震災から5年が経ちました。私の生活の周辺では、震災の爪痕はどんどん薄くなってきました。あの当時の自分を振り返り、落ち着いて評価する余裕さえ出てきています。
しかし現実には、5年をもってなお仮設住宅暮らしを余儀なくされている被災者の方々が、またまだ多くいらっしゃいます。東北の大都市仙台ですら、入居者はだいぶ減ったとはいえ、街中に建設された仮設住宅を新幹線から見ることができます。
安倍首相は今年を復興元年と位置づけるそうですが、今までの5年はいったい何だったというのでしょうか。そして、今後5年を復興に充てるということですが、一分一秒でも早く生活を再建したい被災地域の人たちに対して、あと5年、都合10年待てとはどういうことでしょうか。
4年半後には東京オリンピックが控えています。5年という設定期間の裏には、復興が完了したと五輪の舞台で東北をお披露目したいという思惑が透けて見えます。つまり、首相にとっては五輪がメインであり、震災復興は手段に過ぎないということなのでしょうか。アベノミクスの効果が議論の的となっている昨今、インフレへ邁進しているのは首相の「決意」や「~元年」などのスローガンばかりで、実質の進展しない日々が続いています。
震災が記憶となりつつもあり、進行形でもあり、そんな過渡期ともいえる状況のなか、私個人がどう在るべきか、いま一度じっくり考えてみたいと、そんな風に思っています。
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