塵埃日記

つれづれなるままに、日々のよしなしごとなど。

日本で普及の遅れる無料無線LAN

2012年10月26日 | 社会考
  
 突然ですが、みなさんは外でネットを使いたくなったとき、どうしてますでしょうか?私は以前はWi-Fi端末を使っていたのですが、通信速度が遅いうえに月使用料が結構高額だったので解約してしまいました。

 最近では、世界的に無線LANがだいぶ浸透してきているようです。今夏にドイツへ行ったときには、大きなホテルはもちろんのこと小さなペンションにいたるまで、有料無料は別としてほとんどの宿が自前の無線LANを備えていました。逆に、無線LANの無い宿にはもはや泊まれないというくらいです。

 他方、日本ではまだそれほどには無線LAN(有線でも構わないのですが)は普及していないように感じられます。先日も、出先でネットを使いたかったのですが、調べても無料で無線LANを利用できるところがなく苦労しました。ヨーロッパでは、ホテルはもちろんマックやバーガーキングなどの軽飲食店に無線LANが完備されているところも少なくありません。飲み物1つで自由に使わせてもらえるので、結構重宝しました。

 翻って日本では、調べてみると携帯会社のホットスポットという形ではそこそこ普及してきているようです。しかし、結局あらかじめ携帯会社と契約のうえ月使用料を払わなければならず、契約した会社以外の会社のホットスポットでは使えないという不便極まりない形態です。私も、ドイツでどうしても仕方なくプリペイド形式で彼地の携帯会社のホットスポットを利用したことがありますが、一度無料無線LANの恩恵をこうむってしまうと、とても耐えられるシステムではありません。

 日本の情報インフラはつくづく遅れていると思います。近年、電化製品部門で中韓に追い着かれつつあるなかでも「日本の技術は世界一ィィ」などと世論では片目つぶって我を張り続けていますが、足元の情報インフラが大企業の利益優先でこうも滞っているようでは追い越されるのも時間の問題のような気がしてなりません。クレジット会社の抵抗で電子マネーが遅遅として普及していなかったり、くだんの発送電分離も実現の兆しすらなかったりと、大企業の利権保持活動がすさまじいのか政治のイニィアティヴがなさすぎるのかは分かりませんが、一部の企業が国の発展の足を引っ張っている現状はとても残念に思います。

 結局現在のところ、あらかじめ探しに探せば1つの町に1つくらいは自前の無線LANを備えた軽飲食店などはあるようなので、それらを利用しています。ちなみに、先日私の故郷仙台を調べてみたところ、中心部に2軒だけそういった店がありました。近いうちに、消費者の側が目覚めて不便かつ独占的な企業系有料無線LANを駆逐し、自前の無線LANが当たり前のように普及してくれればなぁ、と願っています。