見もの・読みもの日記

興味をひかれた図書、Webサイト、展覧会などを紹介。

2024年3月関西旅行:大覚寺~仁和寺~東寺ほか

2024-04-04 23:15:06 | 行ったもの(美術館・見仏)

旧嵯峨御所 大本山 大覚寺(右京区嵯峨大沢町)

 新年度が始まったら、連日多忙で記事が書けていないのだが、これは先週末の関西旅行2日目の記録。京都駅から市バス28系統に乗って、大覚寺に向かった。あまり乗ったことのない路線で、四条通りをひたすら西へ進み、松尾大社前で北上して嵐電嵐山駅前を通り、大覚寺まで約1時間。車窓の観光が楽しかった。大覚寺を訪ねるのは久しぶりで、ブログ内検索をかけた結果では、2009年以来らしい。そんなに来ていなかったかな?

 お堂エリア・大沢池エリア・霊宝館に、それぞれ料金設定がされていたので、お堂と霊宝館をお願いした。霊宝館では春季名宝展『源氏物語と嵯峨野古典文学めぐり~王朝・雅人の世界』(2024年3月22日~4月22日)を開催中。「源氏物語」や「大鏡」などの江戸写本が展示されており、「花鳥余情」(源氏物語の注釈書)の写本が珍しかった。仏像は、平安・鎌倉~江戸の密教仏が大小多数あって楽しかったが、特に1躯ずつ厨子に入った、古風でおとなしめの五大明王像(平安時代)が興味深かった。霊宝館の出口に置かれていたチラシによれば、2025年新春に東博で特別展『旧嵯峨御所 大覚寺』が開催されるらしい。障壁画が中心となるようだが、ぜひ仏像の名宝も東京に来ていただきたい。

真言宗 御室派総本山 仁和寺(右京区御室大内)

 市バスと嵐電を乗り継いで仁和寺へ。ここは御所庭園・霊宝館・花まつり入山料という設定で、はじめ、霊宝館だけでいいかと思ったが、五重塔や金堂に参拝するには「花まつり入山料」を払わなければいけないと分かって、それもお願いした。窓口では「まだサクラは咲いてません。ミツバツツジが咲いてますけど」という念押しの説明があって、拝観券を売るのも大変だなあと笑ってしまった。中門を入ると、確かに御室桜は影もかたちもなかったが、緑が濃くて気持ちよかったので満足である。

 霊宝館では春季名宝展『仁和寺の動物大集合』(2024年3月23日〜5月6日)を開催中で、南北朝時代の『普賢延命菩薩像』を見ることができた。普賢菩薩の蓮華座が4頭の白象の頭に載っており、さらに4頭の白象が載った法輪(?)を無数の小さな白象が支えている。『孔雀明王像』は残念ながら江戸の模本だった。仏像で珍しかったのは『童子経本尊坐像』(江戸時代)で、甲冑姿の乾闥婆王と見られる。厨子の扉に童子に害をなす蛇や動物(本体は鬼神)が鏝絵のように貼り付けられていた。

相国寺承天閣美術館 企画展『頂相 祖師たちの絵姿』(2024年3月17日〜5月12日)

 法脈を今に伝える頂相(師の絵姿)を数多く公開。第1展示室に展示の『列祖像三十幅』は、承応4年(1655)の内裏造営の際に障壁画を担当した狩野派の絵師が、相国寺を絵所とした縁で制作を依頼したもの。初祖・達磨図は探幽筆。二租・慧可図は安信筆。この慧可さんは癖の強い顔立ちでかなり好き。

細見美術館 『空間を彩る屏風-広がる大画面(ワイドスクリーン)』(2024年2月20日~4月14日)

 空間を彩ってきた屛風を紹介する。名所図屏風、洛中洛外図屏風は細部が楽しくて、隅々まで舐めるように眺めてしまう。東大寺や猿沢池(?)を描いた『奈良名所図屏風』なんてのもあるのだな。個人蔵の『柳橋水車図屛風』も名品。

東寺(教王護国寺)宝物館 2024年春期特別公開『南北朝時代の東寺-争乱と東寺興隆-』(2024年3月20日~5月25日)

 南北朝時代の建物修理、荘園の寄進、法会や祈祷、僧侶の組織などを紹介。文書の展示が主で地味だが、歴史好きには楽しい。綸旨、奉書、下知状、御教書など、さまざまな形式の文書を見ることができる。なお、夜叉神像2躯が2階ホールで展示されていた。ここが当面の安住の地になるのかな。

 この日の市内観光は、バス1日券をフル活用させてもらった。バス1日券は、昨年9月末で発売を停止し、この3月末日で利用も終了になった。思えば、高校の修学旅行の頃から、ICカードが登場するずっと前からお世話になってきた1日券だが、これが最後である。ありがとうございました。


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