「かわうち湖海水揚水発電構想」を真剣にご検討されることを願っています。

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炭素繊維と水処理膜、東レ

2013-10-14 23:24:59 | かわうち湖の海水揚水発電
10/14東洋経済オンラインが伝えておりました。

-東レが初の大型買収。自前主義から転換へ 炭素繊維と水処理膜、2社で合計1000億円弱-
 
 世界首位の炭素繊維メーカーの東レが米ゾルテック社の買収で9月27日に合意した。買収額は5億8400万ドル(約580億円)。M&Aに頼らず、独自技術の開発で成長してきた東レにとって初の大型買収だ。

 東レは、高機能・高品質のレギュラートウと呼ばれる炭素繊維が得意。一方のゾル社は、強度よりもコスト競争力が求められるラージトウで世界首位、レギュラートウを含めた炭素繊維で世界3位の大手だ。たとえば、レギュラートウはボーイング787など大型航空機の機体に用いられる。ラージトウは風力発電用風車の羽根が主な用途である。

 今回の買収理由を、東レの日覺昭廣社長は「イノベーションのジレンマを避けるため」とスマートに語る。これまでの東レの高機能・高品質戦略のみを推し進めると、いずれ顧客ニーズとずれていき、一方で低品質・低価格の下位メーカーがキャッチアップしてきて、主な顧客を奪われかねない、という論理だ。

 「レギュラートウほどの品質はいらないが、ラージトウより少しだけ高い品質が欲しいという顧客に対して、レギュラートウしか持っていなければ価格競争に巻き込まれる。しかしラージトウを持っていれば、『こういうのがありますよ』と提示できて、レギュラートウの価格下落を避けられる」と日覺社長は語る。

-引用終わり-

記事の炭素繊維を風車のブレードに応用する案は予てより注目しておりました。

一方、水処理膜についても「かわうち湖海水揚水発電構想」(内容はカテゴリー参照)における海水の淡水化や浸透膜発電への応用で注目していたところです。たまたま写真にあるように既存ダムの堤体に穴を開ける工事が日経コンストラクション2013.9.23に掲載されていましたので追記しておきます。

ちょっと非現実的にみえる「かわうち湖海水揚水発電構想」は技術的には可能である、と私は確信しています。しかしながら、原発コストの何割かを回してもらわないとこのプロジェクトは実現しないレベルです。私は安定電源となりうるこのプロジェクトが是非実現に向けた検討の土俵に乗ることをコンサルタントエンジニアとして願っております。

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辛坊さんの揚水発電意見

2013-03-15 19:24:13 | かわうち湖の海水揚水発電
12/25週刊朝日に書かれていたようです。影を抱えながら太平洋ヨット横断の記事検索で辿りつきました。

-さらなる「揚水発電」が日本を救う? 辛坊治郎氏が提案-

 解決の見通しがつかない原発問題。日本の電力供給は今後どうするべきなのか? 脱原発は可能なのか? ニュースキャスターの辛坊治郎氏はこう提言する。

*  *  *
 択捉(えとろふ)島一島分の面積に太陽光パネルを敷き詰めれば、原発45基分の総電力が得られ、晴れた夏の日中なら、その最大出力は原発450基分にもなる。

 しかし、これで日本の電力問題が一気に解決! とは残念ながらならない。理由はサルでもわかる。それは、今のところ「電気を貯めておけないから」だ。「電気を貯める」技術が向上すれば、原発や輸入化石燃料に頼らずにエネルギーを自給自足できる可能性が、この国には確かに存在する。

 すでに行われている「蓄電」方法の中で、最大の出力を誇るのが「揚水」だ。今までこれは、24時間休みなく最大出力を発電し続ける原子力発電の夜間の余剰電力を貯めるために使われてきたが、発想を変えて日中の太陽光発電の余剰電力で揚水し、夜間や雨天時に発電することを考えてはどうか。現在、日本で利用可能な水のうち、水力発電に使われているのは約3分の1と言われている。これは、農業用水には農水省、河川管理のためには国交省等と、日本の水には中央官庁のタグが付けられているからだ。

 かくして「農業用」あるいは「治水用」に貯められた水は、田畑や河川を潤し、海に帰る。その途中で落差を利用してエネルギーを取り出しても、別に農業の妨げになるわけでもないのに、官庁の厚い壁が、その利用を妨げているのだ。現在、日本に存在するダムの総数は約3千、そのうち発電に使われているのはおよそ600、これはもったいないだろう。これらのダムに積極的に揚水発電装置を付けることで、相当程度、「蓄電」できるはずだ。

