塵埃日記

つれづれなるままに、日々のよしなしごとなど。

仙台探訪②:仙台七夕祭り

2009年08月27日 | 仙台
    
 お盆明けにはといいながら、はや八月も終わりに近づいてしまいました。今回生まれ故郷の仙台に帰るにあたって、仙台七夕祭りを十年ほどぶりに見てきました。いつでも見られると思うと、結局なかなか行かないものです。

 仙台七夕は、毎年8月6日から8日にかけて開催されます。仙台には、通称「一番町」と呼ばれる長大なアーケード商店街があり、居並ぶ各商店が飾りの豪華さや趣向を競います。その数は、数千にもなると言われ、また一本あたり数十~数百万円ほどかかるそうです。


こんな感じです。


 仙台七夕の起源は、伊達政宗の仙台開府まで遡るとする伝承もありますが、これはかなり疑わしいです。そもそも仙台の地物は何でもかんでも政宗に因もうとする癖があるため、政宗の名前が出たら大抵まゆつばモノです。とりあえず、現在の祭りのもとになったのは、世界恐慌による不景気を憂慮した商店街の有志が、客寄せのために七夕飾りを大規模にしたことによります。この七夕祭りが、戦後「東北三大祭り」の一つに数えられたことによって、全国に知られるようになりました。


地元の人はみんな知ってる「からくり七夕」


 この豪華な飾りによる仙台の七夕の手法は、その後全国に移植されるようになりました。その中で最も有名になったのが、平塚の七夕祭りでしょう。こちらは7月7日なので日程的に訪れにくいところがあり、残念ながら私も見たことがありません。ただ私の聞いた限りで、仙台と平塚の祭りの最大の違いは、仙台方式の飾りが和紙を原則としているのに対し、平塚の方はビニール系が中心だということです。これは、平塚の商店街にはアーケードがないという事情にも起因しているそうですが、やはり和紙であることによって一段と趣が増すように思います。


騎馬の模様は一見プリントに見えますが、
これも和紙で切り張りしたものです。
仙台七夕では「絵も和紙で」が基本です。


 最近では、商店街も不景気や高齢化、後継者不足、企業の進出などにより雰囲気が急速に変わりつつあり、七夕の開催にも様々な問題が生じているようです。一応今のところフランチャイズチェーンの店舗なども祭りには参加して、規格に沿った飾りを出してはいますが、仙台商人が作る伝統的な飾りと比べると、どうしてもかなり質が下がって見えます。また、高齢化や人手不足などで製作が難しくなったところでは、業者に外注せざるを得なくなっているようで、今後の動向には心配な面もあります。


これはスタバの飾り。
チェーン店であろうと強制参加です。


と、地元の代表的な祭りですからいろいろと宣伝しましたが、私自身は、実はそれほど七夕祭りには思い入れがなかったりします。この祭りの最大の難点は、商店街の端から端までただ上を見ながら歩くだけ、という単調さで、私は大抵途中で飽きてしまうのです。さらに、ただでさえ普段から賑わっている商店街ですから、祭りの期間中はかなりの人出でごった返します。今回自分は出店でビールやらワインやら買って飲んで、途中で買い物して帰りましたが、純粋に祭りだけ見るつもりで訪れると少々しんどいかと思います。


祭りの期間中はこの人ごみ。


  



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