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見もの・読みもの日記

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始皇帝と彩色兵馬俑展/江戸東京博物館

2006-08-15 00:20:27 | 行ったもの(美術館・見仏)
○江戸東京博物館 特別展『驚異の地下帝国 始皇帝と彩色兵馬俑展-司馬遷「史記」の世界』

http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/

 以前にも書いたが、私が初めて西安の始皇帝陵に行って、兵馬俑なるものを見たのは1981年。今では考えられないだろうが、ほとんど予備知識もなく、あの現場を見てしまったのである。あれから20余年、兵馬俑を知らない日本人はいなくなり、同時に、ただの「兵馬俑展」では驚かなくなってしまった。

 というわけで、今回の目玉は、1999年に発掘された「彩色兵馬俑」である。1体だけではあるが、一見の価値がある。非常に状態がいいので(復元の結果じゃないよね~)髪の編み上げ方や、靴底の滑り止め模様などにも注目してほしい。この彩色俑の発見によって、始皇帝陵が、極彩色の地下宮殿であった可能性が出てきた。

 本展では、彩色兵馬俑の立ち並ぶ兵馬俑1号坑を、CGで体験することができる。あくまで「可能性」の映像ではあるけれど、よく出来ていて、興味深い。この1号坑で発掘された将軍俑は、袖をまくり上げ、逞しい腕をのぞかせている。これもちょっと気になる。中国人って、身分の高い人士は肌を見せないはずなんだが、と思って首をひねった。

 始皇帝陵の出土品では、銅製の鶴や水鳥も数体、展示されていた。2004年、東博の『中国国宝展』の際も、「見ものは鶴!」と、私の周囲では衆目の一致した名品である。

 それから、ほかの陵墓で発掘された小型の彩色俑が数種。これは、本場・中国でも、たくさん見ているので驚かない。驚いたのは、40~50センチほどの男女(および宦官)の「裸体俑」が大量に出土していることである。徹底して裸体を忌避する中国文化で、なぜ? もちろん、土中では布製の着物を着せてあったそうだ。発掘現場は西安郊外の漢陽陵である。さらに、写真パネルを見ると、大量の動物俑も発見されているようで興味深い。(何百匹もの、整然と隊列を組んだ犬は食料なのか?)

 順序が逆になったが、本展の冒頭には、『史記』の平安時代の写本断簡と、慶長年間の古活字本(箪笥つき、三井家伝来)が展示されている。どこのものかと思ったら、慶応大学斯道文庫の蔵品だった。さすが!

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