じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

芥川龍之介「運」

2018-05-06 20:01:36 | Weblog
☆ 芥川龍之介の短編集「羅生門・鼻」(新潮文庫)から「運」を読んだ。今昔物語を元にした短い作品。

☆ 清水寺参道の往来を見ながら若侍と陶器づくりの老人が話をしている。観音様のご利益があるかどうか。そこで老人がある女性のエピソードを通して「運」について語るというもの。

☆ 幸福とは物質的(経済的)なものか精神的なものかというのが、テーマだという。

☆ まあ小難しいことはさておいて、少女と老婆の格闘シーンなどは、森見登美彦さんが書けばさぞ面白かろうと思った。

☆ こういう作品、芥川龍之介はうまいねぇ。
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「はしか」の思い出

2018-05-06 19:47:17 | Weblog
☆ 「はしか(麻疹)」が流行の兆しとか。若い人や未感染の人にはワクチン接種が勧められている。

☆ 私は幼稚園の時に感染した。昭和30年代だったと思う。その当時のことはあまり覚えていないが、夏の暑い時分だった。夏の暑さと熱の熱さで汗びっしょりになった気がする。

☆ 誰が聞いてきたのか、天井に金柑を吊るせばよいということで、祖母や母が探し回っていたような記憶がある。7月に金柑はなかなか見つからなかったと思うのだが、何かしらオレンジ色のものが天井に吊るされていた。

☆ そのおかげか1週間程度で快癒したが、変わった迷信があったものだ。

☆ なにはともあれ、免疫を獲得できてよかった。
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連城三紀彦「戻り川心中」

2018-05-06 16:12:10 | Weblog
☆ ブックオフの20%オフセールが今日までだったので、また十数冊仕入れてきた。その一つが連城三紀彦さんの「戻り川心中」(光文社文庫)

☆ 大正時代、歌壇に天才と呼ばれる人物がいた(もちろんフィクション)。名を苑田岳葉という。彼はその才能を認められながらも、異なる女性と二度心中未遂事件を起こす。死にきれなかった岳葉は歌を残して自ら命を絶つ。

☆ モデルの設定は太宰を思わせる。

☆ 話者は苑田岳葉の知人。世間的な岳葉評に疑問を感じ、自ら大胆な推理をめぐらす。心中事件には裏があったというのだ。岳葉は何のために心中を決行しなければならなかったのか。そこには才あるが故の苦しみがあった。

☆ 設定や意外な展開が面白かった。「もし啄木が富豪で・・・」からの記述が印象に残った。 
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江國香織「蕗子さん」

2018-05-06 10:43:05 | Weblog
☆ 江國香織さんの短編集「すいかの匂い」(新潮文庫)から「すかの匂い」と「蕗子さん」を読んだ。

☆ 「すいかの匂い」の主人公は9歳の女の子。母親が出産する間、叔母の家に預けられることになった。ホームシックになった彼女は家出を決行したのだが・・・。ちょっとしたホラー小説。すいかの匂いが夏の出来事をフラッシュバックさせる。

☆ 「蕗子さん」はとても魅力的な女性だ。短髪で化粧をするでもなく、大学生だが留年を続けてもう26歳。主人公は小学校の低学年だろうか。彼女の家は生計の足しにするため下宿屋を始めた。その下宿人が蕗子さん。近所の男の子たちにいじめられた主人公、それを蕗子さんに話すと彼女は大作戦を決行する。

☆ どこまでが現実でどこからが幻想なのかわからないけれど、印象に残る作品だった。蕗子さんの下着姿がとてもセクシーだ。
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「ポワロ最後の事件」

2018-05-06 00:11:47 | Weblog
☆ ドラマ「名探偵ポワロ」から第13シーズン第5話、「カーテン~ポワロ最後の事件」(2013年)を観た。

☆ 長寿番組の宿命というべきか、配役の加齢は抗しえない。1989年に始まったポワロシリーズも本作で最終となる。さすがにポワロ演じるデヴィッド・スーシェも、へイスティングズを演じるヒュー・フレイサーも年をとった。第1シーズンと見比べれば一目瞭然だ。

☆ この作品でポワロは車いすでの生活を余儀なくされ、心臓の病はもはや致命的となっている。

☆ 犯罪者も精巧だが、最後のポワロの告白は衝撃的だ。
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