(週刊朝日2012年12月28日号「甘辛ジャーナル」からの抜粋)

-引用終わり-

この記事の揚水発電のメリットのあり方には共感しています。私の「かわうち湖海水揚水発電プロジェクト」の趣旨と同じだからです。

日本は少々高く付いてもエネルギーの供給を海外に依存せざるをえません。火力発電ですね。原発リスクよりは余程賛成ですが、一方コスト高やCO2増加が叫ばれています。

一般に自給可能で安心安全なベースロードとなる再生エネルギーは「地熱」と「水力」です。地熱についてはこのブログでも規制緩和を更に進めるべきだ、と提唱してきました。以下に揚水発電について述べます。

揚水発電は原発開発とセットに作られることが多く、電力会社の揚水電力隠しでイメージは良くありませんが蓄電池としての実力はピカイチです。5分で発電できる対応力がピーク用の電力として最適なのです。その点は太陽光、風力などのお天気任せの電力と違うところです。

ところが普及率は太陽光、風力が先行して拡大しています。しかし不安定電力であるため、電力会社は安定的なバック電源として同じ容量の火力発電を準備しないとなりません。蓄電技術が確立しないと太陽光、風力も痛しかゆしなのです。

ここで「かわうち湖海水揚水発電プロジェクト」の概要を述べておきます。これは、既存のかわうちダム湖を上池利用し津軽海峡を下池とするというトンデモナイ発想なのです(略図参照)

①下北で拡大する風力、太陽光などの不安定電力をすべて安定電力に変える蓄電能力がある
(15万kw~20万kwが可能と試算)
②ピーク時の電力調整を短時間で行うことが出来る
③事故トラブルに対し安心安全でかつ低炭素であり、安定的な自国の自然エネルギーである
④自然公園、家屋への影響、山林等自然破壊もない
⑤既存道の駅、キャンプ場とも合わせ、海水揚水発電(世界で2番目)及び大型風力発電(6m/s以上の風況)とセットで自然テーマパーク的な拠点整備が可能

一応課題も書いておきます。
①海水利用による影響検討(防食、貝類付着、遮水シート、環境対策)
②建設費、工期、維持管理の検討
③土地利用の規制
④工事中のダム機能維持の検討
⑤送電線網の検討


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かわうち湖海水揚水発電の概要

2012-12-08 21:58:59 | かわうち湖の海水揚水発電
私案ですが、パワーポイントで整理し始めています。

「かわうち湖海水揚水発電プロジェクト」

(1)概要
 ・かわうち湖を上池利用し、津軽海峡を下池とする。
 ・新規ダムは不要で地下発電所とトンネルで構成する。
 ・海水揚水と河川流入水の両方で貯留する。
 ・下北全体電力を賄える蓄電池の役割がある。
 ・将来は完全な再生エネルギーでの自給も可能となる。

(2)特徴
 ・事故トラブルに対し安心安全でかつ低炭素であり、安定的な自国の自然エネルギーである。
 ・風力・太陽光など不安定電力を安定電力に変えられる。
 ・ピーク時の電力調整を短時間で行うことが出来る。
 ・自然景勝地及び家屋建物への影響や山林等の自然破壊が無く、かつアクセス道路が近接している。
 ・周辺地区は風力発電と合わせて、再生エネルギーの拠点化整備が可能である。

(3)課題
 ・海水利用による影響検討が必要(防食、貝類付着、遮水シート、環境対策)
 ・工事中の既存ダム機能維持の検討
 ・コスト削減と費用対効果の検討
 ・工期(試運転含む)短縮の検討
 ・維持管理の検討

(4)事例
 ・世界初「やんばる海水揚水発電所」/Jパワー
 ・平成11年から5年間実証プラント
 ・平成16年から本格稼働
 ・出力3万kw、建設費300億円、PR館5千人/年

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メガソーラーには蓄電池が必要

2012-12-07 21:05:25 | かわうち湖の海水揚水発電
12/7産経新聞が使えておりました。

-メガソーラーが北海道に集中 経産省が集中回避に着手 九州など推奨も-

 経済産業省は7日、7月に始まった再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度で、メガソーラー(大規模太陽光発電所)の建設が北海道に集中し、北海道電力が技術的に受け入れられる容量の上限を超える可能性があると発表した。経産省は北海道での制度利用手続きを厳格化するとともに、北電に受け入れ拡大に向けた対策を指示した。

