「スペイン風邪」(およそ100年前)以来、100年に一度の世界的災厄ともいわれている今回の「コロナ禍」だが、誰もが忌み嫌うにもかかわらずそれでもやはり「明」と「暗」があるようだ。
まず「暗」からいくと、
我が家が属する小規模のコミュニティはおよそ150戸ぐらいの構成で、宅地開発されてから40年以上が経ち、もはや大半がお年寄りばかりだが、このところ都会でにっちもさっちもいかなくなった子息たち、それもいい年をした大人たちが老父母のところに「里帰り」といえば聞こえはいいが、実質的には避難する例が目立ってきている。
たとえば、関西でずっと英語塾の講師をしてきた女性が塾が閉鎖されたため職を失い帰ってきた事例、さらには関東地方で運営していた設計事務所が破産し、借金整理のため離婚して90歳にもなる独り暮らしの老母のところに「尾羽打ち枯らして」転がり込んだ事例など。
それも我が家と多少のお付き合いのある一部の家だけでこんな有様だから、ほかにも多くの事例があるに違いない。そのほかにも介護施設や病院に入った老親に面会できないなど枚挙にいとまがない。
今回の「コロナ禍」は小さな組織や個人を直撃し、まるで「弱いものいじめ」をしているかのようだ。それに被害者たちがいずれも人生の挽回が簡単に利かない年齢に達しているのも特徴で、家内ともども「ついてないよねえ、お気の毒!」と嘆息するしかない。
その一方では「明」もある。コロナ禍で「明」もへちまもあるか、不謹慎だと怒られそうだがそれがあるんですよねえ。
✰ 社会システム変革の契機となる
去る25日(日)の「NHKスペシャル」では「コロナ禍」に伴う大企業やIT企業の取り組みが紹介されていたが、「テレワーク」の推進を柱に、新たな仕事の仕組みが模索されていた。
たとえば東京在住のオーディオ仲間で単身赴任中の「S」さんは、会社の「単身赴任制度廃止」により、来年4月から故郷へ戻られることが確定しておりたいへん喜んでおられた。
さらには、「IT」で景気のいい会社が本社を「淡路島」へ移転したりするなど、東京一極集中を回避する動きも見られ、これは日本列島構造改革の一つの要因となりそうだ。人口が集中した大都市の脆さが今回ほど際立ったことはないのでちょうどいい機会かもしれない。
それに、これは政府関係者が口が裂けても言えないことだが、社会的に用済みになった老人たちが早く亡くなると年金財政が楽になるのも紛れもない事実である。
そして、以下、個人的な話になるが、
✰ 坂道ウォーキングの効用
コロナ禍のせいにより行きつけの運動ジムが3月5日に閉鎖されたので、やむなく自宅周辺の山道ウォーキングに切り替えてから半年余が経った。
およそ50分の行程で前半が30分の下り道、後半の20分が息も絶え絶えになるほどの急峻な上り坂である。最初の2か月ほどは休み休みしながら老骨に鞭打って登っていたのだがそのうちあまり息がハーハーいわないで登れるようになったのには驚いた。
しかも、日頃高い「血糖値」がビックリするほど下がったのにはうれしい悲鳴。これには知る人ぞ知る「HBA1C」というはっきりした「物差し」があるのだがいきなりガクンと「2.5」も下がったのである。
あれほど苦労して解決策を模索していたのが、意外にも解答は身近なところに潜んでいたことになる。これを「灯台下暗し」というのかな(笑)。
とにかく、これは「コロナ禍」の恩恵に浴した事例ともいえるし、この禍が過ぎ去ってもこの健康法は続けていくつもり。
ウォーキングコースの途中で、ちゃんと待ち構えていてすり寄ってくる野良猫の餌やりも楽しみだし~(笑)。
✰ がら空きの図書館
人口が少ない大分県は幸いにもコロナ患者がほとんど出ていないとはいえ、警戒心は根強い。図書館もその例に漏れず、いまだに厳戒態勢で「マスク着用」が原則だし、消毒液が館内至るところにおいてある。
したがって、訪れる人も極端に少なくまるで貸し切り状態だ。
いつも日参している「学習室」も平日はこのような状態で快適そのもの。隣り合わせの席をわざわざ一つづつ空けているのにこの有り様だ。
こういう貸し切り状態で問題集を解いたり読書に耽るとメチャはかどりまっせ~(笑)。
さらに、いつも混んでいて嫌になる駐車場もゆったり駐車。
バックが苦手だしスペースが狭くて隣のクルマと接触しないかいつもヒヤヒヤだったのがまるで物忘れしたかのようだ。
「コロナ禍」といっても、いいこともあるもんですよ~(笑)。