今年の大河ドラマ「江~姫たちの戦国」は、歴代最短の開始20分で飽きてしまいました。もはや朝の連続テレビ小説ですね、あれは。
さて、突然ですが、みなさんは中央自動車道八王子IC前と聞いて何を思い浮かべますか?インターチェンジそのものについては、「出るとすぐに詰まる」とか「出口が2か所もあって分かりにくい」とか「本線料金所」とかいろいろあるでしょう。ただ、「インターチェンジ前」というと、周辺の人なら「村内家具店」を思い浮かべるのではないでしょうか。
村内家具って全国的に知られてるのかと思ったら、多摩と神奈川にしかないんですね。あとベルギーのインテリアショップ「OKAY」の日本企業も村内が設立したそうです。ともあれ、村内家具は多摩では非常に有名な老舗家具店です。
村内家具八王子本店
先日、別用で村内の近くへ行ったのですが、しばらく来ていない間に、真向かいに「ニトリ」の小売店ができていました。それも、「すぐ近く」というレベルではなく、本当に「直向かい」に建っています。完全に村内を意識しているのは明々白々で、間違っても偶然とはいえない選地です。
村内とニトリ。完全に真向かい
ニトリ外観
村内家具は、その前身となる木工所の頃から地域に根差して操業してきました。現在でも、「家具は村内、八王子」のキャッチコピーで、八王子本店を中核として事業を展開しています。また、本店上階には村内道昌会長が蒐集した印象派やバルビゾン派の絵画を中心とした村内美術館があります。村内美術館には、家具屋の上とは思えないほどおなじみの著名な画家の作品が数多く展示されていて、美術館のためだけに訪れたことも何度かあります。
さらに、店舗の建つあたりには、中世「左入城」という城があったとされています。地元の口伝でしか残っていない、この城跡の伝承を絶やしてはならないと、村内会長は大通りに面した敷地内に立派な石碑を建設しました。これまで数多くの城跡を訪ねてきましたが(趣味ですので)、これほど立派な城址碑を一企業が建てているという例には滅多にお目にかかれません。村内家具がいかに地元密着を志向しているかが分かります。
左入城址碑と村内家具店
他方、ニトリといえば近年飛ぶ鳥を落とす勢いで事業を拡大している大手企業です。以前何かのテレビ番組で見たのですが、「1円でも安く」「一に安さ、二に安さ、三に安さ」が似鳥昭雄社長のモットーだそうです。さらに、ホームページよれば、原材料の海外調達から小売りまでのトータル・コーディネートが売りということです。
とするならば、材木店から出発した品質志向の村内家具と、コスト削減が第一のニトリとでは、あるいはうまく住み分けできるのかもしれません。しかし、わざわざ村内の向かいに出店するという行動には、どうしても疑念を抱かざるを得ません。「対抗してやろう」「切り崩してやろう」という意図がなければ、あの場所を選ぶことはまずありえないと思います。企業間の戦争は世の常ですから、対抗しようという姿勢そのものは非難すべきものでも何でもありませんが、戦術としてわざわざ真向かいに店舗を建設するというのは、あまりにも品のないやり方ではないかと思うのです。
もちろん、この上でどちらを選ぶのかは消費者の選択に委ねられるわけですし、村内も老舗だからと胡坐をかいていれば、いずれ厳しい状況に追い込まれるのでしょう。ですが、もし仮にニトリが村内家具を追い落としたとして、これまで村内家がしてきたような地域貢献や文化貢献をニトリに期待できるかというと、まったく望むべくもないと思われます。
こうした、両社の商品の内容とは別の部分、すなわちニトリの品性や村内家具の付属事業といった部分を考えると、個人的感情として俄然村内家具を応援したくなりました。今まで何気なく身近にあるとそのありがたみに気づかないとよくいいますが、危ない状況になるかもしれないと感じた今になって、しょっちゅう行くわけではない家具店にも愛着というものがあるのだと気づきました。そして、八王子に限らず、この先私がニトリで買い物をすることはおそらくないでしょう。
念のためですが、私は別に大手ホームインテリアショップが嫌いというわけではありません。たとえばIKEAなんかは、他人の家にIKEA製品があればすぐに分かるほどよく足を運びました(笑)。
さて、突然ですが、みなさんは中央自動車道八王子IC前と聞いて何を思い浮かべますか?インターチェンジそのものについては、「出るとすぐに詰まる」とか「出口が2か所もあって分かりにくい」とか「本線料金所」とかいろいろあるでしょう。ただ、「インターチェンジ前」というと、周辺の人なら「村内家具店」を思い浮かべるのではないでしょうか。
村内家具って全国的に知られてるのかと思ったら、多摩と神奈川にしかないんですね。あとベルギーのインテリアショップ「OKAY」の日本企業も村内が設立したそうです。ともあれ、村内家具は多摩では非常に有名な老舗家具店です。