 北海道は地価の安さや大規模施設の建設適地が多い。経産省によると、4~10月に認定した出力1000キロワット以上のメガソーラーは合計34万1000キロワットで、全国の33.8%と3分の1超を占め、今後の申請予定を含めると約40万キロワットを見込む。2位の鹿児島県(9万1000キロワット)、3位の福岡県(5万4000キロワット)に比べ突出している。

 ただ、北海道では電力を供給するのに必要な設備能力が小さい。泊原発(北海道泊村)の原発稼働を前提に見積もると、メガソーラーは40万~60万キロワット程度の受け入れが限界となる可能性があるという。

 枝野幸男経産相は同日の会見で、「北海道は風力発電の立地で有望視されており、導入余地を残しておく必要がある」と指摘したうえで、「(太陽光発電は)全国どこでも立地可能である」と言及。資源エネルギー庁も「九州の自治体は熱心に誘致している」と説明し、他の地域への進出を呼びかけた。

 買い取り価格は、太陽光発電の42円(1キロワット時当たり)に対し、風力発電は23.10~57.75円と安い。また、全国で風力発電の適地は北海道や青森県などに限られており、経産省にとって北海道の風力発電設置への期待は大きい。

 経産省は今後、メガソーラーの設置認定の際、建設予定地の地権者の同意書提出を検討するほか、北電に対して変電所での大型蓄電池導入を求める。

-引用終わり-

ここで重要なのは最後の「変電所での大型蓄電池導入」のところです。つまり再生エネルギーの太陽光と風力は不安定電力であるため、一度に多くの受け入れには限界がある、という大きな課題があるのです。

そこでコメントしたいのが、私の提案している「かわうち湖海水揚水発電」の蓄電機能です。ピーク時の調整のみならず不安定電力の吸収も出来るのです。


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既存ダムに小水力発電を追加、宮城

2012-11-28 10:53:40 | かわうち湖の海水揚水発電
11/28河北新報が伝えておりました。

-釜房ダムで「小水力発電」施設内電力供給へ着工 宮城・川崎-

 東北地方整備局は釜房ダム(宮城県川崎町)に、小水力発電施設を新設する。現在活用されていない放流水を使って2014年度に稼働を始める予定で、ダム管理に使う電力を賄う。災害時に施設内で使う非常電力としても期待できる。

 整備局釜房ダム管理所によると、近年の新設ダムは当初から小水力発電施設を備えるのが一般的という。釜房ダムは1970年完成で、古いダムに発電施設を加えるのは東北では初の試み。

 新設する小水力発電施設は最大出力150キロワットで、年間発電量は一般家庭約200世帯分の消費電力に相当する。施設はダム下流にある東北電力釜房発電所近くに設ける。発電所からの放水やダム管理所が独自に設けるバイパス管の流水を活用して水車を回転させる。総事業費は約2億9000万円。

 発電した電力は貯水池の水質改善施設、洪水時に放流量を調節するゲートなどで使い、余剰電力は東北電力に売電する。管理所では電力調達コストに年間約1700万円が掛かっているが、小水力発電により約1000万円節減できるという。

 管理所は東日本大震災時に避難所として活用され、約200人の住民を受け入れた。現地で27日にあった着工式で、西條一彦所長は「地域防災センターとしての機能も向上する。地域から預かる希少な水を有効活用したい」と話した。

-引用終わり-

既存ダム施設を利用する、という視点は私の「かわうち湖海水揚水発電プロジェクト」と同じ発想です。

しかしながら、私案ではダム湖の器の方を利用し、かつ津軽海峡の海の水を利用します。ポンチ図を添付しておきます。トンネルになるので建設コストが問題ですが、家屋も環境も壊しません。かつ、風力、太陽光の不安定電力を蓄電する役目も担えます。


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県への提案の回答について

2012-11-09 04:22:44 | かわうち湖の海水揚水発電
私は、「かわうち湖の海水揚水発電」の案について、河川、ダムの管理者である県の「県政・わたしの提案」へ提案していました。その回答が来ましたのでご紹介します。

