じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

北方謙三「過去の音」

2019-04-05 18:02:27 | Weblog
★ 北方謙三さんの「コースアゲイン」(集英社文庫)から「過去の音」を読んだ。

★ 北方さん作品に出てくる人物は男も女もオシャレだ。今回は、男が10年前(正確には9年4か月前)に別れた女と食事をする。

★ もはや50代になった男。女の方も30代後半だ。それぞれが老けを感じながらも自分の人生を生きており、何の巡り合わせかふと再会した。

★ とりとめのない話題が交わされるが、キザなセリフがよく似合う。

★ 「涙が出るまで飲んだら、帰ろうと思ってたんだ」(92頁)、女のこのセリフがいい。

★ 女に何があったのか。男は立ち入ったことは何も言わない。ただ昔と同じように話すだけ。ライターの音、葉巻の香りが絶妙の小道具になっている。
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