村内家具八王子本店
先日、別用で村内の近くへ行ったのですが、しばらく来ていない間に、真向かいに「ニトリ」の小売店ができていました。それも、「すぐ近く」というレベルではなく、本当に「直向かい」に建っています。完全に村内を意識しているのは明々白々で、間違っても偶然とはいえない選地です。
村内とニトリ。完全に真向かい
ニトリ外観
村内家具は、その前身となる木工所の頃から地域に根差して操業してきました。現在でも、「家具は村内、八王子」のキャッチコピーで、八王子本店を中核として事業を展開しています。また、本店上階には村内道昌会長が蒐集した印象派やバルビゾン派の絵画を中心とした村内美術館があります。村内美術館には、家具屋の上とは思えないほどおなじみの著名な画家の作品が数多く展示されていて、美術館のためだけに訪れたことも何度かあります。
さらに、店舗の建つあたりには、中世「左入城」という城があったとされています。地元の口伝でしか残っていない、この城跡の伝承を絶やしてはならないと、村内会長は大通りに面した敷地内に立派な石碑を建設しました。これまで数多くの城跡を訪ねてきましたが(趣味ですので)、これほど立派な城址碑を一企業が建てているという例には滅多にお目にかかれません。村内家具がいかに地元密着を志向しているかが分かります。
左入城址碑と村内家具店
他方、ニトリといえば近年飛ぶ鳥を落とす勢いで事業を拡大している大手企業です。以前何かのテレビ番組で見たのですが、「1円でも安く」「一に安さ、二に安さ、三に安さ」が似鳥昭雄社長のモットーだそうです。さらに、ホームページよれば、原材料の海外調達から小売りまでのトータル・コーディネートが売りということです。
とするならば、材木店から出発した品質志向の村内家具と、コスト削減が第一のニトリとでは、あるいはうまく住み分けできるのかもしれません。しかし、わざわざ村内の向かいに出店するという行動には、どうしても疑念を抱かざるを得ません。「対抗してやろう」「切り崩してやろう」という意図がなければ、あの場所を選ぶことはまずありえないと思います。企業間の戦争は世の常ですから、対抗しようという姿勢そのものは非難すべきものでも何でもありませんが、戦術としてわざわざ真向かいに店舗を建設するというのは、あまりにも品のないやり方ではないかと思うのです。
もちろん、この上でどちらを選ぶのかは消費者の選択に委ねられるわけですし、村内も老舗だからと胡坐をかいていれば、いずれ厳しい状況に追い込まれるのでしょう。ですが、もし仮にニトリが村内家具を追い落としたとして、これまで村内家がしてきたような地域貢献や文化貢献をニトリに期待できるかというと、まったく望むべくもないと思われます。
こうした、両社の商品の内容とは別の部分、すなわちニトリの品性や村内家具の付属事業といった部分を考えると、個人的感情として俄然村内家具を応援したくなりました。今まで何気なく身近にあるとそのありがたみに気づかないとよくいいますが、危ない状況になるかもしれないと感じた今になって、しょっちゅう行くわけではない家具店にも愛着というものがあるのだと気づきました。そして、八王子に限らず、この先私がニトリで買い物をすることはおそらくないでしょう。
念のためですが、私は別に大手ホームインテリアショップが嫌いというわけではありません。たとえばIKEAなんかは、他人の家にIKEA製品があればすぐに分かるほどよく足を運びました(笑)。
別に、女性が世の中を動かすことに反対なわけではなくて、より正確な描写という意味で。
個人的には、司馬史観や、事実への適合性の是非はあるにせよ、「坂の上の雲」の製作姿勢は評価したいのだがね。
軽い役者もいないし、ナレーションも良いしで。
ああいう気骨が見られる番組作りをお願いしたいね。
結局、女性が軽視されていて、事跡どころかほとんどの女性は名前すら記録に残っていないというのが、どうひっくり返しても事実なんだよね。それを無理やり現代の文脈で描こうとするから、陳腐で珍妙になるんだと思ってます。
小生は逆に「坂の上の雲」の方をほとんど見てないんですよ。ただ、「竜馬伝」にしても明治前後のドラマについては、記録が格段に豊富になるからか、割と時代描写が真に迫っている感じがしたね。
ちなみに、僕は要潤がやってたタイムトラベラーだか何だかってのが結構好きでした。
コメントありがとうございます!村内美術館所蔵品の売却とは本当ですか?ますます心配ですね。企業同士の競争、とくに後発新進企業が老舗に挑むこと自体は、悪いことでも新しいことでもないと思います。ただ、あの周辺はまだまだ土地が空いているのにわざわざ目の前に建てるというあたりに、品性というか、勝つためには何でもやるといった姿勢が露呈しているように感じます。こういう時代なのかな、と思うとやるせなくなってしまいますね。