「川内ダムは、洪水調節と河川の流水の確保を目的として、平成6年度に完成したダムです。川内ダムは、昨年までの18年間で30回の洪水調節を行い、下流むつ市川内町の人命と資産を守ってきました。また、川内川の流量が減少した場合には、ダムから水の補給を行い、川の流水を確保しています。川内ダムを海水揚水発電の上池として利用するとのご提案ですが、その場合、ダムの洪水調節と、河川への水の補給の機能が失われます。川内ダムの持つこの二つの働きは、非常に重要なもので、絶対になくすことはできないものです。このため、川内ダムを利用した海水揚水発電の事業化は、非常に困難であるものと考えます。」

-引用終わり-

見事に否定されました。

しかしながら私は、諦めていません。理由は次の通りです。

①地形的、物理的には恐らく可能である事は先方も理解されたものと予想します。

②ダムの機能補完については私案があります。これが一番の課題であると認識していました。再度追加提案するつもりです。

この事業化は、「下北再生エネルギー半島化プロジェクト」のメイン3本柱のうちの一つとして、下北活性化の運命を大きく握っています。

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揚水発電の重要さ

2012-08-26 02:30:20 | かわうち湖の海水揚水発電
ここで、私が「下北再生エネ半島」で提案している「海水揚水発電」について、少々補足しておきます。

再生エネルギーで一番参入しやすいのは「太陽光発電」でしょう。各地でメガソーラーや住宅用ソーラーが急増しています。また下北では「風力発電」でしょう。ただ個人では手掛けられませんが、大手資本から県内業者も興味を示しています。8/24の県再生エネ産業ネットワーク会議では125団体が集まったようです。

さて、ではこの「太陽光発電」と「風力発電」の不安定電力をカバーするのは何でしょう。
それは「火力発電」です。一般に再生エネの普及と同時に火力発電がバックアップに回ります。しかし火力発電は効率が良くなったとは言え、CO2の排出量が増加し、燃料コストも掛かります。

しかしながら、もう一つ出力調整可能な電源があります。それは「揚水発電」です。5分で発電開始できる蓄電池と言われています。これは原発の夜間電力を利用しているものが多かったようです。

今後「揚水発電」の役割はとても重要です。特に再生エネの増加する北東北ではバックアップ電源として「揚水発電」がかなり重要なのです。

問題点もあります。当然ながらコスト増です。ダムが上下に2か所必要なのと、夜間水を汲み上げるためのロスです。30%程度のロスと言われています。設置可能な場所も殆ど無いとも言われています。

そんな背景から着目したのが、既存ダム湖と津軽海峡を利用する「かわうち湖海水揚水発電」なのです。現在、課題整理を行っていますが、もし実現すればピーク時のバックアップ電源の救世主となることでしょう。

(写真は経産省資料から)


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下北送電網の整備

2012-05-29 02:06:11 | かわうち湖の海水揚水発電
経産省が2012.4に「再生可能エネルギーの導入拡大に伴う追加的コスト」と題したレポートを公表しています。
つまり、再生可能エネルギーをいくら進めても「送電網の整備」という受け入れ側がまだできていない、というまとめです。

追加必要な要点をピックアップします。

【1.送電網の整備】
 ①基幹送電網の整備
  北本連系線(津軽海峡横断)などの増強必要
  北海道、東北のみで1.2兆円のコスト増
 ②地内送電網の整備
  特に有望な風力地域に対応した整備が必要
  北海道、東北で3,100億円
   (うち下北で123億円、容量は34万kw→84.5万kwへ、既に原発用に整備途中)

  *将来、私の構想する「下北再生エネルギー半島」が完成すると、
   海水揚水発電、地熱発電、温泉発電、風力発電、小水力発電、海流発電、洋上風力発電の容量をカバー。
   ただし、高岩体発電が成功すれば原発代替の可能性もあるので増強必要。

【2.バックアップ電源又は蓄電池の整備】
  発電が不安定な風力、太陽光を大量に電力系統に導入すると以下のデメリットが発生
 ①電圧の変動
 ②周波数の維持困難
 ③余剰電力の発生
  解決には「ガスコンバインドサイクル発電」や「揚水発電」等のバックアップ電源、あるいは
  変電所に「蓄電池設置」などが必要。ただしコストが高い。
  再生エネルギーで先行するヨーロッパ諸国に経産省は12月ヒアリング済み。

  *ここでバックアップ電源として「かわうち湖海水揚水発電」の存在が非常に重要な意味を持ってくるのです。

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