見もの・読みもの日記

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新顔多数/鎌倉の至宝(鎌倉国宝館)

2011-04-28 00:35:53 | 行ったもの(美術館・見仏)
鎌倉国宝館 特別展『鎌倉の至宝-国宝・重要文化財-』(2011年4月21日~5月29日)

 ゴールデンウィーク恒例の『鎌倉の至宝』展。だいたい、出るものは決まっているので、このところ少しサボっていた。今年は建長寺の仏画『白衣観音図』(元代)が修理後初公開だと聞いて、久しぶりに見に行った。

 そうしたら、彫刻のエリアも少し様子が違う。養命寺の薬師如来? 胸の厚い、穏やかな表情の坐像だが、こんなのあったかしら(調べたら、2010年の『薬師如来と十二神将』にも出品)。浄妙寺の釈迦如来もめずらしいかな。浄智寺の地蔵菩薩は定番。と、五島美術館所蔵の愛染明王坐像にびっくりする(見たことある…とは思ったが、五島美術館のロビーに常設されているって、本当だっけか?)。もとは鶴岡八幡宮に祀られていたものだそうだ。頭上には、半分に切ったような五鈷杵が突っ立ち、獅子の面が大きいので、顔が2つあるように見える。滑らかな頭髪は天に向かって逆巻き、三眼には豊かな感情が溢れる。迫力満点。

 建長寺の伽藍神も、最近はこっち(国宝館)にいることが多いのかなあ。ジャムパンみたいな冠をかぶり、いかにも大陸人らしい風貌をしている(少し毛沢東に似てないか?)。かつて寺内にあった「土地堂」に安置されていたという。「土地堂」というのが、いかにも中国だ。

 それから書画・工芸のセクションへ。『蘭渓道隆像』みたいに文句なくおなじみの作品もあれば、『頬焼阿弥陀縁起絵巻』はめずらしく上巻が見られて、面白かった。初めて見る『白衣観音図』には「鎌倉地方では、こうした像容(片足を垂らす、くつろいだ姿勢=遊戯坐/ゆげざ)の彫刻が流行した」という解説が付されていた。確かに、神奈川県の歴博にも1体あったな。と思ったら、横須賀・清雲寺の観音菩薩坐像(奈良博の『寧波』展以来!)と、横浜・慶珊寺の十一面観音菩薩坐像が来ていて、びっくりする。どちらも”遊戯坐つながり”で呼ばれたらしい。よく見たら、チラシに「特別公開」をうたってあったが、全然気づいていなかった。慶珊寺の十一面観音も、もとは鶴岡八幡宮にあったそうで、150年ぶりの里帰りだとか。

 箱根・阿弥陀寺の文殊菩薩立像(初公開/平成22年度新寄託品)は、童形なのに青年らしい肉体がちょっとなまめかしい。よくできたフィギュアみたいだ。工芸品も、堆朱や堆黒など、以前はあまり見なかった品が多くて面白かった。数年サボっている間に、ずいぶん変貌したなあと感慨無量。

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