じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

川上弘美「蛇を踏む」

2018-05-20 19:41:56 | Weblog
☆ 川上弘美さんの短編集「蛇を踏む」(文春文庫)から表題作を読んだ。爬虫類が苦手な人には辛い作品だ。

☆ 主人公が蛇を踏んだことから物語が始まる。蛇は「踏まれたらおしまいですね」「踏まれたので仕方ありません」と言って、50代の女性(主人公の母親だと名乗る)に変化、その日から、主人公の家に居ついてしまう。どうやら主人公は蛇に憑かれてしまったようだ。

☆ 話が進むにつれて、同じように蛇に憑かれた人が出てくる。

☆ 蛇は主人公たちを「蛇の世界」に誘う。蛇が体に侵入し同化するところは、なかなかの迫力だ。ところで「蛇」って何なのだろうか。執拗にその世界へと誘うところは新興宗教のようだ。

☆ 夢なのか現実なのか、何かの象徴なのか、不思議な作品だ。
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多和田葉子「犬婿入り」

2018-05-20 16:02:04 | Weblog
☆ 多和田葉子さんの「犬婿入り」(講談社文庫)を読んだ。シュールで癖のある作品だが、面白かった。

☆ 自称39歳女性、北村みつこ先生は「キタムラ塾」を運営している。身の回りには無頓着で小汚い部屋で、話す内容も小汚い話が多いが、それが意外と小学生らしき塾生には受けた。そんな「キタムラ塾」に男が舞い込んでくる。犬のような振る舞い、名前はイイヌマ、飯沼太郎という。登場と同時にみつこ先生を押し倒し、そのあと住み着いてしまう。

☆ 後半は、さらに話が飛躍し、落としどころに苦労をしたのではないかと思った。

☆ この作品の魅力は文体だ。とにかく1文が長い。谷崎潤一郎かと思ったが、この確信犯的文体は慣れてくると癖になる。そういえば、日本の古典文学も良い意味でこのようなダラダラとした文体が多いように思う。古文を現代語に訳すような懐かしさを感じた。これも民話的、伝奇的な雰囲気を醸し出しているのだろうか。

☆ あと興味深かったのがニオイだ。人それぞれ、家庭それぞれにニオイがある。ニオイといったものは案外重要なアイデンティティなのではないかと思った。

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貧乏暇なし

2018-05-20 12:14:57 | Weblog
☆ 先週は中学生の中間テスト対策、そして今週は高校生の中間テスト対策。

☆ 塾業界はかなりブラックです。

☆ しかし、経営者(塾長)兼従業員(講師)の気楽な個人塾。自分で計画を立て自分の首を絞めているのだから愚痴を言っても仕方がありません。「塾行っていいですか」「塾にずっといていいですか」と言ってもらえるだけ花。補習はもちろん無料です。

☆ この稼業も40年。あと何年できるかな。貧乏暇なしだけれど、がんまりましょう。
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