東京オリンピックの余波で生まれた四連休。高野山・大阪・奈良・京都の展覧会・文化財巡りをしてきた。ちょうど祇園祭の後祭(あとまつり)に重なっていたが、昨年に続き、今年も巡行は中止とのこと。ただ、一部の保存会は「山鉾建て」をすると聞いたので、宵山にあたる23日、様子を見に行ってみた。
堀川三条のホテルに泊まったので、まず三条通りをふらふら歩いていくと、にぎやかなお囃子が聞こえてくる。鷹山保存会のみなさん。
鷹山って知らないなと思ったら、保存会が結成されたのが2015年で、約200年ぶりの復帰を目指して準備中なのだそうだ(京都新聞記事 2021/5/27)。応援の気持ちも込めて、可愛いおみくじを購入。末吉だった。
しばらくお囃子を聞いていたが、2時間くらいぶっ通しで演奏するみたいだったので、次へ移動。山鉾連合会のホームページに掲載されていた「山鉾建て位置予想図」を見ながら歩く。役行者山は、路上に大きな山(山車)が組み立てられて、駒形提灯にも灯が入り、すっかりいつもの祇園祭の雰囲気。
役行者山の会所は近代的なビルの一角で、細い通路の壁が懸装品などの展示ケースになっている。今年新築されたものだそうだ。奥まった中庭にご神体の安置場所がある。役行者(神変大菩薩)は一言主神と葛城神を従えている。
黒主山は、山は建てていなかったが、会所は開いていて、ちまきや記念品の授与はしており、ご神体の黒主さんも拝むことができた。
逆に鯉山は、山は建てていたが、会所は閉まっていて、トロイア戦争モチーフのタペストリーなど有名な文化財の公開は中止していた。鈴鹿山、浄妙山、橋弁慶山など、山も建てず、会所もひっそりして人影がないところもあった。
新町通には、北から、八幡山、北観音山、南観音山、大船鉾が並ぶ。ほどほどの人出(大津祭りくらい?)で、交通整理の声もうるさくなく(ハンドマイクは使わず)、お囃子がよく響くのが嬉しい。北観音山のお囃子はテンポが速くて、南観音山のほうがゆっくり、掛け声もはんなり、など、聞き比べを楽しんだ。
今年は見ることができないと思っていた屏風祭りも!
祇園祭の宵山は、10年くらい前(前祭・後祭が分かれる前)にも来たことがあるのだが、とにかく猛暑と人混みにウンザリして、もう一度来ようという意欲を失っていた。今回のように露店もなく、コンパクトな宵山のほうが、京都らしい情趣が感じられていいと思う。「厄除けのちまきどうですか」の子供の売り声がないのは、ちょっと寂しいが。
蛇足:休み山の布袋山保存会。自分のブログを検索していたら、2008年にマンションの一角に飾られた布袋山の提灯の写真を見つけた。ずいぶん風景が違うと思ったら、その後、ご神体の所有権をめぐってトラブルになっているらしい。まあいろいろあるものだ。