最近行った展覧会。できるだけレポートを書こうと思っているが、追いつけそうにないので、ひとことメモ。
■五島美術館 『秋の優品展-宗教と美術-』(2015年9月5日~10月18日)
絵画は、何度見ても好きな『沙門地獄草紙断簡』、室町時代の『山水屏風』など。『観普賢経冊子』は大きな炭桶(囲炉裏みたい)のまわりで女房たちがくつろぐ図。寒いのかなあ。だらけた雰囲気が好きだ。書跡は後鳥羽院の『熊野懐紙』など。益田鈍翁旧蔵の古写経手鑑『染紙帖』が見事だった。第2室は桃山陶磁が中心。自然光が入る明るさなので、暗い展示室で見たときとは少し印象が変わって面白い。
■太田記念浮世絵美術館 錦絵誕生250年記念『線と色の超絶技巧』(2015年8月1日~9月27日)
17世紀末、版本の挿絵から独立した浮世絵は「墨摺」だった。すぐに「丹絵」→「紅絵」→「紅摺絵」と進化し、明和2年(1765)「錦絵」と呼ばれる多色摺木版画の技術が確立する。精密に色を重ねる「摺り」の技術もすごいが、髪の毛や蚊帳の網目を表現する「彫り」の技術も呆れるほどすごい。見る位置によって色が変わったり、模様が浮き出たりするテクニックも不思議。彫り師は、手元に影をつくらないよう、電球の光をフラスコにあてて用いるというのは初めて知った。
■渋谷区立松濤美術館 『スサノヲの到来-いのち、いかり、いのり』(2015年8月8日~9月21日)
第1室は古美術と考古資料が中心。出口王仁三郎、平田篤胤の資料も豊富に出ていた。第2室は「スサノヲ」や神話に触発された近現代美術。古西律の立体作品(なんと呼べばいいのだろう)『月弓(ツクユミ)』が気に入った。佐々木誠の『八拳須(やつかひげ)』はスサノオの頭部を木彫で表現したもの。私は現代美術は苦手なのだが、こういう鑑賞の手がかり(神話モチーフのような)があると受け入れやすい。牧島如鳩の『龍ケ澤大弁才天像』は懐かしかった。
以下は、今日見てきたものも含み、個別レポートを書く予定。
・島根県立石見美術館 10周年記念企画展『祈りの仏像-石見の地より-』(2015年9月19日~11月16日)
・根津美術館 創立75周年記念特別展『根津青山の至宝 初代根津嘉一郎コレクションの軌跡』(2015年9月19日~11月3日)
・千葉市美術館 開館20周年記念『唐画もん-武禅にろう苑、若冲も』(2015年9月8日~10月18日)
■五島美術館 『秋の優品展-宗教と美術-』(2015年9月5日~10月18日)
絵画は、何度見ても好きな『沙門地獄草紙断簡』、室町時代の『山水屏風』など。『観普賢経冊子』は大きな炭桶(囲炉裏みたい)のまわりで女房たちがくつろぐ図。寒いのかなあ。だらけた雰囲気が好きだ。書跡は後鳥羽院の『熊野懐紙』など。益田鈍翁旧蔵の古写経手鑑『染紙帖』が見事だった。第2室は桃山陶磁が中心。自然光が入る明るさなので、暗い展示室で見たときとは少し印象が変わって面白い。
■太田記念浮世絵美術館 錦絵誕生250年記念『線と色の超絶技巧』(2015年8月1日~9月27日)
17世紀末、版本の挿絵から独立した浮世絵は「墨摺」だった。すぐに「丹絵」→「紅絵」→「紅摺絵」と進化し、明和2年(1765)「錦絵」と呼ばれる多色摺木版画の技術が確立する。精密に色を重ねる「摺り」の技術もすごいが、髪の毛や蚊帳の網目を表現する「彫り」の技術も呆れるほどすごい。見る位置によって色が変わったり、模様が浮き出たりするテクニックも不思議。彫り師は、手元に影をつくらないよう、電球の光をフラスコにあてて用いるというのは初めて知った。
■渋谷区立松濤美術館 『スサノヲの到来-いのち、いかり、いのり』(2015年8月8日~9月21日)
第1室は古美術と考古資料が中心。出口王仁三郎、平田篤胤の資料も豊富に出ていた。第2室は「スサノヲ」や神話に触発された近現代美術。古西律の立体作品(なんと呼べばいいのだろう)『月弓(ツクユミ)』が気に入った。佐々木誠の『八拳須(やつかひげ)』はスサノオの頭部を木彫で表現したもの。私は現代美術は苦手なのだが、こういう鑑賞の手がかり(神話モチーフのような)があると受け入れやすい。牧島如鳩の『龍ケ澤大弁才天像』は懐かしかった。
以下は、今日見てきたものも含み、個別レポートを書く予定。
・島根県立石見美術館 10周年記念企画展『祈りの仏像-石見の地より-』(2015年9月19日~11月16日)
・根津美術館 創立75周年記念特別展『根津青山の至宝 初代根津嘉一郎コレクションの軌跡』(2015年9月19日~11月3日)
・千葉市美術館 開館20周年記念『唐画もん-武禅にろう苑、若冲も』(2015年9月8日~10月18日)