見もの・読みもの日記

興味をひかれた図書、Webサイト、展覧会などを紹介。

とんでもない本、とんでもないサイト/千夜千冊

2006-05-02 11:56:07 | 見たもの(Webサイト・TV)
○Webサイト『松岡正剛の千夜千冊』

http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya.html

 いつの頃からか、Googleで書名を検索すると、このサイトに当たるようになった。最近(←たぶん)、求龍堂のサイトに上がった『特別対談』によれば、松岡正剛さんが、このサイトを始めたのは2000年2月のことだという。まだ「読書ブログ」という言葉もない頃だ。全く「あれよあれよという間に4年間が経ち」千冊に達したところで終わってしまうのかなあ、と思っていたら、まだ続いている。前出の対談には「2006年1月25日の62歳のお誕生日を機に『終わる』という宣言をいただくことができ」とあるけれど、今日2006年5月2日にも、第千百三十七夜の更新が成されている。

 一夜一冊をメインテーマに据えつつも、毎夜、話題は、関連本に縦横に飛ぶ。リンクをたどっていくと、入口では予想もしていなかった本に出会うこともある。これは、他のメディアでは味わうことのできない、Web書評の醍醐味だと思う。

 私は、インターネットの功罪や可能性を、きちんと論じるほどの知識はない。だが、少なくとも「書評」に関していえば、Webというメディアが我々にもたらした恩恵は、計り知れないと思う。ただし、理想のメディアも、それにふさわしい内容を盛り込む書き手がいなければ、絵に描いた餅だ。その点で、この松岡正剛さんの活動は、どんなに賞賛しても褒め過ぎではないだろう。(もしも、丸谷才一さんや谷沢永一さんも、Webで書評を書いていらしたら!)

 ようやく本題だが、この読書ブログ『千夜千冊』を、全7巻+解説索引年表巻に編集して、出版する計画が進んでいるのだそうだ。うーむ、気安く個人で買える値段ではないが、実物が見たい。このところ、Webサイトをもとにした書籍というのがブームになっているが、本書は、いわば出版文化を母胎として生まれたWebサイトが、再び「紙と活字」に転生するという、フクザツな試みである。ぜひ両者を見比べてみたい。図書館にリクエストしてみてもいいかもしれない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする