じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

髙村薫「李歐」

2024-06-16 18:41:52 | Weblog

★ 中学校の期末試験対策2日目。今日は来る生徒が少なく、少々期待外れ。

★ 空いた時間を利用して、髙村薫さんの「李歐」(講談社文庫)を読み終えた。

★ 時代に翻弄されるある男性の物語。宿縁とでもいえそうな人々が絡み合い、大阪の町工場からアジア、世界まで大きく広がる物語だった。

★ 父母が仲違いをして東京から大阪に移り住んだ母子。幼子は近所の町工場を遊び場とし成長する。子が成長すると母親は彼を残してある男性と中国に去る。

★ 子は大学生となり、ナイトクラブでボーイとして働く。そこで殺人事件に巻き込まれるとともに、美しい容姿を持つ殺し屋・李歐と出会う。

★ 李歐は再会する約束をして日本を去る。男性は罪を背負って服役する。刑期を終えた男性は町工場を引き継ぎ、李歐との再会の日を待つ。

★ それから15年。男性は幼なじみの女性と結婚し、子にも恵まれた。そんな折、事業に成功した李歐に誘われ中国へと旅立つ決心をしたのだが・・・。

★ 途中は、拳銃や機械のことが詳しくて読み進めるのが辛かったが、400ページを過ぎたあたりから、物語が一気に進む。450ページを超え、最終章「櫻花屯」は時間を忘れて読み進めた。

★ 数奇なる生涯と言えばそれまでだが、何か得体の知れないもの(時代とでもいおうか)に動かされる人々が印象的だった。

★ 蛇足かも知れないが、同性愛も一つのテーマなのか。

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