「本の整理」とやらで3週間ほど休館中だった「県立図書館」が、2月8日(水)にようやく開館したので、さっそく出かけてみた。
その目的は「星のあひびき」(「丸谷才一」著)を探すため。
というのも、このほど6回にわたって「モーツァルトが変えた人生」を連載させていただいたUさん(スコットランド)からの最初のメールをご記憶だろうか。
再掲すると(要約)、
「はじめまして、Uと申します。1949年生まれ、通称ウマと呼ばれている者です。大阪からスコットランドの田舎に移住して20年になる音楽ファンです。
さて、丸谷才一さんの旧仮名使いの文章に惹かれていますが、集英社文庫「星のあひびき」丸谷才一著の21ページ冒頭に、とてもとても嬉しいモーツァルトに関する記述があります。ぜひご覧ください。きっと、ニコニコされると思いますよ。」
というわけで、入館するとさっそく図書館に据え付けのタブレットで検索したところ「星のあひびき」では、ヒットしなかったが、新かなづかいで「星のあいびき」で打ち込むと見事にヒット。
さっそく借りてきて読みふけった。
というわけで、入館するとさっそく図書館に据え付けのタブレットで検索したところ「星のあひびき」では、ヒットしなかったが、新かなづかいで「星のあいびき」で打ち込むと見事にヒット。
さっそく借りてきて読みふけった。
丸谷才一さん(故人)って、かなり硬派の小説家兼エッセイストですね。
こういう作家をさりげなく読まれる「U」さんって実は硬派そのもので、わざとあの大阪弁に溢れたくだけた文章にしつらえてあるのではと思わず類推したほどだが、ほんとうはどうかな~(笑)。
さて、本題に移ろう。
「思わずニコニコするモーツァルトに関する記述」っていったい何?
以下、こういうことのようですよ。
本書によると「20世紀は戦争と革命の歴史」だったという。そして実に1億8千7百万人もの多くの人たちが殺された。
20世紀にどうしてこんなにむごたらしいことが起こったか、それは第一に科学技術の発達によるもので、飛行機の出現、原子爆弾、大量の砲弾・・。
ところが、こういう血まなぐさい20世紀でもほんの少し功績があった。
ピーター・ゲイという歴史学者がこういうことを言っている。
「暗澹たる20世紀が誇りうるほんの僅かの事柄の一つが、モーツァルトの音楽をそれにふさわしい栄光の位置に押し上げたということである」
なぜかといえば、19世紀は倫理的な風潮のもとで、ベートーヴェンが圧倒的に尊敬され、崇拝されていた時代で、モーツァルトのような天真爛漫というのか、ありのままをさらけ出すような人間には非常に不利だった。
それが20世紀に移ると19世紀の反動が生じて、文学でも絵画でも、そして音楽でもモーツァルトを筆頭に大いに見直された。
20世紀が醜悪であり凶悪であり悲惨であったせいで、モーツァルトの再評価がいよいよ輝かしく見えるという皮肉な話になっている。
かいつまむと、以上のような内容だった。
歴史を俯瞰しないと見えてこない視点ですね。興味のある方は原典を読まれることをお薦めします。
で、たしかにモーツァルトの音楽をオペラに例をとると「露悪趣味」的なところがありますね。
あの「フィガロの結婚」は、領主の召使いに対する「初夜権」を諷刺したものだし、「ドン・ジョバンニ」に至っては、好色な貴族が見境なく片っ端から女性に言い寄っていくストーリーだ。
モーツァルトも女性が大好きだったので(~誰でもそうだが~笑)、まるで自分が主人公に成り変わったかのように打ち込んで迫真の音楽を創り上げた。
あの道徳家「ベートーヴェン」が、このオペラに対して「怒髪天を突く」ように怒ったというエピソードが残されている。
今でこそ、人間性の開放によって表現の自由が当たり前のように行き渡っているが、当時の時代の制約があったにもかかわらず、人間のありのままの本能を見事に芸術にまで昇華させたモーツァルトの才能ってやっぱり素晴らしいです! これはもう唯一無二の天才ですね~。
読者の皆様、もっとモーツァルトの音楽に親しみましょう。
食わず嫌いが一番良くないです。
とりあえず「ピアノ協奏曲21番、27番」、そして「フルートとハープのための協奏曲」のそれぞれ第二楽章を「You Tube」でいかがですか~。
この内容に共感された方は励ましのクリックを →
こういう作家をさりげなく読まれる「U」さんって実は硬派そのもので、わざとあの大阪弁に溢れたくだけた文章にしつらえてあるのではと思わず類推したほどだが、ほんとうはどうかな~(笑)。
さて、本題に移ろう。
「思わずニコニコするモーツァルトに関する記述」っていったい何?
以下、こういうことのようですよ。
本書によると「20世紀は戦争と革命の歴史」だったという。そして実に1億8千7百万人もの多くの人たちが殺された。
20世紀にどうしてこんなにむごたらしいことが起こったか、それは第一に科学技術の発達によるもので、飛行機の出現、原子爆弾、大量の砲弾・・。
ところが、こういう血まなぐさい20世紀でもほんの少し功績があった。
ピーター・ゲイという歴史学者がこういうことを言っている。
「暗澹たる20世紀が誇りうるほんの僅かの事柄の一つが、モーツァルトの音楽をそれにふさわしい栄光の位置に押し上げたということである」
なぜかといえば、19世紀は倫理的な風潮のもとで、ベートーヴェンが圧倒的に尊敬され、崇拝されていた時代で、モーツァルトのような天真爛漫というのか、ありのままをさらけ出すような人間には非常に不利だった。
それが20世紀に移ると19世紀の反動が生じて、文学でも絵画でも、そして音楽でもモーツァルトを筆頭に大いに見直された。
20世紀が醜悪であり凶悪であり悲惨であったせいで、モーツァルトの再評価がいよいよ輝かしく見えるという皮肉な話になっている。
かいつまむと、以上のような内容だった。
歴史を俯瞰しないと見えてこない視点ですね。興味のある方は原典を読まれることをお薦めします。
で、たしかにモーツァルトの音楽をオペラに例をとると「露悪趣味」的なところがありますね。
あの「フィガロの結婚」は、領主の召使いに対する「初夜権」を諷刺したものだし、「ドン・ジョバンニ」に至っては、好色な貴族が見境なく片っ端から女性に言い寄っていくストーリーだ。
モーツァルトも女性が大好きだったので(~誰でもそうだが~笑)、まるで自分が主人公に成り変わったかのように打ち込んで迫真の音楽を創り上げた。
あの道徳家「ベートーヴェン」が、このオペラに対して「怒髪天を突く」ように怒ったというエピソードが残されている。
今でこそ、人間性の開放によって表現の自由が当たり前のように行き渡っているが、当時の時代の制約があったにもかかわらず、人間のありのままの本能を見事に芸術にまで昇華させたモーツァルトの才能ってやっぱり素晴らしいです! これはもう唯一無二の天才ですね~。
読者の皆様、もっとモーツァルトの音楽に親しみましょう。
食わず嫌いが一番良くないです。
とりあえず「ピアノ協奏曲21番、27番」、そして「フルートとハープのための協奏曲」のそれぞれ第二楽章を「You Tube」でいかがですか~。
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