見もの・読みもの日記

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練馬区立牧野記念庭園を初訪問

2024-03-28 21:43:08 | 行ったもの(美術館・見仏)

 今年度の有給休暇が余っていたので、3月最後の木金を休みにすることにした。今日は大横川のお花見クルーズでも楽しむか!と考えていたのだが、まだ桜が全く咲いていないので予定変更。気になっていた練馬区立牧野記念庭園を訪ねてきた。牧野富太郎博士の名前は、もちろん昔から知っていたが、強い関心を持ったきっかけは、昨年の朝ドラ『らんまん』である。

 牧野記念庭園は、牧野博士の邸宅跡地につくられたもの。想像していたより狭い印象だったが、少しずつ、たくさんの種類の植物が植えられている。草花だけではなくて、メタセコイヤやホオノキの大木もあって目を見張った。ウメやサクラも風情のある古木だった。ウメはもう花が終わっていて、サクラ「仙台屋」(高知市内にあった仙台屋という店から名づけられた)はまだ咲いていなかった。入口のオオカンヒザクラは、若葉の中に花が混じっていた。

 咲いている花を見ることができたのは、ボケとクリスマスローズとハナニラくらい。まあしかし、植物の見どころが花だけだと言ったら、牧野博士に不満顔をされるだろう。これはスエコザサに囲まれた牧野博士の胸像。

 展示室では、牧野博士の生涯を紹介する常設展と企画展『画工 水島南平 花を描く』(2024年2月3日~3月31日)が開催されていた。ドラマ『らんまん』に登場した植物レプリカやパネルの展示が3月25日で終わっていたのは残念。

 常設展では、牧野博士が18~20歳の頃にまとめた学問の心得『赭鞭一撻(しゃべんいったつ)』に感銘を受けた。15箇条どれもいいのだが、たとえば「書を家とせず友とすべし」には、本を読まなければならない、しかし本に書かれていることを全て信じて安住してはいけない、過去の学者の成果を批判し、誤りを正してこそ学問の未来に貢献できる、すなわち書物は自分と対等の立場にある友人と思いなさい、と書かれている。とてもよい。同時に「宜しく師を要すべし」という条もあって、書物だけで答えを得ることはできないので先生に聞くべきである、それも一人の先生ではいけない、という教えにも共感した。

 園内には書屋展示室(2023年4月オープン)があって、牧野博士の書斎「繇條書屋(ようじょうしょおく」と書庫の一部が「鞘堂」形式で保存されている。いや「書斎再現プロジェクト」の記事や動画を見ると、写真などに基づいて「復元」したというのが正しいかもしれない。本好きには夢のような空間。洋書も和本・漢籍もあり(なんとなくエリア分けはされている)、その隙間に植物採集道具のドーランや電気ストーブ(!)がおさまっている。

※練馬みどりの葉っぴい基金:【取材記事】牧野記念庭園の書斎の再現展示がついに完成しました!(2023/4/21)

※練馬区立牧野庭園:書斎再現プロジェクトVTR紹介(2023/11/9)

 コーヒー好きだったという博士にちなんで、キッチンカーでコーヒーの販売が行われていて、美味しかった。カップのホルダーには牧野博士の肖像のイラスト。裏側にはすえちゃん。

 ちなみにこの庭園&展示施設、完全無料なのである。練馬区、すばらしい! また季節が変わったら遊びに来たい。大泉学園って(東京人としては)むかしからよく知っている地名だが、駅に下りたのは人生初かもしれない。

 夕方、家に戻って、大横川の川岸をうろうろ。並木道のサクラは、目を凝らすと、ようやく1、2輪、咲き始めた程度。

 明日から2泊3日で関西のサクラを見に行ってくる。帰京する頃は、さすがに満開になっているかな。


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